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(売切れになっていてもすぐ入荷いたします)
季刊ココア共和国 vol.21
秋亜綺羅(著), 佐々木貴子(著), 中山俊一(著), 橋本シオン(著), 藤川みちる, 柏木美奈子(編集,イラスト,装丁) 2017年8月1日発行 価格:¥540
◆商品の説明 ♪内容紹介 詩人・秋亜綺羅による個人季刊誌第21号。 *
今号は4名のゲストをお招きしました。
佐々木貴子には、小詩集をお願いしました。わたしは昨年1年間、月刊「詩と思想」の投稿欄選者をしていて、そこで佐々木を知ることになりました。
佐々木貴子は詩のひとつひとつに、独自の世界を作り込んでいきます。これらは現実ではないようで、実は、日常よりもほんとうの現実、劇的なる現実なのかもしれません。
スケールが大きく、レトリックというより、ロジックが重層にあり、巧みですよね。それなのに計算づくというわけでもなく、佐々木の揺れるこころが、世界を揺るがしています。
こんな才能を、今までどうして知る機会がなかったのだろう。とにかく読んでほしい。どんなもんだ! といった感じです。
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中山俊一には歌集を送ってもらい、ひとめぼれしたのでした。たっぷり短歌を書いてもらいました。この実験的な志向とひらめきは、愉快です。中山は映画人としても大活躍で、若い才能はどこに飛翔していくのか、期待するばかりです。
今回、中山の映像と歌をコラボさせたいと提案したのですが、〆切の関係もあり、それは次の機会をお楽しみに!
最新鋭の若い歌人たちは、短歌の世界を書きかえようという勢いです。中山俊一はその先端で、現代短歌を進化させ続けてくれるでしょう。現在の詩の状況を考えれば、ちょっとうらやましい。
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橋本シオンは特別出演! というのは、まだ内緒ですが、橋本シオン詩集を準備中なのです。あきは書館から、です。予告篇というわけじゃないけれど、その中から1篇、もらったのでした。
あいかわらずの、いささかふてくされた呼吸が魅力ですね。スピードも、フットワークもある。
橋本シオンといえば散文詩、と思っている読者も多いかも。内緒だけれど(内緒が2度も?)新詩集では、長編書下ろしの行わけ詩を制作中だよん。
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藤川みちるは女優、劇作家、演出家、ついでに詩人。昨年度の「詩と思想」投稿欄最優秀になっています。
藤川みちるの演劇では、小道具のナイフなども、本物を用います。舞台上で思わず? ほんものの血を流すことがありますが、観客のほとんどは血のりだと思っています。
藤川の詩のことばも、読者には気づかれないところで、凶器として磨かれている可能性があります。
*
秋亜綺羅は、短い詩を1篇。
それから、週刊「ビル新聞」(ビル新聞社) という業界紙に、春まで連載させてもらったエッセイを再掲載。「ビル」 とは関係なく、なんでも書いてくださいということで、まぁ書きたい放題ですな。季刊「ココア共和国」への併載の許可を得ています。
◆著者について
♪佐々木貴子=詩人、学校教育学博士。 1970年生。 山梨県在住。 詩とファンタジー賞詩部門大賞、 「詩と思想」 現代詩の新鋭。
♪中山俊一=歌人。 1992年生。東京都在住。
歌集に 『水銀飛行』 (書肆侃侃房)。
映画監督としてUFPFF国際平和映像祭入選。
脚本家として水戸短編映画祭グランプリなど。
♪橋本シオン=詩人、小説家。 1989年生。 東京都在住。
詩集に 『ep.』 (Kindle)。
ツイッター @inu_crab などで発信。
白鳥省吾賞。 202号室賞。 「詩と思想」 現代詩の新鋭』。
劇団みちるcafé主宰。
YS賞、「詩と思想」 読者投稿欄最優秀。
♪秋亜綺羅=詩人。 1951年生。 仙台市在住。
詩集に 『海!ひっくり返れ!おきあがりこぼし!』 (戦前派出版)、
『透明海岸から鳥の島まで』 (思潮社)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』 (思潮社)。
丸山豊記念現代詩賞。
≪目次≫
■短歌
中山俊一 「祈りと呪い」
■詩
橋本シオン 「わたしの国家」
藤川みちる 「きみをさす」 秋亜綺羅 「黄色いバス」
■小詩集
佐々木貴子 「学校の人」
■エッセイ
秋亜綺羅 「1200字のひとりごと」
装丁=柏木美奈子 ●●● 詩の絵本 「ひらめきと、ときめきと。」 ●●●
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2017年1月11日(水)
おはようございます。 秋亜綺羅です。 ことし最初のブログ更新です。
13日(金)は、ケネディ米国大使公邸での 「英語版百人一首」 のかるた会、翌14日(土) は、日本現代詩人会主催の早稲田奉仕園でのゼミナールがあるので、東京2泊です。
21日(土) は14時より、北上市の日本現代詩歌文学館で 「日中交流シンポジウム──困難からうまれる詩」 が開かれます。 中国からは桑克、周瓉、冷霜、鄭小瓊の4名の詩人。 日本からは菊池唯子、東野正、文屋順、和合亮一、秋亜綺羅が参加します。 司会はなんと、田原。 国際交流基金主催。
お近くで時間のある方、ぜひお出かけください。 日本現代詩歌文学館には、日本全国の詩歌集、同人誌までが収蔵されています。 すこし早めにおいでいただき、書架をご覧いただくと、楽しい一日になると思いますよ。 お待ちしています。
2017年1月16日(月)
おはようございます。 秋亜綺羅です。
21日(土)の詩歌文学館のシンポジウムですが、
司会が変更になりました。
上のチラシを新しいものと取り換えました。
寒いけれど、ぜひお出かけください。
お待ちしています。
●●● 詩の絵本 「ひらめきと、ときめきと。」 ●●●
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(売切れになっていてもすぐ入荷いたします)
季刊ココア共和国 vol.20
秋亜綺羅(著), いがらしみきお(著), 佐々木英明(著), 佐藤龍一(著), 宇佐美孝二(著), 藤本玲未(著), 柏木美奈子(編集,イラスト,装丁) 2016年10月1日発行 価格:¥540
◆商品の説明 ♪内容紹介 詩人・秋亜綺羅による個人季刊誌第20号。 *
今号は5名のゲストをお招きしました。
いがらしみきおに、久々に詩を書いてもらいました。日本を代表する漫画家です。アニメ「ぼのぼの」は毎週土曜夕方フジテレビで放映中ですよ。3世代みんなで楽しめます。
今号の詩は、すこし真面目に「脳」を考えています。あれ?「脳」が考えています? 脳が脳を考えるとき、ひとは孤独なのかもしれないね?
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佐藤龍一はライブを中心に活躍している、シンガーソングライターです。作曲家・ギタリストとして、歌人の福島泰樹や、吉原幸子、谷川俊太郎など多くの詩人たちとコラボレートしています。わたしとの出会いは40年ほど以前。わたしが企画する朗読会の、音楽担当をしてくれました。数年前にツイッターで、再会?したのでした。70年代のシンガーソングライターたちを現代詩人として迎えなかったのは、文学の失敗だったと、わたしは思っています。
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佐々木英明も久しぶりに登場してもらいました。天井桟敷の俳優で演出家。現在は寺山修司記念館の館長です。わたしと同じで、高校生のとき寺山修司に詩人として見い出されました。映画「書を捨てよ、町へ出よう」の主演で、どん帳が降りて映画館内に照明がついても、津軽なまりでしゃべり続けた、あの男です。
今回はスケールが大きい長編詩をもらうことができました。
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歌人の藤本玲未は、今号のゲストではとびぬけて若い。わたしが若かったころは、短歌や俳句はジジババがやるものだと思っていたけれど、いまやジジババは現代詩だけみたい。藤本玲未には、無理をいって、新作をこんなにも書かせてしまいました。読むというより、感じてください。ひらめきとときめきが、いっぱいです。
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宇佐美孝二は、わたしが学生時代から名まえをなぜか知っていて、完成度が高いロジックに、いつも感心していた記憶があるのです。名古屋のひとなので、日原正彦に紹介されたのだったかもしれません。
今回は小詩集として、編集させてもらいました。宇佐美孝二の詩には、計算されたレトリックがあるのだと思います。壮大なストーリーが現れてきます。
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秋亜綺羅は、週刊「ビル新聞」(ビル新聞社) という業界紙に連載させてもらっている、エッセイを再掲載。週刊で書くのって、なんだか楽しい。「ビル」とは関係なく、なんでも書いてくださいということで、ちょっと書きたい放題です。季刊「ココア共和国」への併載の許可を得ています。
それと、短い詩を一篇。
◆著者について
ど多数。
♪佐藤龍一=シンガーソングライター。 1952年生。 千葉県在住。
アルバム 『LOST & FOUND』 (SOUNDforte・2008) など。
♪佐々木英明=詩人、俳優。 1948年生。 青森県東津軽郡在住。
寺山修司の映画 『書を捨てよ、町へ出よう』 主演。
演劇実験室天井桟敷の俳優。
詩集 『愛について』 『心を閉ざす』 など。
♪藤本玲来=歌人。 1989年生。 東京都出身。
歌集に 『オーロラのお針子』 (書肆侃侃房・2014)。
♪宇佐美孝二=詩人。 1954年生。 名古屋市在住。
詩集に 『ぼくの太りかたなど』 (七月堂・1990)、 『浮かぶ箱』 (人間社・1997)、
『虫類戯画』 (思潮社・2005)、『森が棲む男』 (書肆山田・2015) など。
中日詩賞、詩と創造賞。
♪秋亜綺羅=詩人。 1951年生。 仙台市在住。
詩集に 『海!ひっくり返れ!おきあがりこぼし!』 (戦前派出版・1971)、
『透明海岸から鳥の島まで』 (思潮社・2012)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』 (思潮社・2014)。
丸山豊記念現代詩賞。
≪目次≫
■短歌
藤本玲未 「あとがきの舟」
■詩
いがらしみきお 「孤独な脳」
佐藤龍一 「銃弾・紋白蝶・海」 佐々木英明 「隠遁へのメタファ 最終章」
秋亜綺羅 「きみのこと」
■小詩集
宇佐美孝二 「ヴィンテージ・プリント」
■エッセイ
秋亜綺羅 「1200字のひとりごと」
装丁=柏木美奈子 ●●● 詩の絵本 「ひらめきと、ときめきと。」 ●●●
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(売切れになっていてもすぐ入荷いたします)
季刊ココア共和国 vol.19
秋亜綺羅(著), 中家菜津子(著), 打田峨者ん(著), 松尾真由美(著), 浦歌無子(著), 梁川梨里(著), 橋本シオン(著), 柏木美奈子(編集,イラスト) 2016年6月1日発行 価格:¥540
◆商品の説明 ♪内容紹介 詩人・秋亜綺羅による個人季刊誌第19号。 *
今号は6名のゲストをお招きしました。
中家菜津子は歌人で詩人。今回は、亡き友人へ捧げる挽歌として、詩に歌を添えています。挽歌ではあっても、鋭角なユーモアに、深刻な速度感がプラスされていて、中家菜津子の世界をじゅうぶん楽しめると思います。
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打田峨者んの俳句は、俳句といっていいのだろうか、と考えさせられるところがうれしい。文学だとか伝統とかいうことにすら、挑んでいく感じが、暴力的といえなくもない。だけど実は、打田こそ俳句の将来を本気で見すえているのかもしれないなと思い、原稿をお願いしたのでした。
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それでは詩人たちを紹介します。といっても、松尾真由美を知らないひとはいないと思うので、じっくり味わってください、というだけです。自分の世界を完成しているにもかかわらず、新しいロジックと戦っている作品は絶品でしょ。
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浦歌無子は、チョーおススメですよ。わたしの片思いだけれど、ね。ことし1月の日本現代詩人会主催の「現代詩ゼミナール」で朗読していたのが、わたしにとっての最初。スピードあふれるレトリックが、シャワーみたいに観客に降りかかっていたのね。最果タヒなんかもそうだけど、逆説が逆説を逆説する、みたいなことばたちが、若い詩人から浴びせられるのは心地いい。
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梁川梨里とは、ネットが、出会いだったかな? 自分の詩の世界をきちんと持っていて、完成度も高い。暗喩も使うひとだ。わたしは比喩はあまり好きじゃないけど、ね。今回は、壊れていいから、思いっきり実験をしてみて。と、頼みました。
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小詩集は、橋本シオン。今春、伊藤浩子に見いだされ、月刊「詩と思想」(土曜美術社出版販売) の「現代詩の新鋭」に選ばれています。囁いているようで、叫んでいるようで、泣いているようで、知らんぷりをしているようで、不思議なことばたちです。きっと、饒舌だと批判する〝既成〟の詩人たちもいそうだね。ふつう嫌われるだろうことばをも、果敢に使う橋本シオン。
橋本シオンといえば、散文詩の形しか読んでいない読者のために、行わけ詩をイントロに準備しましたよ。読みはじめれば読者の脳は、自分の日常を離れ、シオンの物語を体験するしかなくなりますぜ。さあ。
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秋亜綺羅は4月から1年間、なぜか週刊「ビル新聞」(ビル新聞社) という業界紙に、エッセイを連載させてもらっています。3枚ばかりですが、週刊で書くのは初めての体験です。「ビル」とは関係なく、なんでも書いてくださいということで、ちょっと書きたい放題です。季刊「ココア共和国」への併載の許可を得ています。肩書は詩人になっていますが、TVのまえでグチるオジさんっぽいです。
◆著者について ♪打田峨者ん=俳人。 1950年生。 東京都在住。
句集に 『暴君龍忌.』 (私家・1989)、『高速樹』 (書肆山田・2014)、
『楡時間』 (書肆山田・2015) など。
♪松尾真由美=詩人。 1961年生。 東京都在住。
詩集に 『密約』 (思潮社・2001)、『揺籃期:メッザ・ヴォーチェ』 (思潮社・2002)、
『不完全協和音:コンソナーンツァ・インベルフェット』 (思潮社・2009) など。
H氏賞。
♪浦歌無子=詩人。 1972年生。 東京都在住。
詩集に 『耳のなかの湖』 (ふらんす堂・2009)、『イバラ交』 (思潮社・2013)、
『深海スピネル』 (私家・2015)。
♪梁川梨里=詩人。 1967年生。 群馬県在住。
詩集に 『月を剝く』 (私家・2014)。
♪橋本シオン=詩人。 小説家。 1989年生。 東京都在住。
詩集に 『ep.』 (Kindle・2014)。
白鳥省吾賞。 「詩と思想」 現代詩の新鋭。
♪秋亜綺羅=詩人。 1951年生。 仙台市在住。
詩集に 『海!ひっくり返れ!おきあがりこぼし!』 (戦前派出版・1971)、
『透明海岸から鳥の島まで』 (思潮社・2012)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』 (思潮社・2014)。
丸山豊記念現代詩賞。
≪目次≫
■短歌
中家菜津子 「筆箱」
■俳句
打田峨者ん 「風の再話──昔むかしのどの昔」
■詩
松尾真由美 「崩れさるもの、巣の混沌」
浦歌無子 「頭のなかではねる単音」
梁川梨里 「晴れ上がり」
秋亜綺羅 「凱歌」
■小詩集
橋本シオン 「デストロイしている」
■エッセイ
秋亜綺羅 「1200字のひとりごと」
装丁=柏木美奈子 ●●● 詩の絵本 「ひらめきと、ときめきと。」 ●●●
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のをあある vol.1
2015年2月15日
編集・発行:ほしおさなえ
イメージに酔って
わたしは広く、狭い、海を泳ぐ魚だった。
夕日色の海は、時に様々に形を変えて、わたしをそっと抱いている。
柔らかなあぶくを口からいく筋ものばしながら、わたしは静かに呼吸をしている。
灯台のように揺れる星の光りが、赤に、青に、きらめいている。
(ねぎし「子」)
読み始めて浮かび上がるイメージ。物語のように移り変わっていく情景。意味よりも先に伝わる感覚。詩的な心地よさの中で展開される描写に、ほろ酔い気分。そう、詩とは、酔うことでした。イメージの海を泳ぎ回ることでした。正に、「わたしは海を泳ぐ魚だった」!
左庭 30号
2015年2月25日
編集・発行:山口賀代子
〒615‐0925
京都市右京区梅津大縄場町6の6
重いを軽くする魔法
ドアの外は敵のモンスターばかり
でもここはお姉ちゃんが封印したお城だから
ボクたちは安全にくらせるんだ
身体の電池がなくなったら
透明な妖精に変身して 自由自在に動けるよって
お姉ちゃんは 身体「オフ」になる時
教えてくれた
(堀江沙オリ「ひみつのお城」)
暗喩で進められていくストーリー。最初は意味が分からなくても、読み進めるうちに意味が分かるようになっていきます。「敵のモンスター」とは、家庭内暴力をする男のこと。「身体の電池がなくなったら/透明な妖精に変身して」とは、死んで幽霊になること。最後には「お姉ちゃんとボクは/妖精になって いつまでも幸せに暮らすんだ」。かわいらしい表現でありながら内容は重く、重い内容でありながら読後感は軽い。魔法のおかげでしょうか。
アブ 16号
2015年2月28日
編集:松原敏夫
発行:東中十三郎
〒901-2102
沖縄県浦添市字前田494
分かる意味と分からない意味
あなたよ。無の空に止まらない雲。遠く遠くあそこに。倒れゆく生活の幻影。消えていく悲しみ。小さいマウ ス。豊かな消しゴム。歌わない風。ああ、泣いている人形。色を塗っている空。闘いをやめた道路。独り立ち した鉛筆。挽歌になっていく夏の百合。手なずけた夏の朝。泣きたくなる過去。まだ表われない記憶。まだ 握らない夢。知られざる夢。叫ぶ内面の海。水は泣かない。愛を遠くから呼んでいる手紙。知られざる終 末。語り出される別れの痛み。そろった季節に足をふみ入れた帽子のよろこび。歌って転ぶ時の足音。耳 に走る孤高のなぎさ。瞳で旅する夢想の夜に。
(松原敏夫「あなたを探して」)
一度目に読んだときには、意味は分からないけれど詩を感じる、という感覚でした。何度か読み返すうちに分かったのは、「あなた」が詩を連れてくるもの、己を狂気へ誘うものだということです。そこから少しずつ分かる部分が増えていきました。何度読んでも分からなかったのは、例えば「闘いをやめた道路」「手なずけた夏の朝」「水は泣かない」といったところ。きっと作者の中では深い意味を持つものなのでしょう。分かる部分と分からない部分が丁度良いミックス加減で、噛みごたえのある詩でした。
まどえふ 24号
2015年3月1日
編集・発行:「まどえふ」の会
〒005‐0006
札幌市南区澄川6条4丁目10-1-204
スピードのある言葉
いちめんの
青い野のひろごり
だんだんに薄れゆくとき
薄く重なり深々とずれながらかすれゆく
いちめんにひろごり駆けぬけ
すがしい風が吹いて帯のように細く長く濃く薄くうすく
重なりずれて響きあい未来も過去もくぐもりながら
だんだんとずれてはずれて青くしずもって
(橋場仁奈「あかりのように」)
イメージが連鎖して、段々加速していくような詩です。長いのですが、詩が持つ勢いで一気に読めてしまいました。きっと書くときも一気に書いたのでしょう。めまぐるしく変化する情景描写はまるでジェットコースター。ご紹介したのは冒頭部分です。6行目の加速がお分かりでしょうか。 |






