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こんにちは。 秋亜綺羅です。
詩人の瀬崎祐が、季刊ココア共和国第6号の、みゆきの詩 「おじいちゃん」 を、自身のブログで批評してくれています。 勝手に転載しちゃいました。 (瀬崎祐 「風都市」)
みゆきは、このブログで知り合った詩人です。 わたしは Yahoo!ブログで、多くの詩人たちを見ているつもりですが、才能あふれる若い詩人たちに出会うのが楽しみです。
ブログというのはもともと日記ですから、現代詩のように計算づくめのことばづかいは必要ないかもしれません。 死んでしまったことばたちを、昆虫採集のように並べるのじゃなくて、ことばを生きたまま飛び交わせましょうよ。 生きていることばたちに与える食事は、ひらめきと、ときめき、です。
(以下転載)
ココア共和国6号 (2011/5) 宮城
「おじいちゃん」 みゆき。
1連2行の平易な表現で ”おじいちゃん” の思い出が綴られていく。 そのおじいちゃんは、縁側で足裏のツボを叩いていたり、いっぱい持っている年金で私を大学へ行かせてやるぞと言ってくれる(本当は借金の返済で年金なんて残っていなかったのだが)。 寒い冬の日トイレで脳溢血で倒れて入院したおじいちゃん お見舞いに行って流動食をスプーンで口に運んであげたら 「どうもありがとうございます」 ってすごく丁寧に言ったおじいちゃん もう私のこともわからなくなっていた 作品の形を整えていくときに、彫刻のように彫っていく意識の時と、塑像のように部分を付け加えて意識の時がある。 この作品は、おじいちゃんの描写を積み重ねていくのだが、どの部分をどれぐらいの大きさで付け加えていくかを、素直な気持ちで選び取っている。 紅白歌合戦にも登場したフォークソング 「トイレの神さま」 を想起させてしまったりもするのだが、それでもなお、読み手に伝わってくるものがあった (1行書きになってからの最終部分は、さすがに余分だと思えるが)。 それにしても、この個人誌を発行している秋亜綺羅が選んで載せる書き手の作品は、どれも明るく軽快で、少しだけ情緒的である。 徹底的に偏った好みで作られている。 個人誌の意味はこういうところにあるのだろうな。 詩誌の後半には、秋亜綺羅が仙台から発信しているブログの一部が採録されている。 和合亮一のツィッターで発信されたものとは異なった視点からの証言である。 瀬崎 祐
(転載終わり)
というわけです。 季刊ココア共和国は、一家に一冊!必需品のはずですが、まだお持ちでない方のために、特別だよん! みゆき 「おじいちゃん」 をここで紹介しちゃいましょう。 とてもいい詩ですよ。
おじいちゃん
みゆき
いつもあったかい縁側であぐらをかいては
足の裏を手でぱーんぱーんと叩いていたおじいちゃん
その動作がとっても不思議だったけど、
足裏にはツボがある事きっと知ってたんだ
自分の手入れした盆栽を嬉しそうに眺めては
時折床屋さんのようにちょきちょきと枝を切っていたおじいちゃん
どうしても真似してみたくって私がハサミを持つと
コラコラと嬉しそうに叱ったおじいちゃん
お母さんが近所の人のお通夜でいなくて、
お父さんも帰りが遅くて布団の中で一人泣いてたら
そっと布団に入ってきて頭をなでてくれたおじいちゃん
後でお母さんに怒られてとっても可哀そうだった
初めての修学旅行でおみやげに大きな笠を買って渡したら
とっても喜んで次の日から縁側でかぶってくれたおじいちゃん
おじいちゃんの坊主頭にはぴったりで
私が思った通り、笠地蔵より似合ってた
景気が悪くなって家が急に貧乏になって進学で悩んでいた時
「おじいちゃんは年金いっぱい持ってるから大学行かせてやるぞ」 って言ってくれ
たおじいちゃん
おじいちゃんの年金なんてとっくに借金の返済に回ってしまったと
後でお母さんに聞いたけど、おじいちゃんには何も言えなかった
お父さんが亡くなっておじいちゃんと別々に暮らす事になって引っ越しの時
トラックに荷物を詰め込む私たちを淋しそうに見ていたおじいちゃん
寒い冬の日トイレで脳溢血で倒れて入院したおじいちゃん
お見舞いに行って流動食をスプーンで口に運んであげたら
「どうもありがとうございます」 ってすごく丁寧に言ったおじいちゃん
もう私のこともわからなくなってた
危篤の知らせを聞いて病院へ駆けつけたら、
もう霊安室に移されてたおじいちゃん
はげ頭はピカピカで、笑っているような顔をして
今にも 「よく来たな」 って起き上がりそうだった……
いつも 「こづかい100円やるぞ」 って言って
軽いお財布さぐっては見間違えて1円玉くれたおじいちゃん
はぶりのいい頃、お金持ちしか持っていなかった選挙権を持ってて
マント着て投票に行って皆が振り返ったと自慢してたおじいちゃん
だから国会中継が好きで
時々居眠りしながらもずっと観ていたおじいちゃん
庭の井戸水で粉のハミガキ使ってたおじいちゃん
優しかったおじいちゃん
もっと一緒に居てあげれば良かったよ
もっとお話しすれば良かったよ
ずっとずっと忘れないよ
大好きだったおじいちゃん……
──季刊ココア共和国第6号より
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2011年06月09日
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