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Nowhere in Africa(2001) 監督: Caroline Link(キャロライン・リンク) 脚本: Caroline Link(キャロライン・リンク) 原作: Stefanie Zweig キャスト: レギーナ: 少女時代Lea Kurka(レア・クルカ)、成長時代Karoline Eckertz(カロリーネ・エケルツ) イエッテル: Juliane Köhler(ユリアーネ・ケーラー) ヴァルター: Merab Ninidze(メラーブ・ニニッゼ) オウア: Sidede Onyulo(シデーデ・オンユーロ)ケニアの俳優。上手い!!!実に上手い!! ジュスキント: Matthias Habich(マティアス・ハービッヒ) アカデミー賞外国語映画賞部門で行ってますが・・・。 実話をもとにした映画で、最近観たドイツ映画の中では、The Lives of Others(善き人のためのソナタ)に並ぶ傑作であります。夫婦の愛という非常に微妙、複雑、「時に」セクシーな大切な人間関係を、ケニアというあまりにも美しい土地を背景に描いた見事な一本。女性監督と後から知って納得できた、女性ならではのセンシティビティふんだんの映画。子供時代というものを思い出して胸が痛くなります。 あらすじ: ナチスの攻撃が激化するドイツからケニアに亡命した、ユダヤ人の少女レギーナ一家・・・。先に下見に来ていたヴォルターに「冷蔵庫」(電気ではない式なのね)を荷物に必ず入れて、急いで渡るようにと促され、レギーナと母親の美しいイエッテルとがケニアに着く。だが現状をよく把握していない、上流社会育ちの母親は、冷蔵庫ではなくディナーセットを持って来、途中、大切なお金でイブニングドレスを買ってしまう。(このへんは、原作のシュテファニー・ツヴァイクの実体験による。)アフリカでの農業生活に慣れない両親とはよそに、レギーナは徐々に地元の子供たちともなれ、特に、料理人の優しいオウアの愛情の下ですくすくと育っていく。 やがてイギリス軍に従軍することを決めたヴァルターとの離れ離れの生活の中で、夫婦の絆は断たれていくかにみえたが、イナゴの大軍の来襲を契機に愛を取り戻す。 大戦が終わり、ナチスドイツが終焉を迎えた時、いやいやながら、夫とともにドイツに戻ることを決めたイエッテルのお腹には彼のこどもがいた・・・。 料理人を演じるオウアが地元ケニアの俳優だが上手い!追っかけができるほど、おそらく映画には出演していないのが残念。オーディションが始まった時、ナイロビから引っ越してから行方不明だったのを、彼の生まれ故郷の村で発見されたそうだ。「演じてはいけない」という監督の言う意味を唯一理解した俳優だそう。 どこが女性監督かなぁと言うと、イエッテルのような美しい女性のずるさが上手に描かれているから。映画の最初でイエッテルの義父つまりヴァルターの父親が「愛情は常に一方の方が強いのだ」と暗に息子の方が、嫁に強く魅かれていることを示唆します。 夫婦が愛情を取り戻してから、イエッテルは夫に聞きます。「Lieben Sie Mich? (Do you love me?)」それに対して夫は「君が愛させてくれたら」と答えます。 その彼女に強く魅かれている複数の男のうち、大事なのが、ケニアで農園を経営している、昔からそこに滞在しているユダヤ人のヴァルター・ジュスキント。夫とともに、ユダヤ人としてあまりにもつらい思いをするであろうドイツに帰るべきか悩んでいるイエッテルに彼は言います。 「一度だけ言う。私と一緒に君がここにとどまってくれたら、とても嬉しい。」 それまで、ジュスキントとイエッテルとの間に肉体関係があるのだろうか??と邪推する観客の一人だった自分は、あ、なかったのね・・・と思った次第。この辺のところも女性ならではの気がするのですよね・・・。肉体関係までに行かずに微妙に綱加減を操作するあたりがですね。 そういうオトナなやりとりとは全く別に、インパラの子や、子犬とのレギーナの世界はちゃんと展開されていく。そして、瀕死の年寄りを大空の下、ハゲタカに処理させるというケニアならではの様々なエピソードも。 そのレギーナと最後、別れなくてはいけないオウアが「君のお父さんはまだ子供だからね、ちゃんと世話してあげな」というところがいい。
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