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今月の「滄」への十四首 「女性専用車両」 存在の価値ことごとく問う声よ「おまえ程度はどこにでもいる」 大方は我より若く才あるを昨日より今日思い知らさる 朝ごとに聖書を読むを唯一の誇りと為さん雨戸を開く 日本では通訳なんざぁ日銭なり「屋根葺き職人急募」に見入る かたはしより明確に何か出来上がる 心地よからん屋根葺き作業 営々と満員電車に乗る今日も我に糧ありその安心を倦む 女たち「女性専用車両」にてデジタルの先見定めんと打つ 真実に問うべき何か先延ばし女らは打つ誰かへのメール 行き場なき羊のごとしとキリストは吾らを見るや急行を待つ 近道と思ひて迷う自転車行ここに出たかと思う日もあり をちこちに湯を使う音聞こえくる住宅街に冷気寄りたり 身のうちに涙とならぬ痛みあり我が犬徐々に眼(まなこ)衰ふ いつのまに永遠(とわ)と思いき あと幾歳(いくとせ)別れの稽古の時と定めん 砂山を一気に駆け下り海岸にまろびし姿まなこ離れず
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