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ねぇ、貢
雨が降ってる・・・・・・
乾いた土が、それを吸収して
新しい命を育んでいる
熱が冷めやらない身体を持て余しながら
窓の外、ランダムに続くリズムを先取るように、ベッドの上で身を揺らす
熱い交わりに不由子はいつになく没頭していた
“ ねぇ、もう一回 ”
そう言って身体を反転させる
上から見下ろす不由子の顔が、何かを振り切ろうとしているようで
それならひとしきりの快楽をと、腰に回した手に力をこめる
何もかも吐き出せばいい
オレはその為にいるのだから
不由子の白い肌に僅かな赤い跡すら残せないけれど
この時間を共有している、それだけで充分
またこうしてキミの傍にいる
何が辛いの?
聞いてもきっとキミは答えない
出遭ったあの日に戻ったんじゃない
大人になったと言うより、つまらない諦めを覚えたのだろうか?
キミは遠くに行かないでくれ・・・
キミが疲れて眠るまで、キミが望むだけ、キミを抱く
泣いているのか笑っているのか?
冷たい頬に手を伸ばす
きっとキミは笑っている
花が散ることを、何よりも恐れているキミだから
愛してるって言葉は
花びらと同じね
何度も紡ぐうちに、それは終焉に向かってる
傷つきやすい花弁は、明日には枯れているかもしれない
実を成す花ならよかったのにね・・・・不由子は小さくつぶやいた
ねぇ、貢?
キミだけはずっとここにいてよ
不由子の嘘は、今も健在だけど
諦めよりはずっと逞しい不由子がそこに居た
今は一緒にいるよ
だってキミが呼んだんだから・・・・・
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