タンゴ練習帳

アルゼンチンタンゴを演奏するベーシスト(希少価値!)の練習日記

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Milonguero Viejo

これはすごい!YouTubeでたまたま見つけた動画なんだけど、こんなに上手にディサルリの「Milonguero Viejo」を演奏している現代のアーティストを初めて見た。しかも、タンゴのプレーヤーじゃなくて、普通のオーケストラというところがまた。ディサルリのリズムを的確に捉えているし、ハーモニーもいい。スタッカートもレガートも。なかでもやっぱりピアニストが上手い。これはお手本になる。素晴らしい演奏です。
 
このブログでもたぶん何度か「Milonguero Viejo」については触れているのだが、僕にとってはものすごく思い入れのある曲で、学生時代はこの曲が上手く弾けず悩んだし、10数年のブランクを経て、再びタンゴ演奏したいなと思ったのも、この曲がきっかけになっている部分もある。なんてことなさそうで、この曲、このように上手く演奏しようとすると実に難しい。この演奏はその点、すべてにおいて成功している。いや、素晴らしい!
 
ポイントはやっぱりリズムにある。この曲はタンゴの中でもおそらくやや特殊な曲だと思うが、リズムも一辺倒ではない。流れるようなレガート主体のメインテーマと、その次にやってくる鋭いスタッカートの部分。これが交互に訪れる。演奏者はこの2つを瞬間瞬間で弾き分けなくてはいけない。それと平行して行われる、音量のダイナミックな強弱。さすがに弦パートでもこれくらいの人数いないと、このダイナミズムが出せないのかもしれない。そういう意味ではうらやましい限りである。
 
そうやって全体的に軽やかで優雅に、でもときには鋭く重く。これがこの曲の魅力である。もっと言うなら、マエストロ、カルロス・ディサルリのエッセンスだ。この曲を聴くたびに、僕は何となく初心に返らされるような気がする。
 
その後、少しYouTube見てたら、この映像でバンドネオン弾いているMaggie Fergusonという方のインタビューがあった。Escuela de Tango BsAsで学んだっぽいですね。リハ風景も出てるけど、なかなか本格的。インタビューでもいいこと言ってます。
 
先日ブログでちょこっと書いた「2拍子」の話。某所で少しだけ反響があり、「意外と理解されてないのね・・」とちょっとびっくりした。たぶん、タンゴの「音楽」をやっている人はほぼ誰でも知っているが、タンゴの「ダンス」をやっている人はあんまり知らないことなのかもしれない。音楽やってる側からすると、よくそれを意識せずに踊っていられるなあと思うわけだが(卑下しているわけではなく、僕らからすればそれを感じないことはあり得ないのだ)、タンゴを理解するうえでは非常に重要だし、これを知ると知らないとでは、たぶんダンスも全然変わってしまうと思うので、あえて、このテーマについて記しておこうと思う。
 
タンゴとひと口に言っても、大まかに分けて「タンゴ」「ミロンガ」「ワルツ」という3種類のリズムパターンがある。これは誰でも知っているだろう。しかし、ダンスの教室で教えるのは、タンゴ=4拍子、ミロンガ=2拍子、ワルツ=3拍子だそうだ。まあ、この区分もある意味間違いではないのだが、音楽理論としてというより、リズムの感じ方としてはこの区分は間違っている。
 
まず4拍子と言われるタンゴであるが、確かにタンゴのリズムは1小節の時間内に4つの拍が刻まれる。これはポピュラーミュージックとかジャズとかでも同じなので、ちょっと聴いただけではタンゴは4拍子の音楽に聞こえるかもしれない。でも、タンゴにおいては、この1小節内の4つの音符は等価ではない。アクセント的に言えば「強弱 | 強弱」である。つまり「強弱」というセットが2つ並んでいる形だ。これをもう少しわかりやすくするなら、弱拍を省いてしまえばいい。「強○ | 強○」となる。実はタンゴはこれでも成り立つ。これが、タンゴが2拍子という所以なのだ。
 
そういうわけで、僕たちタンゴの音楽プレーヤーは、1小節内に4つのビートがあっても、それを等価では弾かない。もし等価で弾いている人がいたら、その人はモグリである。もちろんタンゴのプレーヤーにもいろんな人がいて、きわめて等価に近く弾く人(たとえばピアソラとか)もいれば、極端に強弱をつけて弾く人(たとえばプグリエセなど)もいる。ダリエンソになると、この「強弱 | 強弱」がときとして「弱強 | 弱強」みたいにシンコペーションすることもある。つまり裏打ちである。いずれの場合も、ベースが「強弱 | 強弱」であるからこそ、プレーヤーごとの差違が際立ってくる。テンポ的にはフォーでも、リズムの感じ方は裏拍ありのツーでないと、タンゴ特有のグルーブが出ないのだ。これは、タンゴを演奏するうえでは、基本中の基本と言っていい。
 
演奏する側がこういう姿勢で弾いているのだから、それを踊るほうも2拍子感を感じないと、タンゴらしい踊り方にはならないのではないだろうか。曲のアクセントに合わせるとしたら、足の運び方は「強弱 | 強弱」になる。タンゴのダンスで最初に覚える「サリーダ」は合計8拍のリズムで1周するが、これも強弱を感じながらやれば、「強弱 | 強弱」の2セットということになる。足の動きをイメージしてほしい。この強弱のグルーブを感じて足を動かせば、それだけでもずいぶん違うイメージになるんじゃないだろうか。ほとんど踊らない僕が言うのもなんだけど。
 
ちなみに、タンゴのリズムは「強弱 | 強弱」とわかりやすく書いたが、そう単純に縦にスパッと割ったようなリズムというわけでもない。むしろ演奏する側の音のつながりから言えば「強 | 弱強 | 弱」だ。2小節続けて書けば、「強 | 弱強 | 弱強 | 弱強 | 弱」となる。弱拍は次の強拍へとつながる準備みたいなもので、擬音語で書くなら「ワッ、ワーワッ、ワーワッ、ワーワッ」という感じ。これがタンゴの2拍子ならではのグルーブだ。プグリエセ楽団の演奏を聴けば、このグルーブがよくわかるはずである(この極端にデフォルメしたような演奏法を、「ジュンバ」と言っているのだが、これは上述の「ワッワー」と同義だ)。
 
例としてプグリエセ楽団の「La Yumba」をあげておこう。これは2拍子の極端な例。これが「ジュンバ」のリズムである。
La Yumba - Orq. Osvaldo Pugliese
 
ちなみに、ピアソラのような音楽はきわめて4ビートに近い。僕もピアソラを演奏するときだけは、ほぼ4ビートとして演奏している。これも、ピアソラの音楽がなかなかタンゴと認められない理由の1つだ。
Invierno Porten~o - Piazzolla Quinteto
 
ミロンガとワルツに関しては、またの機会に書こうと思う。

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