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本年度(2010年)のCNJのメッセージは、Know(≠No) More Cancer(ノー・モア・キャンサー)です。 「No」ではなく、「Know」です。「がんをもっと知ってほしい」。今年のプログラム、イベントは一貫してこのメッセージを発信します。 ※正確には、Know More about Cancer.ですが、このメッセージではあえてKnow More Cancerとしています※ |
CNJ理事長
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川上です。 |
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今日は、NPO法人キャンサーネットジャパンの理事長:東京慈恵会医科大学 青戸病院副院長・外科診療部長の吉田 和彦の記事です。
パッチ・アダムス(本名:ハンター・アダムス)著の「パッチ・アダムスと夢の病院」の中で、マシュー・A・バッドは「医療技術の進歩のよって、不治の病と思われていた病気にも救いの手がさしのべられるようになった時期から、医師と患者との間でたたかいが始まった」と述べている。医学・医療に対する過剰な期待、生老病死を自然と実感できなくなったこと、マスコミ・警察・検察・行政などのポピュリズムなどは、両者の関係をさらに悪くしているように感じる。 私は慈恵医大青戸病院の外科を担当しているが、患者・家族は「腕の良い外科医が誠実に手順を踏んで手術すれば結果は良好である」と考えがちである。一方、手術の結果が悪かった場合には、「結果が良くないのは手術に問題があったことが原因である」ととらえられることも多い。「お任せします」と言われても医師は困るし、ましてや「お任せします」と言いながら、失敗・再発したと文句を言われるのはもっと困る。医師とて全知全能ではなく、生命の有限性と複雑性、各個人の多様性、医療の不確性などの前提なくして、医療を行うことは困難である。 最近では権利意識の強い患者・家族も多い。思いやりと優しさをもって医療活動を行っている医師であっても、一度クレームや訴訟を経験すると、その喜びが奪われ、患者への慈愛の心も薄れる。産科、小児科、外科系診療科などはリスクが高く、労働条件が悪いということで、現場では「立ち去り型サポタージュ」が進行している。 では、患者と医師の不幸な関係を是正する処方箋はあるのだろうか。米国ではこの20〜30年の間、科学的根拠に基づく医学(EBM)の興隆もあり、患者と医師の関係はパターナリズムから、パートナーシップへと変化した。患者は自分にとって最高の医療を受けるために、自身が主体となって治療に参加しつつある。患者参加型医療では、患者は責任を持った賢者、一方で医療者は思いやりを持って高い知識と技術を提供する補完的な存在となる。医師には医療の透明性を確保し、説明責任を果たすことが求められる。加えて、患者用図書館の設置、患者会へのサポートなどを通して、情報を取得・評価し、意志決定や決断ができる「賢い患者」を養成することに、医療側も積極的にかかわるべきである。私が属するNPOキャンサーネットジャパンでは「乳がん体験者コーディネーター養成講座」を複数の患者団体と合同で開催している。新たながん患者にとって最も頼りになる体験者がコーチングできるように、心構え、知識を吟味するスキルなどを教えている。 治るか治らないかわからない病気を共に治そうという合意の下に行われるのが、治療という共同作業である。医師は医療の新たなパラダイムに合致したスタンスを取る必要がある一方で、患者も覚悟し、勉強することにより、両者は対等となる。両者が親しく尊敬・信頼しあえるパートナーとして危難を乗り越えることができれば、強い絆が生まれ、絆は友情へと深まると信じる。【提供】NPO法人:キャンサーネットジャパン パブリック・リレーションズ部門担当:柳澤 昭浩 【Home Page】NPO法人:キャンサーネットジャパン公式ホームページ |
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がんと告げられたとき、あるいはがんの完治が期待できないといわれたとき、患者さんとその家族は闇夜の海に放り出されて救命ボートで漂流しているような気分になると思います。吸い込まれるような闇の中で目指す方向もわからず、募るのは焦燥感ばかり。 このような状況にある患者さん・家族にとって、キャンサーネットジャパン(CNJ)は羅針盤になれば、それも冷たい真鍮製ではなく、希望と思いやりを兼備えた温かい羅針盤になれればと考えています。 闇夜の海では、まずあせらないことが大切です。本当に進行の速いがんであれば、何をやっても進行を止められないほど急激に病状が進行します。ほとんどのがんは「2週間前にこれをやっておけばよかった」というようなスピードでは進行しません。 がんは、昔考えられていたような不治の病ではありません。現在、がんは治る病気になってきています。一方で、完全に治すことができないがんがあることも事実です。医療が進歩した現在では、例え根治が期待できない場合でも、高い生存の質を保ちながら、延命も十分に期待できます。治療法には多くの選択肢は存在し、また開発中のものも多くありますので、決して希望を失うことはありません。希望こそ最大の薬です。 最近10年間に「科学的根拠に基く医学、Evidence Based Medicine(EBM)」の重要さが認識され、様々ながんの様々な状況で標準的な治療が明らかにされつつあります。われわれCNJは、「根治(完治)」、「延命」、「緩和」というがん治療ゴールを明確に設定し、それぞれのゴールに対しても最も効果が高いと考えられる治療に関する情報を提供することを目指しています。また、質の高い情報の取得や吟味する方法をコーチすることにより、「賢い患者さん(resourceful patients)」を養成することにも力を入れています。このようにCNJはがん患者さん・家族にとって、ゴールや治療法の選択に際しての最良の羅針盤になるように努力しています。 一方で、CNJはボートを漕ぐことはできません。ゴールに向けてボートの櫓を漕ぐのは患者さん自身です。そして最大の伴走者は主治医です。また、家族や友人もいつも一緒に伴走し、見守ってくれます。がん患者さんの自立なくして、最良の治療を得ることは出来ません。患者さんも覚悟して一生懸命に櫓を漕ぐことにより、医療者と対等の立場になり、思考過程や意志決定を共有することができます。また患者さん自身にとって何が大事か。優先すべき事は何か、自己分析することも大切です。患者さんと医療者が親しく尊敬・信頼しあえるパートナーとして危難を乗り越えることができれば、強い絆が生まれ、絆は友情へと深まります。 さあ、勇気を持ってがんに立ち向かいましょう。われわれは羅針盤役として最大限のサポートをお約束します。 NPO法人:キャンサーネットジャパン 理事長 吉田 和彦 |
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新年あけましておめでとうございます。年頭にあたり、皆様の繁栄とご健勝をお祈り申上げます。 さて、キャンサーネットジャパンは本日より、セカンドステージに入り、更なる飛躍を目指します。キャンサーネットジャパンのファーストステージは1989年1月に始まったといえます。米国スローンケタリングがんセンターでの留学より帰国した私を大宮の病院で待っていたのが南雲さんでした。私が米国で見聞きしてきたことをもとに、南雲さんと私は狭い放射線透視室で「なぜ日本では患者さん中心の医療が成り立たないのか」、「なぜ日本のがん医療は米国に比較してこうも遅れているのか」、「どうしたら日本の医療を変えられるのか」などについて、熱い議論を交わしました。その後の経緯に関しては、CNJのホームページの中の「キャンサーネットジャパンについて」に詳しく書いてありますのでご参照ください。 キャンサーネットジャパンは公平かつ公正な立場を堅持しつつ、がん患者さんと家族にセカンドオピニオンや科学的根拠に基づく医学(EBM)の普及を行ってきました。この十数年間、「がん患者さんの役に立ちたい」との一心で、無償で協力いただいたボランティアに支えられ、幸運にも様々な活動を行うことができました。実際に多くのがん患者さんから感謝の言葉をいただきましたし、社会にあるインパクトを与えたことは確かです。しかし、1989年に南雲さんと掲げた「日本のがん医療を変える」という目標を達成したとはいえません。 「日本のがん医療を変える」という明確な目標を掲げ、キャンサーネットジャパンは本日より陣容と内容を新たにし、再出発します。われわれのミッション(使命)は、「様々な活動を通じて、各種がんにおける標準的治療の確立と関連・協力施設による標準的治療の提供・実施、及びその普及・啓蒙・教育を行い。多くのがん患者が最良のがん医療にたどり着き、患者中心の医療の普及に資する事を目的とします。また、患者・国民の立場に立ち、日本のがん医療における問題点を明らかにし、広く問題提起する事により、がん医療の問題解決に貢献します」です。 人生の時間は限られています。われわれは「がん」という病気に関する活動を通して、生存そのものが価値ではなく、生存の価値を自ら問えればと考えています。われわれの活動を通して、患者さん、家族、医療者、ボランティアが、親しく尊敬・信頼しあえるパートナーとして危難を乗り越えることができれば、強い絆が生まれ、絆は友情へと深まると信じます。 今後もキャンサーネットジャパンに対する変わらぬご厚情をお願い申し上げます。 2007年元旦 キャンサーネットジャパン理事長 吉田和彦 |
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