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今シーズンはもう、残り何日も滑ることができなくなりそうだ。 久しぶりに出社したわたしに、本社から役員が訪ねてきて、相談がある、30分ほど時間をくれ、という。 役員 「お前にさ、本社への異動の話が出てるんだ。」 わたし 「・・・まだここに来て1年たってませんよ。改革案も決まっただけで道半ばですし。」 わたしの夢は船長で、すでにその地位にある。 いつか海上復帰し、ふたたび自身の指揮で世界の海を航海する、それ以外に仕事上の希望はない。 わたし 「この話というのは、断われないんですかね。」 役員 「まあ、ほぼ決まりだ。栄転、おめでとう。」 わたし (今断ろうとしている人間におめでとうはないぜ) 何が痛いといって、本社で仕事となると、スキーに割く日数が極めて限定的になることだ。 わたしにとってスキーと仕事は人生の両輪で、いずれが欠けても精神の安定を欠く。 すでに春一番が吹き、都会は寒さより花粉の話題が注目されるようになった。 写真
■春の異動にあわせ、関係部署と調整を開始。そのある飲み会の夜。 |
東京に働く
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オフィスに、役員の特使がやってきた。 業務改革について本社の決定事項を伝えに来たものだ。 わたしが昨年6月に今のオフィスに着任以来、声高に訴え、立案し、提出していた企画がある。 わたしは、強い信念を持ってそれを訴え続けたが、横並びの組織の評判はよくなかった。 だが、この日伝えられたA4用紙一枚の本社決定内容は、2つの項目から成っており、いずれもわたしの案をそのまま採用したものだった。 春から、配下の人間が増え、仕事がやりやすくなる(はずだ)。 秋以降の景気後退が、今回のわたしのつたない企画の採用に拍車をかけた面があり、幸運だった。 写真 ■わが心のふるさと、横浜。 |
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本社に出向いた。 わたしの起案したある企画が思いのほか話が大きくなり、予定していなかった部署との調整が必要になってきたのだ。 わたしの改革案は、もともと根回しなどしたことがないわたしが純粋に正しいと思って立案したもので、横の組織の人間には良く言われなかった。 「そんな企画が通るくらいならおれたちも最初から苦労しない。」 「意図は理解できるが、やりすぎ。」 そんなことを言われたが、要するに実効性はある。 いまは、いろんなことが変わっていて、前例を踏襲する場合でも、本当にそれが現状にふさわしいか考える時期だと信じ、話をして回る日がしばらく続く。 写真
上■打ち合わせテーブルからの眺め。 中■会社から国会議事堂が見えることに、いまさら気づく。 下■打ち合わせを終えて丸の内を歩く。 |
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他社におもむき、わたしも一員であるさる委員会の会議に出席した。 この定例会議でいつも、日本の外航船員の行く末を思う。 外航海運会社は旅客航空業界と違い、日本を介さない輸送にも参加可能である。 現実に今、エネルギーや資源の輸送部隊が、海外荷主との契約で商売を拡大している。 (わたしもついこの間までロンドンでその仕事に従事していたわけだ。) そんな、日本船社による海外荷主獲得が進む中で、日本人船乗りの立場も微妙に変化している。 船の現場には、日本船社の船といえども、日本人船員は極めて少ない。 事実上、外国人船乗りがいないと船隊は稼動せず、日本人船乗りの役割は陸上において海上輸送の品質を向上させることがメインとなっている。 だが、外国人船乗りと違い、乗船経験が少ない日本人船員が、本当に現場の輸送品質を語ることができるだろうか。 特に、今後さらに増える日本を介さない三国間輸送において、海外荷主の要求にわたしたちが答えることができるだろうか。 考えてみれば、日本語対応が必要ない荷主には、日本人以外の技術者を採用してもいいわけで、そうなると現場経験が少ない我々は不利である。 (まあ、わたし個人は負けはしないが・・・。) 写真
■会議に出向いた某社の近くにて。 |
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某商社に勤める旧友と飲んだ。 異業種にいる友人というのは貴重だし、それが若くして同じ釜の飯を食った仲間だと格別である。 (注:別にわたしたちは前科者ではありません。) かれは、わたしと共に昔スキーを始めた仲間でもあり、昨年2級を取ったというのである。 かれ 「で、今年こそ1級をな!」 わたし 「1級って・・・難しいぜ。」 最近はスキーの技術も高度化し、本当に級は価値がある。 (しかし、スキー自体が斜陽なので、世間一般には価値を認められていないが。) 今シーズンはスキー、わたしもがんばろうという気になった。 (というか、常に燃えているんだが。) 写真
■そのかれ。 |





