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先日、とあるフランス料理店に行った時のこと。
創業60年を超えるそのお店は、私が非常に好きなお店で、よく使わせてもらうのですが、
料理やワインはもちろん、サービスも一流の、まさにグランメゾンと呼ぶにふさわしい店です。
そんなお店なので、いらっしゃるお客様はやや年齢層も高めで、当然、マナーをきちんと
わかっていらっしゃる方が多いのですが、この日はちょっと違いました。
1フロアに6テーブルしかない、ゆったりとした店内で、私が席につくやいなや、
後ろの席からやたらと大きな声が聞こえてきました。
カップルでいらっしゃっていたそのお客様は、声の感じからすると男性は30前後、
女性はきゃぴきゃぴした甘えた話し方から20代前半くらいかと思われました。
(ちなみにその後、姿を見たら明らかに30代でした…笑)
もちろんこのお店には、若い人が来てはいけない、なんてことはありません。
そもそも「若い人はうちの店に合わない」といわんばかりのぞんざいな態度を取るような
高飛車なお店は、グランメゾンとは言えないでしょう。
しかし、度を越えたマナー違反は「年齢が若いから」では済まされません。
まず、この男性のお客様、女性の手前、やや得意になっていらっしゃったのかも
しれませんが、やたらとお店の人をつかまえては、さも親しい人に話すかのように
だらだらと話をするのです。
(ちなみにこのお客様、聞こえてきた話によると、今回が初来店だそうです。)
「今年のお正月は家族全員で宮崎のシーガイアのホテルを取ってね」だの、
「昔この近くに住んでいたんだけど、今はマンションを買ったんだ」だの、
およそ料理に関係ない自慢めいた話(しかも小さな 笑)を延々語り続ける男性。
もちろんここのお店のスタッフはサービスも完璧ですから、嫌な顔一つせず、
「そうですか」「素敵ですね」とあいづちを打っていらっしゃるのですが、
当然彼らの席専用の担当者というわけではないですし、他の席にも目を
配らなければならないので、実はとても忙しいのです。
こういうお店でお店のスタッフと一言二言世間話を交わすのはかまいません。
しかし、スタッフを自分の席にとどめて、他の仕事ができないようにするのは
明らかにマナー違反です。
そしてその後も、彼らの声はどんどん大きくなり、周りのお客様が静かに声を抑えて
話をしているだけに、よりいっそうその声は迷惑度を増していきました。
周りのお客様も、露骨にではないものの、明らかにストレスを感じている様子でした。
さらにその後、信じられない光景が繰り広げられました。
女性の方からの発案で、彼らは「いっせ〜の〜、にっ!」「いっせ〜の〜、さんっ!」
…と大声で掛け声をかけながら、指ゲームを始めてしまったのです…。
(親指を何本立てるか当てる、あのゲームです。)
しかも、これだけではおさまりません。
なんとその後彼らは、大声で「友人がう○こをもらした話」など、およそ食事の場では
ありえない話を大声で話し出したのです。
日本最高レベルのグランメゾンで、まさかこんな言葉を聞こうとは…
もう、怒るどころか呆れてしまいました。
私の同伴者も、最初は「あんな客はつまみ出せ」と怒っていましたが、そのうち
「この店、なんだか客のレベルが落ちたね…」と、お店の印象すら悪くなって
しまいそうな様子に。
一方、私は職業がら、お店のスタッフの方々に同情していました。
だって、お店はお客様を選べないのですから。
スタッフの方々はさぞ困っているだろうなと、とても他人事ではありませんでした。
しかし、ついにその瞬間がやってきたのです。
それは、そのカップルがメインを終え、次はデザート、というタイミングでした。
お店のスタッフの1人が静かに彼らの席に近寄り、こう言ったのです。
「お客様、もしよろしければデザートは個室の方でもお楽しみいただけますが、
いかがですか?そちらならばいくらでもお好きなだけお店にいていただくことが
できますし、ぜひ。」
彼らはこれを聞いて、「ホントですか!いいんですか!」と大喜び。
自分たちだけ特別扱いで、個室の利用を許可されたと思ったようです。
たとえば忙しいお店では、次の予約が入っている場合などに、デザートは別の部屋で
食べてもらって、次のお客様を席に通す、というオペレーションを取ることも
ないではないですが、このお店は常に1回転分しかお客様を入れません。
後ろにお客様が詰まっているはずなどないのです。
そしてもちろんその後、他のお客様は、私たちも含め誰一人「個室」に通されることは
ありませんでした。
…そう、彼らは追い出されたのです。
彼らが意気揚々と「個室」に移った後の店内は、明らかに「ホッ」とした空気が流れ、
お店はいつもの平穏な雰囲気を取り戻しました。
さて、このお店の対処の仕方ですが、何が素晴らしいかというと、単に迷惑なお客様を
追い払ったことではありません。
「その迷惑なお客様にも嫌な思いをさせることなく」、問題を解決した、ということが
何より素晴らしいと思うのです。
たとえば、ごく普通のお店ならば「すみません、お客様…他のお客様のご迷惑に
なりますのでもう少しお静かに…」というでしょう。
それではそのお客様はやはりムッとされるでしょうし(マナーをわかっていないお客様なら
なおさらです)、その嫌な緊張感は、他のお客様にまできまずい思いをさせてしまいます。
そうではなく、迷惑なお客様をむかつかせることなく、いい気分にさせたままで、
かつ他のお客様の不満をたちどころに取り除くこのテクニック、まさに
「一流のサービス」です。
前半嫌な思いはしましたが、そのかわりめったに見られない素晴らしいサービスを
見せていただくことができ、大いに満足した私でした。
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美味しい食事は
お店と従業員だけではなく
自分たちも最低限のマナーで楽しむ
そのお客様たちは
きっと次も同じこと繰り返すのでしょうねー
うちのお店にもたまにそういう客がきます
勉強になりました
2008/6/2(月) 午後 10:38
はじめまして!
突然の書込みで失礼します。
勇気の出るホームページを見てください。
ご迷惑でしたらスルーしてください。
2008/6/2(月) 午後 11:04 [ オシドリ ]
あっぱれです。
2008/6/3(火) 午前 8:45 [ - ]
くどっちさん、マナーといってもホント最低限でいいんですよね。
業態が違えばマナーも変わってきますし。
居酒屋なら「いっせーのーせっ」で盛り上がっても
全然OKでしょうしね。
お店に来られると困っちゃいますよね…
今度はぜひ「個室」に通してあげてください(笑)
2008/6/3(火) 午後 4:11
オシドリさん、ご訪問ありがとうございます。
2008/6/3(火) 午後 4:12
マー朗さん、まさにその言葉がぴったりですよね(^_^)
2008/6/3(火) 午後 4:13