イギリスあれこれ

[ リスト | 詳細 ]

大好きなイギリスのことを、あれやこれやと綴っていきます。
記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

きれいでしょ?

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

私のお気に入りをご紹介します。

シルバーのスプーン、ジャムスプーン、チーズカッター、バターナイフ、ケーキサーバーなどです。

19世紀後半から20世紀前半のものです。

ヨーグルト、デザート、朝のシリアルなど、これで頂きます。

幸運にも殆どいただいた物ばかりなんですが・・・(^.^)

黒いファンデーション

イギリスに滞在しなければ、知る由もなかったことは数々あるが、その一つに黒いファンデーションがある。

化粧品売り場でのことだから、何もイギリスでなくてもいいわけだが、少なくとも私は日本では見たことがなかった。

日本の場合、ファンデーションの色の種類はしれている。
肌色がすこしづづ、微妙に違うだけで肌色には変わりが無い。

ところが渡英間もない頃、私はデパートの化粧品コーナーで立ち尽くしてしまった。
私の目の前に殆ど白に近い色から、肌色、ブラウン、そして殆ど真っ黒としか言いようがない色まで、何十色ものファンデーションが一直線にずら〜りと並んでいた。

うっそ・・・!!
誰が、こんな色を顔全体につけるの?
歌舞伎役者じゃあるまいし・・・と思った。

が、次の瞬間、私はあまりにも当たり前のことに驚いた自分を恥じた。
肌色は「肌色」だけではないということだ。

世界中に「肌色」はこれだけあるのだ。
世界中に肌の色の違う人たちが居ることを知っていながら、ファンデーションの色の多さに驚いてしまった私。

小さい頃から、お絵かきをする時に、クレヨンやクレパスに「肌色」と書かれた色で、人の顔の色を塗っていた。私は無意識のうちに、人の肌の色はあのクレヨンやクレパスの色と思い込んでいたのだ。

この時初めて、日本の常識が必ずしも世界の常識ではないということを学んだ。
それ以来、いつも、「肌色」という色のネーミングを見ると居心地の悪さを感じる。

私たちの肌の色を「肌色」と決めつけているような気がして・・・。

プラマー家にて No5

一ヶ月も過ぎようとした頃、夕飯の後、ミセス・プラマーが言った。
「キャラ、今日は、あなたの為に特別なデザートを作ったのよ」と、満面の笑顔でなにやら、自信たっぷりに微笑みかけてくる。

私もつられて、笑顔になる。
なんだろう?

キッチンに消えていく彼女の背中を見ながら、スイス人の二人(ヴェリーナ、エディ)と目を合わせて、今日はどうやら、いつものカップに入ったヨーグルトではなさそうだと頷きあった。

ミセス・プラマーが大きな器を両手に抱えてやってきた。
そして、言った。

「ほら、ライスプディングよ!!」
私は初めて聞く名前だったし、食べたこともなかったので、ただ、頭の中に「ライス」という言葉だけが残った。

スイス人の二人は、顔を輝かして、とても嬉しそうだ。
ミセスが私たち三人に注ぎ分けてくれる。

目の前に置かれたデザートは、ガラスの器に入ったおかゆのようなものだった。
一口、スプーンで口に入れると、その瞬間、私の頭の中が固まってしまった。

なに?これっ!!

人には生まれてこの方、見た目から予想される味というものがある。
それは、そのカテゴリーから完全に外れていた。

私の目からの情報で、脳は、お粥を食べる準備をしているところに、まっとりとした白砂糖を、思いっきり口に放り込まれたような、理解不能の状態に陥ったのである。

つまり、砂糖漬けのおかゆだ。
あれほど、ビックリした食べ物はない。

だがミセスが、日本人の私を意識して作ってくれたものだ。
だから、ことさら、私の反応を待っている。
「どう?おいしい?Good?」と重ねて聞いてくる。

小さな声で「Yes、good・・・」と答えていた。
ミセス・プラマーは、にっこりと笑って、「たくさん、作ってるから、おかわりしてね・・・」と、やさしい微笑を残してダイニングルームを出て行った。

あぁ、私も善良なる日本人なんだなぁと、内心じくじたる思いで、目の前のライスプディングを食べることもなく、ただ、かき回していた。

すると、スイス人のヴェリーナが「これは、本当に美味しいライスプディングだわ」と言いながら、二杯目をおかわりした。

「キャラも、おかわりしなさいよ」と言いながら、私の器に更に入れようとする。
あーっ、とんでもない!!

「No,no!!」と叫びながら、私は観念して本心を言った。

すると、美味しいと言ったくせにと怪訝そうではあったが、私のミセスを傷つけたくなかったという気持ちを理解してくれ、「私の大好物よ。それじゃ、私が食べてあげる」と言って、二人で私の分も、サラダボールいっぱいに入っていた分も全部、ぺろりと食べあげた。

あぁ、助かった!!
よかった!!

ところが、信じられない事に、翌日の晩のデザートにも、あの恐怖のラ・イ・ス・プ・ディ・ン・グ・が、出てきたのである。

なんで!?という思いの私に向って、ミセスは微笑みながら言った。「キャラ、昨日は全部食べてたわね。今日は、もっと、たくさん作ってあげたわよ」

えぇ?・・ダメ・・!!

隣に座っているヴェリーナが、横目で私を盗み見ている。
二人とも、私の反応を待って何も言わない。

むしろ、正直に言った方がいいよという雰囲気である。
私は、深呼吸して言った。

「あの、昨日は、頂きましたけど(これはウソも方便)でも、たぶん、私は、ライスプディングを好きではない、というような気がします・・・ごめんなさい」

彼女は、一瞬、目を大きく見開いて、あら、そう・・・と言い、他に言うことばも見つからないらしく、ニコリと笑ってくれ、そのまま部屋から消えた。

あぁ、気まずかった。
後悔した。

それからである。
私はできるだけ、自分の意見を正直に、相手を傷つけない程度に言おうと決めたのは。

とはいえ、これが、なかなか難しい。

プラマー家に下宿したのは、私の他に同じ英語学校に通うスイス人の女の子二人、計、三人であった。
食事は殆ど私たち三人だけでとる事が多く、めったに家族と一緒になることはなかった。

ただ、初めて、家族とディナーを一緒にとった日のことは、今も鮮明に覚えている。

私たちの前に順番に、お肉や煮た野菜がのったディナー皿が配られた。
私はみんなにお皿が行き渡るまで待っていたが、驚いたことに、プラマー家の人々も、スイス人も、それぞれがバラバラに勝手に食べ始めた。

「いただきます」もなにもない。これには、チョット驚いた。
そして、更に驚いたのは、ミスター・プラマーが、料理の味見もすることなしに、いきなり、テーブルのコショウと塩に手を伸ばし、自分の皿に振りかけ始めた。

パッ、パッ、パッと。それも、勢いよく。
奥様に失礼ではないか!
作った人に対してこれは、いくらなんでもひどすぎる。

私は、そんなことを思いつつ、ひとくち、野菜を口に運んだ。
自分の舌が信じられなかった。

ない!ある筈の味が全くない。
肉も、肉の味だけ。
これは、料理というような代物ではない。

この皿にのってる物は全部、ただ、ゆでられた野菜と、ただ、焼かれた肉だった。
私は一瞬にして、彼の行動を理解し、塩とコショウに手を伸ばし、遠慮することなしに、パッ、パッと自分の皿にふりかけた。

こうして毎日、何の味もないただ素材だけの野菜と肉を、塩とコショウだけで食べた。
初めから味のあるものは、ミセス・プラマーが電動缶きりで開けた煮豆だけだった。

この電動缶きりなるものは、イギリスの家庭では必須アイテムではないかと思う。
今でも、日本では、それほどポピュラーではないが、二十数年前のイギリスの家庭では、普通に当たり前のようにキッチンの壁に取り付けられていた。

ミセスはそれでいくつもの缶を手際よく開け、皿に中身をダッダッと移し、オーブンにぶち込む。

噂に聞いてはいたが、本当にイギリスの平均的家庭の料理は、スーパーの味だった。
それが、お袋の味になっていくのが恐い。

午後6時、玄関のドアの前に立った。
住所の番地を確かめる。

間違いない。
ドアベルを鳴らす。

思っていたより若くてきれいな女性が、にこやかにドアを開けてくれた。
ミセスプラマーである。

お茶を入れてくれ、お互いに簡単な自己紹介をする。
その後、すぐに部屋に案内された。

三階建ての三階に部屋がある。
私はざっと見回した後、彼女が部屋から出て行くや、そのまま、ベッドの上に身を投げ出した。

気絶状態で寝てしまった。
目が覚めたのは、翌日の午後12時過ぎ。

18時間近く、寝たことになる。
そのお陰か、時差ぼけは皆無であった。

こうして、私は30代の夫婦、小学生の男の子、女の子、犬一匹、猫三匹の家での三ヶ月の暮らしが始まった。


つづく

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
キャラ
キャラ
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事