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あれからもう何度目だろう、昭和53年式なんで生産からもう32年、
ご主人が乗ってて、それから俺が直して息子さんが乗るようになって、
それ以後俺は前の工場が破産したのを契機に自分で独立した訳なんだがそれから以降の二年に一度は俺が何処にいようと、
継続検査の度にこのシルバーシャドウの整備を俺に委ねて下さるんだよね。
かれこれ20年になるのかな。
で、俺もこの車は大好きだしお客様も大好きなんで毎回俺に委ねて頂ける事を心から光栄に思ってる。
「スーパーデラックス」でも「ブロアムエレガンス」でも無い、「シルバーシャドウⅡ」のエンブレムだけでその存在の全てを物語ってるってのが、
ロールスロイスらしい。
かつて免許を取ったばかりだった息子さんは今や家庭を持ち自営開業し、福岡と京都を忙しく往復されている。
そして京都にいる時の日常の「足」はこのシルバーシャドウⅡなのだ。
現在の走行距離は9万8千キロ、ぼちぼち10万キロに手が届きそう。
お客様に不具合は無いか?と聞くと
「別に走る分に対する不具合は何も無いが後部座席のドアロックが動かない時があるのと、
そろそろ寒いのでエアコンの暖房切り替えをして欲しい」との事。
この車のエアコンは全自動制御なんだが昔直した時にコントロールスイッチが壊れてしまっていて、
調べると部品価格がべらぼうだったので俺がその都度、
インパネを分解して暖房と冷房を切り替える為に配線を繋ぎ直す事で対処している。
取り敢えずブレーキ廻りを点検する。
これが「強力無比」のガーリング社製大径対抗ピストンキャリパーを二連装のフロントブレーキ。
ホイル取り付けボルトは英国車の例に因って左側は逆ネジになる。
ホイルナットは重く大きな無垢の真鍮製。
何よりローターの厚みを見て欲しい。この剛性では変形なんかする気がしない。
一生どころか何世代も使えるんじゃないだろうか。
今回はフロントのディスクパッドが磨耗していたので交換する事にした。
かつてこのブレーキパッドは一台分7万円以上!したのでストック部品からメルセデスだったかボルボだったかのフロントディスクパッドの似たサイズを探して、
それに穴を開けたり外周を削ったり参残苦労したのだが、
何と現在ではディーラーでワンセット3万円プラスで手に入る様になっている。
前の値段はなんだったんだ?(笑)
フロントサスペンション形式は所謂「ストラット」なのだが、ちょっと普通のストラットでは無い。
下部分は一見同じ様なもんだが、「アッパーサポート」と云う物が無く、
その代わりボディに巨大な取り付けプレートが直に付けられる。
これを分解するのに周囲の取り付けネジを外したら一瞬車はその場に這い蹲り、ストラットサポートはバネごと空高く飛んで行ってしまう。
車も周囲の人間も無傷では済まない。
(実際やった奴がいるらしい)(笑)
分解する際には白く丸をした4つの穴から長大な特殊工具のボルトを挿入し、
スプリングの下側取り付け部分を手錠の様に固定してベースプレートごとそっくり抜き取る。
そしてそこまで分解すればこの車は車高の調整でも何でも出来る。
後ブレーキは4ポッドのこれまた巨大なキャリパーが付き、
普通の車の前ブレーキじゃ無いかと思う位に強力。
同じシステムを持つベントレー・ターボに乗る他の顧客が、
市街地を走行中、眼前に子供が飛び出し慌てて急ブレーキを踏んだそうだが、
「車が『その場で』止まった!」と驚いていた。
「乗っていたのが俺のもう一台のメルセデスなら確実に轢いていた」とも。
実際、何とも強力らしい。
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BMW傘下に入る前のR/Rは本当にエレガントですね。
剛性の塊みたいなキャリパーにびっくり!!
でもバネ下...重そ〜(^^;
2011/10/10(月) 午後 8:37 [ tma*ot*121* ]
こんにちは。この車は先ず耐久性その他を鑑みて最高の装備ありきで、
それに見合う分の性能はエンジンの排気量で稼ぐつもりで作られているのだと思います。
一般の乗用車作りの概念を超えた車作りがロールスロイスの信条なんでしょう。
2011/10/11(火) 午後 1:09 [ car*ock*p ]