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シルバーシャドウ以前のクラウドとかのロールスロイスのブレーキは往年のイスパノ・スイザからライセンスを買ったとされる「メカニカルサーボ」式であり、
これはミッション後半部に,車軸と垂直方向に車速に応じてぶんぶん回る巨大なドラムを取り付け、
又そいつに各ブレーキキャリパーと直結したロッドを取り付け
それにブレーキペダルの踏力で作動するクラッチを押し付けると云う乱暴な奴で、
走っている間はなるほど車速に応じた制動力が得られるものの停止中は「絶対停まらない」と云う構造だった。
継続検査ではブレーキテストをするのにエンジンを停止下静止状態で、
計測器側から車輪を回して計測するのでそれでは全く制動力が出ず、
以前参残苦労した事がある。
そしてシルバーシャドウ以後のロールスロイスはシトロエンからライセンスを買った「ハイドロラスティック」を使っている。
これはエンジンに直接駆動されるハイドロリックポンプより油圧を送り出し、
そして各経路にそれぞれ高圧の窒素ガスを封入したアキュムレーターを装備して蓄圧し、
各操作系は圧力をリリースするバルブを開ける作動をするだけと云う、丁度大型トラックのエアブレーキを想像して頂けると判り易い。
しかしシルバーシャドウではロールスロイスのプライドが許さないのか、
本家シトロエンの作動オイルである「LHM」(ミネラルオイルとも呼ぶ)を使わず、
「RR363」と云う特殊なブレーキオイルを使う。
これがその前後2系統のハイドロリックポンプに応じた2系統のリザーブタンク。
汚くて恐縮だがこれでも過去に何度も塗装しているんだが、
このRR363と云うのは外観上、性状共に一般のブレーキフルードに似てはいるがもっと粘度があり、
且つ一旦付着したら普通に水で流した位では流れ落ちない位の粘りがあり、
周囲の塗装は一瞬で剥げ落ちてしまうと云う困った奴なんだよね・・・。
(シルバーシャドウ以降のコーニッシュやシルバー・スパーでは普通のLHMに変更された)
で、このRR363で駆動されるアキュムレーターも以後のロールスの物も普通のシトロエンのアキュムレーターも使えず、
そしてディーラーからは新品は供給されず、
昔からロールスロイスを手掛けているディーラーに行ったらオーバーホールの後に加圧ポンプで窒素ガスを充填してオーバーホールしてくれるのを頼るしか直す方法が無い・・・。
今の所近所に馴染みのディーラーやってた個人があるがこれから高齢化社会、
この人が廃業し職人がいなくなったらどうすれば良いんだろうと思案中。
ロールスロイスのファンベルトって何だか滅茶苦茶丈夫なんだ。
コーンズに行ってた友人が「安くても絶対社外品は使うな、全然違う!」と云ってたんで10年程前に全部
交換したんだが、
何だか全然痛んでないし張りも緩んでないんだよね。
カップリング装備の巨大なファンを回す二重掛けのファンベルトの前には、
巨大なフロントグリル一杯の大きさのこれ又巨大なラジエター。
手前にあるのがパワーステアリングポンプで、
右側にあるラジエターの上にあるのはラジエターキャップじゃ無くて「ラジエターキャップとサーモスタットを兼ねる物」。
中にはタンク内部でオーバーフロした水を逃がす弁と、
水温で開平するサーモスタットが入ってるがこれが面白い奴で、
中央の弁の周りにレンコンみたく穴が開いててその穴を半田みたいな金属で塞いであるんだが、
この金属は100℃以上になると溶けてしまう非常に融解点の低い奴で、
一度これが溶けると半田はサブタンク内に落っこちてカラカラ音を出し水路はヒーターも利かない程ズコズコ、
オーナーはオーバーヒートした事を以後のヒーターの利き具合しか判断出来ないと云う面白い奴(笑)
メーカーは「ロールスロイスのオーナーはボンネットなんか開かなくて良い」と云いたいのかも知れない。
ボンネット右側、この不思議なサーモスタットの反対側にあるのが本来のラジエターキャップ。
ベークライト製のこのデカいキャップを回せるヘキサゴンレンチを見た事が無い。
仕方なくウォーターポンププライヤーで回している。
GM製の巨大なコンプレッサーとキルティングのボンネットインシュレーターを見て欲しい。
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