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■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
海底資源開発
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地球上の約7割を占める海には、石油や石炭、天然ガス、マンガンなどの鉱物
資源が多数存在すると言われています。近年、人口増加や途上国の経済発展に
伴って、石油やレアメタルなどの地下資源に対する需要が高まっており、沿岸
国を中心にこうした海底資源の開発に対する関心が一層高まっています。
▼海洋に関する国際的枠組み
現在、海洋での国家間の権利を定めた国際条約として、海洋法に関する国際連
合条約(国連海洋法条約)が多くの国によって批准されています。1982年に採
択され、1994年に発効されたこの条約では、国土の海岸に沿って定められた基
線から12海里以内を領海、200海里以内を排他的経済水域と定めるとともに、
200海里を越えて大陸棚が続いている場合は、最大350海里までその沿岸国に大
陸棚での資源開発の権利を認めています。これに対し、どの沿岸国にも属さな
い海域は公海とされ、そこにある資源を「人類の共同の財産」として、条約の
すべての締約国で構成される国際海底機構の管理下におくものとし、その許可
を得た場合にのみ、内陸国を含むすべての国が資源開発を行えるように取り決
めがなされています。
▼陸上資源から海底資源へ
これまで人類は、陸上にあるさまざまな資源を採掘し続けてきましたが、こう
した資源は有限であり枯渇するのは時間の問題です。そのため、陸上に代わる
新たな採掘場所として、海底が注目を集めています。従来、海底での開発は、
陸上の場合と比べて技術的に困難であるため、投資に見合った利益が得られに
くいとされてきました。しかし、科学技術の進歩とともに、より悪条件な海底
でも採掘作業が行えるようになってきたことや、採掘対象となる資源の国際価
格が上昇していることで、国や企業が海底での資源開発に参入しやすい状況が
生じています。また、地球温暖化の影響によって北極海の氷が解け、そこでの
資源開発が容易になりつつあるなど、これまでにはなかった環境的な要因も見
られます。このような状況を受けて、今後は沿岸国の大陸棚を中心に、海底資
源の開発がさらに加速していくことが予想されます。
▼海底資源開発をとりまく問題
海底での資源開発に関して大きな懸念事項となっているのは、地球環境に対す
る影響です。これまで海底に閉じ込められていた石油や天然ガスといった化石
燃料が無制限に採掘されるようになれば、温室効果ガスである二酸化炭素の排
出がこれまで以上に増加し、地球温暖化が一層進むことは避けられません。
また、海底資源の採掘施設を海中に設置することで周辺海域の生態系に直接的
な影響が生じたり、北海の油田で発生したような採掘施設の事故によって油や
その他の有害物質が海中に流出する危険性が高まることが考えられます。国家
間においても、油田やガス田が複数の国の海底にまたがって存在するような場
合に、国同士で対立が先鋭化したり、公海上で獲得する資源をめぐって、開発
に必要な高い技術力を有する先進国と、恩恵を受けにくい途上国や内陸国との
間で意見が対立するといった問題が生じています。
エネルギーや鉱物の供給不足が叫ばれ、価格が高騰する中、物質的に豊かな生
活を実現する上で海底資源が大きな可能性を秘めていることは確かです。それ
でも、局所的かつ短期的な利益にとらわれて歯止めなく海底資源開発を推し進
めることは、長い目で見た場合に地球や人類全体にとって大きなリスクとなる
おそれがあります。また、たとえ現時点では海底に豊富な資源が眠っていると
しても、際限なく海底資源の採掘を進めていけば、いずれは陸上資源と同様に
枯渇するため、持続的な解決策にはならない点にも注意が必要です。地球規模
での影響を踏まえながら、長期的な視点に立って、より持続可能な形で解決策
を探ることが求められています。
【参考文献】
栗林忠男、秋山昌廣 編著『海の国際秩序と海洋政策』(東信堂、2006年)
瀬川爾朗 編『海底と宇宙に資源を求めて』(講談社サイエンティフィク、2002年)
宇野重昭、勝村哲也、今岡日出紀 編『海洋資源開発とオーシャン・ガバナンス』
(国際書院、2004年)
外務省「国連海洋法条約」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaiyo/unclos.html)
(担当:アツシ http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/32957242.html)
地球に眠っている資源はどの時代の誰のものなのかについて考えさせられました。
★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
*9月から英国に留学するため、メルマガの記事を書くのはしばらくお休みです。
(あっきー)
*今流行?のひんやりジェルマットを買ってしまいました。最初は若干涼しいので
すが、だんだん生温かくなってくるのはしょうがないのか。(アツシ)
*今月は球場で阪神タイガースを全身全霊応援してきます。あの暑苦しさ大好きです。
(もん)
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