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【中国の砂漠化と緑化対策】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
★中国における砂漠化★
中国と言えば、広大な国土と約13億人にも上る人口が思い浮かびますが、そ
の中国で深刻な問題となっているのが国土の砂漠化です。現在、中国には、北
西の内陸部を中心に国土の砂漠化が進行しており、砂漠化の恐れがある地域も
含めると、実に国土の約3割が砂漠化の脅威にさらされています。中国で砂漠
化が進んだ背景には、乾燥と強風という気候的な要因に加えて、人為的な要因
が大きく影響していると言われています。過剰な放牧や強引な開墾、森林の伐
採などにより荒れ果てた土地に強風で飛ばされてきた砂が覆い被さり、土壌の
乾燥が進んだ結果、その土地が砂漠化してしまうのです。こうして数十年前に
は緑が豊かであった土地が、現在は砂漠化していることが少なくありません。
このような砂漠化は毎年確実に広がっており、周辺地域に住む住民の生活をよ
り困難なものにしています。
★移住を困難にする戸籍制度★
土地の砂漠化により住民が大きな被害を被っているのであれば、その土地を離
れて別の土地に移住すれば良いのではと思いがちですが、中国で移住すること
はそう簡単ではありません。
中国では1958年に制定された戸籍制度により、農村出身者と都市出身者の戸
籍が厳密に区別され、農村から都市に移住することが非常に困難になっていま
した。この結果、農民は与えられた土地で農業を営んで生計を立てるか、ある
いは都会に出て都市労働者がやりたがらない仕事をする出稼ぎ労働者になるし
かありませんでした。また、生活が苦しい場合には麻薬の密売に関わる者が出
てくるなど、戸籍制度は農村部で生活水準が改善されない原因の1つになって
きました。現在、農村出身者と都市出身者を区別する戸籍制度は各地で徐々に
改正され、移住に関する規制が少しずつ緩和されてきていますが、制度が完全
に廃止され、その恩恵を受けて農村出身者の生活水準が改善されるに至るまで
にはまだ時間を要するものと考えられます。
★ケア・ジャパンの活動★
ケア・ジャパンでは、こうした砂漠化地域で生活している住民が砂漠化防止に
取り組み、耕作可能な土壌を再生するために、現地の県政府と協力し、緑化活
動を行ってきました。活動場所となったのは、中国北西部に位置する甘粛省古
浪県で、農業人口が総人口の95%以上を占める農村地帯です。
この地域は元々、年間平均降雨量200mmと少なく、さらに海抜1,500m〜
3,500mの高地のため気候が寒冷であることから、農耕可能な期間が限られて
います。さらに、北西から常時吹き付ける風により流動砂丘が南東に移動し、
耕地が砂の下に埋まってしまい耕作不能になると共に、風砂害により広範囲の
耕地・草地で深刻な土壌劣化が進行しています。
これらの事情により、耕地からの単位収穫量は毎年下降の一途をたどっていま
す。住民の中には、生計手段として零細規模の家畜飼育を伝統的な手段で行う
と共に、農閑期に他地域に出稼ぎに行くことによりわずかな現金収入を得てい
る者もありますが、それでも農業に生活を大きく依存する地域住民の暮らしは、
土地の生産性低下に伴いますます困窮を極めています。
ケア・ジャパンの活動では、家畜飼育の支援を中心にしながら、耕作可能地の
減少を防ぎ、耕地の生産性を高めるため、地域住民とともに草方格(そうほう
かく)を設置したり防砂林を造林する活動を実施し、砂漠化防止に取り組んで
きました。また、事業実施地の住民に働きかけ、住民集会などを通じて砂漠化
に対する危機意識の共有を促す活動も行ってきました。こうした流動砂丘の固
定化や防砂林設置の手法、および意識改革は着実に現地指導者および住民のも
のになってきており、毎年激しい風砂害に悩まされてきた住民にとって大きな
力となっています。
★草方格を利用した緑化★
古浪県における活動では、流動砂丘の固定化に、草方格と呼ばれる手法を用い
てきました。
草方格とは、麦わらなどを利用した、砂の移動を防止する手法(およびその設
置物)のことです。この手法は、流動砂丘の砂を固定するのに非常に大きな効
果があります。流動砂丘では、水不足の他に植物が育たない大きな原因として、
砂の移動が挙げられます。風によって絶えず砂が移動すると、植物の種が地表
にさらされたり、逆に地中の奥深くに埋まってしまうことで、発芽自体が困難
になります。草方格を利用すると、砂の移動を食い止め、植物が土壌に定着す
るような環境を整えることができます。また、草方格にはそれ自体に保水効果
があるため、雨水によって得られた水分を植物に持続的に供給できるという大
きな利点もあります。
大変有効な手法である草方格ですが、その設置に特別な技術や資材は必要あり
ません。草方格を設置するには、砂地に約1メートルの間隔で格子状に細い溝
を掘っていき、その溝の中に乾燥地に生える植物の種を蒔きます。次に、この
溝の上に麦わらを並べていった後、麦わらの真ん中の部分を溝に沿ってスコッ
プで地中に押し込むと完成です。この方法で植えられた植物の種は、麦わらで
守られることにより、土壌に着実に根付くことが可能になります。
こうして設置された草方格では、設置場所や環境による差異はあるものの、数
年後にその一帯の緑が大きく回復することも期待できます。そのため、草方格
によって風砂害による影響を抑えて耕地の生産性を高めるのに加えて、牧畜業
を営むために必要な牧草を草方格で生育するなどの方法で、住民の生計を直接
的に支える手段としても活用されています。
今回はネパール、日本、中国という3ヶ国での植林をテーマとして考えてき
ました。植林といっても、ただ「木を植える」というところで終わるわけでは
ありません。なぜその地域で植林が必要なのか、森林を住民の生活の中でどう
位置付けていくのかという視点が欠けると、植林が本当に成功したといえる状
況にはならないのではないでしょうか。
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【編集後記】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
ちなみに今回例にしたネパールの植林事業をしている地域に行くには交通機関
がなく、徒歩しかないそうです。それも徒歩で都市から2.5日かかります。
今時の日本人には無理かな。(トリ)
日本の林業を復活させるには月9が一番?!(ソノ)
草方格ですが、本当に効果がすごいんだそうですよ。写真をお見せできないの
がちょっと残念。(アツシ)
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