CAREボランティアの徒然日誌

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■□■ 用語事典 ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

CSR

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CSR という言葉をご存知でしょうか。CSR とは Corporate Social
Responsibility の略で、一般的に「企業の社会的責任」と訳されます。近年、
企業の経済活動が多角化、グローバル化し、社会に対する影響力が一層強まっ
ている中、社会と企業の両方で CSRへの関心が高まっています。

CSR では、企業と直接的、間接的にかかわりを持つこれらの広範な利害関係
者、つまり消費者、社員、株主、取引先のほか、企業に協力を求める NGO、
NPO や地域社会に、企業活動の成果をバランスよく配分することが重要と考
えられています。また、自然環境なども社会的責任を果たす対象とされます。

CSR にはさまざまな側面があります。法令を遵守した上で、製品やサービス
を消費者に安全に届けることや、環境に十分に配慮して企業活動を営むこと、
地域社会の振興に協力することなどは CSR の一環として挙げられます。ま
た、自社や取引先の社員の人権を尊重することや、企業活動に起因する問題
を社会に対して迅速に開示することなども、企業の社会的責任といえるでし
ょう。企業が社会貢献活動を行う分野は多岐にわたりますが、特に本業と関
連のある分野での社会貢献活動が広く行われています。これは、各企業が持
つ設備や商品、社員のノウハウを最大限に活かすことができるため、効率的
な方法といえます。

最近では、企業の海外進出や市場のグローバル化が進み、企業活動を通じた
国際協力への意識も高まりをみせています。こうした国際協力の分野では、
海外工場での現地社員の労働環境の改善、自社製品を通してのフェアトレ
ード、NGOへの寄付などが行われています。こうした活動は、途上国におけ
る労働問題や貿易搾取問題の改善へ向け大きな役割を担っています。現地の
NPO や国際 NGO との協働による活動の効率化も今後さらに進むことが期待
されています。

社会貢献活動を推進することを目的として、CSR に専門的に取り組む部署
を設ける企業が増えています。しかし、そうした中には、一般社員の理解
と協力が得られず、活動が限定的であったり、最初から企業イメージを向上
させることのみが重視され、活動が表面的なものにとどまっている場合もあ
ります。CSR 本来の目標である広範なステークホルダーを満足させるために
は、企業の一部の人々だけでなく、投資家、経営者や社員全体が CSR の意
味を理解して日々のさまざまな企業活動の中で社会貢献を実践していく必要
があります。また、企業の製品を買う立場の消費者が CSR について意識を
高めていくことも必要といえます。例えば、利益増大のためなら環境破壊を
も厭わないような会社や、下請け企業を劣悪な環境で働かせて不当な利益を
得ているような会社に対しては、意識的に製品の購入を控えるなどの行動も
求められます。こうした企業に対して消費者が拒否の姿勢を見せることで、
企業に社会的責任を果たすように促すことができるのです。

企業活動を通じて社会に貢献することは、長期的には企業に多くのメリット
をもたらします。社会に貢献する企業で働くことは社員の誇りとなり、生産
性の向上につながります。また、誠実な企業姿勢が消費者から支持され、製
品の売上増加も期待できます。他にも地域住民や取引先から高い評価を得て、
深い信頼に基づく協力関係を築くことができるなど、CSR の実践により、
社会における企業の存在価値を高めることができます。

資本主義社会が成熟しつつある中、社会的な責任を果たさずに自社の利益を
過度に追求しようとする姿勢は、社会から評価されないようになっています。
各種のステークホルダーとともに、社会で調和的、相乗的に発展していくよ
うな姿勢が、より多くの企業に求められています。社会全般の幅広い人々に
利益をもたらすような企業活動の実践こそが、CSR の本質といえます。

★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
麻薬は、正しい使い方をすれば正規の医薬品です。(トリ)
津波イベントぜひいらしてくださいね!(めぐ)

★∞∞★∞∞スマトラ沖津波1周年イベント開催のお知らせ!∞∞★∞∞★
スマトラ沖津波1周年イベント
チャリティー写真展
「スマトラ沖地震から1年?生きるチカラ、復興への鍵?」

(財)ケア・インターナショナル ジャパンは、スマトラ沖地震・津波の
発生から丸1年を迎える節目にあたり、チャリティー写真展を開催します。

災害発生直後の緊急支援に対して多くの支援者やメディアの関心が
寄せられがちですが、現地の人々の生活が元に戻るには3年から5年、
もしくは10年かかるとも言われており、津波がニュースから消えてしまった
まさにこれからが正念場です。

盛りだくさんの企画でお待ちしていますので、スリランカやインドネシアの
民族音楽が流れるギャラリーに気軽にお立ち寄りください。

また開催中お手伝いいただくボランティアも募集しています。
ご関心のある方は事務局(Tel 03-5950-1335 担当:高木)まで、
お問い合わせ下さい。
*ボランティア募集の詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.careintjp.org/news/v.html

■日時 2005年12月25日(日)〜12月29日(木)の5日間
11:00〜20:00 ※但し、26日は17時、29日は15時まで
■場所 美術会館 ギャラリー青羅
(東京都中央区銀座3-10-19 美術会館1F)
■写真 写真家 Harsha De Silva(ハーシャ ダ シルバ氏)
■入場料 寄付金として任意で500円程度
■協賛 (株)生活の木、スターバックス コーヒー ジャパン(株)、
ハーゲンダッツ ジャパン(株)、(株)美術会館ギャラリー青羅
■後援 スリランカ大使館、インドネシア大使館、スリランカ政府観光局、
ブリティッシュ・カウンシル (一部申請中)

【同時開催企画】
■スライドショー&報告会
25日(日)14:00〜15:30
事務局長 野口千歳「あの時、そして今〜始まったばかりの復興」
27日(火)14:00〜15:30
インドネシア:国内避難民のための水と衛生プロジェクト担当 鈴木
「緊急、復旧から復興へ〜被災地の自助努力を支える」
28日(水)14:00〜15:30
スリランカ:学校における子どもの心のケアプロジェクト担当 草川
「心の復興を目指して〜コミュニティで取り組む参加型アクションプラン」

■クリスマスパーティー 
25日(日)18:00〜20:00
特別なクリスマスの一夜を、温かいコーヒーやハーブティ、アイスクリーム、
そしてワインなどを片手に、お洒落な銀座のギャラリーで過ごしませんか。
CARE紹介ビデオの初公開も予定しています。

■オークション
写真展開催中、展示している写真のオークションを行います

■物品販売
CAREグッズや協賛企業各社からの提供商品等を販売します

■お問い合わせ
国際協力NGO(財)ケア・インターナショナル ジャパン
マーケティング部 担当:高木
TEL 03-5950-1335 FAX 03-5950-1375
Email info@careintjp.org
URL http://www.careintjp.org/

※入場料やご寄付、また物品販売等を通して皆様からいただいた資金は、
すべてインドネシア「国内避難民のための水と衛生のプロジェクト」
ならびにスリランカ「学校における子どもの心のケアプロジェクト」の実施
にあたり、有効に活用させていただきます。

寒暖の差が激しい今日この頃、皆さん風邪などひいていませんか?早いも
ので、2005年も最後のメールマガジンとなってしまいました。今年もいろ
いろなテーマを取り上げてきましたが、みなさんのお気に入りはどの号で
したか?ご意見、ご感想もぜひお寄せください。また、今月は「スマトラ
沖津波1周年イベント」が開催されます。みなさんのご来場お待ちしていま
す!

┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■今月のPICK UP!!
山岳民族と麻薬問題
■CARE プロジェクト紹介
スマトラ沖津波復興支援 国内避難民のための水と衛生プロジェクト 
■用語事典
「CSR」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■□■ 今月のPICK UP!! ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山岳民族と麻薬問題

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▼世界に広がる麻薬問題
現在、世界各地で薬物の乱用が問題となっています。薬物の種類には、麻薬、
向精神薬、覚せい剤、大麻などがあります。こうした薬物を社会的許容範
囲から逸脱した目的や方法で自己使用することがここでいう乱用になります。

麻薬の扱いに関しては、世界各国で取締法の制定などが進み、乱用防止のた
めのさまざまな取り組みがなされています。それにもかかわらず、今もなお
こうした問題はあり続けています。麻薬乱用問題には麻薬の貿易構造が密接
に関連しているため、この問題の最終的な解決には、生産国における麻薬密
造の取締りが必要になるということの表れであるといえるでしょう。このこ
とから麻薬問題は世界規模で解決すべき問題と言えます。

麻薬の密造地帯として有名な地には、東南アジアに位置するゴールデント
ライアングルと呼ばれる黄金の三角地帯(ラオス・タイ・ミャンマーにま
たがる国境地帯)や黄金の三日月地帯(パキスタン、アフガニスタン、イ
ラン)などがあります。世界に広がる麻薬は、こうした地域で作られ、外国
に輸出されていることが多いのです。ここでは、ゴールデントライアングル
の中に位置するラオスを例に、この地に住む人々が麻薬の密造に関わってい
る背景について考えてみたいと思います。

ラオスは多民族国家であり、その中には、山岳地帯に居住する民族(山岳民
族)もいます。一部の山岳民族には、高山植物であるケシを栽培する慣習が
あります。ケシはこの地域では12月から1月にかけて、いっせいに白い花を
咲かせます。ケシの白い花のじゅうたんは、それは壮観な眺めと言われます。
この白い花が落ちたケシ坊主に、女性たちが刃物で傷をつけ、表面に浮き出
た白い樹液を採取します。これが、アヘンの黒い固まりや、ヘロインの白い
粉に精製されます。ケシの栽培を含む日々の重労働の疲れを癒すため、彼ら
は代代、鎮痛効果のあるアヘンを薬として、自分たちが使う分だけ栽培して
きました。しかし、この山岳民族のケシ栽培の慣習に目をつけた外国の国際
麻薬組織が買い付けに来るようになりました。山岳民族は収入が低いため、
自分たちの生活のためにケシの栽培を拡大していきました。このように栽培
されたケシは麻薬として精製され、ラオス国外にも輸出されていくようにな
りました。

ラオス以外のゴールデントライアングルの国々でも、ラオスと同じような背
景の中で麻薬の原料となるケシが栽培され、輸出されていきます。つまり、
元来は自分たちの常備薬として栽培していたケシを生活のために販売用とし
て栽培することになってしまったのです。麻薬の栽培は各国で規制されてい
るため、山岳民族が行っている行為は密造にあたります。しかし、山岳民族
は都市部に暮らす人々と比べ貧困状態におかれていることが多く、彼らは自
分の生活を維持するためにケシ栽培を継続せざるを得ない状態に置かれてい
ます。また、麻薬の密造には国際麻薬組織が関連しているとされ、山岳民族
自身にとってもリスクを伴う状態になっています

▼麻薬問題の解決と国際協力
慢性的な貧困に陥っている山岳民族の生計の手段である麻薬の密造をなくす
ためには、彼ら山岳民族の貧困問題に取り組むことが必要になります。しか
し、一方的に麻薬の密造を法律的に禁止するだけでは、彼らの生活を苦しめ
る結果となり彼らの生活改善を含めた根本的な解決にはなりません。実際に
ケシの供給地であるミャンマーでは、規制立法の影響で数百人に及ぶ餓死者
が出てしまったという報告もあります。貧困対策の一つとしては、ケシに替
わる作物の栽培を支援することが考えられます。伝統的にケシを栽培してき
た山岳民族にとって、それに替わるものを栽培するのは大変なことです。し
かし、成功すれば、彼らは継続的な収入を得ることができ、安定した暮らし
を営むことができるでしょう。また、ケシの栽培では国際麻薬組織という固
定の買い付け人がいましたが、新しい作物では新しいマーケットを開拓する
必要があります。山岳民族の自立した経済活動のために、栽培だけでなく、
販売といった面からも支援を行うことが重要だと考えられます。

■□■ CAREプロジェクト紹介 ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ケア・インターナショナル ジャパン
「スマトラ沖津波復興支援 国内避難民のための水と衛生プロジェクト」

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2004年12月26日に発生した大地震と、その直後に発生した津波により、イン
ドネシアでは多くの命が奪われ、行方不明者が出ました。国内避難民の数も
53万人にも上り、水資源や排泄設備が不十分な仮設住宅や避難所での生活を
強いられた人々を取り巻く環境は今もなお劣悪なものです。ケア・インター
ナショナル ジャパンは今年3月からインドネシアのバンダ・アチェおよび
アチェ・ブサールで「国内避難民のための水と衛生プロジェクト」に取り組
んでいます。

津波の被害は多方面に及びます。たくさんの住宅が被害を受け、住宅の再建
が急務となっていますが、津波による土地の権利書の損失が相次いでいるた
め、土地の所有権があいまいになっています。不要な争いを避けるためにも、
土地の登記から慎重に進められているのが現状です。そのため、今もなお多
くの避難民が仮設住宅や避難所での生活を余儀なくされています。また、行
政機関である水道局などが被災したことで、水の供給や排泄施設の管理とい
った本来は行政が担うべきサービスが滞り、飲料水や生活用水、排泄施設へ
のアクセスといったさまざまな生活インフラが限られたものとなっています。
こうした状況の中では、下痢や下痢によって引き起こされる脱水症状や栄養
失調が懸念され、特に免疫力が低い子どもや老人にとっては命取りとなるこ
ともあります。CAREが目指すのは、こうした津波による二次災害が被災者の
間に広がることを防ぎ、人々が健康な生活を送れるようにすることなのです。

CAREは、避難民への水の供給や仮設トイレの排泄物の除去といった活動を通
して被災地の衛生を保つと同時に、避難民への衛生教育も行っています。手
洗いの励行や飲料水の浄化液の使い方を書いた看板を設置することで住民の
衛生習慣の改善を訴えたり、CAREのトレーニングを受けた、コミュニティチ
ームと呼ばれる地域住民の有志による普及活動を通して、限りある水の効率
的利用や、下痢患者や感染症の発生を早期発見するためのチェックなどを地
域の人々とともに行っています。プロジェクトが終了した後も、有益な知識
や好ましい習慣が地域に根付くためには、住民の意識向上、そしてプロジェ
クトへの主体的な参加が大変重要になります。「水と衛生プロジェクト」は、
こうしてアチェにおける病気のまん延をくい止めています。


津波発生からまもなく1年になります。アチェでは現在雨季にあたり、避難
所を中心に衛生状態の一層の悪化が懸念される正念場です。地域住民、NGO、
行政機関の信頼・協力関係を築き、被災地の水・衛生問題を解決できるよう、
これからもさまざまな努力が必要とされます。

★∞∞★∞∞スマトラ沖津波1周年イベント開催のお知らせ!∞∞★∞∞
(財)ケア・インターナショナル ジャパンは、スマトラ沖地震・津波の
発生から丸1年を迎える節目にあたり、チャリティー写真展を開催します。
また、写真展の開催にあわせ、上記のインドネシアにおける「国内避難民の
ための水と衛生プロジェクト」およびスリランカにて実施している「学校に
おける子どもの心のケアプロジェクト」など、CAREの津波復興支援事業の報
告も行います。当日の詳細なプログラムについては、このメールマガジンの
最後のお知らせ部分に掲載しています。また、以下の当財団HPにも掲載中で
すので、ぜひご覧ください。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

スマトラ沖津波1周年イベント
チャリティー写真展
「スマトラ沖地震から1年?生きるチカラ、復興への鍵?」
2005年12月25日(日)〜12月29日(木)

http://www.careintjp.org/news/20051125.html

(後半へ続く)

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HIV/AIDSに対する取り組み 〜タイの事例

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現在、多くの国々(特に途上国)では、十分な社会保障制度が確立され
ていない状況にあります。ここでは、保健医療制度について考えたいと
思います。来月12月1日は世界エイズデーですが、今回はタイにおける
HIV/AIDS対策を取り上げます。

タイ政府のとったHIV/AIDS対策は、発展途上地域の予防プログラムとし
ては、数少ない成功例だと言われています。1990年代初頭にピークを迎
えてから、新たなHIV/AIDS感染者数は80%以上も減少しました。

▼政治的意思
タイでは、1984年に初めてエイズが確認されると、1987年に国家エイズ
予防対策計画が策定されました。HIV/AIDSに対する政府の対応は、財政
的な支出の約束に裏づけされたものでした。1987年から91年にかけて、
タイ政府と支援国からの供出は、68万4000ドルから1000万ドルに急増し
ました。1997年までに政府によるエイズ対策プログラムへの年間支出は、
8200万ドルまでに達しました。

▼多方面からの参加による協同
患者から個人開業医、僧侶に至るまで、多くの関係者がエイズ対策プ
ログラムを立案し、実施するために政府と協力しています。たとえば、
HIV/AIDS感染者からなる150のグループは、他のHIV/AIDS患者の支援お
よび啓蒙活動を行っています。タイ・エイズNGO連合は、NGOのエイズ活
動の調整を行っています。また革新的な取り組みとして、政府は「女子
の脆弱性削減計画」を策定し、若い女性が教育を受け続けられるように
奨学金を提供し、売春婦になるのを防ごうとしています。これは、多く
の女性が教育を受ける機会がないために性産業での職に就かざるを得な
い状況が背景にあります。

▼ハイリスク・グループに的を絞る
1989年、タイ第2の都市でタイ北部に位置するチェンマイの性労働者の
44%が、HIV陽性であることが判明しました。タイ政府が力を注いだの
は、売春が存在することを否定する代わりに、売春施設を訪れる男性
を減らし、性労働者にコンドームの使用を奨励することでした。1991年、
コンドーム100%使用プログラムを立ち上げ、ハイリスク・グループに
年間3100万個のコンドームを配布しました。診療所でも1年に6億個の
コンドームを無料で配布しました。

このような努力により、めざましい成果がもたらされました。1988年
から92年にかけ、売春施設でのコンドームの使用率が14%から90%に
上昇しました。さらに、売春施設を訪れる男性の数は、1施設当たり平
均、1日4.0人から1.5人に減少しました。その結果、1991年には50%で
あった性労働者のHIV/AIDS感染率は、2001年には10%未満に減少しました。

▼教育キャンペーン
コンドーム100%使用プログラムと並行して、政府による情報提供キャ
ンペーンも行われました。それにより、エイズ情報がどこでも入手可能
になりました。シリアルの箱から広告掲示板、テレビにいたるまであら
ゆるところで情報提供が行われていて、テレビやラジオでは、1時間ごと
に1分間のエイズ教育のスポット・コマーシャルが流れました。このよう
な情報は、HIV/AIDS感染者に対する偏見を消し去る効果がありました。

▼国際支援
タイのHIV/AIDS対策プログラムには、豊富な資金および技術支援が国際
的に提供されてきました。たとえば、国連エイズ合同計画(UNAIDS)は資
金を調達し、プログラムの評価を行い、HIV/AIDS患者を支援しています。
二国間協力では、米国国際開発庁(USAID)や欧州連合(EU)、オーストラ
リア国際開発庁(AusAID)などの連携が挙げられます。

タイの例を見てきましたが、政府の明確な意思と十分な支援が得られれ
ば、ある程度の効果を生み出せることのよい事例と言えるかもしれません。


■□■ 国際協力用語事典 ■□■━━━━━━━━━━━━━━━

貧困

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「貧困」は国際協力に携わる私たちにとって大きなテーマです。しかし、
「貧困」とは何かという問いには答えに窮してしまう人も多いのではない
でしょうか。実際に、貧困とはどのような状態を表すのか、その概念、
定義には一つの確定されたものはないと言えます。

それでは、貧困を示す物差しにはどのようなものがあるのでしょうか。
1990年代まで、貧困とは物質的欠如である、という捉え方がありました。
所得の低さ、食料の不足など購買力の弱さを数値化することで貧困ライ
ンを作るのです。たとえば、「どれくらいの人が1日1ドル未満の所得
であるか」や「どれくらいの人が1日に2200kcalを摂取できないか」
などといった統計の利用です。しかし、はじき出された数値が本当に貧困
を指すかといえば、そこには疑問が残ります。自給自足の暮らしをする人
たちは1日1ドル未満の所得です。また、宗教的理由などにより質素な暮
らしをしている人たちは、2200kcalものエネルギーを摂取していない場合
もあります。彼らは自分たちが貧困状態にあるとは認識していません。
「外部者」が決めた条件を満たさないからといって貧困であるとすること
にも問題があります。

貧困を所得の面から計っているものの例として、「貧困率」があります。
「貧困率」とは、国民全体における国民平均所得の50%以下の所得の人の
割合です。2000年の時点で日本の「貧困率」の高さは27カ国中5位、という
先日の経済開発協力機構(OECD)のレポートに驚かれた方は多いのではな
いでしょうか。世界第2位の経済大国であるはずの日本が「貧困率」にあ
ってはトルコやアイルランドに肉薄して世界で高いグループに位置してい
るのです。貧困率は、第1位がメキシコ、第2位がアメリカとなります。
つまり、「貧困率」はその国の全体的な生活水準ではなく、貧富の格差、
所得格差の大きさを指すものなのです。それゆえ、「貧困率」が高くても、
必ずしも国全体が生活苦に陥っているというわけではないですし、他国か
らの支援が必要というわけではありません。

貧困の定義には矛盾がつきまといます。貧困状態にある人々を所得の面か
ら数量的に捉えることだけでは貧困の本来の状況に接近できないとし、平
均寿命、教育の普及率、1人当たりの所得などを包括的に含めた人間開発
指数(HDI)などの指標も使われています。しかし、そもそも当事者が実際
に「貧困」を感じているか否かという価値観の問題もあり、一律的には
定義し難いのです。

CAREでは貧困を表面的・一元的に捉えるのではなく、経済的・社会的な
不平等が生み出される構造に着目し、人々が持って生まれた権利を行使
できない政治的な環境をも貧困の一環として捉えています。そこで、貧
困をなくすことを目指した活動は、必然的に生活改善にとどまらず、不
平等の是正や機会の創出を目的としています。

★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
復帰第一線目にして、難しい話題をトライさせていただきました(シロウ)
経済的な安定って生活の基本ですよね。
愛情にもお金にも満ちた家庭が理想ですが、
せめて片方だけでも欠かさないでいたいものです。。 (さちこ)
貧困の形はさまざま。
だからこそさまざまな角度から貧困にアプローチすることが大切ですね。(めぐ)

☆☆☆☆☆☆メールマガジン・スタッフ募集☆☆☆☆☆☆
このメールマガジンを一緒に作ってくれるボランティアさんを募集して 
います。ご興味をもたれた方は↓                 
(担当)菅沼まで<m.suganuma@careintjp.org >

■□■皆さんからのご意見・ご感想を以下までお送りください。メルマガ上にて
ご紹介させていただきます!
→ info@careintjp.org

先月は「グローバルフェスタJAPAN 2005」が行われ、CAREブースもパネル
展示やCAREグッズの販売などを行い、大盛況でした。ご来場いただいた方
の中には、「いつもメールマガジン読んでいます」という読者の方もいら
っしゃって、大きな励みになりました。これからも、国際協力や
CARE International Japanの活動に興味をもっていただけるきっかけに
なるようなメールマガジンを目指して、スタッフ一同頑張ります!

┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■今月のPICK UP!!
▼都市に広がるスラム
−スモーキーマウンテン 〜マニラ・トンド地区
−メキシコのスラムとストリートチルドレン
▼HIV/AIDSに対する取り組み 〜タイの事例
■国際協力用語事典
「貧困」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■□■ 今月のPICK UP!! ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━

都市に広がるスラム

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私たちの住む日本の社会は、当たり前にインフラの整備がなされ、一般的
には衣食住を手にすることができ、公共サービスを受けることができる点
からみれば、その住環境はとても快適なものといえます。世界には最低限
度の生活水準をも満たしていない地域があり、そこに住み、生活している
人々がいます。「スラム」とは都市部で極貧層が居住する過密化した地区
のことであり、そこに住む人々は医療などの公共サービスが受けられない
状況にあります。

┼───スモーキーマウンテン 〜マニラ・トンド地区───┼

東南アジアの島国フィリピンの首都マニラは、かつて東洋で最も美しい町
のひとつと言われていました。しかし近年では、世界でも有数のスラムを
多くもつ町として知られるようになりました。

マニラのトンド地区には、かつて東洋最大のスラムとして有名になった
「スモーキーマウンテン」と呼ばれたゴミ捨て場がありました。マニラ
とその周辺から運び込まれた大量のゴミが山積みされ、放置されていた
ために自然発火が起こり、白煙が立ち上っていたことから、その名がつ
いたとされています。「スモーキーマウンテン」には3000世帯、2万人以
上もの人々が、小屋を建てて住んでいました。フィリピン政府はこの地
域の再開発政策を進め、1994年には廃棄禁止に踏み出しました。住民と
の激しい闘争のさなか、1995年に起こったゴミ山崩落の大惨事がきっか
けとなり、この「スモーキーマウンテン」は閉鎖されました。住人は、
一旦は政府の用意した仮設住宅に移動したものの、その後トンド地区か
ら約20km離れたパヤタスゴミ捨て場に移住し、以前と同じような生活を
送っています。しかし、ここでも2000年に崩落事故が起きており、この
ときの被害者は1000人以上ともいわれています。

では、なぜこのような危険な住環境と知りながらも、そこへ集まり、留
まる人たちが後を絶たないのでしょうか。

こうしたゴミの山に住みつく人々の多くが、農村で職を失って都市に流
入した貧しい移民たちです。仕事を求めて都市へ出てきたものの、仕事
が得られず住む場所もない人々はやがてスラムに住みつくようになりま
す。生活のためには働かなければならず、生きていくためのお金を得な
ければなりません。彼らはすさまじい悪臭と不衛生で危険が伴う劣悪な
環境の中で、日々ゴミの山から缶や鉄、アルミニウムなど再利用できそ
うなものを集め、それをわずかなお金にかえて生活しています。彼らの
ようなゴミを拾って生活する人々を、スカベンジャー(scavenger)と
いいます。その中には小さな子どもたちも多く含まれており、抵抗力の
弱い子どもたちは常に、汚染された空気と感染症の危険にさらされてい
るのです。

こうした子どもや女性たちを支援するため、さまざまな民間団体が支援
活動を行っています。安全な上水と衛生的な下水処理などの環境整備、
恒常的に持続可能な経済基盤を目的とした自立支援、子どもとその親た
ちの教育支援など、彼らの生活改善のために今日までさまざまな支援が
なされてきました。


┼───メキシコのスラムとストリートチルドレン───┼

メキシコシティは約2000万人が暮らすラテンアメリカ最大の都市であり、
標高約2,200メートルの高地に位置しています。世界一の大気汚染と
ゴミ問題で有名なこの都市では、スラムで生活する人々が年々増え続け
ています。

メキシコでは植民地時代の名残で、多くの農民が貧しい生活を送ってい
ましたが、近年の工業化による都市の発達に伴い、仕事を求めて多くの
農民が地方から都市へと押し寄せるようになりました。しかし、彼らの
仕事は肉体労働、家政婦、物売りなどに限られ、生活に充分な賃金を得
ることは困難でした。移住してきたものの、職に就けない人々はスラム
をつくって住むようになっていきました。メキシコは2002年に国内総生
産(GDP)が世界第9位へと上昇した中進国ですが、国民の半数以上が貧
困層に属しているといわれています。1994年にアメリカ、カナダとの自
由貿易協定(NAFTA)が発効され、貿易自由化により経済規模が成長した
にもかかわらず、貧富の差はいっそう拡大しています。スラムで暮らす
人たちの生活は非常に苦しく不安定ですが、その実態は特に子どもたち
にとって深刻なものとなっています。子どもたちの親は大半が教育を受
けておらず、賃金の低い職に就くため、収入は増えません。日々の暮ら
しがやっとで子どもたちの将来を考えることはおろか、子どもに愛情が
注げなかったり、ストレス発散のため虐待してしまったりする親も多く
いるのです。

メキシコシティのスラムでは、ストリートチルドレンと呼ばれる路上で
暮らす子どもたちが多く存在します。公的な統計データはなく、ストリ
ートチルドレンの正確な人数を知ることは困難ですが、現地で活動する
NGOによると、2000年時点でメキシコシティの路上に暮らす子どもたち
の総数は、2万人〜3万人にも上ると推定されています。ストリートチル
ドレンの境遇はさまざまで、家族と暮らしながら路上に働きにきている
場合、時々家に帰る場合、帰る場所がなく路上に暮らしている場合、家
族全員が路上に暮らしている場合などに分けられます。

メキシコシティでは、ストリートチルドレンを支援するため、政府や宗
教団体、たくさんのNGOが活動しています。路上で流行するHIVとエイズ
に関する啓蒙活動に力を入れる団体、ドラッグ依存症の子どものリハ
ビリテーションに取り組む団体、職業訓練を実施する団体など、組織に
よって活動内容や考え方はさまざまです。また、あるNGOでは、貧困地
域において、住民を含めた保育活動に力を入れています。ストリート
チルドレンが生まれる背景には、貧困を原因とする家庭の崩壊がありま
す。貧困を解決しない限りストリートチルドレンは増加し続けるという
厳しい現実があります。

(後半へ続く)

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CAREはパキスタン地震被災地にて活動を開始、ケア・インターナショナル
ジャパンは、パキスタン地震緊急募金の受付を開始しました。皆様の温か
いご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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10月8日(土)、北パキスタンでマグニチュード7.6規模の地震が発生し
ました。地震はパキスタン、アフガニスタン、インドに大きな被害を及ぼ
し、住居や学校、病院が倒壊するだけでなく、中には村全体が崩壊し、
約19,000人が犠牲となりました。

現場は、土砂崩れなどにより道路によるアクセスが遮断され、インフラが
破壊されたことでコミュニケーションが取れない状態の場所もあり、状況
の把握と救援支援活動を困難にしています。

CAREでは上記3国に現地事務所を構えていますが、パキスタンではマルチ・
エージェンシー・アセスメント(複数の機関・団体が共同で行う緊急調査)
に加わり、北西部州のサングラおよびコヒスタン地区において活動を開始
しました。また、インド領カシミール地方には、4名のスタッフを送りこみ
緊急調査にあたっています。

CAREの緊急支援ディレクターによれば、「生存者に即座に配給する必要が
あるのは、他の緊急事態と同様に、仮設テント、毛布、食料、水および医
薬品」ということです。

CAREでは、被災者の支援のために募金を開始しました。ご寄付は、現地
CARE事務所を通じて、現地のパートナーの協力を得て行う緊急・復興支
援活動に使用させていただきます。皆様の温かいご支援をよろしくお願い
いたします。


ご寄付の送付先:
●郵便振込み(振り込み手数料免除)
口座番号: 00130?6?685603
口座名義: 財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン募金口

●銀行振り込みをご希望の方は、お問い合わせください。


お問い合わせ先:
財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン(CARE International Japan)
マーケティング部
〒171-0032 東京都豊島区雑司ヶ谷2-3-2
Tel. 03-5950-1335 Fax. 03-5950-1375
E-mail: info@careintjp.org

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