CAREボランティアの徒然日誌

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■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

食糧問題

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早いもので今年もあと1カ月となりました。これからの時期、忘年会、クリスマ
ス、お正月、新年会などイベントが増えてきます。そこで多くの料理を口にする
機会があるかと思いますが、今回は食糧について取り上げたいと思います。

▼途上国における食糧の状況
私たちが普段の生活でも実感するように、今世界の食糧価格は大幅に上昇してい
ます。価格高騰の原因としては、世界人口の増加、新興経済国の発展、バイオ燃
料の急速な拡大、気候変動、干ばつや洪水による被害、食糧輸送コストの上昇な
どがあげられます。また、中国やベトナム、インドネシア、カンボジアなど、食
糧輸出国の中には自国の消費者を守るために輸出規制措置をとる国もあり、それ
も価格上昇を加速させた原因の一つとされています。

食糧価格高騰は私たちの家計にも厳しく影響しますが、それにも増して途上国が
受ける打撃は大きく、飢餓の増大が深刻な問題となっています。先進国での全消
費支出における食糧の割合は10〜20%なのに対して、途上国では60〜80%と非常に
高く、収入が少ない人々にとってはほんのわずかな値上げでも生活を左右する深
刻な問題です。

飢餓は個人の生命に関わる問題である一方で、社会にとっても労働生産性や教育
に悪影響を及ぼし、結果として国の経済成長を妨げることとなります。また、飢
餓により暴動や略奪などの治安悪化も懸念されています。

▼日本における食糧の状況
日本の食糧自給率は年々減少していますが、この原因として戦後食生活の洋風化
で自給率の高い米の消費が減り、逆に自給率の低い畜産物や油脂の消費が増えた
ことがあげられます。現在、日本は世界最大の食糧輸入国としてさまざまな食糧
を大量に輸入しています。

しかし、その一方で大量の食べ残し、賞味期限切れによる廃棄、野菜や食肉など
の可食部分の過剰な除去などを日々出し続けており、日本に出回る食品のうち5
〜10%が食品ロスとなっています。ロスされた食品の6割は飼料や肥料などに再利
用されますが、残りの4割は再利用されることなく処分されています。

一般家庭での食品ロスは、買い物のとき意識して買い過ぎを控えたり、賞味・消
費期限が長い食品を選んだり、外食時には通常よりも量の少ない「スモールメニ
ュー」を利用することなどでも改善できます。皆で楽しく食事をとる機会が増え
るこれからの季節、食糧を取り巻く世界と日本の状況を考えながら、身近な「で
きること」を始めたいものです。


(参考資料)
国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所ウェブサイト
http://www.fao.or.jp/news01.html

農林水産省ウェブサイト
→(食品自給率)http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/
→(食品ロス)http://www.maff.go.jp/j/study/syoku_loss/


(担当:もん http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/20645002.html
これまでの自分の食生活を今回考えさせられました。



★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

*もう師走ですね。毎年12月は何となくうれしい気分になります。(アツシ)
*年末の大掃除、どこから始めようか考えてるうちにまた年が明けます。(もん)
*最近いきなりワインに目覚めました。毎日一人で晩酌しています。
(ミヤタケ)

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┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

■ 今月のPick Up!・・・HIV/エイズ
■ コラム・・・食糧問題


┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


■□■ 今月のPick Up! ■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

HIV/エイズ

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12月1日は世界保健機関(WHO)が定めた世界エイズデーです。HIV/エイズはアフ
リカ諸国など貧しい国を中心にまん延しており、人々の暮らしに深刻な影響を与
え続けています。今月は、そうしたHIV/エイズをとりまく状況についてご紹介し
ます。

■エイズ治療の進歩
皆さんは、HIV/エイズに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。HIV/エ
イズについて特別な知識を持たない人にとっては、おそろしい不治の病であると
いうイメージが強いかもしれません。HIV/エイズの治療薬をめぐっては、これま
でに研究機関や製薬会社による開発が進められてきましたが、現時点の医学では
未だHIVウイルスを体内から取り除くことができません。その点において、エイ
ズは依然として完治させることができない致死性の病気です。

それでも、1996年以降、抗レトロウイルス療法が行われるようになってからは、
状況は大きく改善しました。個人差はあるものの、感染後も薬によってエイズの
発症を遅らせたり症状を軽くしたりすることで、生活の質を高めながら、より長
い期間にわたって病気を抑えられるようになっています。

■厳しい途上国の現状
こうした有効な治療があっても、世界中のすべてのHIV感染者がその恩恵にあず
かれるわけではありません。効果の高い新薬が開発されても、特許権の保護が障
害になり、薬価がなかなか下がらないのが現実です。また、インフラや医療施設
の不整備により、治療を必要とする患者に適切に薬が行き届かないという問題も
あります。

そのため、十分な治療を受けられるのは、経済的に余裕があって医療施設にもア
クセスできる先進国と途上国のごく一部の感染者に限られています。貧しい国の
大多数の感染者は、豊かな環境にいる感染者に比べて、はるかに厳しい状況に追
い込まれています。

HIV/エイズ対策の推進機関であるUNAIDSとWHOが公表した『AIDS epidemic
update December 2007』によると、全世界で推定3,320万人もの人々がHIVに感染
しています。2007年の1年間では、全世界で新たに推定250万人が感染し、推定21
0万人がエイズによって命を落としています。感染者は途上国に特に多く、なかで
もサハラ以南のアフリカ地域に暮らす感染者数は全世界の約2/3を占めるまでに
なっています。スワジランド、ボツワナ、レソトなど、成人の2割以上がHIVに感
染しているという国もあります。

■広がる感染
世界中でこれほどHIV/エイズがまん延している原因のひとつとして、HIV/エイズ
に対する無知があります。知識不足から感染対策をとらずに性行為を行ったり、
薬物注射器を使いまわしたりすることが、新たな感染者を生んでいます。HIVウ
イルスに感染後、症状が表れるまでの潜伏期間が平均10年と長く、その間に自覚
症状がないことも、感染が広がる原因になっています。

一方、HIV/エイズへの知識を持っていても、社会状況や貧困によって、感染リス
クの高い生活を強いられる人々も多く存在します。たとえば、貧しい女性が生活
の糧を得るために売春行為を行ったり、従属的な立場に置かれた女性が性交渉の
際に感染予防を講じることが現実的に難しい場合などです。適切な治療によりほ
ぼ防げる母子感染についても、貧しい母親がそうした対策を行うのは難しく、母
から子への感染が後を絶たないのが現状です。

さらに、HIV/エイズに対する差別と偏見が根強いことも、問題を複雑化していま
す。本来HIV/エイズを治療する立場にいる医療従事者でさえ、誤った認識に基づ
き、感染者に触れることをおそれて治療の拒否や制限をする場合があります。こ
のように社会から阻害されたHIV感染者が、自らの感染を知りながら他人に感染
させることを厭わないケースも見られます。

■予防と治療に向けた国際協調
エイズは、これまでに地球上で3,000万人以上もの命を奪ってきました。感染拡
大に歯止めをかけるには、個人が予防や治療に関する正しい知識を得るとともに、
十分な財源の下で適切な予防や治療が実施されることが不可欠です。

また、既に感染した人に対する治療の充実も同じように重要です。感染後の治療
や延命の可能性が開けることで、HIV/エイズへの恐怖心が和らいで早期の検査と
発見につながったり、差別と偏見が弱まることで感染したことを打ち明けやすく
なったりするからです。

貧しい国の膨大な数の感染者に対して、十分な予防と治療を両面から行うには、
莫大な資金が必要です。国際機関や各国政府、製薬会社を巻き込んだ、国際的な
協調体制が求められます。

CAREでも、これまでにHIV/エイズに関するさまざまな事業を行ってきました。ベ
トナムでは、HIV陽性者自身の活動の支援を通して、医療行為や政策策定に関わ
る人々の差別と偏見をなくし、HIV陽性者の生活の質を向上させる取り組みを続
けています。

【CARE:ベトナムでのエイズへの取り組み】
http://www.careintjp.org/internationaljapan/internationaljapan-vt_2.html
(継続中)
http://www.careintjp.org/internationaljapan/internationaljapan-vt_1.html
(2008年8月終了)


(参考文献)
UNAIDS、WHO『AIDS epidemic update December 2007』
http://data.unaids.org/pub/EPISlides/2007/2007_epiupdate_en.pdf

アリグザンダー アーウィン、ジョイス ミレン、ドロシー ファローズ著
『グローバル・エイズ』(世界人権問題叢書、2005年)


(担当:アツシ http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/32957242.html
適切な延命治療を受けることができない人々の多さに、改めて貧富の差を感じま
す。

(後半へ続く)

■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本における在留資格

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グローバリズムを背景に、近年では国を超えたモノ・カネ・ヒトの移動が当たり前
のこととなってきました。最もハードルが高いと考えられていたヒトの移動すら今
日では一般化し、日本でも日常的に外国人の姿を見るようになっています。外国人
は来日する理由は様々ですが、どのような場合も在留資格が必要となります。今回
はその在留資格に注目し、現状と課題について考えます。


▼在留資格とは
日本に入国し、在留する外国人は在留資格が必要となります。これは、出入国管理
及び難民認定法(入管法)の法的資格です。

在留資格は大きく2つに分けることができ、「外国人が日本に滞在する間、一定の活
動を行うことができる資格(活動に基づく資格)」と、「外国人が一定の身分又は
地位に基づいて日本に在留して活動できる資格(身分又は地位に基づく在留資
格)」があります。


▼在留資格の分類
活動に基づく資格は、その種類を就労の可否で下記の3つに分けることができます。

1.就労が可能なもの
許可された日本国内での活動が就労を主な目的とするものです。想像しやすいもの
として、日本国内に在留する外交官などに認められる「外交」や「公用」や、外国
人の大学教授に許可される「教授」などがあります。

2.就労できないもの
日本で許可された活動内容が就労を主な目的としないものです。代表的なものとし
て、留学や就学が挙げられます。また、観光を目的とした場合にも短期滞在の資格
が必要となります。

3.個々の内容により就労の可否が決められるもの
ワーキングホリデーなどの特定活動がこれにあたります。この在留資格では、個々
の外国人に対して法務大臣が指定をします。

一方、身分又は地位に基づく在留資格は、永住者や定住者本人や又はその配偶者、
日本人の配偶者が取得するものです。定住者とは、インドシナ難民・条約難民・日
系3世などがあげられます。

▼在留資格が抱える課題
日本に外国人が滞在する場合は、上記のいずれかの在留資格が必要となります。こ
うした法制度は、グローバリズムの中でモノやカネと比べてヒトの移動が少ない理
由のひとつになっているとも考えられます。

近年、各国との貿易協定に基づき、一部では積極的な外国人労働者の受け入れが始
まっています。しかし、それはあくまで貿易協定という特定の枠組み中での動きに
過ぎず、すべての外国人に対して受け入れが拡大しているわけではありません。今
後、日本がより多くの外国人を受け入れ、多文化共生の社会を構築していくために
は、在留資格のあり方も問い直されようとしています。


(参考文献
山田鐐一・黒木忠正『わかりやすい入管法』有斐閣、2000年

東京外国人雇用サービスセンター
http://www.tfemploy.go.jp/jp/data/reside.html

(担当:トリ http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/3250400.html
身近に外国人を感じるようになりましたが、 彼らの在留資格を知りたくなってし
まいました。

★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

*うちの観葉植物は枯れそうで枯れなくて、危なくなるとひょっこり新しい葉っぱ
を生やします。(アツシ)
*秋も深まり、冬に近づいています。 暖房は必要になる時期ですね。(トリ)
*「晩秋」という言葉の響きになぜかノスタルジーを感じる今日この頃でした。
(ミヤタケ)

┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

■ 今月のPick Up!・・・森林の減少と再生への取り組み
■ コラム・・・日本における在留資格

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


■□■ 今月のPick Up! ■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

森林の減少と再生への取り組み

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

森林は、古くからさまざまな生き物の住処となり、大地に恵みをもたらすとともに、
複雑な生態系を維持するうえで重要な役割を果たしてきました。近年、地球規模で
の人口増加や工業化が進むにつれ、人々が森林に与える影響は増すばかりです。今
回はこうした森林をとりまく状況について紹介します。

▼失われる森林
国連食糧農業機関(FAO)が発行した『State of the World's Forests 2007』によ
ると、1990年から2005年の間に、アフリカや中南米、東南アジアといった熱帯地域
を中心に世界中で森林の3パーセントが消失しました。2000年から2005年の数値では、
それ以前の10年間に比べると消失のペースが若干鈍化したものの、それでも年間731
万ヘクタール(1日ごとに2万ヘクタール)もの森林が地球上から消えています。

こうした森林減少の直接的な原因としては、農地や放牧地への転用、移住、商業的
な伐採、森林火災、ダムや道路の開発などが挙げられており、その背景には人口の
増加があると指摘されています。特にアフリカや中南米などの森林減少が著しい地
域では、人口の増加率が高く、貧しい生活の中、人々は新たな農地や居住地を求め
て森林の伐採を繰り返しています。世界の人口は今もなお増え続けており、森林の
土地利用をめぐる問題はさらなる困難に直面する可能性があります。

▼森林と気候変動
森林の減少は気候変動とも大きな関係があります。近年、地球温暖化の問題がより
深刻さを増していますが、そうした中、温暖化に歯止めをかける方策のひとつとし
て、森林の役割がさらに重要視されてきています。広く知られているように、森林
は、地球温暖化の原因のひとつである二酸化炭素を取り込むことで、大気中におけ
る二酸化炭素の濃度を下げる作用があります。森林の破壊は、こうした二酸化炭素
の「貯蔵庫」の破壊でもあるのです。今後、温暖化による気候変動が進むと、病害
虫の発生や火災による森林破壊がいっそう進むという悪循環も懸念されています。

▼インドネシアの泥炭地におけるCAREの取り組み
CAREでは、気候変動という大きな視点から森林減少と、森林資源に頼りながら暮ら
す人々の貧困状態の克服といった問題に取り組んできました。そのひとつにインド
ネシアのボルネオ島、中部カリマンタン州で行っているプロジェクトがあります。

この地域では、1990年代に泥炭湿地林を開拓して農地を創出するという、大規模な
国家計画(メガライスプロジェクト)が実施されましたが、泥炭地が農地に適さな
かったため開拓地が放棄されて荒廃していました。また、排水路網が造られて地下
水位が低下したことにより、泥炭地の乾燥が進み、火災が頻発するようになってい
ました。1997年には約200万ヘクタールもの森林が火災によって消失し、経済的損失
や地域住民への健康被害が生じたほか、泥炭湿地林に豊富に含まれる二酸化炭素が
大量に排出されるという地球環境にとって破壊的な被害がもたらされました。

このような事態を受けて、CAREは他の関係機関と協力しながら、泥炭地をとりまく
困難な状況を改善するべく活動を続けています。具体的には、1.火災リスクの軽減
(消防隊の組織)、2.人工的な水路の遮断(地下水位の回復と、木材の運搬に水路
を悪用する違法伐採の回避)、3.貧困対策(環境的に持続可能な新しい収入源の確
保)、4.ゴムの木や果樹の導入による泥炭地の回復、5.自然保護に関する地域住民
への教育などに精力的に取り組んでいます。

【こちらもご覧ください。CARE:中部カリマンタンの泥炭地における取り組み】
https://www.care.dk/files/IndonesiaCaseStudy.pdf


▼持続可能な森林の実現に向けて
世界全体で見た場合、前述のように森林面積は依然として減少し続けていますが、
それでもヨーロッパや北米などの先進国では森林面積は増加傾向にあり、アフリカ
や南米などでの減少部分を相殺するという明るい兆しも見られます。

森林が減少している地域では、政府の財政不足等により森林の効率的な管理が十分
にできていないのが現状です。これまでには、森林の所有権を一方的に定めた政府
と、古くから慣習的に森林資源を利用して暮らしてきた地域住民との間で対立が生
じるといった事態も見られます。森林資源に大きく依存してきた住民にとって、森
林の資源が突然他人に奪われたり、環境的な要因で森林が減少したりすることは死
活問題であり、食べていくためにやむなく違法な伐採を繰り返さざるを得ない人々
もいます。

持続可能な森林を維持するうえで重要なのは、森林と密接に関わりながら暮らす地
域住民の賛同が得られる形で、森林を適切に利用・管理し、地球環境の長期的な保
護を実現していくことと言えます。地球全体の問題として、国際機関や関係各国、
地域住民等が財政面や技術面から協力し合った、持続可能な仕組みづくりが求めら
れています。


【CAREの活動と気候変動】
http://www.careintjp.org/newsreleasedata/newsrelease_080703.html
http://www.careclimatechange.org/

【参考文献】
国連食糧農業機関『State of the World's Forests 2007』
http://www.fao.org/docrep/009/a0773e/a0773e00.htm

大崎 満、岩熊 敏夫 編『ボルネオ 燃える大地から水の森へ』
(岩波書店、2008年)

ドナルド・W・フロイド著『森林の持続可能性』(J-FIC、2004年)

依光 良三 編著『破壊から再生へ アジアの森から』(日本経済評論社、2003年)

(担当:アツシ http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/32957242.html
自ら木を育てることで世界全体から直接的な恩恵が得られるしくみができれば良い
ですね。

(後半へ続く)

■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

グルジアの文化と歴史

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

皆さんの記憶にも新しいグルジア紛争。多数の死傷者を出し、現在でも多く
の避難民が支援を必要としています。日本のニュースで取りあげられる機会
が多くなったグルジアの文化、歴史を紹介します。

▼カフカース地方とグルジアの文化
グルジアは、力士「黒海」の活躍、カスピ海ヨーグルト、長寿の国として紹
介され、徐々に日本でも認識が高まっていますが、グルジア在留の日本人は
9人(2007年6月現在)、在日のグルジア人は42人(2006年末現在)と少数で、
現在でもグルジアに日本の大使館はありません。文化的交流もまだ少ない国、
と言っていいでしょう。

グルジアは黒海とカスピ海に挟まれたカフカース地方に位置します。西は黒
海、北はカフカース山脈に面しています。カフカース地方は言語、文化、宗
教の違う50の民族が、日本の半分の面積に暮らしており、民族の坩堝と呼
ばれています。気候は高度差が激しい複雑な地勢の為、多様で、多種の栽培
植物を産みました。特にブドウ生産、ワイン醸造発祥の地として有名で、な
かでも大陸性気候のグルジアは、原種のサペラヴィ種、ムツヴァネ種等多く
の品種を栽培しており、ワインが主な輸出品となっています。ソ連統治時代
はソ連全土で消費するワインの生産を一手に担い、アエロフロート航空で出
されるワインもグルジアワインでした。

4世紀頃からキリスト教が普及し、古都ムツヘタには、6世紀に建てられた
ジュワリ修道院等があります。この修道院は、キリスト教を伝道したと言わ
れる修道女ニノが十字架を建てた丘に作られており、世界遺産に指定されて
います。東方正教会のグルジア正教が国民の7割以上を占めていますが、首
都トビリシには、グルジア正教、ロシア正教、アルメニア教会、ユダヤ教の
様々な聖堂が建ち並んでいます。
世界無形遺産に登録されているグルジアの民族音楽、多声音楽(ポリフォニ
ー)も、歌詞や楽譜がなく、町や村ごとに歌い継がれ、多様な地方性を持っ
ています。

▼侵略と紛争の歴史
グルジアの歴史は大国からの侵略と支配の連続です。一時は独立を果たすも
のの、ローマ帝国、ペルシャ、モンゴル帝国、トルコ、アラブに、度重なる
支配を受けました。
19世紀前半にはロシアの直接統治が始まりますが、1991年、CIS(独立国
家共同体)に加盟し、独立宣言をしました。

独立後の初代大統領ガムサフルディアはナショナリズムの濃い政策を打ち出
し、アブハジアと南オセチアを刺激し、混乱を呼びました。ガムサフルディ
ア失脚後、ソ連時代ゴルバチョフ政権の外相だったシェワルナゼ氏を招き、
1995年、正式に選挙で大統領に就任。2000年の大統領選挙でも再選しますが、
その後、彼も汚職の噂により、国民の不信を買います。
2003年の議会選挙で国内外の選挙監視団体から、シェワルナゼ寄りの不正操
作があったと非難されます。これに対し、サアカシュヴィリと野党連合によ
り、大規模な反政府デモが主要都市で始まりました。11月、新議会が開会さ
れますが、サアカシュヴィリ率いる野党支持者がバラを持って議会ビルを占
拠し、シェワルナゼの議会開会演説を妨害、シェワルナゼは辞任を余儀なく
されます。この事件は暴力を伴わない革命として有名になり、「バラ革命」
と呼ばれています。

サアカシュビリは親欧米色を強め、ロシアはこれを警戒しました。アブハジ
ア・南オセチアの分離独立運動にロシアが手を貸した事や2007年に完成した
グルジアを経由する、石油パイプライン、そして、ロシアとグルジアの長い
歴史と関係が、今回の紛争につながる影響をもたらしています。

東西の交差点に位置する地理的条件、種類が豊富な作物、そしてカスピ海の
石油、天然ガス、度重なる侵略の歴史による、民族・宗教の混在。それらが
多くの紛争を呼んでいます。一方、東西の影響が入り交じった高度な芸術と
文化を現在まで継承する誇りたい国でもあるグルジア。
紛争による被災者が、一日でも早くもとの生活に戻れる事を祈ってやみません。


CAREでは今回の南オセチア自治州における紛争による避難民に対する支援活
動を行っています。
http://www.careintjp.org/news/newsrelease_080819.html

参考資料
NHK「新シルクロード」プロジェクト編著『新シルクロード 激動の大地を
ゆく』(大日本印刷)
北川誠一、前田弘毅、廣瀬陽子、吉村貴之編著『コーカサスを知るための
60章』(明石書店)
All About よくわかる政治 辻雅之



(担当:とも)
自分も知らなかったグルジアの文化が奥深くて、調べていて楽しかったです。
カフカース地方の他の国について書かれた本も、個人的に読んでみたくなり
ました。


★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
*すっかり涼しくなってきました。夏が恋しくなってきました。(トリ)
*たくさんの事が平行して忙しい最近。でも楽しみながらがんばります!(とも)
*しんみりなれるこれからの季節。大好きです。(もん)

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