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2005年9月発行のメルマガより抜粋:現在の状況と内容が異なる場合があります
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
世界保健機関(WHO)は世界保健憲章において、
「健康とは、単に病気にかかっていない、病的状態が存在しないというだけで
なく、精神的、身体的および社会的観点から見て完全に良好な状態」
と定義しています。これに基づいた「女性の性と生殖に関する健康」を意味す
るのがリプロダクティブ・ヘルスです。
今日、世界中で、リプロダクティブ・ヘルスを享受できていない人々は数十万
人に上ります。なかでも、女性への差別的な文化や慣習、質の低い教育や性行
為の蔓延、劣悪な衛生状態などが多く残る開発途上国ではその問題が深刻にな
っています。貧しい女性ほど、正しい情報を得ることが難しく、出産年齢は低
くなり、避妊率も低くなっています。またアフリカ、中近東、アジアの一部の
地域約28カ国では「女性割礼」と呼ばれる女性性器の切除が行われており、毎
年200万人の少女に対して行われているといわれます。月経困難や激痛、性行
為への恐怖、HIVへの感染などの後遺症が残り、女性を心身ともに傷つけ、そ
の後の人生に大きな影響を及ぼすといわれます。しかし、この儀式は宗教的な
理由や、その土地や民族に昔から伝わる慣習が関係していることが多いため、
その問題は複雑で、いまだに根強く残っているのです。
このような背景から、個人やカップルが望む時に望む子どもを望む場所で妊娠
・出産できるという、環境を整備することが求められていくなかで、1994年の
カイロ国際人口開発会議において「リプロダクティブ・ヘルス」と、女性が自
らの性を守る権利があるとする「リプロダクティブ・ライツ」が提唱されまし
た。ここで初めて、女性自らが性と生殖の健康と安全を守る権利を獲得したの
です。
いつの時代でも女性は皆、安心して子供を産み育てられる社会を望むはずで
す。不妊、人工授精、人工中絶、性感染症、HIV/AIDS、人身売買、性暴力な
ど性にかかわる問題はさまざまです。しかしこれらは女性の権利に限った問
題ではなく、この先には人口増加や貧困、宗教や人権など、多くの問題があ
るということを私たちは知っておく必要があるでしょう。
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