Never Ending Gardens

ブログの更新をしばらくお休みします。せっかく訪ねてきてくれたのにゴメンナサイ…。

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桧原桜とイチョウの木

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今日は、先日チラッとお話していたイチョウの木について。家の近所にある市の職員研修所内のグラウンドに、樹齢約30年のイチョウの大木が全部で9本植わっています。ところが、この施設は老朽化が進んでいるためここしばらく利用されておらず、この秋取り壊されていることが決定済みです。

コトの発端は郵便受けに入っていた1枚の通知。「四季折々みなさんの目を楽しませくれていた銀杏の木ですが、近隣の人から落ち葉の苦情も出ており、研修所を取り壊す際に切り倒すことになりました云々…」といった内容のことを、町内会長さんが書いたものでした。

グラウンドにはこの9本のイチョウの木以外にもポプラの大木が4本あるのですが、これは建物に隣接しているため、取り壊す際の足場の邪魔になることは一目瞭然。一方、銀杏の木はグラウンドの端の道路沿いにあるため、ポプラを切ることはあっても、イチョウの木はそのまま残してくれるものだと思っていました。

私は通知をみたとき、「えーっ、なんてことを…勿体ない!」と思ったものの、「苦情を出している人から、落ち葉掃除をするのはこっちなんだからと言われれば、返す言葉ないもんな」と、結構あっさりとあきらめていたのです。でもオットに「かくかくしかじか、イチョウの木、切ることになったんだってさ」と言うと、怒る、怒る。

「あんな老木を落ち葉が迷惑だから切るなんて信じられない!」「落ち葉掃除と言ったって1年に2〜3カ月間のこと」「大きな木があることは地域の付加価値でもあるのに、一部の人の都合で切るのは納得できない」「イチョウの木があることが分かってて越してきただろうに、後から移り住んできた人間の都合で切るなんて不条理」「家の前に緑があることを喜ぶ人の方が多いだろうに、なんと了見が狭いんだ」と、理屈とも屁理屈ともつかないことをまくし立てて、オットは完全にトサカにきています。

「そりゃぁイチョウの木を切られるのはイヤだけど、落ち葉掃除をするのは私たちじゃないんだしさ、価値観の違いって言われたらそれまでじゃん」と私。でもオットに「だいたいさー、こういうことって一部の人の一存で決めちゃっていいわけ?」と言われると、確かにそうだなぁ…と思えてきたわけです。

例えば、樹木の多い公園があった場合、近くに住む人から公園の木の落ち葉が迷惑だと苦情があったからと言って、あっさり簡単に木を切り倒すものなのか。そんなことを考え出すと、こういう場合の意志決定のプロセスはどうなってるの?という疑問がむくむくと頭をもたげてきました。

とまぁ、こういう理由で市役所に問い合わせてみたのですが、先方からは「いえ、イチョウの木を切ることは、まだ確定していません」という意外な返事。「なにぶん大木なので、市としてはイチョウの木を残したいと考えている。しかし落ち葉の苦情が出ているのも事実なので、地域住民の判断に任せることにした。町内会長さんには住民の合意をとるように依頼した」というのです。

私が「落ち葉掃除が大変なのは分かる。でも切るぐらいなら、年に2〜3カ月の間、週1回交代で落ち葉掃除をしてもよいという人もいるはず」と言うと、「私たちもそう思ったので、みなさんの判断を尊重することにしたのです」と市の担当者の回答。

そこでようやくピンときたのですが、町内会長さんにしてみれば、切っても切らなくても、どちらでもいいことなのでしょう。それに合意をとると言っても、なにをもってして“合意”とするのか実に曖昧です。家を一軒ずつ回って、みんなの意見を聞くのも大変なので「切ることになりました〜」という通知を配布し、誰からも問い合わせや苦情がなければ「合意がとれた」ことにする算段だったのだと思います。

でも「切ることになった」と言われれば、「え〜、残念」と思っても、波風を立てまいとそのままにする人が大半ですよね(←現に私もそうだった)。できれば、「落ち葉のために、イチョウを切るか切らないかが問題になっている。掃除をしてもよいという人が数人集まれば、木を残すこともできますが…」と、回覧板で投げかけてほしかったものです。

ところで私の家からそう遠くない場所に、「桧原桜」と呼ばれる桜の木があります。道路拡張工事のために伐採されることになっていたのですが、1人の人が枝に結んだ1編の和歌によって救われたという逸話つきの大木です(桧原桜に関する要約はこちら、詳しく知りたい場合はこちらをどうぞ)。短歌を詠むなんて風流な才能を持ち合わせていない私は、電話か手紙で町内会長さんと掛けあってみるつもり。

写真は2階の窓から眺めたキンモクセイ。夕顔のネットを撤去して、やっとキンモクセイの全景を窓からみることができるように─。もう終わりがけかと思ったら、まだまだ花がびっしり咲いています。落ち葉掃除をするたびに、キンモクセイが常緑なんてウソだ〜と思う私でした。

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閉じる コメント(9)

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こちらもこちらも見せて頂きました。とても素敵なお話です。桧原桜が残って、綺麗な花が見られて良かったです。桜の力と優しい皆さんのおかげですね。見事なキンモクセイです。常緑樹だって、葉は新しくなりますよ〜〜。(笑い)

2005/10/29(土) 午後 10:45 [ kazuyoo60 ]

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Kazuyoさん、長〜いエントリだったのに最後まで読んでくださってありがとう。2度に分けてアップすればよかったなぁと思っていたところです。桧原桜にまつわるエピソード素敵でしょ?こんな話し聞くと、あー、世の中捨てたもんじゃないなって思えますよね。キンモクセイ、作りものじゃないから葉が散るのは当然なんですが、葉っぱは腐葉土にするには不向きでゴミとして出すしかないので始末に困りますー。

2005/10/30(日) 午前 8:48 [ car**h ]

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和歌で訴えるなんて粋な計らいですね、とっても良い話で感動しました。ウチはこれから周りの林の落葉樹の落ち葉集めが大変なんですけど、その後の焼き芋で帳消しです。四季折々楽しませてもらってるので仕方ないですね。ところでこのキンモクセイはお見事、ここまで香りが伝わってきそうです。

2005/10/30(日) 午後 4:10 [ BEAR ]

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一本の木にまつわるやさいしエピソード、胸が熱くなる思いです。そのおはなしの発祥もよく付きとめられたし、イチョウの木の行方も気になる所、結果が出るまで放っておけないですね。キンモクセイの葉の利用方法ないものかしらね。花の房が大きいわ!!

2005/10/30(日) 午後 8:52 mur**akiha*ro

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「Bearさんのところなら、山のように落ち葉が出るんだろうな。腐葉土、わんさか出来そうだね。ウチも焚き火をしたいのだけど、わりと密集した住宅街のため周りが煙たいかなー、と気になっちゃって。もう少し寒くなって隣近所が窓しめるようになったら、洗濯物が干してない日を狙ってやってみようかな。桧原桜、いい話しでしょ。こんなエピソードが日本各地で増えるといいのにね。」→とここ投稿するつもりだったの。ゴメンね〜。

2005/10/31(月) 午後 6:37 [ car**h ]

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紫葉色さん、やっぱりうちのキンモクセイは花が咲き始めるのが遅かったみたい。でも、いつもはあれよあれよと言う間に散ってしまうのに、今年はどういうわけか、すごく花期が長いの。ウレシー。イチョウの木、私もよい結果が出るといいなぁと思っています。

2005/10/31(月) 午後 6:37 [ car**h ]

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キンモクセイ、素晴らしいですね。やっぱり大きな木は宝物だなぁ。私が依然住んでいたアパートの横に旧中山道を見下ろす素晴らしい樫と椎の木がありましたが、落ち葉が車のスリップを招くとのことで事前に知らされることなく切り倒されてしまいました。樹齢はわかりませんが、和宮の輿入れ行列をきっと見ていたはず…。なんて高慢で浅はかな行政だと悲しくなりました。

2005/10/31(月) 午後 9:13 okc**jp

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脳内庭師さん、樹木は時間の重さを背負っているので、切られると本当に胸が痛みますね。人間の都合で植えられて伐採される木は、なんか本当に哀れ…。キンモクセイの花時の存在感は、その香りがゆえに桜に匹敵しますね。うちも普段はすっかりキンモクセイのことなんか忘れているのですが、この時期ばかりは庭の主役です。

2005/11/1(火) 午後 4:12 [ car**h ]

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樹木の あつかいどこも 同じようですね

2009/3/15(日) 午後 11:52 [ 植木屋エギ使い ]


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