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忙しくしているうちに、すっかりブログのさぼり癖がついちゃいました。(この間、何度もページを訪ねてくださったみなさん、徒労に終わらせてしまいゴメンナサイ。) 「これはいかん、チャチャッと写真を撮って、せめて近況報告でも」と思い、久しぶりにデジカメに手を伸ばしたところ、あれっ?電源が入らない。電池の消耗だろうかと思い、新しいのに入れ替えたけど、ウンともスンとも言いません。8月に修理に出したばかりなのに何でよ〜。 というわけで、写真のストックがある旅行ネタで続行します。今日の記事は旅も終盤、ジンバブエに入国してからのお話です。では、はじまり、はじまり〜。 マウンを発った後は、ジンバブエとの国境にほど近いチョベ川でキャンプ。チョベ国立公園で3度目のサファリを楽しんだ後に国境を越え、世界三大瀑布として名高い「ビクトリアの滝」があるビクトリアフォールズの町に到着した。 (ビクトリアの滝。崖っぷちにはネメシアと思われる花) この小さな町では、ビクトリアの滝から徒歩20分強の場所にあるキャンプ場に滞在。テントを張るスペース以外にも簡素なロッジがあり、私たちは久々の贅沢を味わうためにロッジに滞在した。 ロッジと言っても部屋の中にベッドがあるだけで、トイレやシャワーは外。でもテント生活が長引くと、荷物を部屋の中に広げられる、夜ベッドで寝ころんで本を読める─こういったささやかなシアワセを“贅沢”と感じるようになるのだ。 ビクトリアフォールズは、これまで通ったどの町よりも貧しい印象を受けた。キャンプ場は周囲をぐるりとフェンスで取り囲まれているのだが、一歩外に出ると手に手に土産物を持った物売りの人たちに取り囲まれる。また路上には小銭をせがむ子供も多数見受けられた。 ジンバブエの経済は当時、ムガベ大統領が1990年に導入した農地没収政策により、混乱の極みをきたしていた。この政策、表向きは「白人農園主から政府が農地を買い取り、それを貧しい黒人に再分配する」というもの。だが結果的には人種対立をあおり、土地の利用率を下げ、重要な収入源だったタバコの輸出を減らすことになる。 ちなみに、私がアフリカを訪れた2003年当時の失業率は70%。1米ドルは、なんと813ジンバブエドルに相当した。職にありつけるのは国民のほんの一握りしかいないわけで、観光客相手の物売りが多いのもうなずける。自国通貨の何百倍もの価値の米ドルを持った観光客を、彼らはどんなおもいで見ていたのだろう…。 この記事を書くためにジンバブエの現状を調べたところ、2006年の失業率は85%を越え、インフレ率は前年比1200%(!!)だとか。超インフレのため、通貨は1000分の1に切り下げられ、10万ジンバブエドルが100ジンバブエドルになったという。人々の生活レベルは3年前と比べさらに悪化しているようで胸が痛む。 ジンバブエに着いてすぐ、ツアーリーダーのシーラがメンバー全員の通貨を両替してくれた。これまでは、各自が必要に応じて銀行や私設両替所で換金していたが、ここジンバブエでは銀行の公定レートがちゃんちゃらおはなしにならない。何度もグループを引率しているシーラが信頼できる両替屋で換金してくれるというので、私たちはめいめい必要だと思う量の米ドルを彼女に託した。彼女は空のリュックを背負い、「帰りにはこれがパンパンになるのよ」と、片目をつぶってみせた。 私とオットはさんざん考えた末、2泊3日の諸経費としてUS30ドルを両替することにした。宿泊費はキャンプ場に滞在しているから不要だし、必要なものと言えば飲食費や土産物代ぐらい。ほとんど価値のないジンバブエドルが余っても、それをドルや他の通貨に替えるのは困難だから、少なめに見積もったわけだ。で、10ドル札3枚と引き替えに、シーラから手渡されたジンバブエドルがこちら。 約2万4000ドルの札束だ。思わず片手で扇子のように広げ、顔にパタパタとジンバブエドルの風を送ってしまった(これが米ドルだったらウッシシ…なんだけどネ)。 さて、ビクトリアフォールズではバンジージャンプ、エレファント・サファリ、リバー・クルーズ、ラフティングといったアクティビティがオプションで用意されていた。そこで過去3週間、キャンプ場に着いたら真っ先にしていたこと─すなわちシャワーの水圧とお湯の出のチェック─を済ませた後、どのアクティビティに参加するかを決めるために町中にあるツアー事務所へ出かけていった。 キャンプ場のゲートを出ると、物売りの人がわらわらと寄ってくる。手には、野生動物をモチーフにした木彫りの彫刻やペンダントなど。あんまり素っ気なくするのも申し訳なくて、中途半端に笑いながら、それでもキッパリと首を横に振る。たいていの物売りは(9割がた20〜30代の男性だった)脈なしとみると、次なる観光客に狙いを定めて去っていく。 それでも一人なかなかあきらめない物売りがいた。疲れ切って仏頂面の物売りが多いなか、彼はニコニコとやたら愛想がいい。とうとう根負けして名前を尋ねると、胸を張って「King George(キング・ジョージ)」だと言う。 (ハハハ、あんたがキング・ジョージなら、わたしゃアン女王だわさ)と思いながら、そっか〜、観光客に名前を覚えてもらうには、こういうインパクトのある名前を名乗らなきゃね、と彼の戦略に感心した。 いつもゲート前にたむろす彼と、「King George、おはよう!」とか「King George、今日の売れ行きはどうなの?」なんて軽口をたたくうちに、すっかり親近感を感じるようになり、ビクトリアフォールズを発つ最後の日には、お財布に残っていたわずかな小銭をほんの気持ちばかりと、彼に渡したのだった。 話をもとに戻そう。ツアー事務所に着いた私たちは、用意されていたパンフレットをぱらぱらめくった。ビクトリアフォールズは3週間のツアーの最終地点だったため、全行程を終えて、やれやれ…という安堵の気持ちと、休暇が終わりつつあることを残念に思う気持ちとがない交ぜになっていた。 「もう今さらアクティビティはいいや。ビクトリアの滝を見物して、あとはのんびりお土産でも物色しよう」 ─と、こう思っていたのだが、事務所の天井に設置されたテレビを何の気なしに見上げると、ラフティングのビデオ映像が流れていた。ラフティングとはゴムボートで行う川下りのこと。急流(ホワイトウォーター)になれば、真っ白い激流に揉まれるため、ホワイトウォーター・ラフティングともいう。 以前カナダで2泊3日のラフティングを経験していたのだが、その時はスリル満点の急流がいくつかあったものの、全体的に穏やかでのんびりした川下りだった。ところがビデオのゴムボートは今にもひっくり返らんばかり。宙にふわりと浮き上がり水面にたたきつけられる様子は、いかにもアドレナリン大放出の“冒険”といった感じがする。 そのビデオをみながら、カナダのラフティングではボートから放り出されることもなく、「一度くらいボートが転覆したら面白かったのに…」と少々物足りなさを感じたのを思い出した。 「暑いし、時間もあるし、ラフティングでもやってみるか」と、軽い気持ちで申し込んだのだが、その時は「世界大会も開催されたことがあるグレード5のザンベジ川」を下るのがどういう体験になるのか、まったく分かっていなかった…。
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キング・ジョージさん憎めませんね。生きていくのが如何に大変か分かります。えっ、これから凄い冒険をされるんですか〜。 テレビで何回も見ましたがビクトリアの滝は素晴らしですね。昨日テレビで、ナイルの源流の旅、発見の歴史を見ていました。
2006/10/8(日) 午後 3:27 [ kaz*yoo** ]
なんか想像するだけでワクワクしちゃう。次の更新早めにお願いしますー。崖っぷちに咲く可憐なネメシアと雄大なビクトリアフォールズの写真いいですね。
2006/10/8(日) 午後 11:44 [ BEAR ]
ちょっとcarmahさん、またまたパラシュートのときみたいに、「お楽しみはまた来週ね」になる展開? とっても面白い!どんなに長文でも読みたい!でも、じらすのは止めてくださいお願いです。インフレなんて貨幣経済の外で生きる人には関係ないでしょうね。わたしも、庭から石油が出たらそうなれる?
2006/10/8(日) 午後 11:49
うちの息子たちはすぐに嫌いなおかずは残すし、おもちゃも大事にしないので1度ジンバブエを訪れていろんな暮らしをしている人に会わせたいです。carmahさんの旅行って中身がぎっしりで、いつも夢をもらっています。急流くだりかア。楽しそうだなあ。天竜川と京都の皮くだりはあるけど、もっとすごそうだ。
2006/10/9(月) 午前 7:38
kazuyoさん、アフリカでは衣食住にもこと欠く生活をしているのに、底抜けに明るい人たちにたくさん出会いました。そして、消費欲に追い立てられるような自分の生活を振り返り、罪悪感も感じました。幸せって、(今さらですが)心のあり方なんですよネ…。ビクトリアの滝はドドドーっと、水煙がすごかったです!
2006/10/9(月) 午後 6:46 [ carmah ]
Bearさん、園芸書には草花の原産地がときどき書いてあるよね。ネメシアやカラー、アガパンサスやユリオプシスデージーなど、日本でよく見かける“南アフリカ原産”の草花が現地でいきいきと自生しているのをみたときは、「あ〜、ここが故郷なのね」と、とても新鮮だったよ!
2006/10/9(月) 午後 6:46 [ carmah ]
ハハハ、Kazさんみたいに熱心な読者がいてくれて、嬉しい限りです。じらすつもりは全くないんですよ〜。キリのいいところで次回に持ち越すため、ついつい山場が先送りになっちゃうみたい。ビクトリアフォールズ滞在中の最後の日はお金が足りなくなってしまい、お店の人と物々交換をしました。衣服や風邪薬なんかをお金の足しにするわけですが、やっぱり価値は米ドルが上でしたね(当たり前か…)。そうそう、Kazさんちは自給自足率が高そうだから、そのうち貨幣経済の外で生活できるようになったりして。フフフ。
2006/10/9(月) 午後 6:47 [ carmah ]
mutuさん、私も子供の頃は「世の中にはお腹を空かせた人がたくさんいるんだから、食べ物を残しちゃいけません!」と、親によく言われてましたヨ。飽食の日本にいると、“飢え”だとか“ひもじい”という感覚とは無縁ですものね。ボロをまとった子供をみるのは本当に辛いものですが、お金をあげるのは気がひけたので、お店でリンゴやパンを買ってあげました。単なる自己満足に過ぎず、問題の解決にはならないのはよーく分かっていたので、後でどっぷり落ち込みましたが…。
2006/10/9(月) 午後 6:48 [ carmah ]
旅先で、貧しい生活を強いられている人を見ると、その人たちがその国に生まれ、自分が日本に生を受けた不思議を考えてしまいます。戦争や飢餓のない国や時代に生まれることができたのは、本当に幸運なんですよね。でも、ついつい日常の些末なことに流され、恵まれた環境にいることを忘れてしまう自分が情けない。そんな自分の目を覚ますためにも旅行に行くのかな…。
2006/10/9(月) 午後 6:49 [ carmah ]
そこで本当にアフリカにお出かけになった所がすごいと思いますよ。20代の頃、「海外青年協力隊に行こう!」と思い立ち、説明会に行ったらそこにいる人たちのオーラが違うのですね。はつらつというか。私のように、浅い心で志しているのではない事が、ひしひしと伝わってきてパンフレットだけもらって帰ってきた記憶があります。
2006/10/11(水) 午前 5:58
(続き)本当に、世界で考えると日本人の悩みって何だろうって思うことがあるけど、結局みんな、自分のフィールドで精一杯生きていくしかないんですよね。せめて、せめて、物は大事にして、チョコ食べた時やコーヒー飲んだときはその生産に携わった人に感謝していただきたいものです。…chamahさんのアフリカ記は自分がいけなかったところに出かけてらっしゃるので、すごく興味深いですよ。長々失礼しました。
2006/10/11(水) 午前 5:59
おぉ!久しぶりの更新、嬉しいわ。ビクトリアフォールズ、壮大な眺めですね。世界中の国を知るほど、日本に生まれた事がいかにラッキーだったか思い知らされますね。といって、その事が当たり前になってしまって、不平不満ばかりの私です。激流ラフティング体験、凄そう〜!
2006/10/11(水) 午前 11:40
mutuさん、脳内庭師さん、お返事がすっっっっかり遅れてしまい、本当にごめんなさい。ずっと気になっていたんだけど、非常に親しい友人の家族に不幸がありバタバタしていました。以下、個別のコメントです:
2006/10/17(火) 午後 2:04 [ carmah ]
mutuさん、ハハハ、実は何を隠そう、私も青年協力隊に応募したクチですよ。残念ながら行けませんでしたが。大学卒業したての頃で、「文系出身で実務経験がないと、何の役に立たないんだ」と、しみじみと落ち込みました(たしかその年応募できた職種は、マラウイの難民キャンプの在庫管理のみでした)。「自分のフィールドで精一杯生きていく」─それでいいんだと思います。ちょっとした意識の持ち方や小さなことの積み重ねでも、世の中は変わりますものネ。
2006/10/17(火) 午後 2:04 [ carmah ]
脳内庭師さん、とりあえず衣食住が確保できているっていうのは、ありがたいことなんですよね。おまけに、庭仕事を楽しむ心の余裕や時間を持っている私たちはすごく恵まれてるはず。でもつい些末なことに関して不満が募る─よく分かります。私もそうですから(へへへ)。でも、去年から今年にかけて、非常に仲の良い友人の旦那さんの死が相次ぎ、平凡でも日々健康に暮らせることの有り難みを痛感しています。毎日感謝すべきことは、たくさんあるんですよね。ちゃんとそれに目を向けなきゃ…とちょっと反省。
2006/10/17(火) 午後 2:05 [ carmah ]
え〜、お友達の旦那様が次々とお亡くなりに…まだお若いでしょうに〜。carmahさんと同じ年の私としては他人事じゃない。この間「生命保険、しっかり払い込んどいてよ」とオットに言った鬼嫁ですけど(笑。
2006/10/18(水) 午後 4:23
そう、2人も私の親友と言える友達なの。もうショックでね(私が悪運をもらたしているのかいな)。あともう一人、ごくごく親しい友達が長い闘病生活を送っていて、いろいろと考えさせられる今日このごろです。保険は大事ですよ〜、特に子供がいるならね。あと保険に入っているかどうかで、受けられる治療のレベルもまったく違うのよ。ホント世知辛い世の中だワ。
2006/10/20(金) 午前 7:27 [ carmah ]