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鉄の女(後)

前回にひきつづき、今宵も美しい女性を紹介します。
 
イメージ 1
エルゼベエト・バートリ、またの名を「血の伯爵夫人」・・・。
なにしろ四百年前の人物なので、残念ながらおつきあいしたいとおっしゃる殿方がいらしても仲介することはできません。
もし期待されていたら、ご容赦ねがいます。
(もーえーっちゅーに)
 
このブログを訪問してくださる常連さんはすでにご存知かもしれませんが・・・。
16世紀末、ハンガリーの名門貴族に生まれたエルゼベエト、しかしこの家系は有力者を輩出する一方で、永い間の近親結婚による遺伝的な痼疾があったとも言われています。

叔父のポーランド王ステファン・バートリは持病の癲癇で死亡、父方の叔母クララ・バートリは生涯に4回結婚、そのうち2回めの夫をベッドの中で窒息死させた・・・。ほかにもエキセントリックな性格の持ち主が多かったようです。
 
エルゼベエトが15歳で嫁いだのは5歳年上のハンガリー貴族フェレンツ・ナーダスティでした。

実際には11歳のときに当時の慣行にしたがって将来の義母のもとに預けられ、教育を受けていました。
結婚してからも夫はトルコとの戦いに従軍することが多く、地方の城に残されたエルゼベエトは、ウィーンの華やかな宮廷での生活に憧れながら、孤独と退屈をもてあましていたようです。

そんなエルゼベエトの楽しみのひとつは、自らの美しい姿を鏡に映すこと・・・。
いつしかエルゼベエトは自分の美貌を保つことに固執するようになりました。
 
ある朝、侍女の不手際に苛立ったエルゼベエトは手にしたヘアピンで侍女の顔を刺します。
侍女の悲鳴とともに飛び散った血のしずくがエルゼベエトの白い腕にかかります。
その血をふきとった後、血がついた部分だけが美しさを増したように彼女の眼には映りました。
そこから人間の血、とくに若い処女の血が美を保つ効果があるという考えがエルゼベエトの心に根を張るのでした。
 
エルゼベエトが44歳のときに夫が亡くなりますが、召使いへの虐待はそれ以前からあったとみられています。
夫の死後、ハンガリーの国境近く(*)のさびしい村、チェイテの城が惨劇の舞台となりました。
(*現在はスロバキア領)
 
伯爵夫人の使いの醜い男が、村を回っては言葉たくみに娘を城に奉公させるよう誘いをかけます。
見入りのよい稼ぎがあるでなく、むしろ高貴な方の世話をするという名誉に、娘たちは喜んで城の門をくぐるのでした。
二度と生きて帰れぬとも知らずに・・・。
 
伝えられるところでは六百人以上の娘たちが犠牲になったと言われています。
彼女たちはありとあらゆる残忍な拷問で身を切り刻まれ、苦悶のうちに果てていきました。
それら拷問の手段のひとつが、「鉄の処女」だったと言われています。
 
噂によると、さる優秀なドイツ人の時計技師を招いて、この悪名高い鉄の像を再現させたとも言われています。
精巧な機械仕掛けで犠牲者を抱きしめ、内部にひきずりこみ・・・扉が閉じられると同時に鋭い棘が全身をつらぬき、ありったけの血がしぼりとられます。
そうして集められた娘たちの血は浴槽にたくわえられ、伯爵夫人がその身を浸すのに供されるのでした・・・。
 
いつしか伯爵夫人の周りには黒い噂が立つようになりますが、名門貴族という出自に配慮してか、ながらく蛮行が放置されていたのですが、無謀にも貴族の娘の高貴な血を求めるようにいたって、1610年、エルゼベエト50歳の年についに城に捜査が入ります。

役人たちが見たのは拷問の跡もなまなましい屍体、中には虫の息で生き残っていた者もいたとか・・・。
1611年に裁判が開かれ、下男は斬首、夫人の取り巻きで積極的に残虐行為に関わった二人の女中は火あぶりの刑に処せられましたが、伯爵夫人はチェイテの城に生涯幽閉されることになりました。

食物と水を差しいれるための小さな孔を残し、すべての窓を塞がれた部屋でエルゼベエトが息をひきとったのは1614年、54歳のときでした。
一切の光を絶たれた暗い部屋の中、もはや自身の美しさを見ることもかなわぬまま・・・。
城の四隅の高いところには4本の絞首台が立てられ、そこに死刑となるべき罪人がいることを示していたと伝えられます。
 
さて・・・。このところ血なまぐさい話題が続いたので、次回は美しい音楽を紹介して口直しをしていただこうと思います。

閉じる コメント(6)

ふふふ。
血のお風呂に浸かった伯爵夫人のお話、随分前に本で読んでいたわ。
先日の拷問処刑具を使用したのね。

女の中でも最上級におぞましい女だわ〜。
何故、幽閉なんかしたのかしら?

両足を左右に引っ張りあって身体を裂いても構わないくらいの事してるのにね。


次回の音、楽しみにしております♪

2011/11/2(水) 午前 1:58 anatomy 返信する

…ハ ハ ハヤク
口直しを…おくれ…
安らぎを求めて覗いた1:58さんも マタ 強烈
…好きになりそ

2011/11/2(水) 午前 3:52 [ ひまわり ] 返信する

う〜ん、何度読んでも面白い。。。
それくらいの残虐行為をすれば500年後も語り告がれるのね。

ふんふん( ,,-` 。´-)・・・((〆( `Д´ )メモメモ

普通に可愛らしい顔してるのに女の欲って怖いわぁ・・・
私この方の年を取った肖像画っての見た事ないんだけど、かぼちゃ王子さんある?

2011/11/2(水) 午前 7:39 [ calcifer ] 返信する

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anatomyさん、エルゼベエトの親族が出した嘆願書が皇帝を動かし、死刑をまぬがれ終身禁錮となったという話が伝えられています。
世の中って不公平ですね。

>両足を左右に引っ張りあって身体を裂 ・・・

公的な拷問や処刑もおぞましい例がありますからね…。
折りを見て歴史上の拷問法の特集を…あ、やっぱりやめときましょうか。

2011/11/2(水) 午後 11:54 [ かぼちゃ城主 ] 返信する

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ひまわりさんには、ちょっと刺激が強すぎたかもしれませんね。
あとで「口直し」を掲載しますね。
でも…。

2011/11/2(水) 午後 11:56 [ かぼちゃ城主 ] 返信する

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calciferさん、ざんねんながら私も晩年の肖像は知らないのです。
写真とちがって、自分の都合の良い肖像しか描かせなかった、なんてこともあるかもしれませんしね…。

2011/11/2(水) 午後 11:58 [ かぼちゃ城主 ] 返信する

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