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イメージ 1 ご報告が遅くなりましたが、去る10月18日、東京千代田区のイイノホールというところで、日本推理作家協会設立70周年記念「嗜好と文化」というイベントに出演してきました。推理作家協会賞も70回というきりのいい年であったわけで、受賞者である薬丸岳さんと私が壇上に上がることに。選考委員を代表して、あさのあつこ先生と道尾秀介先生も一緒でした。予期していたことでしたが、大変緊張いたしました。第2部の歴代理事長のトークショーが盛り上がったのを、観客席で拝見した時には、ほっとしました。
 イベント後は、簡単な打ち上げをしてお開きになったのですが、私にとっては、これからがこの日のメインイベントが起こったのでした。会場からホテルまで乗ったタクシーがホラーだったのです。
 たったワンメーターなのに、そして結構名の知れたホテルなのに、中年の運転手さんは、道がわからないと言う。持参していたホテルの案内図を見せても、首をひねるばかり。そのうち、唸り声をあげ、独り言を言いだしました。そのコトバがなまっていて、何を言っているのか聞き取れません。これだけでかなりコワイのですが、「うー」とか言って頭をかきむしり始めました。
 そして、道端に停車して、おもむろに古臭いガラケーを取り出し、なんとホテルに電話し始めたではありませんか。ナビ、ついてるのに。なぜ???そしてまたホラーなことに、何べんかけても電話がつながらないのです。まだ宵の口ですよ。しかし何時だろうとホテルに電話がかからないなんて、どーゆーこと? ありえん!
 ドライバーはさらに苛立って、とても人とは思えない唸り声をあげる。彼がだんだイメージ 2ん、人間じゃなくて異形のモノに思えてきました。よっぽどドアを押し開いて逃げようかと思いましたよ。でも、そうさせなかったのは、きっと私の中の好奇心。この先どうなるんだろうという興味が恐怖を凌駕したのです。物書きの哀しい性ですね。
 結局なんとかホテルまで送り届けてもらいました。着いた途端、「なんだ! ここは○△×だったとこじゃないか」とかなんとか毒づいた、ドライバーの言葉はやっぱりわかりませんでした。ホテルのロビーから東京タワーが見えた時には、こわばっていた体の力が抜けました。いやー、何があるかわかりませんねえ。怖いけど、おもしろかった!

狂気が怖い

イメージ 1 祥伝社から『死はすぐそこの影の中』というミステリーが刊行されました。10月20日刊行となっておりましたが、もう書店さんに並んでいるようなので、お知らせします。
 これは『愚社の毒』よりさらに内容に触れるのが難しく、恐縮です。ただピアニストと調律師のお話ということはお伝えできます。音とか匂いとか、目に見えないものを言葉に置き換えるのは大変苦労しました。それぞれの章は、ピアノ曲のタイトルにしてありますし、そもそも『死はすぐそこの影の中』という本のタイトル自体も、ショパンの有名なピアノ曲『雨だれ』のもうひとつの表題です。
 軽やかに耳に馴染んでいる『雨だれ』も、聴いているうちに、短調に転調して、陰鬱で重々しい雰囲気をまとい始めます。その曲の性格から、ピアニストの巨匠、アルフレッド・コルトーがのちに『死はすぐそこの影の中』と名付けました。
 このミステリーも、正面から見ただけではわからない人間の怖さを描いたつもりです。モチーフは「人間の狂気」でしょうか。例によって、心理描写と物語性で回していく手法をとりました。主人公のピアノ調律師が最後に選んだ生き方が、この小説の主題です。したたかさや生への貪欲さが狂気を凌駕していく様にぞっとしていただければ―ー。いや、嫌悪感でもいいですよ。それぞれの感性で読んでいただければ、作者としては満足です。

湖族が怖い

イメージ 1 琵琶湖のほとりまで、行ってきました。それも日帰りでという弾丸ツアー!(一人で行ったけどツアー?)大阪も京都も素通りで。別に意味もなく行ったわけじゃないですよ。ちゃんと行く目的はありました。
 滞在時間3時間ちょっとだったけど、お天気もよくて遠くまでよく見通せました。気持ちよかったです。もうちょっとゆっくりできたらよかったんだけど。
 湖のそばに住む方から、子供が小さい時は、琵琶湖で海水浴ならぬ湖水浴をしていたと聞きました。その響き、なんともそそられるではありませんか!
 ずいぶん前に『湖族』という怪談の短篇を書いたことを思い出しました。その着想となったのが、琵琶湖にいたという湖賊。海賊と一緒で、船を駆って湖を縦横に走り回り、他の船を襲ったということでした。瀬戸内海で跋扈した水軍の末裔という家に嫁いだ私としては、ちょっと惹かれるお話です。しかし、まず「湖賊」という言葉を耳にした時、頭に浮かんだのは、「湖族」の方でした。
 言葉というのは、おもしろいもので、そこからイメージが勝手に湧き上がり、湖の底に棲む人間と水生動物の間のような生き物「湖族」の怪談が生まれました。たしか背中に鱗のある美しい女に溺れる二人の男の話でした。
 琵琶湖を見ていると、ふとそういう種族が今も生きているような気がしてきました。

無垢な子供が怖い

 6歳の孫が、最近怖い話に凝っていて、さかんに「怖い話をして」と言ってきます。娘が「怖い話なら、おばあちゃんが得意だから、おばあちゃんに聞きなさい」と言ったようです。
 で、「飴買い幽霊」や「雪女」や「むじな」の話をしてやりました。しかし、まだ一般常識も社会通念も根付いていない幼子にお話をしてやるのは大変。「棺桶って何?」「きこりって何?」「のぺらぼうって何?」と質問の嵐。説明を挟むと、怖さがまったく伝わらない。それでも「何?なぜ?」攻撃は止まりません。
「なんで赤ちゃんに飴を食べさせるの? 歯磨きはしたの?」「なんで山に木を伐りにいくの? 木を燃やしてあったまらなくても、ストーブつければいいじゃん」
 だんだん、こちらは疲れてきます。挙句のはてに、「なんで顔に目や鼻がなかったら怖いの?」とくる。怖いでしょーが! ふつー! この時点で、ばあさまはへろへろです。これならどうだ! と「幽霊滝」の話をしました。山奥の滝まで行って、さい銭箱を盗って戻ってきたら、背負っていた赤ん坊の首がなかったという話。
 その話を聞いて「なんで赤ちゃんの首がなくなってたら怖いの?」ときた。怪談を書く時、人それぞれの怖さのツボが違うので、そこを考慮して書かなければならないと肝に銘じていますが、純真無垢な子供にはお手上げです。
「じゃあ、○○ちゃんは何が怖いの?」と問うと、「エビの頭」ですと。
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 ウッヒャー!!猛烈な台風18号が通り過ぎていきました。以前に、愛媛は瀬戸内海に面していて、穏やかであんまり大きな災害には遭遇しないと書きましたが、台風の直撃を受けたら、やっぱり大変なことになります。特に今回は、勢力も強く、速度が遅いという最悪な台風。
 ちょうど、私は土曜日に高知におりまして、台風がきそうだとびくびくしておりました。高知はいつも太平洋からやってくる台風によって、甚大な被害をこうむっていますから。しかし今回の台風は、速度がゆっくりなので、なかなか風雨が強まりませんでした。「あれ? たいしたことないね」などと言っているうちに、日曜日の朝を迎えました。日曜日に予定していた行事がすべて中止になる中、高速道路を愛媛に向かって出発。どんどん雲行きが怪しくなり、雨が降り出し、「ひえー! ここで高速が通行止めとかになったらどうしたらいいんだ」と思いながら帰ってきました。その後、松山の上を通過した台風の凄かったこと。
 私の実家は、一級河川2本に挟まれているのですが、危険水位を超えて、避難勧告が出るなど、滅多にない事態に。もちろん、高知もかなりひどいことになっていました。帰れてよかった〜! 台風に追いかけられるっていうのは、背筋が凍るような経験ですな。
 ところで、9月22日に、KADOKAWAさんから『角の生えた帽子』というホラーイメージ 1短篇集が出ます。今まで『幽』や『怪談実話系』などに発表してきたもの5編に、書き下ろし4編を加えたものです。これを書いていた時、他の執筆などで、結構忙しかったのですが、すごく楽しく、一気に書き上げました。私はほんとに怖いお話が好きなんですよね。人の心にじわりじわりと忍び寄る怪と、それを受け入れてしまう人間の怖さを存分にお楽しみください。カバーの装画は、礒江毅さんの『横たわる男』。どうです? そそられる画でしょう? 中身ともリンクしていて、すごく気に入っています。このカバーを書店で見つけたら、どうかお手に取ってみてください。
宇佐美まこと
宇佐美まこと
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