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*さくらん*

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    ***STORY***                 日本
真っ赤な金魚たちが宙を泳ぐ。大門をくぐると、そこは華やかな吉原遊郭。
桜が満開の中、遊郭<玉菊屋>に連れてこられた8歳の少女は、きよ葉と名付けられた…。 
口が悪く、誰にもなつこうとしないきよ葉の面倒をみることになったのは、気位が高く、絶世の美しさと知性を兼ね備えた完璧な高級花魁・粧ひ。女だらけの世界に嫌気がさし、きよ葉は脱走を図るがあえなく失敗。厳しい折檻を受けても逃げ出すことをやめようとしないきよ葉。だが、自分から「吉原一の花魁になってやる」と言ってしまう。
やがて、17歳になったきよ葉は「十年に一度の天女」と楼主が誉めるほどの女に成長し、店に立つ。きよ葉のはじめての客「突き出し」の相手は玉菊屋一の上客であり、花魁・高尾の馴染であったご隠居。鼻っ柱の強さと美貌が気をひき、一躍江戸中の注目の的となる。。。            gooより 


またもやどっぷりとこの世界に浸ってきました。
心に痛いとか倒れそうな感動とかはありません。
わりあい淡々としているのですが、でもクライマックスにかけての盛り上がりは文句なくあるし、
何しろ一から築きあげたこの”独特の世界観”はお見事!!。

ソフィア・コッポラ『マリー・アントワネット』とこの『さくらん』は同じ意味合いがあります。
それはニュー歴史モノというジャンルの確立。
どちらもポップでまばゆいばかりの映像美。片やロック。片やタンゴやジャズ調の音楽を使って等身大のお姫様や花魁を描き出しました。
きっとこの二作はそういう意味に於いて後々までも語り継がれることになることになるでしょう。

ストーリーは身売りされて連れてこられた少女が立派な花魁になるまでの過程が描かれているのですが、
いつも正直で自分というものを見失わないきよ葉。少々いじめられはするものの、深刻なものではないし、恋愛関係にしてもドロドロしたものはなくさらりとしています。
そしてお客さんである男性の描き方は逆にビミョー。遊女が、手練手管(この言葉って遊郭が発祥なのですね)で男をあしらうのは当然なのですが、遊廓のお客さんたちは遊女にあざけ笑われているような感じなのです。最初にきよ葉が惚れた誠実そうな商家の若主人惣次郎も見限られてしまうのですが、そのシーンも印象的です。本当は外に出られない彼女が危険を犯して会いに行くのですが、出てきた惣次郎が当惑のしたあと見せる曖昧な笑いに、彼女は、彼を見限ってしますのです。
この辺りの女性主導さ加減がたまりません。

全編に渡って息する暇も、まばたきする暇もないほどの映像美です。
かなりアーティフィシャルでコテコテ。
あえてわび・さびの追求などしていないのですが、それが大きな魅力となっています。
ひとつのメタファーとしてずっと出てくる金魚。
黒地に真っ白や真っ赤なボタンの描かれた障子。
ポピーをマスで丸く仕立てたフラワーアレンジメント?
豪華だけれど、どこか江戸情緒の漂う着物。
その他行灯などの小物に至るまで、こだわりぬいています。

ところである程度”業界用語?”と裏事情を知っていると便利です。
**花魁(おいらん)
遊廓の中で位の高い遊女の呼称。妹分である禿や振袖新造が「おいらの所の姉さん」と呼んだのが語源とされています。幼少の頃から徹底的に古典や書道、茶道、和歌、三味線、囲碁などの教養、芸事を仕込まれていました。
そしてスゴイのはそのしきたり。
なんとお座敷では、花魁は上座に座り、お客さんは常に下座に!座っていました。
初会(つまり一回目)。花魁はお客さんとは離れたところに座り、口も利かず飲食もしません。
このとき品定めをされるのはお客さんなのです。
裏(つまり二回目)には、少し近くに寄ってくれるものの、基本的には初会と同じ。
三会目にようやく馴染みになり、自分の名前の入ったお膳とお箸が用意されます。
このとき、ご祝儀として相当なお金を支払います。そして通常は、三会目でようやく床入れ。
花魁は美貌と機知を兼ね備え一握りの人しかなれませんでしたがその権力はすごかったのですね。

**吉原遊郭
江戸幕府によって公認された遊廓。はじめは日本橋近くにあり、明暦の大火後、浅草寺裏に移転し、前者を元吉原、後者を新吉原と呼びました。
その興りですが、調べていておもしろいことがわかりました。
戦乱の時代が終わって職にあぶれた浪人が仕事を求めて江戸に集まったので、江戸の人口の男女比は圧倒的に男性が多かったのです。そのため江戸市中に遊女屋が点在して営業を始めるようになりました。そして男性の最大の社交場所でもあったのです。そしてまた新しい文化の発信地でもあったのですね。ファッションをはじめとして、浄瑠璃の基礎ともなりました。
つまりひとつの非日常的空間であり、エンターテイメント的なものでもあったのです。

**ありんす言葉…吉原の遊女が使っていた言葉。地方出身の遊女が多いことから、なまりを隠すために使われていたということですが、アンナちゃん連発。かわいいです。

まだまだおもしろい言葉やしきたりがたくさん。これを機会に調べてみるのもいいかもしれません。
                      (Wikipedia,gooより一部引用させてただきました)


原作は、つねにその時代の女性たちがもつ”リアルな女性像”を描き続け、幅広い年齢層にファンをもつカリスマ漫画家安野モヨコ。
それに『月とチェリー』の映画監督タナダユキと鮮やかな色彩と独自の世界観を持つ世界的フォトグラファー 蜷川実花が練りに練り上げた作品です。
あ。それにもうひと花添えたのが椎名林檎。初の映画音楽なのだそうですが、全編を流れる音楽は、すべてこの作品の為に作り上げた曲と聞いてかなりびっくり。タンゴ調、シャンソン風の曲あり、アメリカのミュージカル映画風ありヴァラエティに富んでいます。一見まとまりがなさそうなのですが、どれもこれも見事にしっくりマッチしてました。
そしてそしてもちろん要は土屋アンナちゃん。きっぷのいい不良少女そのままながら色目使いもバッチリでまさに彼女のための映画のようでもあります。

つまり今の日本で最高レヴェルにある4人のクリエイターとアンナちゃん。5人の女性の力の結集がこの作品なのです。


監督:蜷川実花
出演:土屋アンナ / 椎名桔平 / 成宮寛貴 / 木村佳乃 / 菅野美穂 / 石橋蓮司 / 夏木マリ / 市川左團次 / 安藤正信

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やっと見ました〜。目に楽しい映画ではありましたが、女優陣が ワタシ的には魅力薄かったかなぁ・・・。でも蜷川さん、次回作も観てみたい気はします。文中でURL貼り付けさせてもらいました!事後承諾ですみません。

2007/3/31(土) 午後 10:47 キノ 返信する

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kinoさん。これ賛否両論ですがどうもお気に召さなかったようですね。確かに演技力とかうすいですものね。文中ご紹介いただきましてありがとうございました。

2007/4/2(月) 午後 10:27 car*ou*he*ak 返信する

はじめまして!TBお返ししますね^^
土屋ナンナにピッタリのハマリ役でしたね!!
かっこいい女のイメージにピッタリでした☆
そして、映像も、さすがでしたね!!!
音楽も、椎名林檎で正解!!!^^

2007/8/5(日) 午前 2:03 A☆co 返信する

DVDにて鑑賞しました。
劇場での公開時には興味がなかったもので・・・
でも、素晴らしい映像美に感動してしまいました。
蜷川実花監督のこだわりが伝わる作品でした。
トラバお願いします!

2007/8/19(日) 午後 8:24 くるみ 返信する

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DVD鑑賞しました すすめられていたのですがやっとです。でも私はとても気に入りました。現在の日本人が創る作品としてはヴァランスのとてもとれている作品だと思いました。それに目を楽しませてくれましたよね♪TB させて下さい。 削除

2008/1/6(日) 午前 10:02 [ Maria ] 返信する

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TBありがとうございました。
色んな意味で鮮やかな映画でしたね。言われて気が付きましたが音楽も凄くはまってました。いい映画は音楽がじゃまにならずに、でも存在感があることと思っているのでこれはいいです。
私もすぐコッポラの「マリー・アントワネット」を連想しましたけど的はずれじゃなかったようでうれしいです。TBさせてください。

2008/3/7(金) 午後 8:36 [ わっしぃ ] 返信する

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素晴らしい映像美でしたよね〜。確かにコッポラのマリーアントワネットを彷彿させるものがありました。言葉使いや独特な用語がちりばめらているのにリアルな女性像が描かれていた気がします。
土屋アンナさんが光っていましたね〜。
TBさせてくださいね。

2008/3/8(土) 午後 10:22 lukagekkai 返信する

日本版マリーアントワネット!なるほど。アメリカのショービズのようなテーマ曲や現代風アレンジはまさにそうですね。
惣次郎=笑う鬼は、根っからの遊び人の男がむしろその道のプロを翻弄する恐ろしいエピソードと思ったのですが・・・
襖からのぞくかむろに背中越しににたりと笑ってみせる粧ひやきよ葉に働く女の心意気を感じました。

2008/3/25(火) 午後 6:53 ちいず 返信する

まさに女性が作り上げた映画でしたね〜男社会の産物「吉原・花魁」を逆手にとって、見事な女性映画にしていました。TBさせてくださいm(_ _)m

2008/4/2(水) 午前 5:23 [ - ] 返信する

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A★COさん。ほんと土屋アンナはこの役にぴったりでした。
これだけ世界観を具体的に映像化できたなんてすごしですよね。

2008/5/12(月) 午前 10:16 car*ou*he*ak 返信する

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くるみさん。これ公開当時賛否両論でしたからね・・
でも私はこの世界観がたまりません。
これからもがんばってほしいですよね。

2008/5/12(月) 午前 10:17 car*ou*he*ak 返信する

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Mariaさま。お気に召したのですね。それは良かったです。
これはストーリーがどうのこうのより、この世界にハマルか
どうか・・ですね。

2008/5/12(月) 午前 10:19 car*ou*he*ak 返信する

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やっしーさん。やはりコッポラの「マリー・アントワネット」を連想されましたか?音楽も映画とちゃんと絡み合ってました。

2008/5/12(月) 午前 10:21 car*ou*he*ak 返信する

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lukagekkaiさん。やはり「マリー・アントワネット」と似ていると
おもわれましたか。どこか孤独なふたりです。
なんだか等身大のところがいいですよね〜

2008/5/12(月) 午前 10:22 car*ou*he*ak 返信する

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ちいずさん。なるほど。惣次郎にはそういう意味があるのですね。
そこまでわかりませんでした。
働く女の心意気というのもいい捉え方ですね。

2008/5/12(月) 午前 10:24 car*ou*he*ak 返信する

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yaskazさん。確かに今までこういう世界は男性のものでした。
そこに女流監督が踏み込んでいった・・というのもすごいことです。
次回作はどんななんでしょうね。

2008/5/12(月) 午前 10:25 car*ou*he*ak 返信する

確かに、女性の才能を結集させた、斬新な作品であることは間違いないです。
あの色彩!音楽!演技!それに美術も女性ですよねぇ〜!ただ原作は読んでいないのですが、
吉原(遊郭)を描くと、ストーリーはどうしても似たようなものになってしまうのでしょうか?
「吉原炎上」とかと同じようなシーンが…

2008/5/12(月) 午前 10:27 やっくん 返信する

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やっくんさん。そうですね。吉原を描くとどうしてもストーリー的には似てしまうのでしょう。でもこれだけの世界を映像化しきった
ということに拍手ですね。素敵です。

2008/5/12(月) 午前 10:34 car*ou*he*ak 返信する

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そうですね!あの、水槽の金魚や極彩色の映像は、見事なものでした♪

2008/5/12(月) 午前 10:40 やっくん 返信する

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やっくんさん。外の水槽のシーンは象徴的だし、きれいでしたね。
あのような映像見るとドキドキしてしまいます。

2008/5/12(月) 午後 0:23 car*ou*he*ak 返信する

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