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*華氏451度*

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   ***STORY***              1966年  イギリス
モンターグは、全面的に禁止されている本を探索し焼却する「消防士」として有能な青年で、上司に昇進も約束されていた。ある日モンテーグは帰りのモノレールの中で近所に住むクラリスという女性に声をかけられ、クラリスは「本を読んだことがあるの?」と聞く。家でテレビを見、くすりで恍惚感に浸るばかりの妻と見た目はそっくりながらはつらつとしたクラリスに魅かれた彼は徐々に彼女と親しくなっていく。


原作はレイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』。
それをトリュフォーが映画化したのですが、読書好きの彼らしく、本への愛に満ちています。
トリュフォー監督は宇宙ものとかロボットの出てくるもの、つまりSFはお嫌いなので
そういう要素がありつつも、とても人間的な仕上がりです。



冒頭。赤い、なんともモダンな消防車が出てくるところからして驚きです。
ふつうのトリュフォー作品とは全然違う趣。
しかもみんなが英語なので二度目のびっくりでした。
でもそこはトリュフォー監督。すべての映像がモダンでとっても素敵だし、
とにかく”おもしろい!!”です。


題名の華氏451度は本が自然発火する温度。
そう、この物語の世界では、ドストエフスキーやスタンダール、ディケンズといった
世界的文学作品や聖書、哲学書・・などの本が、人類に悪い影響を与えるということで、
読むことを禁じられています。
主人公のガイ・モンターグは、消防車に乗ってこれらの禁書を見つけ出し、焼き払うことを
任務としています。
消防車が消火に行くのではなく、火をつけにいくんですよ!

しかも彼は本を見つけ出すのがやたらうまいのです。
その隠し場所が笑えます。トースターにパンの代わりに入っていたりするのですから!!
そんな彼は昇進間近。
でもふと知り合った女性が自分の奥さんと比べて妙に生き生きしていることにギモンを
持ったことから、本を読んでしまい、その中にある「何か」に心を奪われ、ついには
本を焼く側から本を守る側へと変わっていくのです。

この女性の対比もうまいですね。
奥さんはとてもきれいでチャーミングなのですが、テレビばかり見ていて(というか
結局これしかすることがない)けだるい感じです。
一方、その出会った女性は知性に溢れています。それが禁じられていることであろうと
こちらを、つまり本を読む人のことを何倍も素敵に描いているところがいいです。


そして守る方に回った彼、密告、逃亡・・

行き着いた先では・・

こういう作品ですから物珍しいだけで感動する作品ではないと思っていました。
ところが!
ラスト。
う〜ん。とうなるような世界で、とってもじ〜んときます。
特に本好きの方ですと何倍も感じるかもしれません。





**1960年代から見た近未来なので、もしかしたら今頃のことかもしれません。
壁にかけられたスクリーン、電車をそのまま逆さにしたようなモノレール、規格化された
集合住宅、などなど。(でも出会った知的な女性の家はアンティークなイギリスの家。)
消防車以外走ってないし、人も少ないし、わざとでしょうが、寒々しい時代のイメージが
よく出ています。

**ナチの焚書にヒントを得たといわれていますが、確かに焚書隊のコスチュームはナチの兵隊さんの
制服に似てます。これは読書を禁じ、思想統一を図ろうとすることに対する痛烈な批判なのでしょう。

**マイケル・ムーア監督の『華氏911』はこちらからとられています。
レイ・ブラッドベリは怒ってますけど。



監督 フランソワ・トリュフォー
原作 レイ・ブラッドベリ
脚本 フランソワ・トリュフォー
    ジャン=ルイ・リシャール
撮影 ニコラス・ローグ
音楽 バーナード・ハーマン
出演 オスカー・ウェルナー/ジュリー・クリスティ/シリル・キューザック

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jennyさん。はい。そのとおりです。ラストではそういうシーンが
あって本好きな人たちが住む村が出てきます。このシーンがやたら
じーんときます。
そうなんですよね。本離れがなんだかコワイですし、日本の近くの
某国などでは実際されていることかも。

2007/7/8(日) 午後 10:53 car*ou*he*ak

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懐かしい〜〜〜これ、最初に観たのは小学生の時でした。TV放映されたのを親と一緒に観た記憶があります。
子ども心に「本を読んじゃいけない世界って?」とすごく興味深く観ました。その後、もう一回くらい10代で観たような気もするのですが、今観たらきっといろいろと感じるでしょうね〜ちょっと「リベリオン」に通ずるところもあったかしら?
ジュリー・クリスティが出ていたことを最近知ったので、是非近々観たいと思います♪

2007/7/9(月) 午後 9:23 choro

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すごい。渋いですね。こういう映画をそんな小さな時に見てるって。ご両親が元々映画好きでらしたのでしょうか?
ラストあたりのことはネタバレなので書かなかったのですが、
本好きのChoroさんでしたら色々感じることがあるでしょう。

ジュリー・クリスティはネバーランド(笑)ですね。

2007/7/9(月) 午後 11:37 car*ou*he*ak

↑そうですね、『ネバーランド』にJクリスティ出ていましたね。フック船長のフックのモデルでしょうか?(笑)『華氏451』と話がそれてしまいましたが、TBお返ししますね♪

2007/7/26(木) 午後 7:03 [ - ]

レトロでモダンな近未来が印象的でしたね。ラストシーン、禁じられても本を愛そうとする人々のひたむきさは神聖でさえありました。TBさせてくださいね。

2007/8/1(水) 午前 5:41 pu-ko

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やっと再見できました。やっぱり面白い映画ですよね〜
ジュリー・クリスティの二役も見応えありましたね。
しかし、本のない世界なんて考えられませんよね。フィクションの物語を否定した結果、結局人はまた別のところでフィクションを作っているのには笑いました。(^O^;TBさせてくださいね♪

2007/9/8(土) 午前 11:39 choro

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yaskazさん。、『ネバーランド』にクリスティ出てましたね。
しかし、ここではかわいらしい〜〜

2007/9/8(土) 午後 1:48 car*ou*he*ak

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PU-KOさん。このレトロモダンさは私の好みです〜
ラストシーンにはじーときましたね。
本好きの人にはたまりません。

2007/9/8(土) 午後 1:50 car*ou*he*ak

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Choroさん。いつものトリュフォーとはちょっと違いますが
こういうのもいいですよね。
本のない世界。原作者はよくぞこんな設定を思いついたものです。

2007/9/8(土) 午後 1:51 car*ou*he*ak

はじめまして!
コメ&トラバありがとうございました!!
この映画、この秋にもう一度観ようと思います!!ボクも
トラバさせてください!

2007/9/24(月) 午後 5:08 [ clipnero ]

ワタシの記事を褒めていただいたので、TB返しにあがりました(笑)(ウソです・・)!
この主人公の彼、作品はいいのに、インパクトないと思いません??しかも名前が『月曜日』(ドイツ語ではMontagは月曜日)。
イギリス映画なのに、モダンさが活きてる、トリュフォーならではですかね!

2007/9/25(火) 午前 6:47 anemone*DDR

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nerolさん。これは確かに何度も見たくなるような作品です。
トリュフォーにしては異色ですが、素敵ですよね〜

2007/9/25(火) 午前 8:40 car*ou*he*ak

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anemoneさんの記事。丁寧で思いがこもっていて本当に素敵でした。
はいはい。確かに主人公インパクトなくて今すっと思い出せない
くらい・・それよりもインテリアや映像のきれいさがより印象に
残ります。そうなんですか。月曜日なのですね。
月曜は日曜の後で一番堅苦しくてイヤな曜日かも(笑)

2007/9/25(火) 午前 8:44 car*ou*he*ak

古典SFですね。懐かしくなって、数ヶ月前にDVDを買いました。たしかこの映画には、PCが出てきませんでしたね。今と比較すると、少ない情報量に驚かされます。だから、社会をコントロールできたのでしょう(笑)ところが、69年には『2001宇宙の旅』が完成されました。しっかり、コンピュータも重要な映画の一部になっていました。わずか3年差で、さらに質の高い映画が出来てしまったのです。そして、その年にアポロ11号が月に人間を運んだ。これもコンピュータがなければ不可能でした。

2007/10/25(木) 午後 6:51 NZ_RR

2008年て、車は空を飛んでると思ってた・・・
消防車始め、未来のデザインが素敵でした。(あれ、落ちないんだろうか?)
人間の知識欲はつきず・・・

2008/12/20(土) 午後 11:26 ちいず

40年以上前に描かれた近未来はレトロ感がありましたけど、テーマとしての古さは全く感じませんよね。
そうそう、「赤」が印象的に使われてたように思います。
全体主義を痛烈に批判した作品でしたね〜
私もラストはとっても感慨深くなってしまいました。
こちらからもトラバさせてくださいね♪

2009/6/4(木) 午後 7:33 じゅり

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nzさん。買われたのですか。確かにこれはその価値があると思います。なるほど。そのわすか数年でコンピューターが登場して
テイストはがらっと変わってしまったのですね。

2009/6/4(木) 午後 8:40 car*ou*he*ak

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ちぃずさん。近未来の乗り物など、デザインが素敵だし
ほんと落ちないの?って私も思いました。

2009/6/4(木) 午後 8:41 car*ou*he*ak

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じゅりさん。そうですね。映像的にいい意味でのレトロ感は漂ってますが、といってテーマは今でも新鮮です。
なぜか赤が印象的だと思いました。
そしてラストには重みがあってすごい作品ですよね。

2009/6/4(木) 午後 8:43 car*ou*he*ak

あの冒頭の消防車が出動するシーンの雰囲気にハマってしまいました。そうそう、女性の対比もよかったですね。
テーマとしては古臭くないですよね〜ラストの雰囲気もよかったです。TBお返ししますね

2010/2/16(火) 午前 0:20 LAGUNA

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