Cartouche

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   ***STORY***             1962年  イタリア=フランス
ヴィットリア(モニカ・ヴィッティ)は婚約者リカルド(フランシスコ・ラバル)と重苦しい話しあいの一夜をあかしたすえ、彼との婚約を解消した。あとを追うリカルドをふりきって、彼女は一人になる。ブルジョアの彼との間にある埋めがたい距離をそのままに、結婚することは耐えられないことだ。彼女は証券取引所にいる母を訪ねる。株価の数字の上げ下げを追う狂騒的な取引所の雑踏の中で相場を張っている素人投資家の母は、彼女の話を聞こうともしない。女友達のアニタとマルタの三人で、深夜のアパートでふざけちらしてみても、空しさは消えない。アニタの夫のパイロットが操縦する飛行機にのってみても、倦怠の日々は少しも姿をかえはしない。ふたたび訪ずれた取引所では、株の大暴落がはじまっていた。彼女の母は投資資産のすべてを失ったすえ、大きな借金をせおいこんだ    gooより   


60年代映画として今なお放映される映画のほとんどは名作級でわかりやすく、感動的な
作品が多いです。
ところがこれはかなり違っていわゆる単館モノ。
マイナー路線のミケランジェロ・アントニオーニの作品です。
しかも『情事』『夜』と『赤い砂漠』の間に撮られた「愛の4部作」と呼ばれる作品の中の
一本なので一層ワケわからなそう。
でも・・
私にとってはかなりの感動作でした!!。


冒頭、何分も会話がありません(笑)
かなり広くて素敵な家。落ち着いたインテリアで住む人のインテリジェンスの高さが
うかがえるようなお部屋で扇風機だけが虚しく回っています。
そこに美しいヴィットリアと素敵なリカルド。
ようやく交わされた会話から推測できたのは、別れのときであること。
どちらかというと追いすがる男性に対してもう終わりにしたいヴィットリアですが、彼女とて
その理由はみつからないようでただ”飽きた・・”と言うばかり。
息苦しいようなときだけが過ぎていきます。

そんないきさつで別れた後、出会うのが株式仲買所に勤める美貌の青年ピエロ。
この役がアラン・ドロンなのですが、すべての物事にクールで、お金にだけ執着するピエロに
ぴったり。

世の中にも、恋愛にも冷めたふたりが出会っても急に恋愛に展開することもなく、ストーリーは
進んでいきますが、はっきりしなくてスローモーです。
ところがそれとは対照的に、活気あるのが証券取引所のシーン。
日本もつい最近まで電子化される前は、けっこう原始的でスポーツのようでしたが
ここではもっとすごいです。
しかもピエロは会話の盗み聞きなんかもうまくて、その情報を元に立ち回って
かなりの利益を上げたり、ほとんどケンカのような場面もあったり・・

そしてヴィットリアの母親は証券取引所で投機して、ピエロの判断ミスにより
全財産をお金を失ってしまいます。
これは資本主義への批判が込められているのでしょうね。
そういばもうひとつ気になったのが、核の恐怖です。
ひと気のない町と核問題が大きく取り上げられている新聞の見出しが将来の不安を
暗示していました。


ところでふたりのラスト。
駆け引きもあり、かなかなか歩みよれなかったヴィットリアとピエロですが、
ようやく結ばれて
「あした会おう、あさっても、次の日も……」。と会う約束をするのですが、別れてから
それぞれふたりに漂う空虚感たら!!
恋愛の絶頂期は今この瞬間であり、後に待っているのは惰性と飽きだけ・・ということが
わかっているからなのでしょう。
これは是非映像で見ていただきたいシーンですが、う〜ん。すごいです。




ミケランジェロ・アントニオーニの映画はどの作品も物語と言えるほどのものはなく
主題は愛の〜とついていたりしても具体的に愛とは  という定義も描かれていません。
ほとんど意味のなさそうなショットやシーンの積み重ねが多く、飽きてしまう人も
多いでしょう。
でも、明確なものではないけれど、言葉にできないメッセージや考え方が伝わってきて
1本見始めると、他の作品が気になってしまう・・そんな監督さんです。



**ミケランジェロ・アントニオーニ  1912年 -
イタリア中部フェラーラの生まれの映画監督。
ボローニャ大学卒業後、1940年ローマに移り、チネチッタの撮影技術センターで学ぶ。
ここで彼は、その後一緒に映画を作っていくことになる何人かの映画技術者と出会う。
なかでもロベルト・ロッセリーニとの出会いは重要だった。

マノエル・デ・オリヴェイラと並び、生存する「最後の巨匠」と呼ばれている。

とりわけ60年代に撮影された作品は、3大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)全てで
「最高賞受賞」という偉業を達成している。
テオ・アンゲロプロスなど、後代の映画作家に与えた影響も計り知れない。
ジャン=リュック・ゴダールは『JLG/自画像』(1995年)の中で「映画」の代名詞としてアントニオーニの名前を挙げている。



1956年『女ともだち』でヴェネチア国際映画祭サン・マルコ銀獅子賞
1960年『情事』でカンヌ国際映画祭審査員賞
1961年『夜』でベルリン国際映画祭金熊賞
1964年『赤い砂漠 』でヴェネチア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞
1967年『欲望 』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール。




監督・脚本・原案:ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本・原案:トニーノ・グエッラ 
撮影:ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
出演:アラン・ドロン モニカ・ヴィッティ フランシスコ・ラバル リッラ・ブリニョーネ 
ルイ・セニェ
*第15回カンヌ国際映画祭:審査員特別賞


閉じる コメント(18)

アントニオーニ作品はアクが強すぎて体力がいるのですが、ドロンの美貌のおかげでいくらかさわやかに観ることができました。この安直な邦題は彼らに気の毒ですが・・・。

2007/7/28(土) 午後 0:08 なっちゃん0904

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ずっと以前にテレビの洋画劇場で見ているんですが詳しい内容は忘れてしまいました。
そういえば分かれる間際に「明日もあさってもその次の日も会おう」と約束したシーンがあったような記憶が…。当時はそのシーンをを見ても理解する事が出来ませんでしたが、今だったら分るような気がします。

2007/7/28(土) 午後 0:08 つらら

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この作品は知りませんでした(^_^;
原題はフランス語の「皆既食」って意味なのかな…。
カルさん好みの作品であることがレビューから伝わってきます(^ー^)

2007/7/28(土) 午後 4:17 じゅり

見逃してしまいました(^-^;アントニオーニとドロンでしたからね、観たかったのですが・・・次は『地下室のメロディ』ですか?(笑)

2007/7/29(日) 午前 5:57 [ - ]

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なっちゃんさん。そうですよね。アントニオーニのものは
集中力が要りますからちょっと疲れます。
でもこれは他の作品に比べておもしろく見ることができました。
あ。やっぱりドロンの魅力でしょうか?
邦題は太陽がいっぱいに関連付けたのかしら?

2007/7/29(日) 午後 1:46 car*ou*he*ak

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つららさん。それでは又是非ご覧になってください。
こういう作品て若い頃では理解できない部分がたくさんあります。
私も今だからこそわかるのでしょう。

2007/7/29(日) 午後 1:47 car*ou*he*ak

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じゅりさん。かなり好みなのがバレました?
ただ”太陽がいっぱい”のようにみなさんにオススメできる作品
ではありません。
あら。じゅりさんフランス語に堪能?

2007/7/29(日) 午後 2:17 car*ou*he*ak

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yaskazさん。あらそれは残念でした。先週はドロン特集でしたね。
地下室のメロディーも又大好き!!
あのラストったら!
でも・・見て記事書いてしまってます。
よかったらご覧になってください。

2007/7/29(日) 午後 2:19 car*ou*he*ak

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ご覧になったんですね。私もいつか睡眠たっぷりとった後に万全の状態で視聴してみたいと思います。

2007/7/30(月) 午前 9:58 M

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確かに映画として見にくいシーンも多いので体調を整えることが
大事かも。
でもこの言いようのない虚しさがたまりません。

2007/7/30(月) 午後 7:58 car*ou*he*ak

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この映画を観られて記事にされていたのですね。
レビューを読ませて頂き、Cartoucheサンとほぼ同じような感想です。
私は、二人の恋愛よりも、証券取引所の現場や、無機的な都市や現代文明の方に視点がいきました。日本語タイトルは、この映画を表現していなので、変更して欲しいくらいです(^−^)
記事を書きましたので、TBさせてくださいね。

2008/1/5(土) 午前 9:09 [ 8 1/2 ]

ミケランジェロ・アントニオーニ・・・最高ですね。
彼の監督作品のDVDを制覇したいと思います。
TBをさせていただきますね。

2008/5/30(金) 午前 9:17 papillon

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812さん。確かに証券取引所の現場がオープンでおもしろかったですね。手すりひとつでした(笑)
ほんと郊外の?近未来的なというか殺風景な風景もおもしろかったです。タイトルがギモンですね。

2008/5/30(金) 午後 11:40 car*ou*he*ak

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Papillonさん。私もアントニオーニの作品は全部見たいです!
深みがあるし、映像が素敵ですよね〜

2008/5/30(金) 午後 11:42 car*ou*he*ak

もう何度も観ています。今回はサントラ系でTBさせていまだきます。

2010/2/27(土) 午後 4:52 papillon

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Papillonさん。これは何度でも見たくなる作品ですよね。
私もまた再見したいです。

2010/2/27(土) 午後 10:20 car*ou*he*ak

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も〜この頃ってたまらないほど、目がギラギラしてて
でもってかっこいいですよね〜

TBおねがいします

2011/1/6(木) 午後 3:54 る〜

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る〜さん。ほんとこの頃のドロンさまは目がぎらぎら・・
野生的ですね。

2011/1/13(木) 午後 11:46 car*ou*he*ak

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