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肺炎で入院中。リコメ・ご訪問遅れております。

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*シッコ*

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   ***STORY***
医療保障の破滅によって崩壊し、粉々にされ、場合によっては絶たれてしまったごく普通のアメリカ人数名のプロファイルで幕をあける本作は、その危機的状況が、4700万人の無保険の市民たちだけでなく、官僚形式主義によってしばしば締め付けられながらも保険料を律儀に支払っている、その他数百万人の市民たちにも影響を及ぼしていることを明らかにする。いかにしてこれほどの混乱状態になったのか、それだけを述べた後、観客はすぐに世界へ連れ出される。カナダ、イギリス、フランスといった国を訪れるのだが、それらの国々では、国民全員が無料医療という恩恵を受けているのだ。またムーアは、9・11事件の英雄の一団を集結させる。彼らは、アメリカにおいて医学的治療を拒否され、今も衰弱性疾患に苦しむ救助隊員たちであった…。                               gooより

これはまた”びっくり”のアメリカの知られざる一面で
前作に比べてエンターテインメント性が増し、より見やすい映画に仕上がっています。


まずアメリカの医療の現状が描かれています。
医療保険未加入者が約4700万人。
これって健康保険充実度で世界第37位です。
保険に入れていない人は事故で指を落としてしまっても、縫合手術さえ受けられないのです。

また保険に加入しているにもかかわらず、あらゆる手段を講じて保険金の支払いを拒否されます。
何年も前のささいな病歴が調べ上げられて申請してなかったからダメだとかいうもので
明らかに支払い逃れです。

保険会社は濡れ手に粟の大儲け。
製薬会社は患者に高価な新薬や治療に必ずしも必要のない薬を大量に投与し、大儲け。
判定を下すお医者さんは保険会社や製薬会社と結託して、どれだけ拒否したかで
ボーナスを受け取っているのです。
あ。もちろん政治家も癒着して多額の政治資金を受け取っています。


つまりこれらの業界を潤す財源になっているのは、病気やケガで苦しんでいる一般市民なのですね。
あるひとりの女性がつぶやいた”この米国でこんな状況が・・”と言った時の
ニュアンスが未だ耳に残っています。
つまり米国の人たちはみんな世界一の大国に住んで一番いい思いをしていると思っているのに
現状はまったく違う・・ということなのですよね。


後半はお得意の他国への取材でお隣りカナダ、そしてイギリス、フランスへと行きます。
フランスの社会保障はすごく手厚くできているのですね。
子供を産めば家族手当を子供の数あたりもらえます。
学費は小学校から大学までほとんど無料。
しかも家賃補助と週に2回?のシッターつきですから
これなら産後も女性も外で働けますね。
しかも食料品や医療費も安く、有給休暇も5週間保証されています。
映画では”おフランスは天国〜”と描かれています。

し、しかしですよ。
この国の税金の高さについてはまったく触れられていないので片手落ちです。
フランスの消費税は19.6%です。
ただし食料品、住宅関係など一部の生活必需品にかかる税率は5.5%。
これを見るかぎり、日本やアメリカと比べ物にならない高負担です。
そして平均の所得税は44.2%
これ平均ですから。
ある女優さんなんて70%払ってるってインタヴューで聞いたことがあります。
つまり50%に近い北欧と同じようなシステムなのですね。



そしてラストは・・

ムーア監督は、『ボウリング・フォー・コロンバイン』で、「全米ライフル協会会長」の
チャールトン・ヘストンの仮面をはがし、コロンバイン校で銃撃されて半身不随になった生徒を、
銃弾を売っているウォルマートに連れて行き、弾の販売を中止させました。

『華氏911』でも、かつて息子をイラク戦争に送ることを誇りに思っていた一人の母親がこの映画に
協力するなかで、ブッシュ批判に変わって行くところを撮っていました。

そしてこの作品では後半9,11の現場で活躍したのにアメリカで十分な治療を受けられない患者たちを
キューバに連れて行って、現地の病院で無料に近い治療を受けさせます。
彼らは瓦礫のなかで命をかけて救出活動に参加したのにこれってどういうこと
なんでしょう?
キューバで手厚い治療を受けた彼らの顔ったら!
つまり、彼の作品は、映画への参加者を変える形で、私たちに感動を与えてくれます。



**オマケ
結局、アメリカは一部の人たちに富が偏っている国。
そう思って世界の億万長者付けを見るとやはり・・

2006年3月、アメリカ フォーブス誌(Forbes)より
該当者は世界で746人。
国籍別では、アメリカ371人。
ドイツ55人。
日本27人
フランス14人。
イギリス24人。
中国8人(香港除く)。
韓国4人。


もちろんマイクロ・ソフトのビル・ゲイツとか、グーグルの創始者とか
世界中からお金を集めている人もいます。

でも例えばロックフェラー財閥。
彼らの支配する企業には、モービルなど石油関係やシティバンクなどの金融。
そしてニューヨーク・ライフ、エクイタブル・ライフ、メトロポリタン・ライフなどの
「保険カルテル」が大きな財源となっています。
他に食糧関係も、さらにユナイテッド、ノースウェスト、デルタなどの航空もそうですから
なんともケタが違いますね。

でも彼らは世界一のお金持ちにランクされてもいいはずなのに決してフォーチューンに
載るようなバカな真似はしません。
数百の○○財団に蓄えられて課税もされずに消えていってますから。


また大脱線しましたが、こんなに斬りながらもムーア監督の作品の
底に流れるのは”アメリカへの愛”そのものです。

ところでこれは私のただの意見です。
              突っ込みはお手柔らかに・・

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閉じる コメント(47)

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ほんと昔はアメリカは憧れの国だったのに、ガラガラとその幻想はくずれおちていってます。
旅行するにもしっかり保険に入っていかないとコワイコワイ。

2007/9/1(土) 午後 11:57 car*ou*he*ak 返信する

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すっかりご無沙汰してます。先日主人と見てきました。一元的に捉えすぎてあって、確かに片手落ちの面もあるかもしれませんが、なかなかいい映画だと思いました。私もマイケルムーアの自国への愛情を感じました。

2007/9/2(日) 午前 2:19 ann**in_*ei 返信する

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ANNEさん。こちらこそ!ご無沙汰してしまいました。
はい。そうですよね。よりエンタメ性が高まって、見やすく、
そして内容も充実しています。
この作品で一番、彼のアメリカへの愛を感じました。

2007/9/2(日) 午前 8:49 car*ou*he*ak 返信する

レビュー読んだだけでもびっくりです。アメリカの医療現場がそんなだったとは・・ぜひ見たいです。DVDでたらですけど・・

2007/9/2(日) 午後 9:23 nobuko 返信する

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物語の世界さん。私も薄々は知ってましたけれど、まさか
ここまでとは思いませんでした。
どうぞご覧になってください。

2007/9/7(金) 午後 4:35 car*ou*he*ak 返信する

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大国のアメリカではこんな医療保険制度だったなんて、驚きです。
マイケル・ムーア監督の前作は観ていないので、これは観る必要がありますね。
でも、最近、「TAXi」とか、「オーシャンズ」とか、
前作を観ないといけない作品が多くて困っています。
TBさせてください。

2007/9/10(月) 午前 0:50 ■Doobie■ 返信する

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Doobieさん。私もかなり驚きました。
はい。ムーア監督のほかの作品もオススメです。
ほんと。そうですね。
シリーズものも見たいですし、忙しいですよね〜

2007/9/10(月) 午前 1:02 car*ou*he*ak 返信する

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映画?という感覚になりましたがいろいろ考えるコトにスクリーンへ向かう意味があると思うと面白い映画でした♪いつも健康でいたいものですね…(-"-;A

2007/9/13(木) 午後 9:29 Papillon Effet 返信する

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確かに映画っぽくはないですね。
でもドキュメンタリーとしてはかなり見やすい作品です。
ホント健康でいることが何よりです。

2007/9/14(金) 午後 5:29 car*ou*he*ak 返信する

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こんにちは、いつもありがとうございます。ムーア監督の中で一番好きな作品になりました。やはり、銃よりは医療の方がずっと身近ですしね。税率に触れていないなど不確かな面もありますが、それでもアメリカの目を向けていない部分に注目を当てている貴重な作品です。単純に面白いというのも大事で、押しつけがましくないのも素晴らしい。

2007/9/22(土) 午前 5:29 [ kat*umi*a*i ] 返信する

こんにちは〜!
この映画好きです!松本人志は大ブーイングしていましたが(笑)
TBさせていただきますね〜。

2007/10/19(金) 午後 4:52 [ nat*an3**1 ] 返信する

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katumiさん。そうですね。医療の方が身近だからこの映画は
より面白く見ることができました。
そうですよね。エンターテインメント性が高いというのも重要が
ことです。

2007/11/6(火) 午後 5:43 car*ou*he*ak 返信する

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なったんさん。あらあら・そうなんですか。
ブーイングの人もいるのですね。
でも私もこれには敬意を表したいです。

2007/11/6(火) 午後 5:44 car*ou*he*ak 返信する

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まあ、過剰な演出があったにしろ、日本の医療制度はまだありがたいものですね。

2008/8/16(土) 午後 4:14 mossan 返信する

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もっさんさん。そうですね。これがすべて本当か?はわかりませんが
でもこういう傾向にあることは事実。
日本の保険制度はとってもありがたいと改めて思いました。

2008/8/16(土) 午後 7:24 car*ou*he*ak 返信する

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いつもの遅れて来た観客です。オバマが次期大統領に決まってから、最近この映画を観ました。
「ドキュメンターリー」様の映像を上手く編集した米国民主党の宣伝ためのプロパガンダ映画に見えましたね。アメリカの医療の実態は劣悪ですが、“ブッシュ政権による医療は地獄、外国の医療は天国”と、税金の問題や外国の医療の上辺だけを摘まんで単純に色分けするのは、笑止千万でした。
ムーアは、『華氏911』とこの映画しか観たことがないのですが、外国取材はムーアのお家芸なのでしょうか?
アメリカ人の元来持っていた互助精神を謳っていたのは、唯一許せるところでしたが・・・
記事を書きましたので、TBします。

2008/11/15(土) 午前 8:57 8 1/2 返信する

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81/2さん。そうなんですよね。確かに医療問題をとりあげたことに意義はあると思いますが、ひとつの面からしか見てなくて片手おちのところが多いですね。
確かにラストはよくまとめられていました。

2008/11/16(日) 午前 0:08 car*ou*he*ak 返信する

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録りだめていたのをやっとみることができました!

アメリカの医療保険の現実には驚き、がっかりしましたよ。
よくこれでみんな、我慢してますねぇ。。。

ヒラリーさんも初めは国民皆保険に取り組もうとしたのに挫折してますね。 問題の深さにあぜんとしています。 日本も保険制度が
あやしくなってきてるようで、アメリカのようにならないよう、願っています。

2009/1/9(金) 午後 10:59 タロママ 返信する

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タロちゃんさん。そうそうこれにはびっくりでしたよね。
私たちは当たり前と思ってる健康保険。
でも感謝しなくちゃいけないのかもしれません。

2009/1/9(金) 午後 11:30 car*ou*he*ak 返信する

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TBありがとうございます。
私もTBさせていただきました(*^_^*)

2009/1/9(金) 午後 11:46 タロママ 返信する

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