Cartouche

肺炎で入院中。リコメ・ご訪問遅れております。

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   ***STORY***                2006年  カナダ
フィオーナとグラントは結婚して44年。かつて大学教授時代には教え子との浮気でフィオーナを苦しめたグラントだったが、結局は妻のもとに帰り、今は仲睦まじく湖畔の家で暮らしていた。ところが、フィオーナにアルツハイマー型認知症の症状が現れ始め、彼女は自ら介護施設への入所を決める。面会に訪れたグラントはフィオーナが自分を認識できず、車椅子の男性オーブリーと親密に過ごす姿を目の当たりにする。   goo より

もう〜・・あまりに良かったので、まだ考えがまとまりません。
今年のベスト入り間違いない作品です。

『死ぬまでにしたい10のこと』で主人公を熱演したサラ・ポーリーが今度は自らメガホンを
とった作品です。
最近、イーサンやジュリーの作品を見たばかり。
そのどちらも俳優さんが監督さんになった・・という域を超えていましたが
サラの場合そのもっともっと上を行くものでした。

カナダオンタリオ湖に近い、それは静かで一面の銀世界の中にある家に住んでいる夫婦の
物語です。
冒頭、バッハのアベ・マリアをバックに映し出される夕暮れ時のその美しさったら!

夫・グラントは知的でありながらもこなれたところがあり、かつてはさぞかしモテモテだった
ことが明らかです。20年前までは大学教授でしたが、女学生と次々と愛情関係をもっていました。
中のひとりとどうも深刻だったために夫婦関係に亀裂が入ってしまったよう。
グランドは結局妻との生活を選び、多分かなり早く大学を辞め、田舎に引っ込みました。

ところが最近妻は洗ったフライパンを冷凍庫に入れようとしたり、花の色がわからなくなったり
迷子になったり・・
調べるとアルツハイマーの初期でした。

悩んだ末に、ふたりはホーム行きを決意するのですが、そこの規則は厳しくて
奥さんが入所してから1ヶ月は面会禁止となります。
ホームシックを避けるためですね。
さて1ヶ月経ってグランドが行くと・・
そこには夫婦のように仲むつまじいカップルが!
ひとりは妻フィオーナでした。

これはもしかしたら恋に落ちたのか?
それともそれまでグラントがさんざん女性問題でメイワクをかけたからその仕打ちなのか?
最初そのどちらかだと思いました。
でも・・フィオーナは”あなたといると混乱するけれど、彼といるとしないの・・”と
言ってました。
つまり正常な人といると自分がヘンだということが逆に鮮明になってしまいます。
でもこの相手の人はフィオーナより症状がすすんでましたから、彼といると
まだ自分の方が正常だと思えてフィオーナにとって心が平和だったのかもしれません。

ここまでだけでも充分映画になります。
ところが!ここからまた2回転半くらいするのです。
その展開の仕方もおもしろいし、どれもナットクできるもの。
そして親のことやそのうち自分も?とか思うとどの立場の人にも共感してしまって
ずっと悲しくて、感動しっぱなしとなります。



私の母は元々病気の上、最近かなりボケてます。
耳が遠くなっているせいもあるのですが、そうなると父はものすごい孤独感を感じているよう。
精神的に不安定になり、私にしょっちゅう電話してくるようになりました。
長く連れ添った相方がボケたりすると混乱するのは男性側だと思います。
普通の夫婦というのは男性は仕事で外に出て自分の都合で生活していきます。
一方妻は家で”待つ”ことがほとんどで相手に合わせていきます。
だから妻は相手の変化に合わせることができるけれど、夫側はそういう訓練はしてないのですね。

う〜ん。この映画から考えられることはまだまだたくさんあって到底まとまりません。
でも決してむずかしい映画でなく、話の運びもスムーズで見やすいです。
若いとわからないかもしれませんが、ある程度のトシをいった人であれば
何かしら感じるシーンがあるでしょう。
映画館は満席でそのほとんどが女性でしたがこれは男性にも見て欲しい作品です。

**サラ・ポーリー**
1979年生まれ。
両親ともに役者という家庭に生まれ、早くから子役として活躍。
デビュー三作目は9歳のときの出演作「バロン」(テリー・ギリアム監督)でした。
(うわ〜そうでしたか。)
その後、TVシリーズ「アボンリーへの道」などで順調にキャリアを積み重ねます。
そしてアトム・エゴヤン監督の下で主演した「スウィート・ヒアアフター」で高い評価を受けます。
ハリウッド嫌いを公言する彼女は、現在もカナダを中心に女優の活動を続ける一方、
99年には、短編映画「Don't Think Twice」で監督・脚本デビューを果たすなどさらに活躍の場を
広げています。
代表作は『あなたになら言える秘密のこと』,『アメリカ,家族のいる風景』
それにしてもまだ27歳なんですね。
一体どうして高齢の人の気持ちがこんなにわかったのでしょう!


そしてそしてこの映画がこんなに澄んだ感じがするのは風景はもちろんのことですが、
ジュリー・クリスティの美しさにもあります。
映画ファンならええ?あの『ドクトル・ジバコ』や『華氏451』の!って思われることでしょう。
確かにおトシではあります。でも若いころよりも透明さが増していて、より線が細くて・・
ほんときれい〜

そしてまたオリンピア・デュカキスも後半大活躍します。
『月の輝く夜に』,
『マグノリアの花たち』で見たとき
すでにお母さん、おばあちゃん役でしたが、この方もきれい。
どの役も”自分本位”なところがあってひょうひょうとしていて、いいですね〜







監督: サラ・ポーリー
製作総指揮: アトム・エゴヤン
原作: アリス・マンロー 『クマが山を越えてきた』
脚本: サラ・ポーリー
音楽: ジョナサン・ゴールドスミス
出演: ジュリー・クリスティ /ゴードン・ピンセント /オリンピア・デュカキス
マイケル・マーフィ /クリステン・トムソン /ウェンディ・クルーソン /アルバータ・ワトソン

閉じる コメント(45)

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のびたさん。はい。これはそれぞれの内面に深く踏み込んでいて
とても見ごたえがありました。
うわ。そうなんですか次の企画が4〜5本!
それはすごいですね。
はは・・私もすでにボケてます(笑)

2008/8/7(木) 午前 0:05 car*ou*he*ak

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einhorn2233 さん。そうですよね。たまりませんよね。
私はそのうちやってみようかな(笑)
ラストの一発もものすごかったですね。
これ一体、計算しているのかしてないのか???

2008/8/7(木) 午前 0:06 car*ou*he*ak

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認知症は妻の復讐とも解釈できるところが深いですね〜。
自分たち夫婦と重ねて考えさせられるところが多かった気がします。
20代のサラがなぜここまで熟年夫婦の機微を描けるのか・・どんな人生経験なんだ!?と唸りました。
TBさせてください。

2008/9/7(日) 午後 2:07 Swan

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Swanさん。常に深読みのCartoucheでございます(笑)
浮気性のダンナさんの行いをじっと見ていて怒りを貯めて
いたような気がして・・
そうそうそれにしてもサラってすごい人ですよね。

2008/9/7(日) 午後 10:03 car*ou*he*ak

若いサラ・ポーリーがこういう老年の夫婦のことを映画にしたと言うのが、ちょっと驚きでした。
色々考えさせられる作品でしたよね〜
特にラスト、それは!!でした。
ジュリー・クリスティ本当に美しかったですね。
素晴らしかったですよね。
TB返しさせてくださいね。

2009/3/12(木) 午後 8:47 [ ake*omy*ujo*3 ]

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明星さん。ほんと若いのにどうしてこんなに中年、いえ老年夫婦の
ことがこんなににも深くわかったのでしょう。
ラストにも驚きました。エンタメ性もあり、素敵な作品ですよね。
でも見てる人が少なくて残念です。

2009/3/12(木) 午後 11:26 car*ou*he*ak

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やっと観れました〜
ほんとに深くて素晴らしい作品でしたねぇ。
まずは、20歳代のサラが、この題材を扱って見事に作品化している事に脱帽でした。
美しい雪の風景や音楽も、作品には重要な要素だったように思います。
こちらからもトラパさせてくださいね♪

2009/3/16(月) 午後 6:51 じゅり

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じゅりさん。これはとても深くて重いけれど、といって見やすくて
心にしみる作品でした。
ほんとサラ・ポーリーってすごい〜脱帽ものです。
そうですね。風景や音楽の力も大きいですね。

2009/3/16(月) 午後 6:56 car*ou*he*ak

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なるほど〜。
男性の方が女性よりこういう状況に弱いのはそういうことなんですね〜。
静かながらいろいろ考えさせられる映画でした。
他人事とは思えませんね〜(^_^;)

2009/4/6(月) 午前 8:53 木蓮

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もくれんさん。そうなんですよね。男性のほうが色々弱いな・・と思います。結局奥さんに頼ってることが多いのですよね。
お若い監督さんなのによくぞ撮ってくれました。

2009/4/6(月) 午前 9:55 car*ou*he*ak

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カナダの雪景色がきれいでしたね。冒頭のシーンは後半にも出てきますね。

2009/5/16(土) 午後 10:05 mossan

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もっさんさん。ほんと透明感あふれる景色が素敵でした。
そうでしたか。冒頭のシーンが出てくるのですね。

2009/5/17(日) 午前 10:57 car*ou*he*ak

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コメントありがとうございました
そうですか…実際に似た様な状況を経験されていたのですね
お察し申し上げます
本当に男性は取り残されるとどうして良いか分からないのでしょうね
あんなに若い子と遊んで楽しんだくせに、髪を乱して年老いた妻を
求めるように、頼るように毎日毎日グラントは車を走らせてフィオーナに面会に…
でもジュリーとカナダの美しさは本当に素敵でした
いい映画でしたね
TBさせて下さいね

2009/5/21(木) 午後 10:09 [ Maria ]

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Mariaさま。はい。母のこの状態は未だ続いています。
男性はそういう面で弱いですよね。
まったく自分の昔のことはさておいて・・(笑)
ジュリーとカナダがとっても素敵な作品でした。

2009/5/21(木) 午後 11:04 car*ou*he*ak

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最後ははっきりとした答えは出さず、問いかけのような終わり方でしたね。
最近はこの手の作品を観ると本当に身につまされて、自分の今後の生き方を考えずにはいられません。
カルちゃんはご両親を間近にご覧になってもっともっといろいろと思うことがおありだと思いますが、確かに男性の方が弱いのは事実ですよね。おっしゃるように待ったり我慢したりすることに慣れてないし・・
最近TVで高齢者のみならず、介護の問題をよくやりますが、取り上げられるのはほとんどが男性が介護している場合になってきましたよね〜それだけ男性の方が介護される側でなくする側になった時のリスクが高く、精神的にもきついんですね。
本当に考えさせられる映画でしたが、キャストの素晴らしさが作品としての質をより高めていたと思います。
お母さま、どうぞくれぐれもお大事に。こちらからもTBさせてくださいね

2009/9/28(月) 午後 3:54 choro

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Choroさん。ご丁寧なコメント、ありがとうございます。
そうですね。女性は元々家事もしてますし、介護もできますが
男性がそれをするのは大変!!
ウチはホームに入っているので助かってますがそれでも問題が
たくさんあります。
でもそういうケースってこれからどんどん多くなるでしょうから
男性も心構えが必要ですね。
ところでこの映画は答えが出てませんが、より色々と考えさせられました。

2009/9/28(月) 午後 6:48 car*ou*he*ak

TBありがとうございました〜
観たいと思っていた作品なのに、、、すっかり遅くなってしまって
ジュリー・クリスティが良かったですよね
最後だんな様が施設に迎えに来る時に
可愛らしい花柄のワンピースを着ていましたが
やつれた感じも無く病気は治ったの?って思っちゃいました
現実はそうは行きませんね、、、、
Cartoucheさんもお母様をお大事に(v_v)

2010/1/12(火) 午前 1:18 [ Astay ]

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Astayさん。私は劇場で見たきりなのでわかってない部分が
あるのですが、全体にダンナさんに対する復讐とも思えますね。
もしくは一時的にはっきりしたり、又戻ってしまったり・・という
症状なのかわかりませんが・・
いずれにしてもラストの部分を含めて見る人がそれぞれ
好きに解釈できるという映画ですね。
母は相変わらずです。ありがとうございます。

2010/1/12(火) 午前 9:28 car*ou*he*ak

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やっと観れました。。
サラちゃん。深いですよね〜貫禄すら感じました。
男性目線としては辛い部分もあったけど・・ほんと素晴らしい作品でしたね。
TBさせてください。
TBさせてね。

2010/4/21(水) 午前 9:43 SHIGE

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SHIGEさん。深読みすると色々考えてしまって・・
あ〜男性目線からすると辛いかもしれませんね。
ジュリー・クリステの透明な美しさがすごい〜
サラちゃんもすごいですね。

2010/4/21(水) 午後 5:43 car*ou*he*ak

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