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肺炎で入院中。リコメ・ご訪問遅れております。

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   ***STORY***                2007年   日本
ある夏の終わり。横山良多は妻・ゆかりと息子・あつしを連れて実家を訪れた。開業医だった父と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。姉・ちなみの一家も来て、楽しく語らいながら、母は料理の準備に余念がない。その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。

今年は老いや死をテーマにした映画が多いですが、これもその一本。
でもどの作品もそれを暗いものやマイナスとしてとらえてなくて、前向きで明るく
それぞれ独自の人生観や死生観が描かれています。




とある普通の家族の2日間の物語で、特に変わったことは起こりません。
どこにでもあるように、嫁姑のぎこちなさがあったり、娘と二世帯住宅にするかどうか悩んだり・・
でもこの家族の場合は、ちょっと特殊な問題がいくつかありました。
まず次男は子連れの女性を再婚していこと。
とりたてて変わったことではありませんが、親にとっては許しがたいものかもしれません。
それよりも問題なのは母と息子がまだ亡くなった前のお父さんを忘れられないことです。
生き別れはいいけれど死に別れはね・・というセリフにもあったように
いい思い出ばかりを思い出してしまって、まだまだ辛いようですね。

もうひとつはせっかく個人医院を開いていたのに後継者がいないというおじいちゃんの落胆です。
長男さんが生きていたらそれも可能だったのかもしれませんが、次男にその気はまったく
ないようで、とても寂しいのでしょうね。
権威ある肩書きを持っていた男性ほど、リタイア後の空虚な気持ちは埋めにくいものの
ようで、このおじいちゃんはとりわけそうでした。
しかもみんなで”おばあちゃんの家”って連発するし・・(これはどこでもそうですね)


そして・・何よりもこの家族には長男が亡くなっていた・・という特殊な事情がありました。
親にとっては息子が、兄弟にとっては兄が亡くなったということはいつまでもいい知れぬ
深い悲しみを残すもので、一時たりとも忘れることはできません。
特に母にとって娘よりも息子がかわいいもので、その悔しさといったら・・
殺人なら相手を恨めます。
でもこの事情なような場合は恨むわけにもいかず・・
いずれにしても若くして亡くなるということが周りの人たちに与える影響は大きいですね。

こんな問題はあるものの、この映画。と〜ってもおもしろいです!!。
セリフのひとつひとつに不自然さがなくて、うんうん・・とうなずけけるものばかり。
その上、つっこみややりとりが絶妙!
まるでアドリブのようで、私たち観客は人の家をそっと覗き見しているような感じがします。

会話とともに自然なのがお料理。
主に母と娘が作ってますが、大根のきんぴら、ゆでた枝豆をむいて、ミョウガとともにゴハンに
混ぜ込んだり、あ・一番おいしそうだったのはトウモロコシをひと粒ひと粒外して
小麦粉でまとめた天ぷら。香ばしそうで、ほんとおいしそう〜
こういう普通の家庭料理って廃れていってしまってますが、何よりのごちそうですね。

でもラストに向かってじ〜ん・・
冒頭、横山一家が「こんにちわ」と言うと、母のとし子が、「ただいまでしょう?」と
言います。
でもこんな「ただいま〜」って言える場所っていつまでもあるものではありません。

また私たちは親からなにか(例えばどこかに連れて行ってとか)言われると
「うん。そのうちね・・」って言います。
でもそれはなかなか実行されることはなく、”ちょっとだけ遅くて”
間に合わなくなってしまうものです。
是枝監督はご自分のそんな体験からこの映画を撮られたそう。


これから百日紅の花を見るとこの作品を思い出しそうです。



監督・脚本・原作: 是枝裕和
製作: 川城和実、重延浩、久松猛朗、李鳳宇
撮影: 山崎裕
音楽: ゴンチチ
出演: 阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、寺島進、樹木希林、原田芳雄

閉じる コメント(44)

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うんうん・・とうなずけけるものばかりって、ホントそうでしたね。
個人的には、ぶっきらぼうで不器用なお父さんが、亡くなった父とダブって見えてしんみりしちゃいました。
TBさせてくださいね。

2009/1/30(金) 午前 0:50 Swan 返信する

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Swanさん。会話がいたって自然で主婦としてうなずけることばかりでした。うまいですよね。
あらら・・そうでしたか。ぶっきらぼうでも温かな方だったのでしょう。

2009/1/31(土) 午後 9:15 car*ou*he*ak 返信する

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役者がふんばっていたからこういう映画も退屈せず観れました。阿部寛、YOU、樹木希林が味があってよろしい。

2009/2/8(日) 午後 8:31 mossan 返信する

やっとDVDで観れました!
ほんわか、しみじみ・・・ちょっと嫌味あり(爆)
派手さはないけど・・・いろんな感じ方のできる雰囲気のある作品でした。トラバお願いします!

2009/3/6(金) 午後 8:52 くるみ 返信する

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もっさんさん。ほんと俳優さんたちがみなさんそれぞれ個性的なのにぶつからず、調和がとれてました。特にその三人の方はすごいですね

2009/3/6(金) 午後 11:13 car*ou*he*ak 返信する

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くるみさん。はは・・イヤミ。わかります。
それも効いてましたよね。
地味なような、でもエンタメ性もある作品で楽しめましたね。

2009/3/6(金) 午後 11:16 car*ou*he*ak 返信する

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なーーーにも考えずに見ると、全然面白くない映画ですが、展開がジワジワくるのは是枝調。
大人の映画ですね。
しんみり感動しました。

2009/3/30(月) 午前 10:36 [ dalichoko ] 返信する

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何気ない日常の描写から、いろいろな事が見えてくる作品でしたね。
お料理のシーンなんかはほんとリアルで、美味しそうでした。^^
TB、お願いします〜。

2009/6/7(日) 午後 9:40 サムソン 返信する

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chokoboさん。確かにそうですね。これといった事件は何も
起こりません。
でもなんだかじわじわ〜っと。
そこがすごいところです。

2009/6/7(日) 午後 10:45 car*ou*he*ak 返信する

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サムソンさん。ほんと描かれているのはなんてことない日常のシーンばかりですが、そこから世代間の問題などたくさんのことが
見えてきました。
お料理おいしそう〜

2009/6/7(日) 午後 10:46 car*ou*he*ak 返信する

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そうですね〜まさにカルちゃんの感想のとおりの映画でした。(^^ゞ
頑固なお父さんはやっぱり寂しいんですよね。おっしゃるように子どもが3人もいたのに後継者はおらず、自分も年老いて仕事一筋だった人にとっては本当に寂しい老後に感じていたのでしょう。近所のおばあちゃんを助ける事が出来なかった時の無念の表情が印象的でした。
しかし「孝行をしたいときに親はなし」とはよく言ったもので、やはり悔いのない接し方を親にはしたいものですね。なかなか難しいけれど。。^^;

2010/1/29(金) 午前 11:12 choro 返信する

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是枝監督らしいドキュメントタッチがいいですね。
じっくり見るとより良さを認識できそうですね。
http://cinema.intercritique.com/comment.cgi?u=1758&mid=20221

2010/1/29(金) 午後 0:30 [ dalichoko ] 返信する

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Choroさん。お父さんって頑固〜〜。
でも実はとてもさびしがりなんですよね。
ほんと親孝行したいときには・・遅いことが多いですから
そうならないよう心がけたいですね。

2010/1/29(金) 午後 9:58 car*ou*he*ak 返信する

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chokoboさん。はい。これはかなりユーモラスだけれど
後でじ〜んとくる作品でとても良かったです。

2010/1/29(金) 午後 10:00 car*ou*he*ak 返信する

これだけ何気ない風景を、しかも丁寧に描いた映画は、なかなかないですね〜^^
男の子と親父の関係は、どこの家もあんな感じなのでしょう。家もそうだったな…
男同士は相容れないんですよね!母息子、嫁姑、いずれも見事な描写でした♪

2010/3/15(月) 午後 10:56 やっくん 返信する

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やっくんさん。なんてことない風景とセリフなのにとっても心に
しみますし、そうそう・・なんて思ってしまいます。
やはり男性同士ってむずかしいみたいですね。
ウチの弟クンもそうだわ。

2010/3/15(月) 午後 11:01 car*ou*he*ak 返信する

そうそう、やりとりが凄く自然でしたよね。
映画に入り込みやすくて・・、その辺もこの映画の魅力でした。
何気ない映画にみえて、是枝監督、今後注目したい!
そんな気にさせられた映画です!
TB,お返しさせて下さい☆

2010/5/18(火) 午前 0:34 A☆co 返信する

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A☆COさん。みんなの会話がものすごく自然で、人の家を
のぞいてるみたいでした。
是枝監督って素晴らしいですよね。

2010/5/18(火) 午前 8:37 car*ou*he*ak 返信する

監督ご自身の経験も入ってたんですね。
でもそれってほんとにどこでも同じ。
いつかね、って思ってて実行できなかったことってあります。
冒頭からサクサクとお料理を作っていく描写もよかったですね。
茗荷と枝豆混ぜたご飯と、とうもろこしの天ぷら作りたい!って思いました。
TBさせてくださいね。

2011/3/21(月) 午後 2:57 pu-ko 返信する

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PU-KOさん。そうらしいです。
自分もそうですが、いつかねって思ってしまいますよね。
でもそれが実現されることもないまま・・
そうそうとうもろこしの天ぷらがムショーに食べたくなりますね。

2011/3/21(月) 午後 3:19 car*ou*he*ak 返信する

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