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   ***STORY***
1965年3月、チェ・ゲバラは忽然と姿を消した。様々な憶測が飛び交う中、カストロはキューバ共産党中央委員会の場で、ゲバラの手紙を公表する―。彼は再び、革命の旅を始めた。変装したゲバラは、1966年11月ボリビアに入国する。そこは大統領の独裁政権のもと、農民やインディオたちは圧政と貧困にあえいでいた。ゲバラのもとに次々と革命に燃える戦士が集まるが、ボリビア共産党の援助が絶たれ、ゲリラ軍は孤立していく…。    gooより

20世紀最大の革命家と呼ばれたチェ・ゲバラの生涯を描く二部作の後編。
いかにもソダーバーグらしい作品で、後半は特に時制が動くこともないし、ストーリー展開も
シンプル。でもこれかなり事前にわかってないと理解できない作品です。
今思えば第一部は勝利へ向かって力強さと華やかさがありました。
でも二部の結末は誰しもが知ってるわけで、その最後に向かって突き進んでいくのですから
暗く、トーンが落ちてしまうのは仕方ありません。
でも脚を撃たれたとき、そしてラストの銃殺のとき
このふたつのシーンの見事さったら!
ゲバラになった気分でした。
またエンドクレジットの後半も素晴らしい!
席を立たずに余韻を味わってください。


まずシーン的なことを少し・・

*ドイツ人が出てくるので?と思う方も多いでしょうが、これは第二次世界大戦前後に
ユダヤ人、やナチスの残党ドイツから逃れてボリビアに来た人たちです。
だからビールが盛んに作られてます。

*”腕時計を家族に”というセリフが出てきます。これは今まで戦死した兵士の腕時計を
ゲバラはきちんと家族に返してしたから。彼の律儀さがわかる場面ですね。


しかしこの映画では肝心の
彼はどうしてキューバを去ったか?とボリビアでの失敗の原因は何だったか?
についてまったく触れられていません。
多分これはそこに突っ込んでしまうと10話くらいまで続くことになってしまうのと
理由が断定できないからでしょう。
でも気になるので、私なりにまとめてみました。

**キューバを去った理由**
ヽ很燭棒功しこれから国の発展を考えていかなければなりません。
彼は各国を視察し、サトウキビには限界があるので工業化が必要だと思いましたが
色々と試みたものの成功しませんでした。

当時ソ連からの援助や協力が必要だったのですがアメリカにジャマされました。
彼はソ連に三回も行ってフルシチョフと会談をしたのですが、事態はキューバを越えて
キューバ危機につながっていってしまいました。
ほんとこの時って世界が核に一番近かったときでした。怖かったですよね〜
ゲバラはソ連に失望して手を切りたかったのですが、カストロの方はというと
社会主義国家の理想に燃えてました。

しかもカストロという人物が居る以上、自分は補佐でしかありません。弟ラウルも強力。
だから彼が思い通りの政治をしたければ、キューバを去るしかなかったのです。
それに彼の目標は「世界革命」でした。

そしてアフリカの事態に目をつけコンゴに行きましたが、言葉や宗教、習慣が違うので
これは無理と思い、ボリビアを選んだのです。

さてそのボリビア。
バリエントスが政権を握ってましたが内部は分裂状態で、辛うじて軍事力が政権を支えていました。
それもアメリカの後ろ盾によるものだったのです。

**革命が失敗した理由**
‥時ボリビア政府はゲバラの存在を国民に隠してました。
そんなヒーローがいるとわかったらみんながそちらへ流れかねないからです。
だからゲリラの動きはキューバーの侵略部隊によるものとされていました。
名前も変えていたからわからなかった兵士も多く、後で握手しちゃった〜って喜んでましたね。

∧豺颯▲襯璽鵐船鵑領戮蠅覆里縫椒螢咼△鰐餌欧盻ゞ気皸磴国でした。
アルゼンチンは白人が多いですが、ボリビアは先住民族であるインディオの国。
みんな民族衣装を着てたのはこのためです。
ですからゲバラにとっては近いのに遠い国でもあり、彼らにとって反乱軍は余計なことをするよそ者くらいしにしか思われていませんでした。
キューバの時は途中から農民たちが熱狂的に軍に入りたがっていたのとは大違いです。
だから脱走者が増えるばかりで、闘志もどんどんと低くなっていきました。

食料調達にとっても苦労しますが、それもそのはず。
この辺りでは気候が厳しいため、作物がうまく育ちません。
チェはもちろん農民たちから奪おうとはせずちゃんとお金払いますが、彼らにとってお金は
使う場所がなくて、実際の食料が貴重だったのです。
政府軍はこれを知っていたので、農民たちに食料を与えたので、彼らはこちらに寝返りました。

アメリカと仲が良かったのですぐさま特殊部隊グリーン・ベレーが呼ばれ、政府軍は彼らから
直接指導を受けたのでキューバ軍とは大違いの実力をもっていました。

ぅ椒螢咼共産党の支持を得られなかったこと。
リーダーのモンヘというのがひどい人で、自分の要求ばかりを押し付けました。
ついに根負けして1千ドルを渡すのですが、見返るようなことは何もしてもらえず・・
それどころか計画を話してしまったことがアダとなりました。
もしこの人がしっかりしていてチェとうまく組めれば革命は成功したかもしれません。

でももうひとつ大きかったのは農民は意外とあのままで幸せだったのではないかということ。
これはあくまでも私個人の意見ですが、搾取されていて貧しいとはいえ、他を知らずにいるのですし
その地にあった生活をしているので、そんなに不満はなかったのではないかしら?
”貧しい=不幸せ”と私たちは思いますが、それは大きなおせっかいかもしれないと思うことがあります。例えばブータンが世界で一番幸せな国といわれていますが、それも同じことですね。



常に冷静で雄弁で、現実的に物事をとらえるカストロ
思いこんだら一直線で、理想に向けて突き進むゲバラ。

物事を成し遂げるには違った性格の人と組むのことが必要です。
その点このふたりは最高の組み合わせだったからキューバの革命は成功したのかもしれません。

せっかくのゲバラという素晴らしい人。
戦闘の場でなく、国家の中枢の人としてどこかの国を治めていってほしかったです。
でも彼のもつ心の優しさと正直さ、自分に対する厳しさを知る人々にとっては永遠のヒーロー。
読書家の彼が書き残したたくさんの日記や記録は現代の私たちの心をつかみます。
そういう意味では彼は亡くなってしまったけれど、彼の理想や精神は不滅で、潜在的に
彼の夢見た世界革命は継続中なのかもしれません。

                           〜〜一部、三好徹 チェ・ゲバラ伝より




監督・撮影:スティーブン・ソダーバーグ
製作:ローラ・ビックフォード、ベニチオ・デル・トロ
脚本:ピーター・バックマン
美術:アンチェン・ゴメス
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ベニチオ・デル・トロ、カルロス・バルデム、デミアン・ビチル、ヨアキム・デ・アルメイダ、エルビラ・ミンゲス、フランカ・ポテンテ、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ロドリゴ・サントロ、ルー・ダイアモンド・フィリップス、マット・デイモン

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この記事と、ゲバラに関しての記事のおかげでわかりやすくなりました!
いろんなことが裏目に出てボリビアでは可哀相でしたが、ゲバラの本質はよくわかったと思います。

2009/2/11(水) 午後 8:08 木蓮 返信する

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Shinchanさん。他の部分は本からの抜粋ですが、農民は〜というのはあくまでも私の意見です。そうですね。ゲバラの信念は武力によって革命はなされる・・というもの。正しいかそうでないか?はわかりませんが。まったくですね。これはゲバラについて勉強してからでないとあまりにもむずかしい映画でした。Rをつけてもいいですね。

2009/2/11(水) 午後 8:56 car*ou*he*ak 返信する

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臆病なDREAMERさん。ありがとうございます。
この作品に限っては事前にかなり勉強が必要ですね。

2009/2/11(水) 午後 8:58 car*ou*he*ak 返信する

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LANETOWERさん。コンゴでのことなどもあっさりと割愛されてしまってましたね。私もあんなにずっとボリビアだとは思いませんでした。
でも見ごたえありましたね。

2009/2/11(水) 午後 9:00 car*ou*he*ak 返信する

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yukoさん。そうですか。映画館に行く時間ってなかなかとれないですよね。これは他の作品と違ってかなりの勉強が必要。
略歴だけでも目を通していってみてくださいね。

2009/2/11(水) 午後 9:01 car*ou*he*ak 返信する

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サムソンさん。農民の件については私の独断なのですが、
どうもなんだかそういう気がしてしまって・・
少なくてもキューバの人たちより闘志が低かったのは明らかです。

2009/2/11(水) 午後 9:03 car*ou*he*ak 返信する

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seiさん。古代ローマのときからそうですが、戦闘って強いだけでも武器があるだけでもダメ。やはり食料などが補給できるかどうかが大きな分かれ目となります。ラストは素晴らしかったです。

2009/2/11(水) 午後 9:05 car*ou*he*ak 返信する

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もくれんさん。後半はなんだかかわいそうでしたね。
でも自分の信念を貫いたのですから幸せだったのかもしれません。
そしてまたこうして50年経っても彼は神様なのですから
素晴らしいことです。

2009/2/11(水) 午後 9:06 car*ou*he*ak 返信する

友人と約束していて昨日やっと観てきましたが…
別れの手紙を残し、変装してまで秘密裏に入国した覚悟と行動力は凄かったです。
が、チェの想いは伝わらず、資金や通信設備も乏しい中、ボリビア政権の戦略に屈してしまう、、切なく、虚しさが残りました。
若きチェが船でキューバに向かうラストの映像は印象深いですね。
TBさせて下さいね。

2009/2/15(日) 午前 11:20 ふぇい 返信する

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フェイさん。そうですね。国民が当時の位に疑問を抱き、革命に参加してくれることを望んでいました。しかしキューバではカストロという人がいたからこそ成し遂げられましたが、ボリビアでは共産党の人がいまひとつ・・残念でした。
そうでしたね。ラストのあの船のシーン。じ〜んときました。

2009/2/15(日) 午後 6:44 car*ou*he*ak 返信する

腕時計・・・時を刻みながら、ずっと身に付けているものですので、それを家族に託したいと言うシーンがあったのは、うれしかったです。米の戦争映画で言う、兵士のネックレス(という表現でいいのかしら?)のようなものでしょうね〜。エンドロールは彼の無念さをも感じ、独特な余韻に浸っていました・・・。TBさせてくださいね。

2009/2/16(月) 午前 1:11 [ - ] 返信する

コメント・TBありがとうございました。
ただひたすらに革命家として生きることに自分の生きて在る意味を見ている
人のように思えました。
革命という言葉には、ある種の人々を惹きつけてやまない媚薬のような
香りがあるのでしょうね。
いや、私のようなタダの人でも、ちょっと魅力を感じますから。
TBさせていただきます。

2009/2/18(水) 午前 2:01 shiromi 返信する

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SHIMAさん。そうでうsね。時計というのは肌身離さずに持っているもの。一番その人と近いものかもしれません。
それをちゃんと親族に返していた・・というのは感動的でした。
あ・そうですね。兵士のネックレスに似てます。

2009/2/19(木) 午後 9:27 car*ou*he*ak 返信する

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SHIROMIさん。確かに彼のいきがいは革命でしか感じられなかったのかもしれません。媚薬。うまい表現です。
彼が亡くなってしまったのは残念ですが、こうして語り継がれていうことに意義がありますね。

2009/2/19(木) 午後 9:29 car*ou*he*ak 返信する

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ゲバラの信念。
しっかり心に刻みました。
彼が今も人々に崇拝されているのか、この作品をきっかけに色々と知っていきたいと思いました。
TBさせてください!

2009/2/27(金) 午後 9:41 かず 返信する

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かずさん。背景は詳しく描かれてないけれど、確かにゲバラの信念のようなものは伝わってきますね。
こんなに高潔な人、日本にも現われてほしいです。

2009/2/27(金) 午後 11:03 car*ou*he*ak 返信する

数多いゲバラの作品の中でも象徴的な1本となったような気がします。TBさせていただきます!

2009/6/24(水) 午後 11:28 takutaku! 返信する

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たくたくさん。そうですね。伝記的ではないですが、その分
彼の精神に迫る映画でした。

2009/6/25(木) 午後 3:19 car*ou*he*ak 返信する

ガエル・ガルシア・ベルナルの「モーターサイクル・ダイアリーズ」、ベニチオ・デル・トロの「チェ」2部作、これでようやくゲバラの人生が完結しました。幸福な最期ではなかったかもしれないけど、私たちの心には、永遠にゲバラが生き続けています!

2010/9/3(金) 午後 9:52 やっくん 返信する

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やっくんさん。そうですね。モーターサイクル〜と続けて見て
彼の人生がようやく把握できてきました。
そうですね。早く亡くなってしまって残念でしたが逆に神聖化して
私たちの心に残ってますね。

2010/9/3(金) 午後 10:11 car*ou*he*ak 返信する

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