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*オーストラリア*

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   ***STORY***
第二次世界大戦前夜のオーストラリア。イギリス人貴族のレディ、サラ・アシュレイは、夫を捜しに北部の町・ダーウィンにやって来た。彼女を迎えたのは無骨なカウボーイ、ドローヴァー。夫の領地に着いたサラは、夫が何者かに殺されたことを知る。彼女に残されたのは、広大な牧場と1500頭の牛だった。牧場を立て直すため牛を売ることを決心したサラは、ドローヴァーの力を借り、牛を引き連れ出発する…。
                                  gooより


映画というのは2時間から3時間の間に収めて仕上げなくてはならないものだから背景は
省略されることが多いです。でもそれがわからないと、半分くらいしか意味を汲み取れないことが
あります。
むずかしいヨーロッパ映画だとそれなりに事前勉強しますが、メジャーものだとつい油断しがち。
たまたま私は『裸足の1500マイル』を見ていたのでわかったのですが、この作品もまさにその部類に入るものでした。

前半、アボリジニの少年ナラが”オマワリだ!”って言いながら逃げ惑うシーンがあります。
何でこんなに逃げなければならないのか?わからないと思いますが、これには
"Stolen Generation (盗まれた世代)"または"Lost Generation(失われた世代)の知識が必要です。
以下、少々長くなりますが是非是非お読みください。

**盗まれた世代**
1911年から1960年代後半まで政府の命令により、白人の血の混じったアボリジニの子供たちは
母親から無理矢理に引き離されました。
これは教会がらみでもあり、孤児院や白人のホストファミリーに送られました。
目的は、”正しい”オーストラリアの子供になるため。
白人教育を受けさせ、白 人と結婚させ、3世代くらい後には外見上白人と区別がつかないように
させるためのものでそれにはブラックのアボリジニの子供より、少しでも白人の血が混ざっている
方が、より”白人化”しやすいと考えられたのでしょう。

でも多くは虐待を受けましたし、幸運にもやさしい人たちに引き取られた場合でも
自分たちのアイデンティティが揺らぎ、混乱に陥ったのでした。
彼らはココナッツとも呼ばれています。

1965年には、アボリジニに対する強制同化策を廃止されたのですが、しかし50年以上も
しかも1900年代になのにこんなことがされていたなんて、ほんと信じられません。
しかもそれ以降もアボリジニの失業率は高く、平均収入はオーストラリア平均の半分ほどですし
白人のオーストラリア人と比べ、平均寿命は短く、幼児死亡率が高いままです。

しかもそれが公然のものとなるのは又25年もかかり、1990年代の前半になってから
労働党内閣が調査を始めました。
まず1994年に、家族から引き剥がされた600人のアボリジニがダーウィンに集められ、会議が
開かれ、1997年報告書が発表されたのです。
それによると1885年から1967年にかけて7万人から10万人もの子供たちが、生みの母親から
引き離されて施設に入れられたことがわかったのです。

                               〜〜Wikipediaより


・・で映画に戻りますと、私はあのシーンを見た瞬間、『裸足の1500マイル』でアボリジニのお母さんたちが
連れ去られる子供たちが乗せられたジープを大きな手で叩きながら、叫ぶシーンをすぐに思い出したので
最初からうるうるになりました。しかもナラのお母さんは溺れて亡くなってしまいました。
後半、島に集められていた子供たちのシーンもこれによります。

**少々ネタばれ**

その後展開された1500頭に牛をダーウィンまで運んだシーンは雄大で迫力あるものでした。
でも中心となる物語の始まりはそれからで、大きな柱は黒人や女性に対する差別に関すること。
当時、女性は黒人はバーでお酒を飲むことすらできなかったのですね。
それに抗議したのがドローヴァー。彼は一貫してあらゆる差別に果敢に挑んでいました。

ところが・・そんな素敵なドローヴァーですが、彼にも欠点が・・
愛に対してどこか”空”なところがあったのです。
この彼の心情に関してはかなり深いものがあると思いますし、哲学的でさえありました。

でも結局ラストでふたりが見つけたものはホーム。
ハウスではなくてホームなのは家自体でなく、心の中の本当の家庭ということでしょうか。


また、それと共にアボリジニの人たちにとってのキーワードはカントリーでした。
表面的にはオーストラリアという国に彼らはいます。
でも本当に住んでいるのは、ちゃんと”彼らの国”。
だからあんなににもかわいがられ、慕ったサラとドローヴァーの元を離れることは
ナラにとって必要なことだったのです。

あ〜・・・とても感動的でした。

監督:バズ・ラーマン
出演:ニコール・キッドマン /ヒュー・ジャックマン /デヴィッド・ウェンハム
ブライアン・ブラウン /ジャック・トンプソン



バズ・ラーマン(1962年9月17日 - )
オーストラリア出身の映画監督・映画プロデューサー・脚本家。

ダンシング・ヒーロー (1992)
ロミオ+ジュリエット (1996)
ムーラン・ルージュ (2001)

閉じる コメント(44)

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hideawayさん。そうですよね!!これかなりいい作品ですよね!
確かに前半ベタな部分もけっこうあるけれど、後半はぐっと深くなりますね。なによりもこの光景とアボリジニの人たちの生活や思いが伝わってくるし、ラブロマンスも素敵。
キング・ジョージの不思議な魅力も一役買ってますね。

2009/3/3(火) 午後 11:27 car*ou*he*ak 返信する

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のびたさん。どこでの評判がよくないのか、わかりませんが、そうなのですか。日本軍のところがやはり不快なのでしょうか
でもそれよりも大きく捉えると素晴らしい作品ですよね。
そうそう。ナラを演じた子が目がくりくりしていてかわいかったですね。存在感もかなりありました。

2009/3/3(火) 午後 11:30 car*ou*he*ak 返信する

明日久しぶりの平日休みで〜でも体が疲れてて都内のミニシアター行きたいけど。。。近くのシネコンにと思ってます。これも候補でしたが・・・、『裸足の1500マイル』見てからにしようかなぁ〜

2009/3/3(火) 午後 11:53 wakuwakuwakappchan 返信する

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わかさん。う〜ん・・迷うところですね。
『裸足の1500マイル』は見てからの方がいですが、でも大筋には影響しないので、とりあえず上の記事を読んでくだされば大丈夫だと思います。

2009/3/4(水) 午前 0:12 car*ou*he*ak 返信する

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これはぜひぜひ観に行こうと思っていますので斜め読み致しました^^
また観たら帰ってきますね♪

2009/3/4(水) 午前 9:52 M 返信する

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Mさん。これはどうも評判悪いようなのですが、私はそうは思いませんでした。長いですがたっぷりと楽しめます。
記事書いたらTBしてくださいね〜

2009/3/4(水) 午前 10:15 car*ou*he*ak 返信する

これはどうしても観たかった映画です。
期待を裏切りませんでした。
感動的でしたね♪
ニコールキッドマンが良かったです。
トラバさせて下さいね。

2009/3/4(水) 午後 0:26 えり 返信する

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わ〜この画像素敵ですね〜またまたうっとり・・(笑)
私も楽しめました。3時間長さも感じなく惹きこまれて観てしまいました。(^^)
オーストラリアという映画ですもの、先住民の話が織り込まれるのも納得だし、彼らの存在がよくわかりますよね。
軸になる主演二人のラブストーリーもロマンティックで大自然も堪能できて、映画らしい映画でしたね〜♪
こちらからもTBさせてくださいね。

2009/3/4(水) 午後 6:22 choro 返信する

ハリウッド黄金期の、西部劇を彷彿させるような、映画で楽しめました。ただ、実際のアボリジニに対する差別はもっとひどかったようですね。日本兵に関する描き方が、評価が低くなってる要因みたいですが、『パールハーバー』の日本の描き方に比べればそんなに、
悪くなかった気がするんですが。

2009/3/5(木) 午前 6:47 [ ティルク ] 返信する

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あ〜、なるほど〜、その辺が確かにわからなくて、
そこがわからないと結局何が言いたいのかが(?_?)で、
中途半端な感想になっちゃいました(>_<)
やはりバックグラウンドは知っておかないとダメですね(-_-;)

2009/3/8(日) 午前 10:55 木蓮 返信する

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えりさん。長いと聞いていたので覚悟して行ったのですが、
最初から引き込まれてあっという間でした。
貴族の奥さんだったニコール・キッドマンがたくましくなっていくところが見事でしたね。

2009/3/8(日) 午後 9:26 car*ou*he*ak 返信する

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Choroさん。ロマンティックなラブストーリーも素敵だし
大自然も迫力あって、どちらも楽しめました。
長さはあまり気にならなかったですね。
こういうタイプの作品を色々と見たいと思います。

2009/3/8(日) 午後 9:28 car*ou*he*ak 返信する

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ティルクさん。ほんとそうですね。ハリウッドの西部劇っぽくて
荒々しい自然が大きな背景となってました。
どうも評判が良くないのはやはり日本兵の描き方に問題があるのですね。私もそんなに気になりませんでしたが・・

2009/3/8(日) 午後 9:30 car*ou*he*ak 返信する

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もくれんさん。オーストラリアの歴史まで普通知りませんから
もう少し説明が欲しかったですね。
でもラブストーリーとしても、開拓ものとしても楽しめました。

2009/3/8(日) 午後 9:32 car*ou*he*ak 返信する

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観てきました〜。劇場を出た後もスクリーンに広がる雄大なオーストラリアの物語の余韻たっぷりでした。英連邦(特にオセアニア)の同化政策の歴史はなんとなく把握はしていましたが、あらためて↑を読むと驚きです。監督は愛する祖国だけに映画で伝えたいことがたくさんあったのでしょうね。日本兵の上陸はなかったはずなので「あら?」とは思いましたが、映画として堪能しました。
TBさせて下さい^^

2009/3/12(木) 午後 9:59 M 返信する

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Mさん。日本にはないあの広大な風景。素敵でしたよね。
オーストラリアの歴史はあまりクローズアップされることがありませんのでこれは興味深かったです。
そうですね。日本上陸について??と思う人がいるので、これ評価が低いのでしょうか

2009/3/12(木) 午後 11:57 car*ou*he*ak 返信する

多くのことが盛り込まれた見応えのある作品でしたね・・・。視点が多過ぎると感じたほどです・・・。TBさせていただきます!

2009/9/12(土) 午前 0:50 takutaku! 返信する

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お邪魔します。そうなんですよね…ドローヴァーの心の空っぽ…。でもサラやナラに出会い、その隙間は埋まったと信じています。TBさせて下さい。

2009/9/13(日) 午前 2:20 [ Mr.potatohead ] 返信する

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たくたくさん。そうですね。これいい作品なのになんだかいまひとつ評価が上がらないのは、視点が多すぎるからでしょうか

2009/9/13(日) 午前 10:45 car*ou*he*ak 返信する

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Mr.potatoheadさん。ドローヴァーの心のうちについては私の
勝手な意見ですが、なんだかそう思いました。
そうですね。そしてふたりによって埋まっていったと思います。

2009/9/13(日) 午前 10:47 car*ou*he*ak 返信する

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