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*ミルク*

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   ***STORY***            2008年  アメリカ
1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルクは、20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。社交的でユーモアにあふれたミルクは、近隣住民の抱える問題に、政治的により関わりを深めていく。       gooより

映画には実に色々なことを教えてもらっていますが、中でも大きいのは勝手に自由の国アメリカと
思っていたけれど、それはとんでもなかったということ。
特に60年代、70年代、いかに偏見に満ちていたかということです。

ゲイ問題については有名な[『ブロークバック・マウンテン』]がありましたがあれが1963年。
しかもワイオミング州でのことでしたから、その厳しさはひどいものでした。
この作品の舞台となるのは最初、NYで72年。
10年もあとのことで、しかも都会ですが、それでもまだまだ・・
パブリックで彼らが手をつなぐことも、バーでダンスを踊ることも禁じられていて、なんと
逮捕されたり罰金を払わされたりしていました。
また夜、街を歩くときには背後から来る人にも気をつけてましたから、いつ暗殺されるか
わからないような状態だったのです。

そんなふたりが自由を求めてサンフランシスコへ・
でもここでも同じようなもので、お店を開くときにも障害がありました。
でもふたりはそんなことにもめげず、自分たちの仲間を増やし、そしてそれがいつしか
政治的なものへと発展していきます。

最初はなかなか彼らの意見は聞きうけられませんし、票も集まりません。
でもそれこそ草の根的に、ひとりひとりにミルクが本気で語りかけていったから
彼の思いは広まり、大きなムーブメントとなったのでしょう。
そしてまた彼が言いたかったのは、ゲイの人のみならず、黒人、アジア人(あれ・・私たちも)
高齢者、女性、子供、障害者・・とすべてのマイノリティを救いたかったこと。
公民権運動や女性の地位向上の動きともリンクしていたから大きくなったし、私たち観客にも
共感を得やすいものとなっていたのでした。

ですから後半はほんとミルクの気持ちになっていって、ラストのシーンには・・
史実ですし、結末は色々なところで書かれてますから伏せませんが、暗殺されます。
そのときほんともったいない・・残念・・生きててほしかった・・
という気持ちになったのでした。
彼が最後に見たのは『トスカ』の垂れ幕。
オペラを終始愛した彼は主人公カヴァラドッシと同じように銃殺されてしまったのでした。



ドキュメンタリータッチの部分もありますし、主題は政治的なことですから
ともすれば暗く、むずかしい映画となりがちです。
でもそういう部分も持ちつつも、エンタメ性もあって、70年代のみんなのファッションや音楽
なども楽しめます。
何よりも暗殺がどうのこうの・・ではなく、ミルクとその仲間たちがよりよい未来へ向かって
行動していく姿が素敵。
見終わったあと、ポジティブな気持にもなれました。

2009年のアカデミー賞で、8部門でノミネートされ、脚本賞と主演男優賞で受賞しました。




**おまけ**
1.ストーンウォールの反乱
1969年6月28日、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン (Stonewall Inn)」が警察
による踏み込み捜査を受けた際、居合わせた同性愛者らが初めて警官に真っ向から立ち向かって暴動
となりました。
そしてその後これが同性愛者の人たちの大きな運動の発端となります。

2.ピンクトライアングル
映画の中で何度もドイツでは・・というセリフが出てきます。
気になって調べたらナチ強制収容所で、ユダヤ人大量殺りくは知られていますが、ジプシーや
同性愛者の人たちがたくさんガス室で消えていっていたのでした。
ユダヤ人たちは黄色の星を、同性愛者たちはピンクトライアングルをつけられていました。

3.come out of the closet
秘密を公表するという慣用句。何度も出てきますがゲイであることをカミングアウトする
という意味でもあります。
closetは形容詞として名前の前や名詞につけられることも多いです。



**ガス・ヴァン・サント監督**
1985年『マラノーチェ』で監督デビュー
『ドラッグストア・カウボーイ』でNY、LAの批評家協会賞などを受賞
『マイ・プライベート・アイダホ』親指の『カウガール・ブルース』『誘う女』など
けっこう個性的でちょっとだけ社会派的な部分もある作品が多いです。
97年の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』アカデミー賞9部門にノミネート
『GERRY ジェリー』
03年『エレファント』でカンヌ映画祭パルムドールと監督賞をダブル受賞しました。


監督:ガス・バン・サント
製作:ダン・ジンクス、ブルース・コーエン
製作総指揮:マイケル・ロンドン、ダスティン・ランス・ブラック、ブルーナ・パパンドレア、バーバラ・A・ホール、ウィリアム・ホーバーグ
脚本:ダスティン・ランス・ブラック
撮影:ハリス・サビデス
美術:ビル・グルーム
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコ、ディエゴ・ルナ、アリソン・ピル、ビクター・ガーバー、デニス・オヘア、ジョセフ・クロス、スティーブン・スピネラ、ルーカス・グラビール、ブランドン・ボイス、ハワード・ローゼンマン、ケルビン・ユー

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閉じる コメント(71)

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ラストの追悼シーンはジーンときました。
マイノリティの権利と自由のために、まさに命懸けで闘ったミルクに心打たれました。
TBさせてくださいね。

2009/6/12(金) 午前 0:01 Swan 返信する

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Swanさん。ラストのシーンはうるうるきちゃいますよね。
ゲイだけでなく、色々な差別に対して戦ってくれたミルク。
彼のような人がいてくれたからこそ自由になった人が
多いのでしょうね。

2009/6/12(金) 午前 0:13 car*ou*he*ak 返信する

こういった運動があったからこそ、社会の偏見や差別が、少しずつ改善されていってるんだ!と信じたい気持ちでいっぱいになりました。
ノーベル賞を受賞した益川さんが、人類は少しずつだけれど、良い方に進化していると楽観的に思いたい・・・と語っていたのを思い出しました。いい映画だったと思います。
遅れましたがTBさせてくださいね。

2009/6/23(火) 午後 3:24 かりおか 返信する

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かりおかさん。ほんとこの映画のポイントはそこだと思います。
有名な人ではなくてもこういう人たちの小さな努力が積み重なって
差別のない社会が出来ていったのですよね。
なるほど。益川さんがそうおっしゃっているのですか
戦争は相変わらずなくなりませんが、色々なことがいい方に向かっていると信じたいです。

2009/6/23(火) 午後 5:07 car*ou*he*ak 返信する

大学時代はアメリカを研究しておきながら人種問題に注目しすぎて恥ずかしながら同性愛問題にはあまり詳しくありません^^;
そのためミルクという人物についてはほとんど知らなかったのですが、公民権運動を語る上でも重要な人物だったのですね。
ショーン・ペンの好演もありミルクという人物に人間として惹かれてしまいました。
遅れましたがこちらからもトラバさせて下さい。

2009/8/17(月) 午後 6:43 ゆき 返信する

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ゆきさん。大学ではアメリカ研究してらしたのですね。
まあでも同性愛問題は取り上げるのもなかなかむずかしかったのかもしれませんね。
そうそう。人種差別についてもこんなに腐心した人だとは知りませんでした。ショーン・ペンがさすがでしたね。

2009/8/18(火) 午前 0:01 car*ou*he*ak 返信する

遅ればせながら、ようやく観てきました.ショーン・ペンの熱演に感銘しました.好きとか嫌いではなく観ておかないといけない映画だったな…というのが素直な第一印象です.トラバさせて下さいね.

2009/9/15(火) 午後 10:53 チャコティ副長 返信する

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チャコティさん。ほんとこれは必見といってもいい作品ですね。
ゲイだけでなく、アメリカの差別の歴史がよくわかりました。
ラストシーンを今でも思い出します。

2009/9/15(火) 午後 11:22 car*ou*he*ak 返信する

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ショーン・ペン、俳優も一流ですね。あのInto The Wildの主演も出ていました。

2009/12/12(土) 午前 10:50 mossan 返信する

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もっさんさん。ショーン・ペンってどちらもすごい!
イーストウッドの次をいく人になるのでしょうか

2009/12/12(土) 午前 11:29 car*ou*he*ak 返信する

ショーン・ペンの存在感が大きいですね・・・。良くも悪くもインパクトのありました!
TBさせていただきます!

2009/12/18(金) 午後 10:59 takutaku! 返信する

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たくたくさん。ほんとショーン・ペンの演技はすごくて
ホンモノみたいでした。

2009/12/19(土) 午後 11:12 car*ou*he*ak 返信する

こういう作品こそ、シネコンで・・・と思います。
劇場公開されなくて残念。。。DVD鑑賞です(アセアセ)
トラバありがとうございます!トラバお返しさせて下さいね^^

2010/1/18(月) 午後 5:56 くるみ 返信する

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くるみさんほんとですよね。
自宅近くのシネコンで見られたのですが、全国的に
上映してほしいですね。
とてもいい作品でベストにも入れました。

2010/1/18(月) 午後 10:36 car*ou*he*ak 返信する

『ブロークバック・マウンテン』1963年でしたか・・
ミルク氏の事も知らなかったですし、1970年代のアメリカでのゲイに対する差別がこんなにも酷いとは、驚きました。
ピンクトライアングル、そういうことだったんですね〜・・・。
ショーン・ペンが本当に見事でしたね!!
TB,お返しさせて下さい☆

2010/2/8(月) 午前 0:21 A☆co 返信する

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A☆COさん。そうなんですよね。70年代ってつい最近の
ことなのにこんなに差別がひどかったなんて・・
自由の国・アメリカっていうのはイメージだったのですね。
ショーンペンが素晴らしいです。

2010/2/8(月) 午前 9:24 car*ou*he*ak 返信する

劇場鑑賞見逃してしまい、今回放送してくれたのでやっと観れました^^
ショーン・ペンの演技にはもう脱帽でした。素晴らしい〜〜
今回ドキュメンタリーも観ましたけど、とても巧く伝記映画として描かれているのがわかりました。
キャストの素晴らしい演技と、巧みな演出で、作品としても素晴らしいものでしたね。
こちらからもトラバさせてくださいね♪

2010/3/14(日) 午後 4:37 じゅり 返信する

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じゅりさん。ドキュメンタリーもいいのですね。
しかしこの作品はなんといってもショーン・ペン
なりきってるというかミルクそのものでした。

2010/3/14(日) 午後 11:20 car*ou*he*ak 返信する

やはり、ショーン・ペンの演技は素晴らしかったですねぇ〜!
それに、ジェームズ・フランコ、ジョシュ・ブローリンの2人も助演ながら良かったです♪
さすが数々の賞に輝いた作品でした^^

2011/5/26(木) 午後 8:53 やっくん 返信する

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やっくんさん。これは意外に骨太で当時、いかに彼らが
辛い思いをしていたのかがよくわかりました。
ショーン・ペンがうまいですね!

2011/5/26(木) 午後 11:39 car*ou*he*ak 返信する

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