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   ***STORY***               イギリス=インド
インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…。


とにかく構成がうまくできてる作品!
警察での取り調べ、番組の収録スタジオ、ジャマールの生い立ち、の3つが交互に映像と
なるのですが、それらが混同することなくすんなりとわかるようになってます。

そして面白いのはクイズの1問1問に、彼のこれまでの人生がうまく関わっていたこと。
小さなころ兄とふたりきりになってしまうことから始まりますが、一番ひどいのは孤児達に
物乞いさせるグループです。
インドのみならず他の国でも物乞いする子供たちがいますが、バックにあんな組織が
絡んでいることもあるのですね。
そこから脱走しても結局は観光がらみで悪事を働いていくことになりますが
それとクイズがうまくリンクしていて”ああ・だからわかったのね・・”とナットク。

そのうち浮かび上がってくるのが、ひたむきで純粋なジャマールと、ラクしてお金もうけをすること
に快感を覚えてしまい、ついには悪の道へと走ってしまう兄との対比です。
お兄さんは弟を守ろうとする責任感も強いですからそのため善と悪の判断がつかなくなって
いくのですが、彼だけではないでしょう。
スラムに暮らす子供たちというのは、最初はいい子だちなのにきっとこうして生活のために
小さな悪いことせざるをえなくなって、ついには本格的に悪の道へと入っていってしまうことも
多いのでしょうね。
こうして彼の人生をたどるうち、インド社会のもつ階級差別や宗教対立の悲惨さなどの
社会的メッセージが浮かび上がってくるのでした。

そうこうするうち、クイズは進み、ラストの難問へ・・

最後の2問はハラハラ・ドキドキものでした。


構成の良さだけれなく、もうひとつすごいのは迫力ある映像。
スラムの子供たちが警官に追われるシーンでは細い迷路のような路地をすり抜けていくのですが
これは多分ハンディカメラなのでしょうか。ものすごい臨場感!。
長屋状態のバラックの家で、洗濯物がはためき、ゴミもあるのに、でもなぜか
インド特有の色彩にあふれていて、きれいですらあります。

そして全編を通して感じたのは圧倒的なパワーです。
何しろ人口が多いですから、通りをうめつくすたくさんの人たち。
悪いことしても生き延びようとするスラムの子供たち。
状況は決してよくないのに、未来へ向かってつきすすむ姿に圧倒されっぱなしでした。

・・とここまで良いことばかり書いてきましたが、なんだか期待ほどではなかったような・・
現代のありのままのインドの姿をこんなにエンタメたっぷりで描いてくれたことはパーフェクトです。
でもこれまでのアカデミー受賞作には答えの出ないこと、世界の中に生まれてしまったグレーな部分の
提示がありました。でもこれはそこまではありません。
それとちょっとうまくいきすぎ感も・・
一問づつ彼の人生が関わっていたことも、彼がかなりアタマがいいこともわかりました。
でももう少し努力する姿・・例えばですが、駅で拾った新聞をいつも読んで勉強していた・・
みたいなシーンがあると、より説得力があったような気がします。

**おまけ**
1。ムンバイのスラムの取り壊しが出てきましたが、これはによって40万人もの人が住むところを
失ってしまいました。この街をここまで大きくしてきたのはスラムに住む労働者たちであったのに
それを完全に無視してのこと。
どうも黒っぽい政治がらみでのことのようです。

2。インドは年間制作本数も映画館観客総数も世界一多い映画大国で、ハリウッドの2倍とも
言われています。
それはインドだけでなく、ほかのアジア諸国、中近東、アフリカの一部、に在住のインド社会や
イギリス、カナダ、オーストラリア、アメリカなどインド出身の移民が多い国々でも人気がある
からです。
総称はボリウッド。これはインド・ムンバイの映画産業全般を指します。
ムンバイの旧称「ボンベイ」の頭文字「B」と、アメリカ映画産業の中心地「ハリウッド」を
合わせてつけられました。
この作品の製作はイギリスです。でも今後、本物のポリウッド作品がもっと見られるように
なるといいですね。
またムンバイ以外でも映画熱は高く、そのことを描いたドキュメンタリー作品、マレガオンのスーパーマンも面白かったです。

3.インドを舞台にした作品は大好きです。中でもおすすめは・・
モンスーン・ウエディング
その名にちなんで
お時間あるときに是非!


第33回トロント国際映画祭観客賞、
第66回ゴールデングローブ賞作品賞 (ドラマ部門)、
第62回英国アカデミー賞作品賞受賞。
第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞

監督:ダニー・ボイル
製作:クリスチャン・コルソン
脚本:サイモン・ビューフォイ
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
音楽:A.R.ラフマーン 他M.I.A、Tanvi Shan,Alka Yagnikらが参加
出演:デーヴ・パテール
マドゥル・ミッタル
フリーダ・ピントー
アニル・カプール
イルファーン・カーン

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閉じる コメント(103)

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mignonneさん。そうですね。基本的にはラブストーリーなのかもしれません。インドのスラム街ってなかなか見られませんから貴重ですよね。色々楽しめる作品でした。

2009/5/21(木) 午後 10:15 car*ou*he*ak 返信する

3つの場面の構成が見事でした☆ 「モンスーン・ウエディング」
「その名にちなんで」未見です。是非観たいです。TBさせて頂きます。ポチ凸

2009/5/23(土) 午後 10:37 wakuwakuwakappchan 返信する

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わかさん。構成が見事で、原題nインドの抱える問題なども
わかりましたね。
「モンスーン・ウエディング」「その名にちなんで」はわかさんお好きだと思います。

2009/5/23(土) 午後 10:48 car*ou*he*ak 返信する

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前から観たいと思っていて、やっと今日観てきました。
純粋な愛だけでスラムの中を生き抜く彼の姿勢は、まずなし得ることのできない理想像なのかもしれません。でもこれはこれで新しい爽やかな風を感じました。

2009/6/2(火) 午後 9:38 [ 臆病なDREAMER ] 返信する

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臆病なDREAMERさん。そうですね。インドのスラム街というのが
どういうものだか知ることもできましたし、純愛を貫く気持ちや
何かすることの大切さも素敵でした。

2009/6/2(火) 午後 10:20 car*ou*he*ak 返信する

お久しぶりです。
やっと観ました♪
TBしますね。

2009/6/21(日) 午後 8:03 suzushim 返信する

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発展著しいインドの中にはまだまだこんなにもスラムがあってそこから生き抜くために毎日を必死に過ごしている子供達がいるからこそこういうすばらしい作品ができたわけですが、そう考えると見る僕らも心してみないといけないなと感じました。
TBさせてください。

2009/6/22(月) 午前 7:25 かず 返信する

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suzushinさん。ほんとお久しぶりです。
これから伺いますね。

2009/6/22(月) 午前 9:05 car*ou*he*ak 返信する

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かずさん。そうですね。インドはIT関係でめざましい発展を
遂げていますが、反面まだまだこういうスラムのような街も
多いです。こういう風景ってなかなか見ることができませんから
貴重ですね。

2009/6/22(月) 午前 9:07 car*ou*he*ak 返信する

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遅れてやって来た映画館で、ようやく観ることができました。最後の踊りのシーンでなぜか感動してしまった私。もっと悪者だった人も全員出てきて、カーテンコール的な踊りだったらもっと良かったのに、と思いました。

2009/9/15(火) 午後 2:33 usako 返信する

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ウサコさん。最後のシーンはインド映画らしくて、楽しかったですね。確かにワルモノも出てきたほうが良かったかもしれません。

2009/9/15(火) 午後 3:59 car*ou*he*ak 返信する

たくさんのメッセージを感じましたが、とにかくインドの前向きなパワーを見た気がしますね!
TBさせていただきます。

2009/12/23(水) 午後 10:18 takutaku! 返信する

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たくたくさん。インドがいかに今パワーがあり、みんなが
前向きになっているのかわかる作品でした。

2009/12/26(土) 午後 11:18 car*ou*he*ak 返信する

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やっとDVDで拝見しました。
少年時代の悲しく苦しいエピソードに涙しました。
こういう映画が作品賞を獲得するハリウッドアカデミーの奥深さにも敬意を表したいですよね。

2009/12/28(月) 午後 10:31 chokobo 返信する

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chokoboさん。そうですね。これからもこういう作品を
アカデミー賞でも評価していってほしいです。
インドのパワーが伝わってきました。

2009/12/29(火) 午後 10:14 car*ou*he*ak 返信する

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これは皆さんの評判もいいし・
劇場でもロングラン上映だったので期待して見てみましたが・
私的には・・・・でした・
ラストエンディングで尚更引いてしまいました(笑)

2010/5/18(火) 午後 2:09 sanae 返信する

最後のダンスでねぇ〜!?なんか全てハッピー・エンドになっちゃたような…
“Jai Ho!Jai Ho!”で、みんなハッピーだぜぃ♪

2010/7/26(月) 午後 10:32 やっくん 返信する

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sanaeさん。そうですか。あまりお好みではなかったのですね。

2010/7/27(火) 午前 9:37 car*ou*he*ak 返信する

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やっくんさん。はは。。そうですよね。
ラストのダンスがやっぱりインド映画。
でも楽しくでいいですが・・

2010/7/27(火) 午前 9:38 car*ou*he*ak 返信する

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かなりドッキドキでみてましたよ〜

ところどころ答えがわかってると、さらにドキドキしました〜

TBおねがします

2011/7/22(金) 午後 2:36 る〜 返信する

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