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*沈まぬ太陽*

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   ***STORY***
昭和30年代。巨大企業・国民航空社員の恩地元は、労働組合委員長を務めた結果、会社から10年におよぶ僻地での海外勤務を命じられた。かつて共に闘った同期の行天四郎が組合を抜けてエリートコースを歩みはじめる一方で、恩地は家族との長年にわたる離れ離れの生活で焦燥感と孤独に追いつめられ、本社への復帰を果たすも不遇な日々は続くのだった。そんな中、航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こり…。                                          gooより

原作は、国民的人気作家・山崎豊子の同名小説。累計700万部を超える大ベストセラーです。
見ていて長いとは感じなかったけれど、実際3時間22分は長い〜
でも見ごたえある作品でした。


映画はまず60年代、組合の委員長を務めていた恩地のことから始まります。
東大法学部出身の彼は優秀な社員として最初からエリートコースに乗っていたのでしょう。
でも彼は組合員の代弁者としてあまりにも生真面目で、信念を曲げませんでした。
この最初の部分で後々までずっと彼とは反対の立場をとっていくことになる行天という人物が
出てきますが、彼はこの瞬間、恩地のようにとことんやれない自分を恥じていました。

ところが会社で出世していくというのは人間としての在り方とはまったく別の才能が必要でした。
とことん出来なかった天行ですが、その方面で彼は才能を開花させていったのです。
この二人の対比は鮮やか。
恩地は謝りの一筆を入れなかったためにカラチ〜テヘラン〜ナイロビの足掛け8年の左遷人事により
まさに「流刑」となってしまうのです。

そして長い年月が経ったところで墜落事故が起きました。
私も友人の友人など間接的に数人失くしてますし、この事故はあまりにも大きくてショックでした。
でも起きてしまったことよりもその後の対応が問題なのですよね。
一部の情報だけで判断することはできませんが、慰謝料の額よりも心からのひと言が
足りなかったということなども大きかったのでしょう。
映画の中で遺族宅を訪ねるシーンがありますが、その方の名前も覚えてないし、おざなりな挨拶でした。
また救助の遅れの原因は、事故機に搭載の放射性物の放射能が弱まるのを待っていたからだという説もあるし、今なおわかってないこともたくさんあります。

事故が起きた80年代半ばというのは円高が進行。日本が高度経済成長を実現し、世界経済の頂点へと
上りつめていき、後半はいわゆるバブル景気に突入していった分岐点ともいうべき年で
地価も株価も急上昇しました。
今思うと日本が世界の中で光輝いていた時代。
でもその輝きの裏では大企業と政界の癒着、種々の裏取引などがあったのです。
後半はそのころの種々の裏取引が明らかになっていくのですが、これはこのモデルとなってる
会社のみならず、大手と言われてるところでは多かれ少なかれあったことなのでしょう。

そしてそれらを扇動したり、動かしていた人たちというのは、自分でも悪いということは
わかっていながらも”走り続けなくてはいけなくて”、きっとそんな自分たいの悲しさも
よくわかっていたのだろうと思います。

確かに会社の組織という中では恩地はエリートコースから外れてしまいましたし
逆に天行は幹部になりました。
でも自分の信念を曲げないということはイコール自分に対して背いていないということ。
立場的にも金銭的にも恵まれなくても彼はきっと”豊か”であったはずです。


ラスト。彼はアフリカに戻りますが、アフリカの地というのも18世紀にヨーロッパの植民地となり、
その後独立しても結局は見えないところで先進国に搾取され続けて、経済的に見ると貧困です。
でもだからといってアフリカが劣っているわけでは決してありません。
むしろたくさんの野生動物がいて、壮大な手づかずの自然のある素晴らしい地域です。
そんなアフリカと恩地。
地平線に沈む太陽をバックにどちらも決して”沈まない”と強く思いました。




監督: 若松節朗
製作総指揮: 角川歴彦
原作: 山崎豊子
脚本: 西岡琢也
撮影: 長沼六男
音楽: 住友紀人
渡辺謙 /三浦友和 /松雪泰子 /鈴木京香 /石坂浩二 /山田辰夫 /香川照之 /木村多江
清水美沙 /鶴田真由 /柏原崇 /戸田恵梨香 /大杉漣 /西村雅彦 /柴俊夫 /風間トオル
神山繁 /菅田俊 草笛光子 ほか

閉じる コメント(52)

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sanaeさん。そうですね。恩地がそのままだとは思いません。
そうでしたか象牙が飾ってあったのですね。
見逃してしまいました。

2009/11/12(木) 午後 3:36 car*ou*he*ak 返信する

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いっちーさん。正義感が強いのいいですがちょっとやりすぎな
ような気もします。そうそう。家族も犠牲を強いられてしまいますよね。でも映画としてはいいですよね。

2009/11/12(木) 午後 3:38 car*ou*he*ak 返信する

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ホント、恩地の信念を曲げないというところに感動しました。
>自分に背くこと
それが彼は嫌だったんですよね。
奥さまもエラかったです。
お見合いのシーンはちょっと笑えました。
トラバさせて下さいね!

2009/11/13(金) 午前 7:50 iruka 返信する

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irukaさん。彼は自分にそむくことが許せなかったのですね。
じっと見守る奥さんも彼を支えていましt。
こういう人は少なくなってしまったのでしょうね。
色々考えさせられました。

2009/11/13(金) 午前 10:10 car*ou*he*ak 返信する

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長いけれど見応えありましたよね〜
最近の社会派作品を観ると、つくずく時代による功罪とかを感じます。ちょっと時代がずれただけでもずいぶん運命って違ってきますよね。
しかし恩地の信念の強さには驚きますね。人間として凄い人だと思いました。
お邪魔するのが遅くなってすみませんでした。TBさせてくださいね♪

2009/11/13(金) 午後 9:39 choro 返信する

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Choroさん。ほんとそうですね。時代にほんろうされることって
ありますから時代が違うだけで変わってきますよね。
恩地は一途で強い人でしたね。よしあしとは思いますが
やはり尊敬してしまいます。いえいえ・・とんでもないです。

2009/11/13(金) 午後 11:07 car*ou*he*ak 返信する

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こんにちは。
映像化よりもドラマのが良かったと思う・・・3時間余でも山崎作品を伝えるには不十分だったでしょう、でも今年公開の邦画ではピカ一、邦画が元気なのは嬉しい限りです。

2009/11/15(日) 午後 0:55 [ ito_yasukuni ] 返信する

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ito_yasukuniさん。そうですね。まだまだ描き切れてなかった部分があると思いますからドラマでも見たかったです。
そうですね。ヒットを狙ったものが多い中、こういうのは
うれしいです。

2009/11/15(日) 午後 5:40 car*ou*he*ak 返信する

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会社に翻弄されて信念を曲げざるを得ない社員もいる中、恩地の姿勢は立派でした。
アフリカの大地に生きる野生の動物たちも周囲と、そして自分と戦いながら、
生きていかなければならないんですよね。

2009/11/15(日) 午後 11:56 ffa**77 返信する

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ふぁろうさん。そうですね。普通は出世のため・・というか
つつがなく会社生活を送るために信念を曲げてしまうものですよね。
彼はそれを貫くところがすごいです。
そうですね。アフリカと彼の生き方に通じるものがありました。

2009/11/17(火) 午後 4:48 car*ou*he*ak 返信する

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長い時間を飽きることはなったのですが、
内容が重厚なだけにやはり駆け足になった感がありました。
それでも、いろいろな問題を含めて描いているので
映画としてはまとまりのある作品だったと思います。
惜しむらくは、これはターゲットが年齢層が高いであろうと云う事です。
むしろ、もっと時代的な説明を増やして若年層にこそ見てほしい映画だと云う気もしました。
この作品は俳優は渡辺謙に尽きると思います。
TBさせてくださいね。

2009/12/14(月) 午前 0:13 [ miskatonic_mgs_b ] 返信する

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miskatonic_mgs_bさん。確かに長い原作をコンパクトに
まとめるのは大変ですよね。
そちらの記事にあったように恩地がなぜ共産主義者なのか
そこのところもっと描いてほしかったです。
ほんとそうでうsね。若い人にこういう重みのある作品を
見てほしいです。

2009/12/14(月) 午後 9:31 car*ou*he*ak 返信する

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先日夜中にやっと拝見しました。
大変な大作なのわ理解できますが、多くの役者が大根でがっかり。
監督の力量不足を感じました。
三浦友和さんには相応しくない役柄でしたね。フィットしていませんでした。この人もともと善人なんですよ。だから汚れ役はダメなんでしょうね。

2009/12/25(金) 午前 9:18 [ dalichoko ] 返信する

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chokoboさん。はは・・確かに三浦さんってどうしても根っから
善人だからこういう役が似会わないのですね。
確かに大作ですが感動とまでいきませんでした。

2009/12/26(土) 午後 11:14 car*ou*he*ak 返信する

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みごたえありました。原作、読むともっとわかるでしょうね。

2010/5/24(月) 午前 0:08 mossan 返信する

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もっさんさん。そうですね。私も原作未読ですが、読みたいです

2010/5/24(月) 午後 7:49 car*ou*he*ak 返信する

じっくりと見れる作品でしたね。
時代背景や企業体質など、微妙な時代設定が今の時代だからこそリアルに映りました・・・。TBさせていただきます。

2010/9/6(月) 午後 10:13 takutaku! 返信する

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たくたくさん。そうですね。長いけれど飽きることなく
じっくり見ました。
ちょうど今の不振と重なっていてリアリティがありますね。

2010/9/6(月) 午後 10:22 car*ou*he*ak 返信する

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日テレ「金曜ロードショー」で
4時間ぶっとおし放送をしてくれたおかげで見ることが出来ました。
CMは入りますが、やはり10分休憩の方がありがたかったかも...。
この映画が地上波で放送されるなんて、
JALが倒産しなかったら無理だったのでしょうね。
恩地は沈まぬ太陽だったかもしれませんが、
JALは冒頭で撃たれて倒れる巨象でしたね。

2011/2/13(日) 午後 3:55 [ 鉄平ちゃん ] 返信する

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鉄平ちゃんさん。あ・休憩はなかったのですね。
それは辛いかも・・
そうですね。倒産しなかったら無理だったかもしれません。
でもまさかこんなことになるなんて・・

2011/2/13(日) 午後 9:53 car*ou*he*ak 返信する

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