Cartouche

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***STORY***         イギリス=アメリカ
  緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校ヘールシャム。そこで学ぶキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)の3人は、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。しかし、外界と完全に隔絶したこの施設にはいくつもの謎があり、“保護官”と呼ばれる先生のもとで絵や詩の創作に励む子供たちには、帰るべき家がなかった。18歳になって、校外の農場のコテージで共同生活を始める3人。                                                                                  gooより
イギリス最高の文学賞・ブッカー賞受賞作家、カズオ・イシグロの同名小説を基に、同じ寄宿学校で育った幼なじみの3人の、瑞々しくもやるせない恋と友情の物語。
 
医学の飛躍的な進歩によって1952年には人類の寿命は100歳を越えるまでになった
と始まるこの作品はSFなのですが、静かで美しい映像でつづられる文芸作品のようでもありました。
そのため実際あったことのように思ってしまって、よりその哀しみがじわじわと伝わってくる
重いけれど、見ごたえある作品でした。
 
 
*半分だけネタバレで書きますので未見の方、ご注意ください。*
寄宿舎で暮らす少年少女たちはDNAコピーで生まれてきたクローンちゃんたちです。
とはいえ外見は未来的ではなく、普通以上に美しく、清らか。
19世紀のイギリスの映画に出てくる寄宿舎のように痛々しいほどではないせよ
かなり厳しくしつけられています。
 
前半一番印象的だったのは外部の慈善団体からか送られてきたプレゼントの山。
子供たちはそれまでにためたおもちゃのコインでそれらの品を”買う”のですが
片足のもげたお人形とか、使い古されたぬいぐるみ・・でした。
 
つまり世間からみると彼らはあくまでもコピー。
人間として扱われていないのですね。
でも映画を見てるうち、彼らが私たち以上に純粋で人間らしいことに気付いていきます。
 
初めて入る外部のごく普通のダイナー。
注文の仕方がわからなくて、一人が注文するとみんなが
”私も””私も”
っていうしかありませんでしたがそのときキャシーが視線を注いだのはかなりご高齢のご夫婦で
このシーンが忘れられません。
 
オリジナルは犯罪者だったり、ドラッグ常習者だったりするのに死を伸ばそうとし
清純なコピーたちは限られた時間の中で、愛情豊かに、精いっぱい生きようとし
 
それなのに・・
 
ほのぼのとした、でも真剣な恋も、魂を込めて描いたアートも否定されてしまいます。
 
そしてその運命を淡々と受け容れる彼らの姿に、最後言葉もありませんでした。
設定は奇抜ですがそのことがいいか悪いかということではなく、
あくまでも人間の生と死、愛を描いたもの.
そしてお金があったり強い人間が自分のためにするエゴのヒドさ
色々なことを考えて静かに感動しました。
 
追記*
日曜にカズオイシグロの特別番組を見ました。
やはり彼が言いたかったのは、幸福な記憶について
記憶だけは誰にも奪うことができないのですよね。
わたしを離さないで は記憶を離さないで だったんです。
 
 
 
ウォール・ストリート(2010)、17歳の肖像(2009)、マイ・ブラザー(2009)などに出演して
最近どんどんメジャーになってるキャリー・マリガン。
ふっくらとした顔立ちだけれど、明るくて人一倍意志が強く、最後まで仲間を助ける
”介護人”役がぴったりでした。子役ちゃんがあまりにもそっくりで途中混乱・・
 
ソーシャル・ネットワーク(2010)のアンドリュー・ガーフィールドが誠実なのにどことなく頼りなげ。
でもとても心やさしいトミー役。
つぐない(2007)プライドと偏見(2005)。かたやパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズでも
大活躍のキーラで、主役級の彼女ですが、今回はさりげなくいい意味でわき役に。
でも女優魂かゲッソリしていて心配になるほどでした。
 
 
**原作者カズオ・イシグロ**
1989年に長編小説『日の名残り』でイギリス最高の文学賞ブッカー賞を受賞した。
ロンドン在住。
両親とも日本人ですが、幼年期に渡英していて日本語はほとんど話すことができません。
小津安二郎や成瀬巳喜男などの日本映画により強く影響されているそう。
上海の伯爵夫人 The White Countess (2005年) も映画化されています。


 
監督 マーク・ロマネク 
脚本 アレックス・ガーランド 
原作 カズオ・イシグロ 
撮影 アダム・キンメル 
音楽 レイチェル・ポートマン 
キャリー・マリガン (Kathy)
アンドリュー・ガーフィールド (Tommy)
キーラ・ナイトレイ (Ruth)
シャーロット・ランプリング (Miss Emily)
 

閉じる コメント(58)

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おまけさん。これむずかしいですよね。
インタビューを見てようやくわかった部分があります。
生きた記憶、生きた時間だけはオリジナルなんですよね

2011/5/20(金) 午後 6:30 car*ou*he*ak

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鉄平ちゃんさん。そうですね。
この設定にびっくりしてしまうのですが
コピーであっても、人間そのものを描いていることが
わからないとまったく違う作品になってしまいますね。

2011/5/20(金) 午後 6:32 car*ou*he*ak

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Mさん。そうなんです。カズオイシグロの特番がありました。
見ないとわからないことがたくさん。
むずかしいけれど見ごたえある作品ですね。

2011/5/20(金) 午後 6:33 car*ou*he*ak

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Jumpin' Jack Boyさん。そうですね。
人生はかなくて、美しい。
それが大きなメッセージですね。

2011/5/20(金) 午後 6:33 car*ou*he*ak

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オネムさん。まさにそう。
諦め、運命を受け容れようとしてる姿が
悲しいですね。

2011/5/20(金) 午後 6:34 car*ou*he*ak

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einhorn2233 さん。そう思われる方が大半だと思います。
ほんと戦場の恋のように期限付きの運命のようでしたね。

2011/5/20(金) 午後 6:36 car*ou*he*ak

この作品は原作は読んでいないので最初のうちはさっぱり意味がわからないところばかりでした。ただ物語の中心にいき訴えたいことがわかってくると深い作品だな〜と感じてきました。トラバさせてくださいね。

2011/5/24(火) 午後 8:25 いっちー

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いっちーさん。そうなんですよね。
私も原作未読だったので最初あまりのことにびっくりしてしまいました。でも言いたかったことは普遍的なことですね。

2011/5/24(火) 午後 9:44 car*ou*he*ak

原作を読んでいないと どうも釈然としないところがあって〜実のところ 観終わって いろいろの情報を仕入れてから なるほどと(^_^.)
マリガンさんの薄い微笑に 魅せられてしまいました。

2011/6/12(日) 午前 9:16 たんたん

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たんたんさん。そう。これは映画見ただけではわかりにくいですよね
こんなに後で色々と考えた作品も久しぶりでした。
マリガンさん、かわいくてはかない・・

2011/6/12(日) 午前 11:26 car*ou*he*ak

やっぱり…ギンレイホールで観ちゃいました(笑).階段席がでるほど超満員でした.(ソウル・キッチンが併映).疲れた、諦めたマリガンの微笑みが印象的でした.良かったぁ….トラバさせて下さいね.

2011/7/20(水) 午後 10:59 チャコティ副長

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チャコティさん。すご〜い。超ー満席でしたか
諦めているけれどなんとなく希望が感じられる
不思議な力が満ちてる作品でした。

2011/7/20(水) 午後 11:39 car*ou*he*ak

原作も読んでいますが
映画は確信犯的にジャンル映画に挑戦していると思いました
例えば『Jの悲劇』のように、です
アレックス・ガーランドが脚色していることが
それを裏付けているかと

TBお願いしますね

2011/10/5(水) 午後 11:49 [ HK ]

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結局、原作を読んでから映画を見ました。って言うかDVDですけど(涙)劇場で見たかったなー。私もTVの「カズオ・イシグロを探して」を見ましたよ。幸福な記憶なんですね。記憶を離さないでになるのかなるほど!納得です。TBお返しさせて下さい。

2011/11/12(土) 午後 10:39 dance

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うんうん、SFと文芸が同居したような、不思議な世界観でしたね。
キャリー・マリガン、今後も楽しみです。
TB、させてくださいね。^^

2012/1/1(日) 午後 10:00 サムソン

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HKさん。ちゃんと原作も読まれているのですね。
なるほどジャンル映画に挑戦ですか

2012/1/1(日) 午後 10:40 car*ou*he*ak

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danceさん。ちゃんと原作を読んでからご覧になったのですね。
あの番組ご覧になりましたか
記憶は離れません。

2012/1/1(日) 午後 10:41 car*ou*he*ak

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サムソンさん。まさにそうですね。
SFと文芸の同居かもしれません。
不思議な世界観でした。

2012/1/1(日) 午後 10:42 car*ou*he*ak

最後の最後まで「わたしを離さないで」というタイトルがしっくりこなくて・・、でもCartoucheさんの記事を読んですっきりしました!!!!!
そういうことだったんですね〜
彼らが静かに運命を受け入れる姿がなんとも切なかったです、
その背後にある人間のエゴ、命の重み・・考えさせられます。
TB、させて下さい☆

2012/1/7(土) 午後 6:13 A☆co

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A☆COさん。これ解釈がむずかしいですよね。
そうですね。彼らが淡々と自分たちの運命を受け容れるところが
悲しくて・・
とにかく人間のエゴそのものですよね。

2012/1/8(日) 午前 9:38 car*ou*he*ak

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