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      ***STORY***           2006年  アメリカ
14歳のオーストリア皇女アントワーヌは、母マリア・テレジアの意向によりフランス王太子のもとへと嫁ぐことに。フランスへ渡り、王太子妃マリー・アントワネットとして、ヴェルサイユ宮殿での結婚生活に胸をふくらませるマリーだったが、その実態は朝から晩まで大勢のとりまきに監視され、悪意に満ちた陰口に傷つく日々だった。さらに、15歳の夫ルイはまるで彼女に興味を示さず、世継ぎを求める声がプレッシャーとなってマリーにのしかかる。そんな孤独や不安を紛らわそうと、おしゃれや遊びに夢中になり贅沢三昧を繰り返すマリーだったが…。                 allcinemaより     


これまた前作に続いて意見が分かれそうな映画です。
知識や感動を得ようとして見に行くと肩透かしにあうかもしれません。
私は一応、色々押さえてあるので、あまりに美しい映像と微妙にマッチしているロックで織り成すニュー時代モノを心から楽しんできました。


マリー・アントワネットについて誰しも持っているイメージは”とにかく国庫を湯水のごとく使ったこと”と、”赤字夫人”というあだ名でしょう。
でもフランス国庫はそのくらいの浪費などで揺らぐものではなく破産寸前になった一番の原因は戦争に次ぐ戦争でした。映画の中でもアメリカへの軍事支援をどうするか?会議しているシーンがあります。

でも浪費したのも確かです。具体的にはどういうものだったかというと。。
まず衣装代と宝石代。1年に170着以上のドレスを着ていたそうですから、相当なものですが、実はこれは50年前に決められていた額内でのこと。しかも、かなりの額がデザイナーにピンハネされていたということです。
そして建築費。建築と聞いてすぐに思い出すのがバイエルンのルートヴィヒ二世!。以前色々書きましたが彼もお城を作りすぎて国庫を危機にさらしました。でも、マリー・アントワネットは王宮のインテリアにはあまり口出しできず、小さな離宮”プチ・トレアノン”をもらってそれを改修しただけですからそうでもなさそうです。
あとはギャンブル。映画にもマリー・アントワネットはトランプ賭博が大好きでした。でも人のいい彼女はどうやらいかさまにひっかかってばかりいたようです。ここでも”食い物”にされていた様子。
その他、仲良くしていた・・というかしてやられていた取り巻きたちに相当巻き上げられいたようで、一番有名なのはポリニャク夫人。彼女の親戚にまでよくしていたようで、官位をあげたり、年金をあげたりしていました。でも、結局バスチーユ襲撃の時、みんないっせいに亡命してしまいました。


ところでマリー・アントワネットはファースト・レディで、当時のフランスのファッションや文化の最先端を引っ張っていっていた存在でもありました。この役はマリー・アントワネットの前はデュ・バリー夫人で、その前はポンパドール夫人。どちらも正式な王妃ではなく寵姫でした。
このポンパドール夫人は色々な画家によって肖像画が残されていますからご存知の方が多いと思いますが、ルイ15世の退屈を紛らすため、晩餐会、饗宴、催し物などを次々に開催。 建築や庭園を整えました。後にマリーアントワネットが改装して住んだプチ・トリアノンも彼女によるもの。
まさに太陽王であったルイ14世によって確立された王の務めが重荷となっていた15世の隠遁の場でもあったのです。 
ド・ポンパドゥール夫人の亡き後、新しい寵姫デュ・バリー夫人がその後を継ぎましたが、彼女はそれほどまでのセンスも才能もなかったようで、映画の中でも趣味の悪い人として描かれていましたからいい意味で”文化”を継いだのはマリーアントワネットだったのですね。 ただ太陽王が極めた統治力も下り坂。時代と状況がよくなかったのでした。

そんな状況下、王妃を傷つけ、フランス革命へのきっかけのひとつとなったのが”首飾り事件”でした。
宝石商シャルルが1778年に先王ルイ15世の注文を受け、大小600個のダイヤモンドからなる160万リーブル相当の首飾りを作製しました。これはルイ15世の愛人デュ・バリー夫人のためのものでしたがルイ15世の急逝により契約が立ち消えになってしまいました。
困ったベーマーはこれをマリー・アントワネットに売りつけようとしましたがあまりに高額だったのでさすがのアントワネットも断念。ラ・モット伯爵夫人に仲介を依頼するのですが、たくらみを考えた彼女はロアン大司教を騙し、首飾りを代理購入し、ラ・モット伯爵夫人に首飾りを渡してしまいます。
結局これは阻止されるのですが、事件が発覚してみんな逮捕されてしまいました。
アントワネットは悪いことはしてないのに、結局この事件が王妃の陰謀説として噂になり、マリー・アントワネットを嫌う世論が強まってしまいました。この事件についてはダルタニャン物語、またはその一部である三銃士を読むとよくわかります。

そんなことも考えあわせるとオーバーラップしてくるのがルードヴィッヒ鏡です。
どちらも若くして何もわからないまま王や王妃に就いてしまい、狡猾な周りの王侯貴族たちにいいように搾取され、浪費を促され、破滅していく。。
浪費したのは確かです。でも時代と回りに翻弄されてそうなってしまったのでもあるのですね。
そしてそれと共に感じるのが、違和感と孤独感。
前作、ロスト・イン・トランスレーションでも異国での浮遊感が描かれていました。似たものを感じ、ソフィアの描きたいものは常にそこにあるような気がします。

ラスト。暴動がわかっていながら逃亡せず、あえて王と共にその運命を受け入れる。。
そんな彼女の潔さに共感しました。

**トリビア**
衣装も素晴らしかったけれど、お菓子やご馳走類も目にも鮮やか。
お菓子で発見できたのは、“マカロン”です。
今、巷で爆発的な人気となってて、私も大好きなお菓子!なんですが、これは16世紀。フランスの国王アンリ2世のもとに、イタリアのフィレンツェからカトリーヌ・ド・メディシスが嫁いだ際に、数多くのお菓子と共に伝えられたものです。カラフルだしこの映画にぴったり。




監督:ソフィア・コッポラ
キャスト:キルステン・ダンスト/ ジェイソン・シュワルツマン / リップ・トーン /ジュディ・デイヴィス /アーシア・アルジェント /マリアンヌ・フェイスフル /ローズ・バーン

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