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*ブーリン家の姉妹*

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   ***STORY***                 2008年  イギリス
16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿は一族繁栄のために才気あふれる美しい娘アンを国王ヘンリー8世の愛人に差し出すことを目論む。ところが、王の心を捉えたのはアンの妹で凡庸だが気立ての良いメアリーだった。一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。一方、妹に栄誉を奪われたアンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を狙って策略を巡らすのだった。    gooより


イギリスの王室物語は大好きで10年ほど前色々な本を読みました。
中でも一番際立っていた人物はなんといってもヘンリー8世。
彼に関してだけでも3冊ほど読んだのですが、忘れてしまったのか、詳しく書かれてなかったのか
このメアリーのことは知りませんでした。
きっと6人のことを書くのが精一杯でとてもアンの妹のことにまで手が回らなかったのでしょう。

でもこの映画ではこの姉妹のことにスポットライトを当てることによって
当時の上流階級の人たちがいかに王室を中心にして動いていたか
そして実際には政略結婚によるものが多かったので、結局いつも翻弄されていたのは
女性だった・・ということを浮かび上がらせていました。
映画の最初のあたりでお母さんエリザベス・ブーリンが姉妹を王に関わらせることを
心配し、”結局寵愛というのは一時のこと・・”としみじみ言うシーンがあります。
これがすべてなのですね。
因みにこのお母さんご自身、ヘンリー8世の愛人だったこともあるのですから
そのあたりのことは充分知っていて娘のことを心配していたのでした。

でも姉のほうは野心から妹のほうは偶然から王にかかわって運命を狂わされることになります。
それというのも弟のノーフォーク公爵と父の欲からです。
まあこの時代のこの地位ではそうすることが一家の繁栄であったから非難することは
できませんけれど、かなりのものですね。

翻弄されたアンとメアリー。ふたりの仲は一時、険悪なものでした。それは当然でしょう。
でも姉は田舎に帰ろうとする妹を引き止めたし、妹は王に姉の命乞いをしたし・・
そこはやはり姉妹。
決してお互いを本当に見捨てることはありませんでした。
そしてまたそれは冒頭母が言ったこと、いつも道具として使われるのは女性であることを
身を持って知ったからだったのでしょう。
世間やこの頃の風潮、しきたりに対する抗議の気持ちがふたりを硬く結び付けていたに
違いありません。


**以下、歴史好きの方のみお読みください**

最初の王妃キャサリンは元々ヘンリーの兄アーサーの妻でしたし、スペイン王室の人。
純然たる政略結婚でしたしあまりきれいではなかったようです。
ただけっこう性格は良かったし結婚期間は20年と長かったので、いわゆる情のようなものは
一番あったようですが。。

もうこのキャサリンに男の子の誕生を期待するのはムリだと思ったとき
目をつけたのがまずメアリーだったことはとても納得がいきます。
”妹として姉の影になって生きてきたのではないか?”とメアリーに問いかける
セリフがありましたが、あれは自分のことでもあったのでしょう。
彼には兄がいてそれまでは兄が継承権を握っていたし、彼にばかりスポットライトが
当たっていたからふたりには弟、妹であることの共通点がありました。
王のことを惹きつけておく才覚がなかったといわれているけれど、でもそれだけ
メアリーは純朴だったのでしょう。

それに比べてどの本でも姉、アンは策略家として描かれていました。
映画の中ではフランスにいたのは2ヶ月となっていますが、実際はそうではなくて
10代のころすっと、フランス、ブルゴーニュの宮廷に預けられていました。
そこではハプスブルグ家の王子だちと一緒に過ごしていたのですから
フランス語をしゃべれるのは当然のことだし、教養もエンタメ性?も
あったようです。
ヘンリー8世もまたフランス語やスペイン語を自由に操り、音楽などの教養も深く
その上、スポーツも万能でしたからその部分ではかなり気があったことでしょう。

でもその反面、私はフランスで育ったのよ・・とプライドが高く、王の心を射止めたのは
計算されつくした手練手管で・・でした。
そして王妃になると贅沢三昧。衣装や宝石に相当散財したといわれています。
しかも王とは口論が絶えませんでした。

そのなときいつも彼の心をなぐさめたのはジェーン・シーモアでした。
金髪、色白で、控えめな彼女に安らぎを求めたのも納得がいきます。
アン・ブーリンの刑死後、ヘンリー8世と結婚し、翌年に待望の男子を生んだのに
そのまま亡くなってしまいました。
どの本でも彼女の死のことをヘンリーは相当嘆いていましたから6人の妃の中では
一番愛していたと思われます。

・・でここでメアリーのことに戻りますが、途中で姉に入ってこられたし、
もう彼女は結婚していたので諦めたものの、本当はヘンリーはメアリーのことの方が
かなり好きだったのかもしれませんね。


この映画のもうひとつのみどころはキャストです。
今、旬の女優さんふたりの競演でまったく性格の異なる姉妹を見事に演じきっていました。
姉役のポートマンは終始、ブルーかエメラルドグリーンの鮮やかな色のドレスで
キツイ性格。
一方、スカーレットヨハンソンはベージュやイエローオーカーのやさしい色あいで
以前のフェルメールの映画を思い起こさせました。この人は現代的なのに
クラッシックな衣裳もよく似合いまうね。
そしてエリック・バナ。私が本を読んで想像していた人、そのものでした。
実際にはこんなカッコよくないのですが、イメージ的には彼がぴったり。
そしてそして・・ものすごくびっくりしたのが最初の王妃キャサリンを演じていたのが
アナ・トレント 。そう。あの名作『ミツバチのささやき』のアナではありませんか!!
あのときのアナとはちょっと・・・ですが、離縁される王妃の哀しみをとてもよく
表していました。

*アン・ブーリンの娘、エリザベス1世を描いた作品で今年初めに公開されたのが
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』
*イギリスのチャンネル4で2005年に放送された前後編のテレビドラマが
『エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜』です。




監督:ジャスティン・チャドウィック
原作:フィリッパ・グレゴリー
出演:ナタリー・ポートマン /スカーレット・ヨハンソン /エリック・バナ
ジム・スタージェス /エディ・レッドメイン /アナ・トレント

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