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*告白*

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女教師・森口悠子の3歳の一人娘・愛美が、森口の勤務する中学校のプールで溺死体にて発見された。数ヵ月後、森口は終業式後のホームルームにて「私の娘はこの1年B組生徒二人に殺されたのです」と衝撃の告白をし、ある方法にてその二人の生徒に復讐する。そして4月、クラスはそのまま2年生に進級。犯人のひとりAはクラスのイジメの標的になっていた。そして、もうひとりの犯人Bは登校拒否し、自宅に引きこもっていた…。                          gooより
重く、暗く、コワイシーンが多く、救いがなく、おまけに後味悪い作品なのですが
これは素晴らしい!!
ミヒャエル・ハネケですね。
 
邦画で好きな監督さんは『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和監督とこの中島監督です。
特に『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』の3本は大好き〜
極彩色で転がるように展開していく作品たちでしたがこの作品はガラっと変わりました。
ブルーグレーで、モノトーンに近い色合い。
周りの景色や装飾的なものも排除されてることもあり、その分、全編に渡って雨の前に発生する暗く、
重い雲がたれこめていてそれだけで気分が沈みがちになります。
そしてそこに描かれていたのは人間のダークな部分でした。
 
冒頭から迫力ものです。
騒然とした教室で、先生の話はほとんど生徒たちに届いていません。
ところが先生、森口は淡々とした表情でものすごい”告白”をしていきます。
それは自分の愛娘が殺されたことでした。
しかもこのクラスの中の生徒に・・
 
ミステリーですが最初に彼女のこの告白により、犯人は暴かれ、それだけでもびっくりなのに
その後に続く複数の人たちの”告白”によって事件の真相が語られていきます。
 
最初、その事件は森口の娘はただの実験台でしかなく、しかも偶然性がありました。
ところが彼らの口から語られていくと色々な因子が絡まっていたことがわかってくるのです。
傍からみるとどんなに幸せそうな家族にも色々な問題があるし、完璧な家族なんてありえません。
でも普通そういう問題を抱えてはいても時間や祖母、友人の助けによってある程度解消され、
いつのまにか前に進んでいくものです。
 
ところがあるところである事件が起こったとき、そういったひとつひとつの悪い因子がひとつの線上に
つながってしまって、まさに”悪の連鎖”となってしまうことがあるのですね。
しかもこの映画にはそのうえ”復讐”という人間にとってどうしようもない感情が新たに
絡まってしまうのです。
 
でも後でそういうことをひとつひとつ考え直してみると浮かんでくるのは逆に深い愛情でもありました。
特に悲しいのは少年Aの母への想い。
これがこの映画の中で最も深いもので、とにかく自分に振り向いてほしかったのですね。
少年にとって母の愛ほど大切なものはありません。
彼の場合、それを得るためには注目されるしかなかったのです。
 
・・・と色々考えているうちこれは学校とその生徒たちを舞台にしているけれど、その背後にいる
3人の女性たちの物語でもあるということに気づきました。
 
まず少年Aの母。
自分の優れた能力を捨ててまで家庭を築く気もなかったし、
知性的に合わないダンナさんと暮らすことも苦痛で子供を捨ててしまいました。
でも決してそれは彼を見捨てたわけではなかったのですよね。
次に少年Bの母。
家はこぎれいで、掃除が行き届き、庭には薔薇が咲き乱れています。
きっと真面目で、模範的な奥さんなのでしょうね。
でも長女は独立して家を離れ、ダンナさんも忙しくて家にいる時間はほんのわずかなので孤独。
息子である少年Bを溺愛していました。
少年Aの母と正反対ですが、これはこれで問題。社会との関係が希薄そうです。
だから彼の犯行を知ると・・
木村さんもこれまで見たこともない,すごい演技です。
そして肝心な教師、森口。
非情で、クール。
復讐することでしか、恨みを晴らせないというのは間違っていると思います。
でも・・その影には小さな娘への深い深い愛情がありました。
小さなかわいい手をもう握りしめられない・・
どんなに辛いことでしょう。
松さん、今までお嬢さんっぽい役が多かったけれどこれは悪役?で迫真の演技。
2年続けてアカデミー賞かも・・
 
見終わった後は後味が悪いだけでしたが、こうして書いているうり冒頭彼女と
娘さんが手をつないでいるシーンが思い出されて、とても複雑な、そして悲しい気持ちに
なってしまいました。
う〜ん・やはりこれはすごくいい作品です。
 
監督・脚本:中島哲也
原作:湊かなえ
キャスト:
 
 

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