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ロードショー*2011

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*カーズ2*

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    ***STORY***                     2010年   アメリカ  
不思議な魅力いっぱいの“トーキョー”で、カーレースのスター、ライトニング・マックィーンと親友のメーターの運命を変える大事件が発生。やがて、フランスのパリ、イタリアの田舎町、そしてイギリスのロンドンへと物語の舞台は移り、世界を支配しようとする巨大な陰謀が車たちの未来を奪おうとする。絶体絶命のピンチの中で、マックィーンとメーターは気づくのだった。自分たちの最大の武器は、かけがえのない友情の絆なのだと。例えひとりでは敵わなくても、仲間がいれば強くなれる…。いま、彼らの友情が世界を救う!
                                                       gooより
 
映画史に残る数々の名作を生み出してきたディズニー/ピクサーが贈る、圧倒的名スケールと多彩なキャラクターが魅力の驚異のアクション・アドベンチャー第二弾。
 
今年前半は、ディープなミニシアターに通いつめていた私ですが、これ大好き!!
今年のベストに入れちゃおうかくらい楽しかったです。
 
動物を擬人化することって昔からよく行われてきましたが、クルマをここまで完璧に
人間らしくしちゃったのは多分このシリーズが初めて?なのでしょう。
1台のクルマを作るのに、基本的なデッサン、キャラを考える人からクルマに当たるライティング
専門の人まで合わせて80人の人たちが関わってこれだけの高いレヴェルのものが出来たのですね。
 
さて今回はレースのために世界中旅するというもの。
始まりは、トーキョー・ナイト・レース!
銀座?渋谷、それとも新宿かな?って言う感じのネオンきらきらの街並み。
あ・モナコグランプリみたいに市街地を走るのですね。
 
あはは・・カブキ・カー?スモウ・カー?どれもかわいい。
鳥居があったり、観戦席が和風だったり・・
レインボーブリッジはクルマのパーツでできているのかしら?
パーフェクトな水洗トイレも食べフリーなイベントもバブルっぽい〜
これが外国の人から見た日本の印象なのでしょうね。
このネオンの多さは3.11前のものだしもうあの歌舞伎座はありません。
でも私たちはもっとこういうアジアの神秘の国、日本を誇っていかななければいけないのかもしれませんね。
 
その後、イタリア、リビエラ海岸の絶景が続く海岸線で
ラストはイギリスではバッキンガム宮殿やある有名なところが出てきてそれがカギとなり
世界旅行が楽しめるようになっています。
 
ところでストーリーはマックィーンのレースでの対決がメインなのですが、並行して描かれていくのが
世界的な陰謀を図る巨大組織との戦いです。
既存の油田事業に対して、エコな代替えエネルギーが登場するのですが、この構図ってあれ・
今の日本に似てる〜
旬で、しかも根深い問題をこういうエンタメ作品に盛り込んだっていうのがすごいですね。
 
またもうひとつの柱はマックィーンとメータの友情物語。
片や世界的に有名なレーサーで片や出っ歯でポンコツ気味のレッカー車。
一見このふたり(笑)って格差ありすぎです。
でも友情っていうのはそんなものは乗り越えたところにあるのですよね。
それにメータはおしゃべりで、そそっかしいばかりだけれどクライマックスではすごい働きを〜
へこみは宝物さ
というセリフが素敵です。
 
一種のバディものとして見ても手ごたえある、充実した作品でした。
お子ちゃまくんたちがこの陰謀をどこまで理解できるかはわからないけれど
オトナも満足させちゃうのはさすがディズニー/ピクサーですね。
 
 
**ジョン・ラセター監督**
1957年、ハリウッド生まれ。ディズニーのアニメーション映画部門に在籍中、ルーカスフィルムの
CGチームに入る。86年、ピクサーの創立メンバーのひとりとして参加。
監督を務めた『トイ・ストーリー』(95)でアカデミー賞特別業績賞を受賞。
その後も、『バグズ・ライフ』(98)、『トイ・ストーリー2』(99)、『カーズ』(06:脚本も)で監督を務め、
『モンスターズ・インク』(01)で製作総指揮を務める。
 
製作総指揮として携わった作品多数。
09年には、ヴェネチア国際映画祭で名誉金獅子賞を受賞。本作は5年ぶりの監督作品。
 現在、ウォルト・ディズニー・スタジオ及びピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・
オフィサーとして、ピクサー及びディズニーの映画のすべてを監修する。
 
 
監督 ジョン・ラセター
ブラッド・ルイス
オーウェン・ウィルソン  (声の出演) 
ラリー・ザ・ケーブルガイ  (声の出演) 
マイケル・ケイン  (声の出演) 
ジョン・タトゥーロ  (声の出演) 
 
 
 
 

*グッド・ハーブ*


 
      ***STORY***                   2010年  メキシコ
ダリア(ウルスラ・プルネダ)はコミュニティラジオのパーソナリティを務めるシングルマザー。母のララ(オフェリア・メディーナ)には内緒で、既に母と離婚している父から幼い息子コスモの養育費を援助してもらっていた。一方、母のララはメキシコでも有数のアステカ時代のハーブ研究者。独立心旺盛で、別れた夫とも娘とも適度な距離を保ち、植物の研究を続けていた。 gooより
 
 
メキシコではスペインに征服されるより遙か昔から先住民によって治療に使われていたというハーブ。
そのハーブを知り尽くした民俗学者である母ララと娘のダリアを主人公に
認知症のこと、命のことを考えさせてくれる作品でした。
 
・・がこれ仕分けするとディープな作品だし、余計なものが多すぎでわかりにくくて全体にスッキリしません。
でも描かれていることはとってもいいし、深い〜
あ〜もう〜〜今年一番残念な作品!。すごくいい意味で・・
 
まずお母さんララ。
今、ネットで解説読んだら<母のララはメキシコでも有数のアステカ時代のハーブ研究者。
独立心旺盛で、別れた夫とも娘とも適度な距離を保ち、植物の研究を続けていた。
とあり、今になってああ。なるほど・・と。
私が見落としたのかもしれないけれど、具体的な説明はなかったような・・
 
シングルマザーの娘はそんなお母さんと今まで多分距離があったのでしょう。
ところががある日、彼女が家のカギがないと騒いだら、クッキーの壺から出てきたことから
アルツハイマーであることがわかります。
 
この題材だけでも十分で、これにうまく奥深きハーブの世界のことと絡めていってくれたらよかったのに
わかりにくい個所が色々・・
まずダリアはラジオのパーソナリティなんだけれど、その必然性は?・だし
途中で知り合う彼との間がらも妙な感じ。
それからこの母娘のほかに同じアパートに住む老婦人と彼女の亡くなった娘のことが描かれて
いくのですがこれが最高にわかりにくい・・
 
・・がもしかしたらこれこそがこの作品の持ち味なのかもしれません。
生と死のあいまいな境界線に焦点を当てたもので、死が暗くなりすぎず、寄り添うものであり、
そればかりか生命感まで感じさせるものなのです。
『ブンミおじさん』的世界観なのですね〜
 
あともうひとつわかりにくくしてしまってるのはメキシコの土地名とか政治的背景です。
まあこれはそんなに多くないのだけれど、わかったらもっと面白いのかもしれません。
 
しかししかし・・
これ映像が素晴らしい〜〜
アップを多用して撮られる葉は生き物のよう。
また次々出てくる植物は今まであまり見たことのないような花が多く、極彩色で、
まぶしい太陽との対比が美しいです。
アリやカマキリくんってこんなに美しいものなのね。
バッタの羽などはピンクとグリーン。
普通昆虫をこんなにアップでまじまじと見たことってないですが、改めてそのち密さと
芸術的な美しさに感動。
 
家のインテリアも贅沢でもないし、今っぽいすっきり片付いたシンプルモダンとは対極。
モノが多くて色もたくさん使われています。
でも居心地よさそうで、素敵〜。
夜になると灯されるキャンドルのきらめきも含めて、超ーーわたくし好み。
 
あ・ところでこれラストは衝撃的で、アルツ問題や介護問題を深く考えさせられるものでした。
私も2年以上こんな状態の母を抱えているので、ダリアの気持ちはわかるし
といって自分では決断できないし・・
むずかしい問題でした。
 
2010年新ラテンアメリカ映画祭:作品賞、オリジナル楽曲賞受賞
2010年ローマ国際映画祭:最優秀女優賞
 
 
監督 マリア・ノバロ 
製作 マリア・ノバロ 
脚本 マリア・ノバロ 
撮影 ヘラルド・バロッソ 
音楽 サンティアゴ・チャベス
フディス・デ・レオン 
オフェリア・メディーナ (Lala)
ウルスラ・プルネダ (Dalia)
アナ・オフェリア・ムルギア (Blanquita)
コスモ・ゴンサレス・ムニョス (Cosmo)
 

*蜂蜜*

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幼いユスフ(ボラ・アルタシュ)は、手つかずの森林に囲まれた人里離れた山岳に両親と共に住んでいる。養蜂家の父、ヤクプ(エクダル・ベシクチオール)は、森深くにある高い木のてっぺんに仕掛けた特製の巣箱で黒蜂蜜の養蜂を行って生計を立てていた。ユスフにとって、森は神秘に満ちたおとぎの国で、父と森で過ごす時間が大好きだった  gooより
幻想的な森を舞台に、主人公ユスフの成長を通して父、母との絆、そして人の心の機微を情感豊かに描く。
監督はデビューからわずか5作品で異例とも言える計40以上もの賞を受賞した
現代トルコ映画界を代表するセミフ・カプランオール。
第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞を獲得した。
 
日本での公開の順番は3番目からになっているのですが、これは三部作で
主人公ユスフの壮年期を描いた「卵」(2007),
青年期を描いた「ミルク」(2008)。
そして幼年期にさかのぼったこの「蜂蜜」(2010)です。
 
タイ映画として初めてカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた『ブンミおじさんの森』という
作品がありましたが、あれと似ていて、森と人間が一体になっているような作品でした。
ストーリーはちゃんとあるし、一部でこれは傑作と言われているのもわかります。
でも一般的には難解かな〜
 
トルコの深い深い森の中。
養蜂業を営む一家のお話です。
トルコで養蜂?って思ったら中国・アメリカ・アルゼンチンに次いで4位なんですね。
しかも日本の養蜂だと巣箱が地面近くにあるけれど、ここでは樹のてっぺんに取り付けます。
これはすごく大変な仕事。
だいたいこのお父さんは背が高くて大きくて威厳があって立派。
 
ユスフは線が細い方なのでそんなお父さんにあこがれているようで、ふたりはすごく仲良し。
ある日夢を人に聞かれてはいけないとお父さんから言われてからmひそひそ声で
話すのがふたりの間の一種のヒミツのようになってました。
窓を背にして、仲のいいふたりの様子を映したシーンとかすごくきれい〜
 
ところでこのユスフくん。
吃音により文字が読めません。
私は見てるときには、脳自体に障害があるディスレクシアかな?と思っていたのですが
吃音のよう。いずれにしても全体の能力が劣っているのではなくて、文字の関してだけに起こる
ある種の病気のようなものなのでしょう。
このクラスでは朗読の授業が多く、うまく読めると赤いバッジがもらえるのですが
ユスフだけ最後までもらえなくて見ていて辛いです。
でもお隣りに座ってる子とかすごく心配そうだしみんなもそんな彼をいじめることもなくやさしい〜
 
ところがある日巣箱を取り付けるため森に入っていったお父さんが・・
 
それによって生まれ変わるユスフがこの映画の主題で、最後浄化されたような気持ちになります。
ただ色々観察し、想像力を働かせることが必要ですし、途中何度もいい意味で眠気が来るので
それとの戦いも必要。
 
でも映画のひとつの原点ともいうべき作品で、音楽はほとんどなく
木々のざわめき、カッコウの鳴き声、鳥のはばたく音
しとしとと降る雨の音
などがきわわけクリアに聞くことができます。
こういう音って普段私たちは聞けない上、もしそういう環境でも聞き逃してしまってるものなのですよね。
 
かなり難易度高いですが、素晴らしい作品でした。
 
この映画の成功はなんといってもボラ・アルタシュ くん。6歳の男の子の役なのですが
とことんピュア。でもちょっとイタズラっぽいところもあるし、お父さんに比べて弱弱しくて頼りなげ。
それでもラストでたのもしく見えました。
 
監督 セミフ・カプランオール 
製作 セミフ・カプランオール 
脚本 セミフ・カプランオール
オルチュン・コクサル 
ボラ・アルタシュ (Yusuf)
エルダル・ベシクチオール (Yakup)
トゥリン・オゼン (Zehra)
 
 
 

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*コクリコ坂から*

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       ***STORY**                  2011年   日本
東京オリンピック開催を目前に控えた1963年の横浜。女系家族の長女である松崎海(声:長澤まさみ)は高校二年生。父を海で亡くし、仕事を持つ母・良子(風吹ジュン)をたすけて、下宿人もふくめ6人の大世帯の面倒を見ている。そんな海は、同じ高校に通う新聞部の部長・風間俊(岡田准一)に心を寄せるのだが……。
高橋千鶴・佐山哲郎の同名コミックを原作に、「崖の上のポニョ」の宮崎駿が企画・脚本、「ゲド戦記」の宮崎吾朗が監督を担当するスタジオジブリ作品。
 
メインとしての恋愛・青春映画としては品行方正で頭のいいふたりが恋する
きわめて清々しくて見ていて気持ちのいい作品でした。
特に冒頭の人が恋に落ちる瞬間は素敵で
見ていて恥ずかしくなってしまうほど・・
ただこれネタばれはよくないのでこのあたりにしておいて
私が特に感じたことを書いておきます。
 
それはお父さんの宮崎監督が息子に撮っておいてほしいと思ったのは
63年という時代感だったのかもしれないということです。

戦争が終わって20年弱。
日本は見事に復興し、ほとんどの人が飢えや寒さとは無縁の暮らしになりました。
ところがこれ以降になると学園紛争〜高度成長時代、バブルに突入し
どんどんと便利さを得て、今の生活に至ります。

でも当時の人たちの暮らしぶりは”人間の手でしていたこと”がいっぱい〜
たとえば一番印象的だったのは
朝、前日に研いで浸水させておいたお釜を火にかけるシーンです。
マッチをしゅっとすってコンロに火をつけ、沸騰したら弱火にして炊き上げ
おひつに移します。
また印刷物はガリ版でした。
ロウ紙にペンで文字を書き、一枚一枚刷っていきます。
 
今や炊飯器で炊き、そのままジャー機能なので私たちが何か加減することはありませんが、
沸騰してきたな〜という音を聞き火を弱める見極めることは人間として大事なことだったと思うのです。
ちなみに私は鍋炊きです。
また印刷の世界ではコピー機が出来たり、ワープロが登場し、そしてPCでネット。
どんどんと”人間の手”そのものから離れていってしまっています。
 
当時の街並みもいい感じ。舞台は横浜か横須賀あたりだと思うのですが、下の方にお肉屋さん、お魚屋さん・・。
色々な個人商店街があってお買い物をし、きつい坂をてくてくと登るのは大変そうだな〜と
思うけれど、でも眺望は素晴らしく、そよ風が吹き抜けています。
 
 
もう今となっては私たちケイタイやPC、クーラーのない生活は考えられません。
でもそれに伴って原発や公害も生んでしまいました。
もしかしたらこの時代のまま科学がストップしてしまったら
人間一番幸せなのかもしれません。
 
また背景として描かれているのが朝鮮戦争です。
文字としては知っていても日本がこういう形で参加し、死傷者を出していたとは・・
かろうじて、最近になって『M★A★S★H マッシュ』と『トンマッコルへようこそ』を見たのですが
近代史って知らないものですね。
 
あ・それからカルチェラタンという名。
パリの左岸にある地域で、ソルボンヌ大学をはじめ大学がたくさんあって昔から学生街として有名。
カルチエは「地区」、ラタンとは「ラテン語」のことで、「ラテン語を話す(=教養のある)学生が集まる地区」と
いう意味です。
この彼らのクラブの集まりもその匂いがしましたね。

・・で1968年5月にここから五月革命が起こり、これは日本の学生運動にもつながっていきます。
この作品の直談判もその走りのようですから、そこまでの意味を込めたかったのでしょうか。
 
子供さんにはピュアな恋物語
オトナにとっては当時の様子を懐かしんだり、今の便利な暮らしを顧みたりする
素敵な映画でした。
 
 
 
 
監督 宮崎吾朗 
企画 宮崎駿 
プロデューサー 鈴木敏夫 
脚本 宮崎駿
丹羽圭子 
原作 高橋千鶴
佐山哲郎 
音楽 武部聡志 
長澤まさみ (小松崎海)
岡田准一 (風間俊)
竹下景子 (小松崎花)
石田ゆり子 (北見北斗)
風吹ジュン (小松崎良子)
内藤剛志 (小野寺善雄)
風間俊介  (水沼史郎)
大森南朋 (風間)
香川照之 (徳丸社長)
 
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アフガニスタンの荒涼とした大地。上空を米軍のヘリコプターが飛行し、地上ではアメリカ兵士が偵察活動を行っている。ムハンマドはひとり洞窟の影にひそみ、バズーカで米兵を吹き飛ばす。逃げるムハンマド。追うヘリコプター。ヘリに攻撃され、爆音で一時的に聴力を失ったムハンマドは、米軍の捕虜となる。収容所に連行され激しい拷問を受けるムハンマド。軍用機で別の場所に移送され、護送車で移動中、山道で動物をよけそこない車が転落する。事故の混乱に乗じて逃亡を計るムハンマド gooより
 
『アンナと過ごした4日間』『早春』のイエジー・スコリモフスキ監督が、イスラエル、ポーランド、
ノルウェーの3カ国にまたがるロケーション撮影を敢行した一大スペクタル巨篇。
 
ジャンル分けするとサバイバル・アクション。
先日見た『127時間』では岩に腕をはさまれ、状況を限定したように、これも雪山のみ。
どちらも表面的には生き延びるため模索する映画だけれども、生きることの意味や
そのための精神力を描いている作品でした。
 
冒頭、アメリカの兵士たちが金属探知機と銃を持ちながらアフガニスタンの崖に囲まれた道を
歩いて偵察している様子が映し出されます。
そんな彼らを物陰から追いながらある瞬間、バズーカで吹き飛ばします。
すぐさまヘリコプターは上空から彼を追いつめて爆弾を落とし倒れた彼は聴覚を失ったまま
捕まってしまいます。
 
収容所では頭に黒い布をかぶせられ、水攻めの拷問に遭い・・
ああ・コワイ・・
その後護送車で別の場所に送られる途中、アクシデントが起きて車が崖から転落。
そのスキを縫って逃走を始め、ここからがこの映画のはじまりになります。
 
舞台はイスラエルだと思っていたけれど、逃げるのは雪山。
そういう高地があるのかもしれないし、この映画はアメリカ軍との戦いがどうのこうのという
社会的なものが関係ないように、場所もまた特定すべきではないのでしょう。
 
それよりも重要なのはより過酷な自然だったのだと思います。
逃亡=生きながらえること
私たちが生きるために必要なのは水や空気、食糧とそして暖かく眠れる場所。
ところが彼にはその後者2つがありません。
時にはアリを、時には樹の皮やコケを
そしてまたある時には赤い実を食べて飢えをしのぎ、たまたまあった稲わらの上で眠ります。
 
そしてあるときたどり着いた一軒の家で・・
反転します。
 
そこにいたのは耳の聞こえない女性がひとり。
ドアのところに倒れこんだ彼を家の中に引っ張りこみ介抱します。
あ〜ここで見てる私たちは大きく救われ、そして共感。
超・ヘタレで怖がりの私ですが、もし彼女の立場なら怪我して泥まみれになってる彼を見て
卒倒しそうになりながらも同じく助けるでしょう。
まずは温め、怪我の応急処置をし、食べ物を提供し、黙秘します。
たとえ彼が凶悪犯でも、また無実の罪で追われてる人であっても・・
きっとそれは人間の本能なのでしょう。
 
そしてラスト。
彼の生存や結果についてはまったく明らかにされませんがとっても美しいシーンです。
 
もうひとつ忘れられないシーンは、雪の上からわずかに顔を出した折れ曲がって、枯れた雑草です。
この草はすでに枯れているのに回りの雪はわずかに溶けていますし、来年雪解けとともに
新しい草が生えてくることでしょう。
それとこの主人公ムハンマドが重なります。
彼の生死はわからないけれど、彼の生きた証があるし、故郷に残した子供には未来があります。
 
究極のサバイバルものでありながら何か明るさとか可能性とかを感じました。
 
題名はessential killingですが、これはきっとessential to life なのだと思います。
 
83分間、ほとんどセルフなしで顔の表情のみで表現するという難役をこなしたのはヴィンセント・ギャロ。
なんといっても バッファロー'66が有名ですが、あ・これ監督もされていたのですね!!すごい!!
ブラウン・バニーもでしたか。
 2010にはPromises Written in Waterというのも撮られてます。
 
彼を他住める女性役はエマニュエル・セニエ。
ポランスキーの奥さまで、『潜水服は蝶の夢を見る』の元奥さん役など。
 
 
**イエジー・スコリモフスキ監督(Jerzy Skolimowski, 1938年5月5日 - )**
ポーランド出身の映画監督・脚本家・俳優。
ウッチ国立大学で学びながら次々と短編を監督。
ポランスキー監督の長編デビュー作『水の中のナイフ』のセリフ担当。
身分証明書、不戦勝 バリエラ と監督しますが手を挙げろ!でスターリン批判をして
上映禁止となり、ベルギーへ。
2008年にフランスとポーランドの合作による『アンナと過ごした4日間』で17年ぶりに復帰。
同作品で東京国際映画祭コンペティション部門の監督賞を受賞しました。
 
俳優さんとしてもホワイトナイツ/白夜 (1985)マーズ・アタック! (1996)
夜になるまえに  (2000)イースタン・プロミス (2007)
などでご活躍です。
 
 身分証明書 Rysopis (1964)
 不戦勝 Walkower (1965)
 バリエラ Bariera (1966)
 出発 Le Départ (1967)
 手を挙げろ! Rece Do Gory (1967)
 早春 Deep End (1971)
 ライトシップ The Lightship (1985)
 アンナと過ごした4日間 4 Nights with Anna / Cztery noce z Anna (2008)
 エッセンシャル・キリング Essential Killing (2010)
 
 
監督 イエジー・スコリモフスキ 
ヴィンセント・ギャロ 
エマニュエル・セニエ 
ザック・コーエン 
イフタック・オフィア 
ニコライ・クレヴェ・ブロック 
 

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