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ロードショー*2011

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*四つのいのち*

 
                ***STORY***                  イタリア=ドイツ=スイス
 
南イタリア・カラブリア州の山深い村で、年老いた牧夫が山羊の世話をしている。牧夫は教会のほこりが病を癒すと信じて、毎日教会の床のほこりを水に溶いて飲んでいる。そんな暮らしを長年続けてきた彼は、ある晩、山羊に囲まれて息を引き取る。翌日、牧夫と入れ替わるように1匹の仔山羊が誕生する。初めての放牧で、仔山羊は群れに遅れをとってしまう。仔山羊は森で溝にはまってしまい、上ることができない。助けを求める鳴き声も、牧羊犬や人の耳には届かない。群れは仔山羊を残し、去ってしまう。ようやく溝から抜け出した仔山羊は、森のなかをあてもなくさまよう。夜になり、仔山羊は大きな樅の木のもとで眠る。  gooより
 
 
舞台は南イタリア、カンブリア州。
長靴の先っぽの部分でメッシーナ海狭を隔て、シチリア島があります。
しかし想像以上の田舎度!!。
うわ〜〜中世のころから時間が止まったような村々があるのですね。
 
カメラはその村の一部の家々を映し出しているのですが、坂道が多く、傾きかけた質素な家が
建ち並び、そこにヤギさんたちの群れがゆっくりと歩いています。
そんな村で牧夫が亡くなり、お葬式が出されます。
神父さんを先頭に村の人が祈りを捧げながら黙々と歩いていくのですが、
日本でも古くはこういうお葬式でしたね。
 
その翌日、子ヤギが誕生。馬もそうだけれど、あんなに大きな赤ちゃん?が出てくるのも
数分で立てるようになるのも不思議。
数日で足腰もしっかりしてきて、小屋の中で他の子ヤギを遊びだしますが、
あはは・・
ただの木の箱のわずかなスペースをみんなで取りあってケンカ。
そんなことがそんなに楽しいの?かわいい〜
 
その子ヤギちゃんがみんなの後をついていけずに眠った場所の上にあった木
それが今度切られてお祭りの神木として祀られ、それが済むと炭に・・
 
この村にあったり生きたりしてるものがみ〜んななんらかの形でつながってるというお話で
自然と人間が調和した生活がいかに素晴らしいものであるかがひしひしと伝わって来ます。
こういう暮らしをしていたら原発なんていらないし公害も出さずに済むのですよね。
 
 
こういう暮らしと見ていて思い出したのは先日山中湖の別荘でした焚き火です。
焚き火のプロともいうべき友人が、敷地内に落ちてる小枝を拾って来て、ちょうどいい長さに
へし折り、空気が通るよう組んで火を興し、おき火になったところで網を乗せて、野菜やお肉を
焼いて食べました。
GW中なのにとても冷えたので、普通なら家の中で石油ストーブと電気とテレビつけて
ごはん食べたことでしょう。
でも焚き火を囲んでゆっくり呑みながら、話ながらごはん食べるってとても豊かな時間だったのです。
 
私たちはもうテレビやPCやケイタイのない生活には戻れません。
でも電気の足りなくなる今年の夏、輪番休業して長期休暇を取り、みんなでキャンプ場や
バンガローで電気を使わない、焚き火生活をしたら、かなりの節電になるかもしれませんよね。
 
この映画は震災前に配給が決まっていたと思うけれど、そんなことまで考えさせてくれる
ナイスタイミングな上映でした。
そういえばイタリアってスルーフードの発祥の地だし、農業が盛ん。
原発も持たない国なのですよね。
 
ただこの映画。音楽もなく、あまりにも淡々としすぎてるかも・・
映像も単調になりがちだったので、夕焼けに染まる雄大な山々とか、美しいせせらぎとかも
見せてほしかったです。
もうちょっとだけエンタメ度を上げることによって、たくさんの人に見てもらえたかもしれません。
 
監督 ミケランジェロ・フランマルティーノ 
脚本 ミケランジェロ・フランマルティーノ 
撮影 アンドレス・ファエフリ 
プロダクション・デザイン マシュー・ブルサード 
録音 パオロ・ベンヴェヌーティ
シモーネ・パオロ・オリヴィエーロ
ジュゼッペ・フーダ  
ブルーノ・ティンパノ  
ナザレノ・ティンパノ
 

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           ***STORY***                   2010年  アメリカ  
18歳のジョニ(ミア・ワシコウスカ)は、自分の母親ニック(アネット・ベニング)、同じ父親を持つ15歳の弟・レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)、そしてレイザーの母親ジュールス(ジュリアン・ムーア)の4人暮らし。ママ二人と姉弟という家族で、仲良く、楽しく愛情に満ちた生活を送っている。しかし、大学進学のための一人暮らしを機にジョニは、まだ会ったことのない自分たちの医学上の父親・ポール(マーク・ラファロ)に興味を持ち、レイザーと共にこっそり会いに行くことに                                     gooより
ある風変わりな家族を通し、愛や家族の本質を見つめる人間ドラマ。
 
家族や夫婦にとって”節目”というのはあるものですが、この作品の場合は18歳のジョニが
大学進学のため独り暮らしをすることになったことでした。
それを機にずっと気になっていた自分の遺伝子上の父を探そうとします。
というのもこの夫婦というのはレズカップルで、ジョニの母ニックがお医者さんとして働き
主婦のような役割をレイザーの母、ジュールスが担っているという”ちょっと変わった家族”なのでした。
 
・・でその遺伝子上の父ポールはオーガニックレストランを経営する人で、ちょっと頼りなさげだけれど
自由な空気を吸ってる人でした。
最初子供2人が会ったあとふたりの母、ニックとジュールスもご対面。
多分ニックは当時の書類からジャーナリストか国際弁護士。そこまでいかなくても大企業の部長さん
くらいにはなってるのかもなんて期待していたかもしれないけれど、ジュールスは
まあまあ気にいった模様でした。
落ちこぼれっぽくも見えるのに、自然と自分のレストランを愛してる人。
この設定もうまいと思います。
 
ガーデナーというかランドスケープデザイナーというかを目指すジュールスにポールは裏庭の
デザインを依頼したことから思わぬ展開に・・
 
母ふたりに子供ふたりというそれなりに安定した家族に”侵入者”が現れてしまったことにより
それぞれの関係を見直したり、悩んだりします。
ことにニックはこの家族においての”父親”
まじめで、自分にも他人にも厳しく、この家族の大黒柱であると同時に仕切りもしたがります。
一方ジュールスは美しく女らしく”母役”子供たちが手を離れた今、ジュールスは
自分のこれからの生き方と仕事を模索していたところでした。
女性ふたりではありますが対照的な性格と行動がすごく丁寧に描きこまれていて、それぞれの
発言にうなずいてしまったりします。
結局こういう問題というのはレズカップルでなくても起こったことでしょう。
 
またこの作品は夫婦の目を通してでもあると同時に子供目線でもあります。
兄弟でありながらもちょっと異性としても惹かれあうふたり。
ふたりにとって突然現れた父親は理想どうりでなくともやはり父で彼の出現はうれしかったことでしょうね。
勉強に異性に、そして将来のことに悩みながら今までちょっと変だな〜って思っていたこの家族に
最後すごい愛着を感じるところがとても良かったです。
 
でもちょっとかわいそうだったのはポールですね。
知らなければ知らないで良かったのに、”知ってしまったからこその喜びと苦しみを味わいます。
家族の良さにも目覚めるのに、おいそれとは手に入らない悲しさ。
でも自分の子供がこの世に存在したのですからきっと人生変わっていくことでしょう。
 
奇抜な設定のわりには普遍的な家族のテーマを描いていて、じっくり見せてくれる秀作でした。
それもこれもなんといってもアネットベニングとジュリアンムーアの掛けあいのうまさですね。
アネットは今まで女っぽい役が多かったですが、この作品ではまさにお父さんになりきっているところが
ひとつのみどころです。
またジョニ役のミア・ワシコウスカは透明で理知的。
普通と違う家族に振り回されることなく、勉強して自分の道を拓こうとしてる
役にぴったりでした。あ・この方アリスちゃんでしたね。
 
監督さん、リサ・チェンデンコについての情報はあまりないのですが、
しあわせの法則(2002) ハイ・アート(1998)を撮っています。
しあわせの〜もさりげないけれど、じんわりと心に残った作品でした。
 
 
 
監督 リサ・チェンデンコ 
脚本 リサ・チェンデンコ
スチュアート・ブルムバーグ 
撮影 イゴール・ジャデュー=リロ 
音楽 カーター・バーウェル
ネイサン・ラーソン
クレイグ・ウェドレン 
アネット・ベニング (Nic)
ジュリアン・ムーア (Jules)
ミア・ワシコウスカ (Joni)
マーク・ラファロ (Paul)
ジョシュ・ハッチャーソン (Laser)
ヤヤ・ダコスタ (Tanya)
 

*八日目の蝉*

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       ***STORY***               2011年        日本 
1995年10月東京地裁。秋山丈博(田中哲司)、恵津子(森口瑤子)夫婦の間に生まれた生後6カ月の恵理菜を誘拐、4年間逃亡した野々宮希和子(永作博美)への論告求刑が告げられた後、希和子は静かにこう述べた。「四年間、子育ての喜びを味わわせてもらったことを感謝します」と……。会社の上司で妻帯者の丈博を愛した希和子は彼の子供を身ごもるが、産むことは叶えられなかった。そんな時、丈博から恵津子との子供のこと知らされた希和子は、夫婦の留守宅に忍び込み、赤ん坊を抱かかえて雨の中を飛び出す。goo
 
 
角田光代原作の同名小説を映画化したヒューマン・サスペンス。
誘拐された少女と犯人の女との逃亡劇、その後の運命を描く。
 
赤ちゃん誘拐
そう聞いただけで、なんてことする人なんでしょう 
100対0で誘拐犯が悪い
と誰もが思うことでしょう。
 
ところが不倫相手の奥さんというのもまあ・・すごい。
主人公希和子に電話してくるわ、訪ねてくるわ、あなたなんて空っぽよと言うわ
 
そしてある日、ダンナさんを車で送っていった隙に家に忍び込み、誘拐。
泣き叫ぶ赤ちゃんを連れての逃亡を見てると早く返して〜と思います。
 
ふたりが落ちついた先のエンジェルホームがこれまた不思議なところで、駆け込み寺的に考えると
救われる場所だけれど、あまりにも世間から隔離されすぎているし、男性はいないしゆがんだ世界でした。
 
その後行き着いた小豆島での生活にほっとします。
・・がこの頃になると最初の100対0はとうの昔に逆転し、確かにまあ20%くらいは悪いけれど
このふたりはいつまでも一緒にいてほしいと願うようになります。
でも希和子にとっては毎日が”期限付き”
もしかしたら明日引き離されるかもしれないという思いはこの頃日に日に強くなっていくようで、
ランドセルの話が出たとき、薫がランドセルをしょう姿を自分が見られるのだろうか
と遠い目をするシーンが印象的でした。
 
誘拐犯、希和子の視線と並行して描かれるのが恵利菜=薫の目線で描かれる現在です。
小さなときのことだから具体的には何も思い出せないようなのですが
でも記憶に残ってないようで、この頃のことって何か手触りのようなものはいつまでも鮮明に
残っているものなのですよね。
私でさえ、あるときふとそのころの何か感覚のようなものとか両親とのちょっとしたことを
思い出すことがありますから・・
 
それに”雀百まで踊り忘れず”、”三つ子の魂百まで”
という格言があり、それが最近になって証明されてきてる通り、2〜3歳までの間に人間の根本的な
性格って決まってしまいます。
それほど大事な時期を一緒に過ごした誘拐犯と子供。
最後はまぎれもない母と子でいつまでも見つからず、ふたりで生きていって〜〜って思ってしまいました。
 
ただ単に重く、苦しい作品かと思っていたら、ラストは希望に満ちていて救われます。
題名である八日目の蝉
一日多く生きてしまった蝉は最初悲しいものという解釈で、それは普通ではあり得ない体験を
してしまった薫に重なります。
ところが後半、もしかしたら幸せなこと?って思えるようになっていきます。
薫はふたりの母を持ち、しかもあふれんばかりの愛情で育てられたのですから・・
 
ストーリーもいいけれどなんといってもキャストが素晴らしい!
永作さんは童顔でかわいいのに、ずっと苦しみをたたえています。
そしてなんといっても小池栄子さん!。セクシーでオレンジ色っていう印象の人ですが
ネコ背で、おどおどしていて男性嫌い・・いつもと逆にグレーな感じの女性になりきっていました。
 
また私邦画で映像がいいなと思うことが少ないのですが、これは良かったです。
東京?に出たときランプを手前にしたシーン、エンジェルホームの廊下に陽がさしてるシーン、
瀬戸内海の雄大で美しい海や夕日。
劇場で見た甲斐があるな〜と思わせてくれました。
 
 
監督 成島出 
製作総指揮 佐藤直樹 
企画 石田雄治
関根真吾 
脚本 奥寺佐渡子 
原作 角田光代 
撮影 藤澤順一 
美術 松本知恵 
照明 金沢正夫 
音楽 安川午朗
井上真央 (恵理菜)
永作博美 (野々宮希和子)
小池栄子 (千草)
森口瑤子 (秋山恵津子)
田中哲司 (秋山丈博)
市川実和子 (エステル) 
 
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東京から神奈川へ突き出るように位置する街“まほろ市”。都会でもなければ田舎でもない。そんな街の駅前で便利屋“多田便利軒”を営むバツイチ男、多田啓介(瑛太)は淡々と仕事をこなす真面目なしっかり者。だが、ある年の正月、客から預かったチワワに逃げられてしまう。やがてバス停で見つけたチワワを抱く男は、中学時代の同級生・行天春彦(松田龍平)だった。                              gooより
 
 
 
<直木賞を受賞し、50万部を超えるベストセラーとなった三浦しをんの小説を、「ディア・ドクター」の瑛太、「誰も守ってくれない」の松田龍平共演で映画化。東京と神奈川の境にある“まほろ市”を舞台に、便利屋を営む男と居候の友人が出会う人々の様々な人間模様を綴る
 
都会ではないけれど、田舎でもない、
天気予報は外れ、流行も一番最後にたどり着く、
東京の端にある中くらいの街、「まほろ」が舞台で、これはほぼ町田がモデルです。
友人が住んでいるので何度か行ったことがあるけれど、ここは渋谷??っていうほど
ファッションビルが建ち並んでいるけれど、あ・でも郊外っていう感じがする不思議な魅力のある町です。
 
そこで便利屋さんを営むのがこの作品の主人公・多田。
便利屋多田だとタダと間違えられるから?とかいう理由で”多田便利屋”を営んでいます。
年末に預かったわんこチワワと孤独な年越しを済ませた彼は、年明けに受けた
”バスが間引き運転してるか”
っていう調査?を終えた後、そのチワワを探していて、中学時代の同級生、行天に会います。
 
それからふたりの奇妙な共同生活が始まり、一見半端な仕事を引き受ける便利屋稼業の目から
の視点によって描かれていきます。
塾の送り迎えを頼まれたことによって知る親に愛されない子供、チワワがらみで出会う売春婦、
売春婦の元彼のチンピラなどなど
 
どれも特にドラマティックではなくつながりもないのですが、でもそれらが積み重ねられていくと
見えてくるものがあります。
 
それはやはり世間体や常識からすると”はみ出しもの”たちの中にあるやさしさでしょうか
売春婦だちは最初どぎつい黄色い服着て下品でイヤ〜な感じなのですが、実際は純粋。
息子への愛はないのに塾への送り迎えをつけることで見栄を張るお母さんや
規律ばかりを重んじる塾関係の人たちは薄っぺらに見えてきます。
それらがおしつけがましくなく、ベタでもなく描かれているところがいいですね。
そして明かされる彼らの過去・・
人を許すこと、人生をやり直すことの大切さが、ユル〜い日常生活の中で表現されていました。
 
 
この作品の目玉はなんといっても主演の瑛太と松田龍平の共演です。
この作品でもう4度目ということですが息の合った演技のコンビネーションはバッチリ。
多田は意外にきっちりと仕事をこなすし、我慢強いです。
それに対して、行天は両に虐待されたトラウマを持つからか、奇想天外なところがあり
とらえどころがありません。
でもこのふたりに通じるのは”やさしさ”。
そのバランスが現代を代表する若手俳優さんが的確に演じています。
かなり長回しが多いのでレヴェルの高い記憶力と演技力が求められたことでしょうね。
 
**大森監督**
大学卒業後は俳優として活動し、その後荒井晴彦監督、阪本順治監督、井筒和幸監督、
ホンマタカシの短編映画など様々な作品で助監督を務める。
2001年『波』(奥原浩志監督)で第31回ロッテルダム映画祭最優秀アジア映画賞“NETPAC AWARD”を受賞。
2005年 花村萬月の芥川賞受賞作を原作に『ゲルマニウムの夜』で初監督。
 独自の感性が評価され、東京国際映画祭やロカルノ国際映画祭など多数の国際映画祭コンペティション部門からオファーが相次ぎ、海外からも注目が集まる。
東京国立博物館の敷地内に特設映画館「一角座」にて、約半年に渡りロングラン上映。
2010年監督第二作目 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』
2010年度(第51回)日本映画監督協会新人賞受賞。
 
・・で弟さんが俳優の大森南朋
はーーそうなんですか!!。
この作品にも町のお弁当屋さんとしてチョロっと出演されていますが味があります。
 
 
 
 
監督 大森立嗣 
プロデューサー 孫家邦 
脚本 大森立嗣 
原作 三浦しをん 
音楽 岸田繁 
主題曲/主題歌 くるり 
瑛太 (多田啓介)
松田龍平 (行天春彦)
片岡礼子 (ルル)
鈴木杏 (ハイシー)
本上まなみ (三峯凪子)
柄本佑 (山下)
横山幸汰 (由良)
梅沢昌代 (山下の母)
大森南朋 (山田)

 
 
 
 
4月29日から5月4日まで開かれているイタリア映画祭に行ってきました。
ゴールデンウィーク恒例で、今年で11回目を迎えます。
他に用事が入りがちなので、私にとっては都合よくなく、いつも1〜2本しか見られなくて残念ですが
GWはイタリア映画に浸るぞ〜と楽しみにしてる方も多いと聞きます。
 
ドイツ・フランクフルトの近くで、ホテルとレストランを順調に経営する50歳のロザリオは、妻と息子と穏やかに暮らしていた。しかしある日、若くていかつい2人のイタリア人が彼の元を訪れてから、平穏な日常にさざなみが立ち始める。
 
<イタリア屈指の演技派トニ・セルヴィッロが才能を認めた、1973年生まれのクペッリーニ監督による
骨太のドラマ。
過去から必死に逃れようとする男を、静と動を見事に使い分けて演じたセルヴィッロが、
10年ローマ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。
 
まさに骨太でサスペンスフル。そして父と息子の愛が存分に描かれている、とても好みな作品でした。
ただ心理面はとてもよく描かれているものの、背景の説明がなさすぎてそこが残念です。
 
舞台はドイツのレストラン兼ホテル。
イタリアとは遠いようだけれど、オーストリアをはさんで北イタリアまでは意外と距離はありません。
この地ではイタリアからのお客さんもたまにいるようだし、ライバル視してるような感じもあるようです。
 
そこのオーナーロザリオは自らもかなりの腕を持つシェフ。
その日もパーティーのようで、大きなロブスターが乗ったパスタを誇らしげに持って登場し
とりわけてました。
多分彼はこの地でイタリア系のお料理を出すレストランとしてかなり成功してるようで、
メインシェフもヴェネツィアのホテル・ダリエリに勤めていた人でした。
彼には美しい奥さんと息子がひとり。
テーブルクロスの色をどうするかでモメたりしてるけれど、彼は家族をこよなく愛する
ごく普通の、というかちょっとトシとったお父さんでした。
 
ところがある日イタリアからやってきたふたりの男性が彼の過去の人生につながる人物で
その平和な暮らしをゆさぶり始めます。
彼らはどうもドイツとイタリアとの間で交わされる取り決めに反対しているよう。
ヒューマンドラマが主体なので、背景の説明が省かれているのは仕方ないと思うのですが
彼らの組織が政治的なものなのか?正義の元に行われてるものなのか?
やはり知りたいです。
 
そして次第に明らかなになっていくロザリオの過去。
彼はあくまでもただ平穏な暮らしがしたいだけ。
それなのに過去との縁はやはり切れないのですね。
 
よくギャングもので、出所した主人公はもう悪の道からは足を洗いたいのに
昔の仲間に誘われて再び銀行強盗を・・などと言う映画があります。
これはそれとは違いますが、自分に関するあらゆる情報をゼロにしなければいけないのに
”ある愛”からそれを破ってしまったことが、彼のその後の生活を変えてしまいました。
 
やはり人間、逃れても逃れても過去はついてくるものです。
普通の暮らしを望んでも叶わず、するりと手から抜け出ていってしまう寂しさ、悲しさ。
愛する息子との決別
色々な感情が心に迫ってきて素晴らしい作品でした。
 
トニ・セルヴィッロが主役で、孤独な男性を演じていますが、彼はそいえば『湖のほとりで』の
刑事役だった人でした。
え??51歳?決して老けてるという意味ではないけれど、60歳くらいにしか見えないな・・(笑)
 
監督: クラウディオ・クペッリーニ 
脚本: クラウディオ・クペッリーニ 
撮影: ポハールノク・ゲルゲイ 
 出演: トニ・セルヴィッロ 
 ユリアーネ・ケーラー
 

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