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18世紀後半に生まれ19世紀に亡くなった英国女流作家ジェーン・オースティンの書いた小説が、
何故こんなにも多くの現代女性を惹きつけるのでしょうか?
彼女の描く世界は、一貫して
『英国アッパーミドル・クラスの独身女性が、
いかに理想の男性に出会って結婚するか・・』
なのです。
主人公の結婚後の生活は、描かれません。
ジェーン・オースティンの生きていた時代に比べたら、
今の女性の方がはるかに自由ですし、
結婚だけが人生の最終目標だけじゃないことは、あきらかなのに。
けれども世界中(特に欧米社会)には、ジェーン・オースティンの絶大なファンが大勢います。
95年のBBCドラマ『高慢と偏見』でコリン・ファースの演じた『ダーシー様』が、
世界中の女性を虜にするなど、何度も映画化、ドラマ化され、
さらには、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『ユー・ガット・メール』など
現代もの小説や映画のネタ元にも、なっているのです。
ジェーン・オースティンは、まさに元祖ロマコメ作家の女王といえるでしょう。
そして本作『ジェーン・オースティンの読書会』、『ビカミング・ジェーン』など
ジェーン・オースティンの勢いは、ますます加速しているようです。
『ジェーン・オースティンの読書会』は、完全にロマコメ映画です。
ジェーンの小説と同様に、世界滅亡の危機とか、殺人とか、サスペンスとか、
そういったものは、いっさい出てきません。
たぶん観に行く人の80パーセントは女性でしょう。
そこに描かれているのは、ジェーンの6つの小説を、
1ヶ月に一回、集まってワインを飲みながら、討論しあう読書会を通じて、
6人のメンバーのそれぞれの人生を、ジェーンの6つの小説に投影しながら進んでいきます。
そしてそれぞれが抱えていた問題を、解決していくのです。
ジェーン・オースティンの小説同様、最後は収まるところに収まるのです。
読書会の発起人で、6回も結婚歴のあるバーナデットが言う、
「ジェーン・オースティンの小説は、最高の解毒剤!」
へたなカウンセラーに悩みを相談するよりも、ジェーン・オースティンの小説を読んでいた方が、
ずっと心が落ち着くかもしれませんね。
プルーディー(エミリー・ブラント)が、一線を越えようと迷った時に、
「ジェーンならどうする?」と
自問自答し選択したように・・。
もっとも、ジェーン・オースティンを、
『何にも起らない、波乱万丈のない本を書く小説家』
と馬鹿にしたブロンテ姉妹に、ブルーディーが答えを求めていたなら、
違う世界に行っちゃったでしょう。
もちろんこの映画の土台となる6つの小説
『マンスフィールド・パーク』『自負と偏見』『エマ』『ノーザンガー僧院』
『説得』『分別と多感』を全部読んでいる人にとっては、
たまらなく魅力的な映画でしょうが、別に小説を読んでいなくても楽しめます。
(ただ、それぞれの小説にまつわる台詞や、キャラクター名がでてくるので、
その辺を知ってると、ちょっとお得な気分になるでしょう。)
映画の始まりの小さな失敗の連続シーンは、導入部として感じが良かったです。
ランニング・マシーンでバランスを崩したり、銀行窓口で受付を拒否されたり。
買った下着を、店の前で調べられるプルーディーの困惑した表情。
車を運転中にコーヒーをこぼしたり、トイレに落ちてしまう携帯電話。
なんだか日常的にある、「あ〜〜あ!やっちゃった!」というシーンの連続が、これから始まる
お話に小さな弾みをつけています。
6人のメンバーの中で、ただ一人の男性グリッグを演じたのが、ヒュー・ダンシー。
愛すべきお人よしのグリッグを、ヒュー・ダンシーが魅力的に演じています。
またマリア・ベロも自分の本当の気持ちに気づかないじれったいジョスリンを好演しています。
なんとなく映画『エマ』のグイネス・パルトローのエマと比較してしまいます。
ですが、今回のメンバーの中で、一番輝っていたのは、プルーディーを演じたエミリー・ブラント!
知ったかぶりのジェーン・オースティン・オタクのちょっと神経質なフランス語教師を
演じているのですが、彼女の圧倒的な存在感がなかったら、
この映画は、ちょっともたなかったかもしれません。
ちなみに『プラダを着た悪魔』と同様に、
この映画でもエミリー・ブラントの演じる登場人物は、
パリへ行くことができないのです。
映画の内容に関する過去記事です。よろしかったらどうぞ!
http://blogs.yahoo.co.jp/catpurr03/archive/2007/07/24
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観に行くの人の80%は女性と聞くと、なんか逆に見てみたくなります。
DVDになったら取り寄せるかも!?
しかし、江戸時代の小説が現代にこんな影響を及ぼすというのは、チョット不思議な感じが
しますが、男女を取り巻く環境ってのはそんなに変わっていないってことですかね。
2008/5/13(火) 午後 8:51 [ - ]
当地での上映は来月なのですが(^^;、なかなか評判よいようですね^^。
特に、ヒュー・ダンシーくん!? むふっ^m^ 楽しみですっ(笑)
で、ブロンテ姉妹、オースティンに対してそんなこと言ってたのですか;;;
『ジェーン・エア』はシャーロットの自伝的な小説なんでしたっけ(^^;
エレン・ペイジでリメイクされるそうですが、オースティンが来れば、ブロンテも!?なんですかね〜。
2008/5/15(木) 午前 2:00
なるほど!「元祖ロマコメ作家の女王」はいい得て妙ですね♪
代表作は、できればがんばって原書で読んでみたいですね。
2008/5/15(木) 午後 6:26
目立ったキャストではなかったけど、それぞれが個性的で・・・
ラストのハッピーさも好きでした♪おススメですね^^
トラバ宜しくお願いします!
2008/5/15(木) 午後 10:30
zombieさん、女性にモテたかったら、ジェーン・オースティンとか知ってることが、強力な武器になりますって!だって、この映画のプルーディーもそうだけど、単純なスポーツ好きのフットボールの試合をビール飲みながら、がナってるような旦那と結婚してしまった彼女が求めているのは、正反対の男性なんです!
女性の心理を繊細に理解できる男性になりたかったらジェーン・オースティンです!(笑)ていうか、色んな事を繊細に感じたり、深く追求する精神のある人が、ジェーン・オースティン読書会に入る資格があるのかも。ロマコメ好きな男性って少ないけど、そういう人に出会うととっても嬉しいです!
2008/5/16(金) 午後 11:32 [ nomad ]
Kimさん、ヒュー・ダンシー君・・やっぱり、いいわぁ〜!
で、ブロンテ姉妹は、そんな風に言ってたようですが、本当かどうか真偽はわかりません。ジェーン・エアは、オースティンの登場人物と違って、階級を超えて恋愛した女性です。そういう意味で当時、新しい女性像として画期的だったのでしょうね。
2008/5/16(金) 午後 11:45 [ nomad ]
WONDERWALLさん、原書でもってるのが「高慢と偏見」Pride and Prejudiceです。欧米人に聞きますと、出てくる英文が、文体的に美しいそうで、単語の選び方も文学オタクには、たまらないらしいです。
2008/5/16(金) 午後 11:50 [ nomad ]
くるみさん、本当にオースティンの映画どおり、ハッピーエンドでしたね!なんだか、そういう所が、安心できるというか、収まるところ収めてしまうオースティンに捧げた映画という気がします!
TBありがとうございます!
2008/5/16(金) 午後 11:52 [ nomad ]
これは気持ちよく楽しめました♪どのキャラクターもどこかにいそうな人ばかりで面白かったですね。オースティンの小説と絡めて、女性なら誰もが思ったことのあるような内容を織り交ぜた展開は、やっぱり惹きつける物がありますね〜この映画を観るとオースティンの小説が読みたくなります。(^^)こちらからもTBさせてくださいね♪
2008/5/17(土) 午後 10:37
読書会を懐かしみながら観たいと思います…(^^)
2008/5/19(月) 午前 11:10
こんなに年月が経っているのにこれほどまでに現代女性の心を捉えてしまうのはジェーン・オースティンならでは。
多分女性や結婚というものの本質をスバリと描いているからかもしれません。それに何か安定したものも感じますね。
TBさせてください。
2008/5/19(月) 午後 10:08
Choroさん、それぞれのキャラクターが、身近な感じで、オースティンの作品の現代版のような雰囲気がありました。ただ人物描写のツッコミは、本家オースティンで出て来るキャラの方がインパクトがあるような気がします。欲を言えば、もう少しコミカルな人も欲しかったです^^;TBありがとうございました。
2008/5/22(木) 午後 10:54 [ nomad ]
nzさん、読書会の経験があるのでしょうか?ニュージーランドでですか?日本では一般的ではないけど、欧米では読書会は人気なんですかね?日本にもできたら参加したいです〜^^;特にオースティンの本をワン飲みながら、語りあかしたら楽しいでしょうね♪
『高慢と偏見』DVD鑑賞会なら、朝まで語れますよ〜^^;
2008/5/22(木) 午後 11:00 [ nomad ]
cartoucheさん、200年前の女性も現代の女性も恋の悩みは、一緒なのでしょうか。どうせ結婚するなら、カッコ良くって、お金持ちで、高潔で・・。そんな人、めったにいないですよね〜(T_T)
でもジェーン・オースティンの物語の世界なら、主人公達がハッピーエンドで結婚してくれるから、多くの女性ファンから絶賛されているのかもしれませんね。TBありがとうございました!
2008/5/22(木) 午後 11:05 [ nomad ]
wonderwallさんと同じく「ジェーン・オースティンは、まさに元祖ロマコメ作家の女王」説納得です。だから昔から好きな作家だったのかも。夏目漱石も文学論の中で詳しく解説しつつ絶賛しているのも当然かと。早く観たいです。
2008/5/23(金) 午前 8:35
ANNEさん、なんだかんだ普通の事をドラマチックに作家って、やっぱり凄いんだと思います。ロマコメは永遠です!(笑)
2008/5/24(土) 午前 1:27 [ nomad ]
あぁ〜、でしたね!! ブルーディも結局、パリへ行くことができませんでしたね(^^;
”ジェーン・オースティンの小説は、最高の解毒剤”←この言葉に深く納得したのですが、身近なことを丁寧に描き、かつ、ユーモアを忘れない、そんなオースティンの小説には、人生を軽やかに生きるヒントがいっぱい込められていますね。
TBさせてくださいね。
2008/6/21(土) 午後 4:10
ひろと言います。
人生の目標は、人それぞれですね。
でも、目標がない人が多いです。
2008/9/5(金) 午後 1:22
Kimさん、だいぶ前にコメントいただいててお返事してませんでした^^;ごめんなさいね。この映画、DVDになったらじっくりジェーン・オースティンの本とにらめっこしながら見返したいと思います。
ちょっと疲れた時に観たい映画ですよね!TBありがとございました。
2008/9/12(金) 午前 11:36 [ nomad ]
ひろさん、コメントありがとうございます。人生の目標・・難しいですね。目標を決めすぎて、それに到達できずに喪失感を味あうのも、いやだし、まったくなくてもなんだかなぁ・・だし。
何のために生まれてきたのか?を問いながら生きていくのも自分探しみたいで楽しいですけどね。
2008/9/12(金) 午前 11:39 [ nomad ]