The House of Nomad

暫くお休みしていましたが、始動しました!宜しく

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ダークナイト

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通常のコミック・ヒーロー映画を期待して観ると、がっかりするかもしれません。
この映画は、壮大な人間社会派ドラマのような印象をもたせます。

いかに高潔で勇気ある人間も、想像を絶する悲劇に遭遇したら、
善と悪の狭間で悩み苦しむ、はかなく、脆い存在にすぎない。

この映画は、様々な登場人物達の心の葛藤を描いています。
観る者は、この登場人物達の姿を、現代社会や、自らの心に投影するのです。
その結果、この哀しい登場人物たちの心の闇が、痛切に観る者の心を揺さぶり、
観る者を不安にさせます。
その不安感が、この映画の持つ、圧倒的なパワーなのです。

ヒース・レジャーの演技ばかりに話題が集中していますが、
実は、主要な4人の登場人物が、バランスよく絡まりあって出来上がった映画だと思います。

その4人とは、バットマン/ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)、
ジョーカー(ヒース・レジャー)、ハービー・デント(アーロン・エッカート)、
ジム・ゴードン(ゲイリー・オールドマン)。

善と悪・・という永遠に不滅なテーマに沿って、この4人が様々な役割を果たしていきます。

殺人をゲーム感覚で楽しむジョーカーが悪の極みだとしたら、
ジム・ゴードン警部補が、地味ながらも、家族思いの高潔な善の人。
(この映画のストーリーの導き役的な存在でもあります。)
バットマンは、子供の頃に両親を殺された憎しみと復讐心を乗り越えて、
善になろうと心の葛藤に苦悩するヒーロー。
そしてハービー・デント(地方検事)が、ゴッサム・シティのために、
正義(善)を熱血的に説いていくが、
やがて悲劇的な体験によって悪の権化(トゥー・フェイス)へ落ちていく。

もちろん、ヒースのジョーカーの演技の凄まじさは、
映画の始まりの銀行強盗シーンから、一気にハイテンションで観客を呑み込んでいきます。
一緒に演じていた俳優達が話しているように、何かに憑依されたかのようなヒース。
彼の創り上げたジョーカーはまぎれもなく、
ダース・ベイダーやレクター教授などの歴代の名悪役に名前を連ね、
永遠に人々の心の中に焼きつく強烈な印象を残しました。
この極悪非道で虚無的なジョーカーは、無差別になんの慈悲もなく、
躊躇もなく人を殺していきます。
その姿は、最近、日本で起った通り魔事件の『誰でもいいから殺したかった・・』
という不気味な犯人たちを思い起こさせます。

アーロン・エッカートの演じるハービー・デントの存在も、
この映画では重要なインパクトになっていると思います。
正義の権化のような熱血漢のある人間。
バットマン自身も尊敬するハービーが、悲劇的な体験を通して、
凄まじい悲しみに耐えられず、
憎悪に満ちた悪の権化トゥー・フェイスへと変化していく哀しい様に、
強く心が揺さぶられます。

その姿を通して、
『もしかしたらジョーカーにも無邪気な時代があったかもしれない。
育った環境、様々な要因で、あのように冷酷無慈悲な化け物になってしまったのだろうか』
という社会から阻害された者への哀れみさえ感じられるのです。

そこから、ジョーカーやトゥー・フェイスのみならず、バットマンにも共通する心の闇に、
『人間とは、かくも、はかなく脆い存在なのか・・』という悲痛な叫びが聞こえてきます。

映画全体を覆っているダークで悲痛なテーマと、
ヒース・レジャーの悲劇的な死と神がかり的な迫真の演技が、
この映画をいっそう物悲しく、奥深い印象にしていますが、
そればかりではなく、スタイリッシュで、
リアリティとスピード感溢れるカメラワークと特殊映像技術も加わって、
ヒーロー映画史上の最高傑作と賞賛されるに値する映画となっています。

閉じる コメント(26)

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最近、評判のよい映画でもピンと来ないこともよくあるし、インディ〜では不覚にも途中寝てしまい(^^;記事にすらできなかった私で、最近、感覚がマヒしちゃったんじゃないかと真面目に心配していたのですが、本当に面白い映画にはちゃんと感動できるんだと確信できて嬉しかったです!?(^^; いやはや凄い映画でした〜;;;
で、ヒースのジョーカーの評判は事前に聞いていたのですが、これほどとは…;;; 素のヒースがどこにもなかったですね;;;
が、私的な一番のサプライズはアーロン・エッカート!! 彼、この映画でもっと評価されていいですよね。 実力をみせつけられましたよ〜;;;
私もこの映画は、もう一度映画館で観るつもりです^^。
TBさせてくださいね。

2008/8/9(土) 午前 10:07 kim

そうですか。この4人が現在の世界を凝縮して、表現しているようですね。怒りから正義に生き方を探した、バットマンの心境も良く分かります。同じような怒りが悪に導かれたら…。やはり、劇場で観たくなりましたね。娘がすでに観に行ってます。2時間半が長く感じなかったと言っていました。哲学にも通じる映画かもしれません。

2008/8/9(土) 午後 5:32 NZ_RR

これはどうしても早く見たくて、お盆休みの旦那に子供を預けて見てきました!大満足でした。ほんと、ヒースの素晴らしさはもちろん、それぞれがいい仕事してました(!?)もう一回みたい!と言いたいところですが、無理そうなので頭の中で反芻しておきます。相変わらずのへタレ感想ですがTBさせてくださいませ。

2008/8/14(木) 午前 0:30 キノ

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おっしゃるように、各キャラクター及びその周辺がうまく編みあげられた映画でしたたね。
たしかに普通のヒーローもの、と思ってい行くと困惑するかも。
現代性がいろいろ反映された作品で前作よりはるかにおもしろかったです。
ヒース・レジャーのジョーカーはただの怪物ではなく、
人間的でそこがとてもよかったです。
本当にヒースの死は残念です。
特撮技術の使い方もさりげなくてそこもよかったですね。
TBさせてくださいね。

2008/8/14(木) 午前 4:01 [ miskatonic_mgs_b ]

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奥がかなり深い映画だったんですね。
バットマンは子供向けの娯楽アクション映画だと勝手に思いこんでいました。
これなら大人が観に行っても恥ずかしくないかも。
でも重たい話は苦手だからなぁ・・・。

2008/8/15(金) 午後 0:16 [ - ]

アバター

おっしゃるとおり、普通のヒーロー物とは一線を画した凄い映画になってますね。
激しいアクションの奥に深いドラマがあって、痛快さよりも悲痛を感じます。
ヒースとアーロンのインパクトが強いけど、後の2人があってこそですね。
TBさせてくださいね。

2008/8/17(日) 午後 0:37 木蓮

先週の夜。息子と娘(2回目)を連れて行ってきました。完全に、コミックを越えていましたね。満足度の高い映画でした。ちょっと突っ込みたいところもありましたが、良しとしましょう…。

2008/8/18(月) 午前 7:26 NZ_RR

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くるみさん、本当に、この夏必見の映画です!この映画を観てる時だけは、この暑い夏を忘れることができました^^;ヒースを含めて役者さん達の演技の素晴らしさ、音楽、映像、どれをとっても大満足でした。

2008/8/18(月) 午前 10:28 [ nomad ]

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鉛筆猫さん、コメントありがとうございます!是非ご覧になったください!私にとっては、今年最高の映画でした。

2008/8/18(月) 午前 10:30 [ nomad ]

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恋愛映画さん、ヒースのメイク・・怖いです。演技も怖いです。今まで観たヒースは、どこにもいませんでした。完全にジョーカーそのものになってました。

2008/8/18(月) 午前 10:32 [ nomad ]

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cartoucheさん、ありがとうございます!確かにヒースのジョーカーは、極悪人なんですが、所々に、何故ジョーカーのように心がゆがんでしまったのか、本人の生い立ちを語るシーンがありましたね。真実かどうかは別として、『社会からの疎外感』『孤独感』は、まさに現代の犯罪者の心理と共通します。その辺のリアリティが、この映画の登場人物の心理を汲み取りやすくしていて、ジョーカーには共感できないにせよ、感情移入できる物悲しさがある気がしました。

2008/8/18(月) 午前 10:40 [ nomad ]

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くるみさん、こちらこそTBありがとうございました!

2008/8/18(月) 午前 10:41 [ nomad ]

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Choroさん、TBありがとうございました!本当にあの凄まじい演技のヒースが、もう観られないのかと思うと大きな喪失感に襲われます。残念です。先にも語りましたが、ジョーカーは、極悪人なんですが、所々に、何故ジョーカーのように心がゆがんでしまったのか、本人の生い立ちを語るシーンがありましたね。真実かどうかは別として、『社会からの疎外感』『孤独感』は、まさに現代の犯罪者の心理と共通します。その辺のリアリティが、この映画の登場人物の心理を汲み取りやすくしていて、ジョーカーには共感できないにせよ、感情移入できる物悲しさがある気がしました。

2008/8/18(月) 午前 10:45 [ nomad ]

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Kimさん、インディ〜では、途中で寝てしまいましたか(笑)
仰るように、この映画、本当によく出来てると思います。脚本、構成、映像、配役・・どれをとっても凄いです。ノーラン監督は、もともと凄いですが、この映画で不動の地位を確立した気がします。
また俳優は、もうこれ以上の配役はないでしょうし、それぞれがいい仕事してますよね。
アーロン・エッカートも『抱擁』の頃から注目してたけど、この映画では、ものすごく心に迫る演技をしていました。『ブラック・ダリア』でも壊れていく刑事役でしたが、この映画では、さらに進化していました。
ヒースの演技に触発されたのかもしれませんね。
昔、『サンキュー、ミスター〜』のPRで東京映画祭に来日した唯一の外国俳優でしたが、ほとんど無名だった、その頃から比べると、物凄い人気スターになりました!

2008/8/18(月) 午前 10:55 [ nomad ]

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nzさん、この登場人物の4人を通して、それぞれの善と悪、怒りを克服して善に生まれ変わる姿。怒りに憑りつかれて善から悪に落ちていく姿。何か人間の永遠のテーマを感じます。スターウォーズのダース・ベーダーの生い立ちもそうでしたが、人間はもともと無邪気に生まれているもの。怒り、憎しみという感情の恐ろしさを感じました。また、それに支配されてはいけないし、そういう感情を抱かないようにしないといけないと悟りました。ニコニコ笑って暮します(^^ゞ

2008/8/18(月) 午前 11:02 [ nomad ]

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Kinoさん、あい変らず素晴らしいレビューで感心しました!TBありがとうございます。本当に良い映画でしたね。これだけ完成度の高い映画は、近頃珍しいです。
正直、今までのバットマン(ノーラン監督以前)は、なんだったんだろうと思いました^^;(ジョージ・クルーニーのバットマンは本人もジョークにするほど駄作だったと認めてますね)
こちらからもTBさせてくださいね。

2008/8/18(月) 午前 11:09 [ nomad ]

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miskatonicさん、TBありがとうございました!あいかわらずの素晴らしいレビューと考察、いろいろ考えさせられました!
そうなんですよね。映像に関しても、CGがさりげなく使われてますが、実は凄い技術力に圧倒されましたね。ものすごく自然に見えます。新しいカメラ技術が導入されたようですが、画期的でした。
映像のみに頼らず、物語の主題もしっかりしていて、ノーラン監督の手腕と才能にあらためて驚愕しています。
ゴッサムシティ=シカゴというのも、現代社会とリンクしたリアリティを増幅していますね。これほどシカゴが魅力的?に描かれた映画もそうないと思いました。TBさせてくださいね。

2008/8/18(月) 午前 11:17 [ nomad ]

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zombieさん、子供が行っても、今までの単純なバットマンとは、違っているので、しかもジョーカー怖いし、泣いて帰ってくるのでは(笑)
重たいテーマではありますが、心にズシッと不快に残る重さではないので、大丈夫だと思いますよ。映像も素晴らしいですし、是非ご覧になってください。

2008/8/18(月) 午前 11:22 [ nomad ]

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もくれんさん、いやはやノーラン監督のバットマンは、素晴らしいです。今までのバットマンがなんだったのか^^;(ジョージ・クルーニおじさんも自分のやったバットマンのふがいなさは認めていて、たまにジョークの自虐ネタにしてますが(^^ゞ)TBありがとうございました!こちらからもTBさせてくださいね!

2008/8/18(月) 午前 11:43 [ nomad ]

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nzさん、さっそく観に行かれたのですね!満足されたようでよかったです;;ツッコミ所もあります→気になります^^;
インディー・ジョーンズでは、ツッコミまくりたい気分でしたが、この映画では、まあ。よしとしましょう。ですよね!

2008/8/18(月) 午前 11:46 [ nomad ]

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