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1998年に登場したHBOのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』は、
世界中の女性を虜にし、6年にわたって放送されました。
ドラマの核となる4人の女性、キャリー、サマンサ、ミランダ、シャーロットの生き様に
世の中の女性たちは、自分達の生活を重ねあわせ、
彼女達と共にドラマの中でお洒落な気分を味わい、恋愛し、悩み、感動したのでした。
その4人が映画になって戻ってきたのです。
あの18年ぶりに戻ってきたスーパーおじさん、インディ・ジョーンズをボックスオフィスで
登場一週間で2位に蹴落としたのですから、さすがの4人!
ウーマンパワーの凄さを見せつけられました。
もちろんこの4人の女性たちも、ドラマ開始当時よりは、大人になり賢くなっています。
ドラマの開始当時は、30代から40代だった4人。
まだまだ若く、なにも恐れずに自由奔放に恋愛、ファッション、仕事を楽しむ世代でした。
それから10年、彼女達は、様々な恋愛とファッションを経験し多くを学び、
大人になって帰ってきたのです。
ドラマが開始されたのは、10年前でしたから、
今の社会はドラマ開始当時とは、だいぶ様変わりしています。
ドラマが始まった1998年当時は、ITバブルが急上昇し始めた頃で、
2000年にかけてアメリカ経済は絶好調。
このドラマもそんな好景気の波にうまく乗って、
ドラマに出てくるゴージャスなブランド商品やリッチな生活で人気は急上昇しました。
やがて『セックス・アンド・ザ・シティ』は単なるドラマを越えて、
一つの社会現象といえるようになりました。
熱狂的なファンを世界中にもつ一方で、批判も多く、
この4人の女性達を、軽薄で、自己中心的で、物質主義者と毛嫌いする男性(女性も含む)もいます。
特に信心深いアメリカでは、セックス観の描き方に対し、宗教右派などから批判を浴びています。
また主人公達の行き過ぎた物質主義や、固定観念化した女性の描き方などに
フェミニストなどの間からも批判されています。
ドラマ途中で、ニューヨークを襲った悲劇9.11事件。
2001年の9.11事件以後では、オープニングのシーンからWTCのビルが消え,エンパイヤステート・ビルに。
4人の生活も様々に変化していきます。
ドラマ終了後4年が経って、映画になって再登場した今の世界は、
サブプライム・ローン問題に端を発する経済不安であふれていますが、
ボックスオフィスのトップを飾るこの映画の登場は、とても嬉しいニュースでした。
このドラマの多くのファンが、彼女達とともに成長していて、
今の暗い世の中もこの4人とともに乗り越えていける自信を映画からもらったような気がします。
40代から50代になった4人は、あいかわらず、複雑な都会で、
あれこれ悩みながら生きています。
この世代の女性が直面する様々な問題、恋愛関係、仕事、子育て、親の介護、不妊問題。
10年前に比べて、一つ一つのリスクは大きくなっていて、
様々な問題の決断は、より慎重になっています。
普通の恋愛映画なら、あえて触れないささいな問題にも、
この映画はまじめにかつ優しい目線で、ジョークをまじえながら扱っています。
一見、表面的にはゴージャスでブランド品に溢れたチャラチャラした映画のようでありますが、
真に描いているのは等身大の女性の様々な問題を、真面目に描いているのです。
いわば、物のわかる大人になった人達のための映画なのです。
私個人的には、ビッグとの結婚式の思わぬ展開に、涙が出てしまいました。
いつのまにか自分がキャリーに、感情移入しているからでしょうか。
映画を観ながら、キャリーと一緒に悩み苦しみ、何が一番大切なのかを発見できた気がします。
ミランダの微妙な立場も、私には印象深いものでした。
ミランダのいっぱいいっぱいの心情を、上手く演じたシンシア・ニクソンは素晴らしい女優さんです。
サマンサはあいかわらず仕切り屋さんだけど、頼りがいのある存在。
サマンサの最後の選択は彼女らしい生き方ですね。
シャーロットがビックにとった態度や、皆でメキシコへ旅行に行って
傷ついたキャリーを癒す様を観ていると、
この映画の一つの魅力は、4人の女友達の友情の素晴らしさ。
私ももっとまわりの友達を大切にしようと思いました。
映画の最後でキャリーが語るのは、彼女たちが求める本当のブランドは、
洋服や靴などの物質ではなくて、『本物の愛』という心のブランド。
頭に鳥の飾りとビビアン・ウェストウッドのゴージャスなウェディング・ドレスを着たキャリーよりも、ビンテージの質素でシンプルな白いドレスを着てはにかむキャリーはずっとずっと幸せそうでした。
しかし、なんといっても、この映画の一番の素晴らしさは、
ロマコメでありながら、4人のヒロインが、40歳を過ぎていること。
サマンサの50歳のバースディを皆で祝うシーンは印象的です。
今までのハリウッド映画になかった画期的なこと。
サマンサを演じたキム・キャトラルも一番好きなシーンだと言っています。
それ故に女性に圧倒的に指示されて、男性に倦厭されるのでしょうか?
この映画は、大人の女性(将来大人の女性になりたい人も含めて)に観て欲しい映画です。
サマンサのように、50歳も60歳もずっとその先の人生の節目となるお誕生日を、
こんな素敵な仲間と祝える人生が送れるようになりたいものです。
関連記事:
『セックス・アンド・ザ・シティ』は映画版ブランド年鑑?
http://blogs.yahoo.co.jp/catpurr03/55561608.html
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いよいよ、今日観にいってきます!
ドラマの最終回には本気でさびしいと思い、今回の映画には「再会」を喜ぶ気持ちでいっぱい。一緒に行く友人と観たいけど、観たくない(もったいなくて笑)と話してます。あの4人からパワーをもらってこなきゃ!
2008/9/2(火) 午前 6:38
Nomadさんのレビュー、惚れ惚れと読ませていただきました〜^^。
ほんと、お洒落テイストでありながらも、女性にまつわる様々な問題を取り上げた映画であり、ドラマですよね。
怖いもの知らずなサマンサがよもやの乳ガンにかかってしまうし、超多忙なミランダが子育てや介護問題で悩むことになり、赤ちゃんが欲しいシャーロットは不妊で…。
ブランドをまとい、ゴージャスに生きているように見えるニューヨーカーでも、同じように悩むんだと、逆に彼女達からパワーを貰えました。
が、ほんと仰るとおり、彼女達も誰かに支えられて生きているわけで、友人や家族、恋人など身近にいる人たちが何物にも変えがたいものなのですよね。
私もサマンサのように、幸せな50歳を迎えられるように、充実した毎日を送るように心がけたいです。
で、オープニングのシーンが9.11以降変わったのは知りませんでした;;;
いろいろなトリビアも有難うございます^^。
TB&ポチさせてくださいね。
2008/9/3(水) 午前 1:03
Sweetsさん、再会されたSATCいかかでしたか?彼女達の成長ぶりと自分とが重なって、本当に古い友人との再会のような気持ちになりました。この映画の制作話が持ち上がった時、サマンサ役のキム・キャトラルは、最初、乗り気ではなかったようですが、今は映画に出てよかったと語ってました。彼女の一番好きなシーンは、50歳のお誕生日のシーンだそうです。
2008/9/4(木) 午後 3:27 [ nomad ]
Kimさんから、ポチをいただき恐縮であります^^;実際、あのようなブランドだらけの生活は、ホテル王とでも結婚しないかぎり無理と思われますし、まさに女性が夢見るファンタジーですが、彼女達の悩みや、取り組んでいる問題は、実に身近な問題です。
実際、周りの友人達も、介護問題や子育て、離婚など、悩んでいます。これからも続編作ってくれて、あの4人組が、おばあちゃんになってもピンピンしている姿が観れたら面白いなと思いました。
本当に自分自身も、これから先、周りの人を大切に元気で充実した人生を送らないと!と改めて思いました。
自分の人生は自分で決めないといけませんね!
2008/9/4(木) 午後 3:43 [ nomad ]
いつもながら的確で素敵な記事ですね!
そうなんですよね。ゴージャスでセレブな生活だけれど、
悩みは私たちと変わらないっていうことろが幅広い支持を得ている理由でしょう。そうそう。そして年齢的にけっこう上だっていうことも私なんかにはツボ。もうこの際、@老人ホームまでやってほしいです見ますよ!!
・・がこれドラマをみてなかったので、懐かしさを味わえなくて残念でした。でも逆にいうと未見でもすぐにキャラが把握できるっていうのもこの映画の素晴らしさですね。ポチっ
あ・TBさせてください。
2008/9/4(木) 午後 6:46
なるほど〜リアルタイムでご覧になられた方の場合、やはりその社会現象がかなりドラマにも影響してきたのがわかるんですね!とても勉強になりました。(^^)
そうそう、これはただのファッションや恋愛だけがテーマでなく、女性なら誰もが遭遇するような悩みや環境、生活の変化などが盛り込まれているところが人気の秘密なんでしょうね〜
とくに今回はいままでだとあまり恋愛映画には登場しない40〜50代が主役ということで、益々注目度と人気度がアップしたんだろうな〜と思います。私も楽しめました!
ドラマは録画したので、ボチボチと観ていきたいと思います。(^^)
こちらからもTBさせてくださいね♪
2008/9/4(木) 午後 11:02
30代から田舎暮らしを始めたので、あまりこういうタイプの映画は興味がなかったのです。nomadさんも言うように、物欲主義者的で…(^^)でもですよ。この解説を読んだら、観ても良いかなという気にさせられました(爆)確かに、40代以上の女性は、人間的にも魅力的です…(^^)そういえば、サラ・ジェシカ・パーカーは、『スリー・リバーズ』の映画から知ってます。わたしも20代は、都会で暮らして文化的刺激に浸って、楽しんでいましたねぇ…(^^;
2008/9/5(金) 午前 6:30
このところ忙しくて見に行けません。ますます見たくなりました。♪Auld Lang Syne、良かったですか。
2008/9/5(金) 午後 7:50
男性でも非常に興味深い映画だと思うのですが、ひとりで映画館に入るのはなぜか気が引けます。週末は忙しいウチの奥さんをだましていっしょに連れて行こうをたくらんでいます。でも、その帰りにブランド品をねだられたらどうしようかと恐れてもいるのですが…(汗)。
2008/9/8(月) 午前 8:38
cartoucheさん、そうそう年齢的にツボでしたね!老人ホームの4人も観てみたいですね(笑)でもきっと、これまたゴージャスな老人ホームなんでしょうねぇ〜^^;
確かにドラマ観てなくても、この映画は充分楽しめますよね。脚本もうまく書けてたと思います。単なるコメディではなくて泣き笑いがあって、バランスのとれた映画でした。やっぱりアメリカのドラマ上がりの人は違いますね。アメリカ・ドラマ界のレベルの高さがわかります。TBありがとうございました。
2008/9/12(金) 午前 11:45 [ nomad ]
choroさん、ロングランのシリーズのドラマって、その時代背景が反映されてて、面白いですね。
この映画は、ドラマを観ていなくても充分楽しめますが、ドラマはドラマで面白いので、是非ご覧になって観てください。
この映画の人気は、扱ってる年代にも共感できる女性がたくさん世界にはいるということですね。
アメリカですら、社会的な女性の立場はまだまだ充分に男女平等とはいえないということも、男性社会から見たこの映画の評価から伺えます。またゲイの人達の生き方を描いていたり、そんないろんな要素が絡み合って、この映画が女性から圧倒的に指示されるのだと思いました。
2008/9/12(金) 午前 11:53 [ nomad ]
nzさん、この映画に出てくるブランド品の数々は、やはり女性の購買欲をそそります^^;デモ、それだけじゃないのが、この映画(ドラマ)の魅力です。ゴージャスな世界は、おまけみたいなもんです。
本筋は、40代〜50代の女性の自分の生き方。
自分で選択して生きて行きたいサマンサ。
本当に素敵な家族作りたいシャーロット。
旦那さんに一回の浮気でキレルけど、いろいろ悩み、自分のことを見つめ直すミランダ。
結婚という言葉に踊らされて、真実の愛が見えなくなっていたキャリー。様々は形の女性の生き方があって、年齢が上がれば、それぞれが超えていくハードルも高くなりますが、負けないで前向きに生きていく彼女達を観ていると元気がでてきます。
nzさんから見て、40代以上の女性が魅力的って、嬉しい言葉です(笑)
なかなかシタタカになってくる世代ですが、男性同様、人間としての深みが増してくるんですよね。そうなりたいと思いつつなかなか^^;
2008/9/12(金) 午後 0:02 [ nomad ]
シェルパさん、♪Auld Lang Syneは登場人物達がそれぞれ大晦日を過ごすシーンのバックに流れるんですが、台詞がなく、音楽だけなのですが、その場の雰囲気とピッタリあってとても印象的なシーンでした。大晦日の晩に一人でカップヌードルをすするキャリーや、バックで盛り上がっているパーティの片隅で、一人でディナーを食べるミスター・ビッグ。同じく一人で家で過ごすミランダ。家族と過ごすシャーロット。恋人と暖炉の前で、お酒を楽しむサマンサ。などなど・・
是非、ご覧になってくださいね!
2008/9/12(金) 午後 0:22 [ nomad ]
WANDERWALLさん、確かに映画館はカップルか女性ばかりでしたね。是非、奥さんとご覧になってください!40代以上の女性の新たな魅力を発見できるかも?
奥さんのお誕生日に、バッチリ素敵なブランド品をプレゼントすれば、たまの午前様の帰宅も許されるかもですよ(笑)
2008/9/12(金) 午後 0:27 [ nomad ]
実はあんまり興味がない感じだったんですが、今深夜に再放送をしていますよね。それを何気なく見たらおもしろいんですね!びっくりしました!
キャラクターや会話のあけすけな感じもおもしろいんでしょうけれど、会話のテンポや、とにかく細かく気の配られた小物、食べ物、ブランド。
すごく気のつかわれている作品ですね。そこがリアルさに一役買っているのかもしれません。
映画も見てみたくなりました。
2008/9/16(火) 午後 5:23 [ miskatonic_mgs_b ]
映画の雰囲気がよくわかる傑作レビューです!
なので、私向きではないことが一目瞭然!?
怖いもの見たさで見てみようか・・・
あ、やっぱDVDになってからにします。
2008/9/16(火) 午後 11:47 [ - ]
例によって、主人と行きました。途中で飽きて、いびきでもかかれたら困ると思いましたが、それなりに楽しめたようです。私は大満足でした。女体盛りなどちょっと?でしたが、テレビを見ていなくても充分楽しめました。4人の成長振りを定期的に映画にして欲しいと思いました。
2008/9/23(火) 午後 0:01
ANNEさん、映画のSATCなかなか、よくできてたと思いました。うちの旦那も笑ってたし、楽しめたみたいですよ。やっぱりアメリカは、TVドラマも本気で作ってるから、脚本が面白いですね。
社会的な背景も含めて、いろいろアメリカ文化を知りたい人には、面白いと思います。でもアメリカ男性には不評なんですが^^;
女性の社会進出問題も、アメリカはまだまだ閉鎖的ですが(もちろん日本はもっと酷い)この映画の女性たちを蔑視する風潮もまだあります。
2008/9/26(金) 午後 11:50 [ nomad ]