|
2016年最後のお出かけで、ソウルに滞在中。
ソウルには韓国の人口の2割以上が集中し、人口密度の高さも世界有数です。
なのでもう、街のそこら中に高層アパート(マンション)群が建ち並びます。
それでもまだまだ足りないようで、あちこちで大規模な再開発が行われています。
そんな再開発地区に行き当たってしまうと、仮設通路が限られ、歩行者は思いの外大回りを強いられます。
完成した高層アパート群の中を、とぼとぼと歩いていると、
リフト車が壁に取り付いています。スカイポーターというタイプかな?
どうやら引越し作業中。それにしても大胆な積み込み方(^^ゞ
廊下が狭い(置かれた物が多い?)とか、戸数の割にエレベータが少ない(小さい)などの事情がありそうです。
引越し作業はたまたま見かけただけで、これを見学しに来た訳ではありません。
お目当てはこちらの古色蒼然系アパート。
地下鉄4号線三角地(さむがくち)駅のすぐ東にある、その名も「三角マンション」。
ソウル市内に現存するものとしては、かなり古い大型集合住宅です。
全体は3棟で構成されているのですが、かなり入り組んだ造りです。
左の棟の上部に「A」、中央の棟には「B」と表示されています。 おそらくこの面がC棟。上の写真の右側です。
〔参考〕 会賢示範アパート
それにしてもこの外壁、築45年程度とは思えない見事なやれっぷり。
まあ無責任に鑑賞する側としては、「おお、映画に出てきそう〜」なんて喜んでしまうのですが。
三角マンションの西側には広い空き地があり、そちら側からだと全体が見られそうなのですが、がっちりとフェンスに囲まれ、覗けそうな場所が見つかりません。
この空き地、1968年に廃止されたソウル市電の車庫跡なのだとか。
地図上で確認すると、三角マンションもかつての車庫の敷地内にあるようです。
ただ、それ以上の開発がされず、空き地が残った理由はよく分かりません。
周囲をうろうろして、フェンスの低いところを見つけました。
手前の古い平屋の建物は、戦前、日系の「京城電気」が市電を運行していた頃に建てたものだとか。
三角マンションから近く、こちらもかつては市電車庫の一部だったと思える空き地に、日本式らしい家が残っています。
ちょっと洋風の入った、戦前の郊外住宅みたいな雰囲気です。
かつてソウル市電を運行していた「京城電気」の前身、「日韓瓦斯電気」の設立には実業家、渋沢栄一が大きく関わっていました。
渋沢栄一と聞くとつい、「田園都市」*を連想します。
この家が何時、誰のために建てられたのかは分かりませんが、京城電気に関係して「田園都市」の流れをくむものかも、なんて空想をしてしまいました。
*「田園都市」は渋沢を中心とする実業家グループが大正期に提唱した、「理想的な郊外住宅地」の建設を目指す開発計画とその事業。
郊外に向けて鉄道を敷設、その沿線に都市計画に基づく街を総合開発し、都心に通勤する層に向け「文化的で理想的な郊外住宅」を提供するというビジネスモデルでした。
現在に至るまで、日本の都市開発に大きな影響を与えています。
東京都大田区から世田谷区にかけての田園調布地区が、最も成功した事例といわれています。
建築から45年を過ぎ、老朽化の目立つ三角マンションと隣接する古い住宅。
更に裏手には未利用地。
このような条件が揃っているため、この一帯には再開発計画が策定されているようです。しかし、権利関係が複雑に絡み合い、一向に進展していないようです。
おそらくは行政との対立、利権を巡る争い、漁夫の利を狙う地上げ等々、様々な勢力がせめぎ合っているのでしょう。
背後に迫るオフィステル(高級タワーマンション)の手前に建ち続ける三角マンションが、得体の知れない何者かに抗する防波堤のように見えてきます。
戦前、戦後、現代(未来?)が交錯するような景色を収めたら、撤収です。
12月のソウルをふらふらしていると、さすがに冷えてきます。
なので暖をとろうと、金浦空港にやって来ました?
いえいえ、もう帰国の時間です。
12月 JL094便 金浦19:15⇒21:20羽田 B787-8 (JA825J) この便が2016年のラストフライト。
よろしくお願いいたします。
JA825J号機は、羽田⇒金浦、バンコク⇒中部、そして今回で3回目。
2016年の最多搭乗機となりました。
2016年のトリをとるのは、
「ちょっとした贅沢です。」
「出発準備、完了しましたっ!」
夜間便なので、出来る事があまりありません。
「なので、飲んだくれてますっ!」
あ、いや、そうではなく… (まあ、そうなんだけど…)
お楽しみは機内食。
蟹と湯葉の生姜酢、真魚鰹西京焼・鴨茄子巻・鱈子昆布巻・南瓜、焼鳥丼
とメニューにありました。
食後はぼーっと過ごしていると、
JL094便は、房総半島上空まで戻ってきました。
暗闇に浮かぶ点線は、東京湾を横切るアクアライン。
羽田空港D滑走路を横に見つつ、RWY34Lに着陸します。
JL094便は13分の早着でした。JA825Jくん、どうもありがとう。
「これにて、2016年のミッション・コンプリート!」
2017年の計画は、未だはっきりしないままです。
まあ、そのうち何か思いつくでしょう。
|
全体表示
[ リスト ]





こぶ〜さんらしい視点の記事ですね。しかも実際に行っているのが凄いです。
耐震性とかは、大丈夫か心配になりますが、地震が少ないから大丈夫って事になっているのでしょうね。
2017/1/8(日) 午後 11:55
とても興味深い記事です!
古い建物はもうしばらくは見る事が出来そうですね!
香港の九龍城や日本の同潤会アパートのようにいずれ取り壊されるのでしょう!
コンクリートの寿命と耐震性が気になりますが。
2017/1/9(月) 午前 7:38
いや〜素晴らしい。
京城時代の遺産がまだまだ点在しているんですね!
2017/1/9(月) 午前 8:53
リフトを使っての搬入にビックリ!!
日本なら柵で囲えとか色々規制がありそうですが、確かにあの大きさのソファーだとエレベーターや家に扉からと入れられないかも知れませんね。。
ソウルにはまだまだ古いアパートが残っているんですね!!
2017/1/9(月) 午前 10:36
新旧の集合住宅が混在する光景が、何とも言えず凄いですね。古い方の
外観はノスタルジックを感じると同時に、地震が起きた時の事も心配してしまいます。
2017/1/10(火) 午前 2:30 [ チョコパン ]
そうそう、高層アパート(マンション)を撮影すると、国の違いがわかりますよね。
夜便は飲むに限りますよね!
飲み友達が居ればホント楽しい機内です(笑)
2017/1/10(火) 午後 11:06
いちろうさん、こんばんは
なかなか日本では見られないタイプの集合住宅なもので、つい好奇心から足を運んでしまいます(^^ゞ
こことは別の古いアパートでは基礎にかなり段差がつき、耐震性が相当気になる状態でした。
地震が少ない土地柄なので大丈夫なのかと思いますが、やはり気になってしまいます。
2017/1/14(土) 午後 10:23
りかおんさん、こんばんは
ソウルの再開発はかなり大規模かつ大胆、突然なので、実際に見学に行ったら取り壊し後という事が幾度かありました(^^ゞ
筐体の状態は確かに気になるレベルに見えました。メンテナンスもありますが、気温差が大きいのが影響するのかもしれません。
2017/1/14(土) 午後 10:30
JGC修行僧さん、こんばんは
単年に探すと、ソウルにはまだまだ古い物が残されているようです。
ただ再開発のスピードが早いので、ある日突然フェンスに囲まれてしまう事もあります。
建っているうちに見に行きたいのですが、なかなか思うにまかせません(^^ゞ
2017/1/14(土) 午後 10:34
大魔王さん、こんばんは
リフトでの引っ越し、ドラマでは見ましたが実際に見るのは初めてでした
下には一応警備員さんがいるのですが、その横を普通に人が通り抜けて行きました(^^ゞ
この手の古色蒼然物件がソウルにはまだ残っているようなので、また見に行けそうです
2017/1/14(土) 午後 10:39
チョコパンさん、こんばんは
そうなんです。新旧の集合住宅が重なる風景がソウルらしいと勝手に思っております(^^ゞ
古い方はおそらく日本の耐震基準は通らないでしょうが、地震の少ない土地柄なので現存する事が出来るのかと思います。
2017/1/14(土) 午後 10:43
モルシマさん、こんばんは
そうそう、高層アパートの風景にも、土地柄とかお国柄が垣間見えますよね。
なかでもソウルの新旧混合が、気になって仕方ありません(^^ゞ
夜間便は窓の外はまっくろくろたんなので、ついあっち方向に走ってしまいます(笑)
2017/1/14(土) 午後 10:48