こぶ〜がふらふら

9月からはこちらでぽつぽつ書いていこうかと… https://ameblo.jp/ccobouex

雑記帳みたいな

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先日、ソウル市内の地下鉄に乗車していると、
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ちょっと気になる車内広告がありました。
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文章は、「勝ち抜く。進む。(サッカー選手が広告モデル)
Since 1933 大韓民国 鎮痛消炎剤
アンティプラミン」
のようです。

「Since 1933」とは相当な老舗です。これって一体…




看護婦さんといえば、何といっても「リトルナース」ちゃんの「メンソレータム」。

初代は1920年代の米国で広告などに登場しましたが、現在の絵柄は1951年に日本で復活した、二代目リトルナースちゃんです。
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「メンソレータム」は、1894年に米国のアルバート・A・ハイドが開発した鎮痒消炎剤。

アジア圏で古くから用いられる、「薄荷」と「樟脳」の鎮痛消炎効果に着目して開発されたと云われています。
初期の広告では東洋趣味を色濃く打ち出したものもあり、もしかすると「東洋の神秘」みたいなイメージがあったのかもしれません。




ところで、「アンティプラミン」の「看護婦さん」は、ちょっとお姉さん?
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こちらの看護婦さんの登場が1961年なので、様々な憶測を呼びがちですが、そちら方面に深入りするつもりはありません。
(現在の呼称は「看護師」ですが、この絵柄には「看護婦さん」が似合います。)


「アンティプラミン」を開発したのは、1895年生まれで、僅か9歳で渡米したという異色の経歴を持つ「柳一韓(ゆ いるはん)」。

柳一韓は1926年に帰国し、「柳韓洋行(ゆはんやんへん)」を設立。
医薬品の輸入販売などを手掛けますが、庶民にも手の届く医薬品として、1933年に「アンティプラミン」の製造販売を開始。

以来現在に至るまで、「国民的医薬品」として親しまれ続けています。
ちなみにこちらも「メンソレータム」と同様に薄荷、樟脳が主成分です。





実は「メンソレータム」と日本の関係は古く、米国生まれのウィリアム・M・ヴォーリズ(後に帰化)が設立した「近江セールズ社(後の『近江兄弟社』)」が、1920年に日本での輸入・販売権を取得。1931年からは国内での製造を開始します。

ところが近江兄弟社は、いわゆるオイルショックの影響から1974年に経営破綻。
「メンソレータム」の製造・販売権を失ってしまいます。



翌1975年に、「ロート製薬」が「メンソレータム」の製造・販売権を取得。
更に1988年にはロート製薬が米国「メンソレータム社」を買収し、現在に至ります。
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一方、元祖「メンソレータム」の近江兄弟社は会社更生法の適用を受け、経営を再建します。

「メンソレータム」の略称として、1967年に商標登録済だった「メンターム」という名称を使い、1975年に「メンタームS (近江兄弟社メンターム)」の製造を再開します。
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「メンターム」のキャラクタ「メンタームキッド」は、ギリシャ神話のアポロンを題材にしているのだとか。



あれ、「メンソレータム」の略称なら、語感としては「メンタム」のほうが自然では?

実は1950〜60年代頃、「○○メンタム」という名称の後発(ジェネリック?)品が大量に出回っていて、「メンタム」の商標登録が難しかったようです。

また、後発品の中には「メンスター」とか「ペンタム」、「ペルメル (それは英国製煙草では?[米国名 ポール・モール])」などという珍名もあったようです。
いっその事、「めんそーれー」とかは無かったのかなあ。

しかも当時のパッケージデザインには、美女や看護婦さんが百花繚乱(^^ゞ
今ではちょっと考えられないカオス状態だったようです。
「アンティプラミン」、充分な許容範囲内と思えます(笑)




閑話休題。

「メンソレータム」のアルバート・A・ハイド、
「アンティプラミン」の柳一韓、
「近江兄弟社」のウィリアムズ・M・ヴォーリズ、

三人の創業者には薄荷、樟脳を使用する鎮痒消炎剤の製造販売という枠を超えた、もうひとつの共通点がありました。

それは三名とも敬虔なキリスト教信者であり、「ミッション(使命)としての事業活動」、すなわち単なるお金儲けではなく、社会貢献のための事業展開を志したのです。

自分の収益の殆どを、地域に還元し続けたアルバート・A・ハイド。
「会社は社会のもの」として、財閥化(同族経営)を頑なに拒んだ柳一韓。
学校の設立と、教育活動に力を注ぎ続けたウィリアムズ・M・ヴォーリズ。

世知辛い21世紀の現代にあっては、かつての米国系プロテスタントが夢見たナイーヴさなんて殆ど残滓なのかもしれませんが、その昔、夢と希望と理想を追った実業家たちが居た事を、薄荷と樟脳のスースーする残り香に感じたりするのでした。


え、清朝末の1870年代に販売開始と云われる「虎標萬金油 (タイガーバーム)」と、キリスト教系「メンソレータム」たちとの関係性?
うーん、それはいささか難し過ぎる問いかけです(笑)




そういえばまだ子どもだった頃、プロテスタント系キリスト教会に縁があったもので、近江兄弟社の「メンソレータム」はとても身近な存在でした。

更に1953年に販売が開始された「大塚製薬」の「オロナイン」と、1918年に米国で発見された「マーキュロクロム液 (通称 赤チンキ)」は、家庭常備薬の筆頭格でした。

本当に、「『昭和』は遠くなりにけり」というものです。



閉じる コメント(14)

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やっぱりメンタムと赤チン、H軟膏はおばあちゃん家の常備薬でしたよね!

2019/3/2(土) 午前 1:57 JGC修行僧

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メンソレータムって最近使わなくなりました。近江兄弟社がやっていけるのか心配になります。

2019/3/2(土) 午前 6:34 いちろう

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めんそーれ、メンソレータム、メンタムの違いが良く分かりますました!

2019/3/2(土) 午前 7:20 りかおん

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子供の頃よく見た薬ですね!

2019/3/2(土) 午前 7:31 さもん ほうさく

大痔主の私はオロナイン軟膏の効能から痔という文字が消えてから10年はたつと思います( TДT)ヾ(*T▽T*)

2019/3/2(土) 午後 5:08 [ ファンキー五郎 ]

京都におりますと、近江兄弟社もヴォーリズもとても身近な存在です。メンソレに赤チン、必ず薬箱に入っていましたね。

2019/3/2(土) 午後 8:36 ずんこ

メンソレータム、日本の会社と思ってました〜笑笑

2019/3/5(火) 午後 5:15 [ うろつきPLUS ]

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JGC修行僧さん、こんにちは
ソウル市内で意外なかたちで、昭和の時代の常備薬を連想してしまいました。
赤チンは金属を含むので見なくなりましたが、オロナインとメンタムが現役なのは驚くべき事です。

2019/3/7(木) 午後 2:39 こぶ〜

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いちろうさん、こんにちは
再建後の近江兄弟社は堅実な経営と商品展開で、結構安泰なようです。
こんなところからも、「昭和」が遠くなるのだなと感じてしまいました(^^ゞ

2019/3/7(木) 午後 2:42 こぶ〜

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りかおんさん、こんにちは
メンソレータムの略称が、メンソレ派とメンタム派に分かれるのがちょっと意外でした(^^ゞ
100年以上に渡って愛用され続けるというのも、すごい事ですよね。

2019/3/7(木) 午後 2:45 こぶ〜

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さもんさん、こんにちは
昭和の時代の薬箱には、あとビオフェルミンと正露丸があったら完璧でしょうか。
どんな傷にも「取りあえず軟膏塗っとけ」って今から思えば大胆です(笑)

2019/3/7(木) 午後 2:48 こぶ〜

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ファンキー五郎さん、こんにちは
昔は何があってもメンソレータムかオロナインで済ませていましたよね(^^ゞ
時代と共に適用される効能が減るって、考えてみればとても不思議です(笑)

2019/3/7(木) 午後 2:50 こぶ〜

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ずんこさん、こんにちは
ヴォーリズは関東圏では知名度がそれ程でもありませんが、今から100年も前に近江八幡の地に腰を据えた縁が、不思議に思えます。
100年も愛される常備薬って、かなり凄い事ですよね。

2019/3/7(木) 午後 2:54 こぶ〜

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うろつきPLUSさん、こんにちは
100年の間の紆余曲折があり、メンソレータムは現在、大阪のロート製薬です(^^ゞ
しかも、更に元を辿るとタイガーバームに行きついてしまうという…

2019/3/7(木) 午後 2:57 こぶ〜


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