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ヒットメーカー、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹(以下 ホン姉妹)が脚本を担当したホラーコメディ、「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐね てやん] 2013 SBS (水木)」を、お題にしています。
相変わらずあまりにマニアックで細かな事柄ばかりですが、どうかご容赦ください。
また、ここからネタバレ気味での進行となる事を、予めご了承ください。 ホン姉妹脚本のドラマの特徴として、ドラマ外(現実、画面のこちら側 [以下 外部])からの引用や言及が多い点があります。
もちろん脚本のみではなく、演出等を含めた完成形での特徴です。
例えば、国際的に有名なサッカー選手を出迎えるというシーン。
待ち受けるファンが掲げるメッセージに『大好きです』、『結婚おめでとうございます』(警備員で見切れてる… )など、日本語を混ぜています。
移動カメラでの一瞬ですが、中国語も確認する事が出来ます。 日本や中国にもファンが居る人物である事を指し示します。
「귀신 鬼神(くぃしん)≒幽霊」(以下 幽霊)に悩まされるヒロイン、
テ・ゴンシル = テヤン(コン・ヒョジン 俳優名 以下同)のTシャツロゴが「HOLLY」。
「聖なる」の HOLY ではなく HOLLY、おそらく「魔除けの柊」と思われます。
更に、テヤンのルームウェアには 「JESUS SAVE ME」 とプリントされています。
幽霊に悩まされるあまりに、着るものまでお守りと化しているのでした。
ついでにもう一枚。職場から放り出されそうなので、その前に身を引こうと…
テヤンに忍び寄る、カーテン(ここではシーツ)越しの怪しい影。
言わずと知れた、古典的サスペンス映画「サイコ (Psycho) 1960 」です。
(お馴染みのあの 耳障りなメロディ♪キィキィキィ キコ〜 こそ流れませんが)
こうしたつくり方をするため、ストーリーと BGM が密接に関係する場面があります。
ところが、このシリーズ「 その1 」で示した、楽曲使用料低減のため曲を差し替える日本版では、差し替えが理解を難しくしてしまう場面がありました。
とりわけ残念だったのが第6話、孤独な青年と軍用犬を巡る物語。
既に各方面で多くの方が指摘されていて今更なのですが、自分なりの残念感を少しでもお伝え出来ればと思います。
兵役中の孤独な青年キム・ヒョンチョルは、軍用犬ピルスン(必勝)だけが唯一の友だちでした。
ところがある日、ピルスンは用途廃棄とされ安楽死処分。
唯一の支えを失ったヒョンチョルは自暴自棄になり、軍を脱走してしまいます。
ピルスンは、幽霊犬となってもヒョンチョルの事が気がかりで、彼の更なる暴走を防ごうと、(幽霊が見える)テヤンのところにやって来ます。
テヤンには幽霊犬ピルスンが見えていますが、左端のチュ・ジュンウォン = チュグン(ソ・ジソプ)には見えません。チュグンが持つのはピルスンの首輪。これが後程… 犬が居るみたいだと皆が捜索に駆り出される中、保安室長のカン・ウ(ソ・イングク)がテヤンに訊ねます。「イヌを見たと、さっき社長(チュグン)に言ってましたが。」
幽霊犬なので自分にしか見えない事を言えないテヤンが、「イヌじゃなくて、イスを見たんです。」みたいな返しを字幕の上でします。
この会話、「개(ケ=犬)じゃなくて、걔(キェ=その子)がいたんです。」なのだとか。
韻を踏むような言葉遊びは、難しいですねえ。
ピルスンは(首輪を通じ?)チュグンの夢に現れ、ある強烈なイメージを残します。 3′42″から、金色の衣装の女性たちが次々と現れ、「Nobody」 と歌い踊ります。
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
(06-06)
この時、夢の中で流れているのが、Wonder Girls の 「Nobody」。
ミニドラマ仕立ての MV のため、曲が始まるのは 2′00″頃からです。
ところがこの場面の曲が、おそらくドラマとは関係の無い SHINee の 「Haru [ハル]」 に差し替えられてしまいました。
この差し替えが BGM だけに留まらず、後の展開に大きく影響してしまいます。
チュグンが見た夢をテヤンに説明するため、スマートフォンに曲名を音声入力。
セリフは元のまま「ノーバディ」なのに、字幕だけが「ハル」。 長文ならばともかく、「ノーバディ≠ハル」のひと言は違和感だけが強く残ります。
ヒョンチョルが楽しかった瞬間を回想し、ピルスンと 「Nobody」 を歌いながら踊る場面もぐだぐだになってしまいました。
1′45″から、ヒョンチョルの回想シーン、(06-08)
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。) 1′45″
ピルスンに、「軍人らしく、ひとつは好きなガールグループがなくっちゃな。」
あのー、「Haru」 を歌う SHINee は、ボーイズバンドなのですが…
そして、先輩からの理不尽ないじめに耐えたヒョンチョルが、
2′57″
ピルスンに慰められ、「ピルスン、お前しかいない… 『 Nobody Nobody But You 』」とつぶやくセリフが、ことごとく意味不明になってしまいました。
行きがかりから、銃を持つヒョンチョルと単身対峙してしまったチュグンが、説得を試みますが、ここでも「ノーバディ≠ハル」の違和感が出てしまいます。
0′40″ 「(ピルスンが) 『 Nobody 』を好きなのは、お前の好みか?」
「ああ、俺たちは『 Wonder Girls 』の大ファンだから… 」 (06-10)
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
2′10″チュグンはヒョンチョルを説得し、投降させます。
3′40″護送車に収容されるヒョンチョルに向け、「Nobody」 が大音量で流れます。
4′50″実はヒョンチョルの投降直後、チュグンはヒョンチョルに、
「友達が死んでしまった犬だけではな。戻って来たらウチで働け。これはピルスンとの約束だ。」
という言葉をかけていたのでした。
「Nobody」 を使った意味が、このセリフに集約されている気がするのですが…
「Nobody」 の歌詞、「I wont nobody nobody but you」 は、ラブソングの定番フレーズ「他の誰でもない、あなたでなくちゃ駄目」ですが、孤独なヒョンチョルに向けられた、「君でなくては駄目、君にいて欲しいんだ」というメッセージでもあるのでした。
個人的には意図的に誤認して、「誰もいない、けれど君がいる」とか聞き取りたくなるのです。
孤独な青年キム・ヒョンチョルを好演したのが、ホン・ウォンピョ(홍원표)
この方は舞台俳優のようですが情報がとても少なく、ネット上には割と最近のモデル写真が数点あるのみでした。あまり積極的に活動していないのでしょうか。
ヒョンチョルが立てこもる家具店。
やはりスポンサー企業でした。
日本のテレビドラマでは、スポンサー企業を想起させる場所や物での事件・事故を避ける印象がありますが、韓国ドラマではあまり気にしないのでしょうか。 まあ確かにそんな事を言っていたら、事件・事故、犯罪が頻発するマクチャンドラマ(あり得ない設定の愛憎復讐劇)のスポンサーがいなくなってしまいます。
ワンパターンだけれど、
つづきは、あるのかなあ。
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日本の映画で使う車って、エンブレムが隠されることが多くなりましたね。再放送に向けての対策ですかね。(笑)
日本のテレビは、いろいろなことを忖度しすぎですね。
2019/6/8(土) 午前 10:37
いちろうさん、こんばんは 返信が大変遅くなり申し訳ございません。
日本でのドラマスポンサーは、放送枠に対してのものなので、
将来対策として、予め過剰な配慮をする傾向にあるようです。
それが作品の質にまで、影響していないと良いのですが(^^ゞ
2019/8/17(土) 午後 8:28