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ヒットメーカー、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹(以下 ホン姉妹)が脚本を担当したホラーコメディ、「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐね てやん] 2013 SBS」では、「キャンディ・キャンディ」 *1 に頻繁に言及すると書きましたが、文章にまとめるのが難しく、以下のような脚注でお茶を濁しました。
*1 「キャンディ・キャンディ」
水木杏子原作、いがらしゆみこ作画の1975〜79年のコミック、並びに1976〜79年の TV アニメ。 韓国ドラマのストーリー構造に大きな影響を与えた。 「主君の太陽」ではその構造について、「キャンディは… 」等のセリフを通じ頻繁に言及する。 とりわけ16話では、「キャンディ構造」の可能性と限界について詳細に論じている。 また、正式な題名は「キャンディ♥キャンディ」だが、ここでは便宜上「キャンディ・キャンディ」または「キャンディ」と表記する。
今回、何処まで具体化出来るか分かりませんが、取りあえず始めてみます。
尚、説明の性質上ネタバレでの進行となる事を、予めご了承ください。
実は、自分でも書いておきながら、かねてより疑問に思っている事がありました。
上の脚注で「『キャンディ・キャンディ』が、韓国ドラマのストーリー構造に大きな影響を与えた」という箇所です。
例えば、かの記念碑的ドラマ、「冬のソナタ 겨울연가 [冬恋歌] 2002 KBS2」が、「キャンディ・キャンディ」の影響を受けていると言われたりします。
しかし、具体的に何処にどう影響しているのかを問い始めると、正直なところよく分かりません。むしろ考える程に分からなくなってきます。
ドラマ序盤、不貞腐れた転校生カン・チュンサン(ペ・ヨンジュン 俳優名 以下同)が、何となく「キャンディ」の「テリウス(テリィ)」をイメージしているとは分かります。
でも、テリィのやさぐれの主な原因は、堅苦しい英国貴族の庶子である事。
しかも、わざわざアメリカまで会いに行った女優の実母に冷たく突き放され、やさぐれ度を加速させています。
そうした要因から積極的に人を寄せ付けない、「ローンウルフ」型になっています。
対するチュンサンは、不在がちとはいえ母親は健在。
亡くなったとされる父親について、誰も何も語らない事がやさぐれの主な要因。
寡黙な原因が「ソウルからの転校生」という現状にある、典型的な「転校生」型です。
うーん、これでは話が進まない。キャラクタ類型では無さそうだとは分かるけど…
実はこの件に関し、答えらしきものはあっても上手く文章になりません。
なので、一旦「キャンディ・キャンディ」に戻ります。
「キャンディ・キャンディ」が、戦後日本の「女の子如何に生くべきか」に最も影響を与えたと云われる、「赤毛のアン」を下敷きにした事は割と知られています。
駅で見かけたクリニックの広告。院長が「赤毛のアン」の大ファンだと分かります。
更に、グリーンゲイブルズ=緑の切妻屋根を左の絵が示しています。 それでは「赤毛のアン」を書いたL・M・モンゴメリが始まりかというと、こうしたお話の系図は更にさかのぼり、「シンデレラ」や「白雪姫」といった昔話に行き着きます。
どちらをお題にしてもいいのですが、「シンデレラストーリー」という言い方がある位なので、ここでは「シンデレラ」の構造を見直してみます。 「わたくしを、呼びましたかっ?」
まず始めに、とても有名な「シンデレラ」のお話は、ディズニーが1950年にアニメ版を製作する際、映像化に向かない要素を一部変えたり省いたりしています。
それが構造を分かり難くした所があります。以下その補足も含めて。
エラの父には多くのバージョンがありますが、総じて影が薄い。
良くて木の枝をお土産にくれる位、悪役の場合すらあります(上記の大公など)。 ディズニー版では、(継母のいじめを発動させるため)あっさり退場。 この「父性原理の不在」も掘り下げると結構面白い… (「キャンディ」も同様です)
継母と義姉がエラをいいようにこき使うのは、よく知られています。
ここで重要な点が、エラの「台所の灰」まみれの様子を嘲り、シンダー(灰まみれの)エラ=シンデレラと呼ぶ事。これが「真の名」を奪う、あるいは隠してしまいます。 また、「台所の灰」(シンダー)もポイントです。
火を扱う「かまど」は元々異界と親和性があり、その灰が「本当のエラ」を覆い隠し、シンデレラという仮の姿で継母や義姉を欺き、エラを保護しているのです。
もし継母がシンデレラの「本当の姿」を知ったら、何処かに売り飛ばしかねません。
(関係無いけれど「シンデレラストーリー」という表現、いささか逆説的です)
日本の昔話「姥皮」で、婆姿となった娘が火焚きとして長者の家に住み込む、「千と千尋の神隠し」で、名前を奪われた千尋が釜爺の所に行くのも、同じ構造です。
もうひとつ、義姉はディズニーアニメ版では戯画化されますが、「美貌が自慢」という設定のほうが多いようです。
「魔法使いが変身させ」、「魔法の制約により、00時の鐘で元に戻る」という設定を採用しています。まあこちらの方が、ドラマ的には盛り上がります。
本来的には、シンデレラが灰を落とし、『本当のエラ』として舞踏会に出席。
同じ舞踏会に出席している継母と義姉は、『本当のエラ』に気付かない。 なので『シンデレラの労働』をこなすため、自発的に『仮の姿』に戻るのです。 ところがディズニー版だと「魔法によるかさ上げ−変身の有効時間は短い」と取れてしまい、「本当の自分」を取り戻す過程だと分かり難い気がします。
(どこまで意図的かは分かりません。あくまで個人の感想です)
これでとうとう大団円。
有名な「ガラスの靴」のシーンは、「3-4 課題とその達成」の達成部分。 実は、「本当の『エラ』を見た」王子さまが、どんな行動をしても構いません。
要は「本当の姿を見た者」が、今までとは異なる行動を起こし、シンデレラを取り巻く状況が変化すればいいのです。 ディズニー版の「ガラスの靴」場面が盛り上がるのは、王子さま側の物語における「課題とその達成」、「真のお妃(エラ)探し」が上手く導入されているためです。
なので周囲の大騒ぎに比べ、シンデレラにはどこか醒めた態度を感じます。 「だ か ら わたくしを呼びましたかっ?」
実はシンデレラにとり、王子妃となる事は割とおまけで、どちらでもいいのです。 せいぜい「新たな場所に出発する」きっかけに過ぎません。 何故なら、「何が何でも王子さまと結婚!」を目標に入れたら、王子さまを美貌で惑わす悪女となりかねず、最終的に高い対価を支払う、それが目的の継母や義姉と同類になってしまいます。
もうひとつ、男の子受けしそうな「英雄話」では、構造は同じでも「越境、試練、誘惑」など、外からの課題要求がより強調され、そこに「父性の無効化」が含まれます。
その点が、元から「父性」の弱い「シンデレラ」や「キャンディ」と異なります。
また、英雄は「貴種流離(隠された王子)」型が多く、「既に備わる(隠された)力」の解放、或いは制御、すなわち有効活用が課題達成の中心です。
これに対し「シンデレラ」型では、日々の労働−課題達成の反復による能力の向上がより強調されます。
「仕事がまだ残っているので」と舞踏会を立ち去るような、シンデレラって意外と生真面目で努力家なのです。
全くの余談ですが、19世紀末に日本に「シンデレラ」が初めて紹介された頃、異国風の名前は馴染まないとして、「おしんの話」として翻訳された事があります。 一世を風靡した1983〜84年のドラマ「おしん」と、奇しくも同名。 単なる偶然か、如何なる縁があったのかはよく分かりませんが… 「シンデレラ」の構造を見たところで、再び「キャンディ・キャンディ」に戻ります。
基本的構造は同じですが、物語が反復するため、要素が少し増えます。
まずは出だしから。
「ポニーの家」で暮らすキャンディス・ホワイト(キャンディ)には、家族がいません。名前も、ポニーの家の院長が付けてくれたものです。 実は「キャンディ」のお話は、これでほぼ半分が完成しています。 いわゆる「起承転結」の「起承」。
また、この展開が、格好良く言いたいのでビルドゥングスロマン、成長物語である事を示しています。
1.物語の発端とその背景 ♪ちゃららちゃっちゃっちゃーん♪
出発準備完了といったところです。
そうなんです。成長物語って、まんまロールプレイングゲーム。 あらかじめ欠落の多い主人公が、欠落を埋める、あるいは取り戻す旅に出て、風変りな空間を経て、新たな人やモノなどに出会い、段々と成長する訳です。
再びキャンディのお話、
成長物語、実はこれでほぼ一周。
3.到着した場所 敵の姿が次第に明らかになり、自らの使命も見えてきます。
そこに仲間が加わり、新たな避難所も見つかるという進行です。
「♪ちゃららちゃっちゃっちゃーん♪」
特に「3-4 課題とその達成」、「それを受けてキャンディがする事」を往復します。
また避難所は、所属がはっきりしないだけに絶対安全とは限らず、一時的庇護者が実は悪者(あるいは敵)とか、悪い呪文(呪い)をかけられてしまう事もあります。
こうしてレベルアップにひたすら励んだら、いよいよ迎えるクライマックス。
5.本当の姿を見た者、あるいは真の名を知る者 ストーリーに則すと、
長々とした説明が難しい漫画やアニメで、サクリファイスに意味を持たせるのは大変ですが、このくだりは上手く出来ているなと思います。
なので少し横道ですが、この件について考えてみます。
アンソニーが「本当のキャンディ」を求めるだけなら、彼女を追って自らメキシコに出向くなど、直接的に行動すれば済みます。
ところがアンソニーは、ブラウン家の長男というポジションを捨てられないため、一族の長、アードレー家のウィリアム大伯父に解決を委ねるしかありません。
しかもアンソニーは、元からオリジナリティを欠く存在として登場しています。
容貌と呪文は「丘の上の王子さま」、贈与アイテムもアードレー家に関する事柄。
この点が、アンソニーの行動力の弱さをあらかじめ示しています。
本来こうしたポジションは「影(シャドウ)」役の場合が多く、「影」は実体が薄いため、サクリファイス向きではありません。
ところがキャンディが、「アンソニーはアンソニーだから好き」という強力な呪文を放ち、「丘の上の王子さま」の「影」である事を封じてしまいます。
更にアンソニーを悲劇的にするのが、彼なりに頑張った点。
自分の誕生日を知らないキャンディの誕生日を決め、自分が品種改良したバラを「スイートキャンディ」と名付け贈ります。
ところがこれが、「仮の」誕生日に例の「バラ園」で「改良」したバラ、しかもその名がキャンディからの「借用」。
意地悪な作者により、ここまで追い込まれてしまう可哀想なアンソニー。
キャンディが新しく得た「アードレー」という名前−地位の代償を、自らが支払う事になってしまいます。しかもその場がお披露目会という皮肉(いえいえドラマチック)。
こうしてキャンディは、アンソニーの支払った代償を受け、ロンドンに旅立ちます。
そしてロンドンに向かう船上で、蔭のある美少年テリウス(テリィ)と出会い、物語は第2部に入るのです。
物語は更に先へと続きます。そうだ、テリィは上でちらっと書いた「影」の要素を併せ持つキャラクタなので、行動がより謎めいて複雑です。
「キャンディ・キャンディ」について長々と書いてしまいましたが、韓国ドラマに与えた大きな影響とは、こうしたビルドゥングスロマンの教材という意味に思えるのです。
例えば「冬のソナタ」を象徴するようなアイテム、「ポラリス(北極星)のネックレス」。
この場面はドラマ終盤。チョン・ユジン(チェ・ジウ)が落とし、壊れてしまいます。
これだけで、カン・チュンサン(ペ・ヨンジュン)との別れを予感させます。
何故ポラリスかというと高校時代、合宿中に迷子になったユジンをチュンサンが見つけ、「迷った時にはポラリスを探すんだ。」と教えます。
10年後、ユジンの勤めるデザイン事務所の名前が「ポラリス」。
ユジンからポラリスの話を聞いたイ・ミニョン=実はチュンサンが、ふたりで出掛けた雪山で、「ポラリスのネックレス」をプレゼントします。
とまあ見事なまでに、異界−一時的庇護者−呪文と贈与アイテムという組み立てを、「ポラリス」ひとつで繰り返しやってのけます。
しかもこの後も、「(ポラリスがあるから)帰り道は必ず見つかる」とか「僕がきみのポラリスになる」等々、呪文かけまくりです。
「主君の太陽」、チュ・ジュンウォン=チュグン(ソ・ジソプ)が、テ・ゴンシル=テヤン(コン・ヒョジン)にお守りとして渡そうとする、「テヤン(太陽)のネックレス」。
この渡し方のあいまいで複雑なところが、異界に対する捉え方(考え方)の差を示し、後々起きる出来事での捉え方の差を暗示します。
そしてクライマックスでは、互いが支払うべき対価を象徴し、本物と偽物を区別するアイテムとして機能します。
関係ありませんが、日本のドラマは長さの関係もあるのか、こうした呪術的なモノの受け渡しがあまり得意ではないように感じます。
逆に韓国ドラマでは、技術者らしい言動、警官らしい言動、などの役職的表現が苦手に見えます。まあ、得手不得手があるのは当然ですが。
こうした視点に立ってドラマを観ると… 実は結構、楽しめません(笑)
お話はお話として楽しめば良いものを、すっかり艶消しにしてしまいます(^^ゞ
くだくだと長いだけの文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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「主君の太陽 2013 SBS」第16話で、キム・グァンソクの曲「愛という理由で」が差し替えられていまい、残念だと話題にしました。
そこからキム・グァンソクに関し延々と続けそうになったので、こちらに稿を移します。
何処まで続けられるかは、体力次第?
キム・グァンソクの曲が印象的に使われたドラマとして、まず最初にあげるべきは、やはり「응답하라1994 [応答せよ1994] 2013 tvN」でしょうか。
特に第12話、中心的に使われるのが「사랑이라는 이유로 [愛という理由で]」。
この回は内容が象徴的な事もあり、ちょっと特別かもしれません。
何故そんなに細かいかというと、「三豊百貨店(삼풍백화점)崩落事故」が発生した瞬間なのです。
犠牲者は502名。937名が負傷し、6名の行方不明者を出す大事故でした。
上のクリップでは、あっさりと流れるのでちょっと分かりにくいのですが、
0′58″楽屋入口の表示、
「슈퍼 콘서트 김광석 님 [スーパーコンサート キム・グァンソク様]」
1′02″
三豊百貨店で事故が起きた事を、キムグァンソク(本人)がモニタ越しに話します。
そして「사랑이라는 이유로 [愛という理由で]」が流れます。
まさしくこの日、音楽専門放送局KMTV(当時)が主催するキム・グァンソクのコンサートが開かれ、その様子が各地に同時配信、完全録画されていました。
モニタに映る映像は、このコンサートで撮影されたものです。
ドラマ内で、サムチョンポ(キム・ソンギュン 俳優名 以下同)とチョ・ユンジン(ドヒ)が居るのは、同時配信会場という設定です。
「応答せよ1994」に引用されたコンサートの様子。冒頭のトークが当該部分です。
トーク後の曲は、「愛という理由で」ではなく、
ボブ・ディラン(Bob Dylan) の 「くよくよするなよ (Don't Think Twice, It's All Right)」を翻案した、「두 바퀴로 가는 자동차 [2輪で走る4輪車(自動車)]」でした。
そこから「如何なものか」的批判もあるようですが、「三豊百貨店で事故が起きたらしい」と聞いただけで、本当の状況は伝えた本人も含め、会場の誰も知らなかったのが真相のようです。おそらく、ドラマのような急展開では無かったのでしょう。
このコンサートを観た方の「会場を出ると道路がもの凄く渋滞していて、それで事故を実感した。」という話を、大昔に読んだ事があります。
当時の主な連絡手段といえば、ポケットベルと公衆電話。
着信を確認する、「東京ラブストーリー(1991 JOCX)」のカンチ(織田裕二)。
「応答せよ1994」でも、連絡手段はそれらに加え留守電サービス(伝言ダイヤル)。 ここ四半世紀の情報・通信手段の発達には、改めて驚くべきものがあります。
1995年、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件… 不穏な一年でした。
おっと、紹介が遅れてしまいました。キム・グァンソク(김광석)は1964年生まれのシンガーソングライターで、32歳の誕生日を目前に控えた、1996年01月06日に夭逝してしまいました。本当に残念な事です。
ベスト盤の中ジャケットから。 あまりにも生き急いだ彼ですが、残した功績はとても大きく、今もその曲がドラマや映画に多く使われ、更にはドラマのセリフなどでも頻繁に引用されます。
前回も登場した、「空港に行く道 2016 KBS2」第10話、
「好きな歌手は?」と訊ねられ、その答えが、
これで、キャラクタの輪郭がよりくっきりとします。
1996年01月05日収録とされる、SBS の音楽番組へのゲスト出演。
これが最後の演奏といわれています。ここで歌うのが、
「너무 아픈 사랑은 사랑이 아니었음을 [苦しすぎる愛は愛ではなかったものを]」
上記、半年前のコンサートとは容貌が相当に異なりますが、本人は長渕剛がお気に入りで、好青年からチョイワル系への転身を目指していたと云われています。 言われてみれば、節回しもちょっと長渕剛っぽい?
「苦しすぎる愛は愛ではなかったものを」で思い出すのは、やはり、
映画「클래식(クラシック) 邦題;ラブストーリー 2003」。
ベトナム戦争によって引き裂かれるふたりの心情を表します。 こうしたリストには縁の無さそうなラブコメディ、
「꽃미남 라면가게 [イケメンラーメン店] 2011 tvN」の第8話、
4′30″からと、8′50″からの2回、記憶に残る曲、気になってしまう曲として、
「잊어야 한다는 마음으로 [忘れなければならないという心で]」が流れます。
(08-03)
ついでに、12′30″からの対決シーンの BGM が、伝説のマクチャンドラマ「妻の誘惑 2008 SBS」のテーマ曲、チャ・スギョン(차수경)の「용서 못해 [許さない]」。
この曲はドラマではもちろん、バラエティ番組などでもよく耳にします。
また、「忘れなければならないという心で」に曲が替わる前、
4′00″から、店内に低く流れている BGM が、「나의 노래 [僕の歌]」。 「イケメンラーメン店」には、セリフでの言及もあります。
多分11話、ヤン・ウンビ(イ・チョンア)が、年齢差をチャ・チス(チョン・イル)に問う、
「あんた、神話(シンファ) *1 知ってる? じゃあ、キム・グァンソクは?」
*1 「神話(シンファ)」
1998年デビューの男性アイドルグループ。
現在も活動継続中だが、2008〜12年の4年間、所属メンバーの兵役のため活動を休止していた。 「아버지가 이상해 [お父さんが変(適齢期惑々ロマンス)] 2017 KBS2」では、
アン・ジュンヒ(イ・ジュン)が、ラジオから流れる曲で父との関係を考え直します。
「어느 60대 노부부 이야기 [ある60代の老夫婦の話]」は、「応答せよ1994」第6話の、ソン・ドンイル、イ・イルファ夫妻のしみじみした会話の BGM でもありました。 上述した1995年06月29日、「KMTV スーパーコンサート」バージョン。
実はこの曲の次が、上に掲載した「三豊百貨店」に言及する「2輪で走る4輪車」。
更に「僕の歌」へとつながり、その次が「苦しすぎる愛は愛ではなかったものを」。
全体では70分ほど収録されているコンサートの、40〜59分にかけてです。 (70分のフルバージョンは こちらから )
今回、こんな事を書きながら、そういえばキム・グァンソクを知ったのは何時だった? と、考えてしまいました。
曲と名前が一致した瞬間は、今も覚えています。
2001年06月、場所は横浜駅西口の「相鉄ムービル(当時)」。
映画「공동경비구역 JSA [共同警備区域 JSA ] 2000年」を観ていました。
相当に強烈なシーンですが、流れるのは「부치지 않은 편지 [宛のない手紙]」。
詩人チョン・ホスン(鄭浩承)の詩を元に、ペク・チャンウが作曲。キムグァンソクが歌いました。
けれどもこの時、既に知っている曲がありました。
それを歌っていたのがキム・グァンソクだったと、「JSA」で認識したのです。
相鉄ムービルを出た後、すぐそばの「HMV 横浜ビブレ21(当時)」にキム・グァンソクと「JSA」の CD を探しに行きましたが、どちらもありませんでした。
既に知っていたのは、「JSA」に使われた「이등병의 편지 [二等兵の手紙]」。
人民軍中士オ・ギョンピル(ソン・ガンホ)の、
「ああ、お母さんに会いたいなあ。ところでグァンソクは、何でそんなに早く逝ってしまった… グァンソクに乾杯しよう。」
という印象的なセリフと共に、「二等兵の手紙」が流れます。
それでは「二等兵の手紙」を初めて知った(聴いた)のは何時だったのだろう。
おそらく世紀末の頃、一部方面で少々流行った「ポンチャック」 *2 とセットで聴いたか、韓国あるあるネタ「軍に入る友人を送る際、必ず歌われる曲がある」で知ったのか、どちらかと思われるのですが、今となっては、忘却とは忘れ去る事なり(^^ゞ
*2 「ポンチャック」
韓国独自の大衆音楽のジャンル、またはその演奏形式を指す。
その特徴は、キーボードやリズムボックス等が発する特有のビートに乗せた、多数の曲の連続演奏。
主に集会や宴会の余興として演奏され、ダンスの BGM、飛び入りカラオケの伴奏等、応用範囲が広い。
再び、こうしたリストには縁の無さそうな、今度はホームコメディ、
「넝쿨째 굴러온 당신 [棚ぼたのあなた] 2012 KBS2 」の第53話、
軍への入営通知が来た事を、彼女に言い出せずに悩む家庭教師、チャ・セグァン(カン・ミニョク)に、生徒のパン・ジャングン(クァク・ドンヨン)が、
1′30″「ギターの練習をしてるんです、聴いて。」と弾き語る、「二等兵の手紙」。
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
(53-12)
そういえば、毎日大騒動の「パン屋のパンさんち」を見に行った事がありました。
「二等兵の手紙」は、今も「韓国あるある」の通りに、軍にまつわる哀感を表す際の定番中の定番曲で、ドラマに限らず各方面で頻繁に使われます。
ただし、この曲の作詞、作曲はキム・ヒョンソン。キム・グァンソクが歌った事で広く知られるようになったと、最近知りました。
「棚ぼたのあなた」で主役を務めた、キム・ナムジュつながりではありませんが、
「역전의 여왕 [逆転の女王] 2010 MBC」第15話、
若き御曹司本部長ク・ヨンシク(パク・シフ)に、「音楽でも聴かない?好きな歌手は」と訊ねられた、年上の平社員ファン・テヒ(キム・ナムジュ)が、
3′00″「キム・グァンソクかな、『三十歳の頃に』とか」。
車中に流れる「三十歳の頃に」は、テヒに別れを告げられた駄目夫、ポン・ジュンス(チョン・ジュノ)が酒をあおるシーンへとつながります。 ドラマ内では、テヒは1970年頃の生まれで40歳前後、ヨンシクは10歳位年下。
’80年頃の生まれなら、「空港に行く道」のソ・ドウのように、キム・グァンソクを知る世代ですが、ヨンシクは外国暮らしが長く、知らないという設定なのでしょう。
「서른 즈음에 [三十歳の頃に]」
作詞、作曲はカン・スンウォン。(実は、人から提供された曲が思いの外多い) 本人が31歳11か月で夭逝したため、辛くて聴きたくないという方もいるようです。
特に、高音に上がってゆくサビの部分、「♪けじょるん たし とらおぢまん (季節が また 戻ってくるのに… )」からのリフレインが、動揺を誘うとか。
第16話、テヒに未だ未練のあるジュンスは、「愛したけれど」を職場の宴会で熱唱し、その場を盛り下げます。([16-05] 4′40″)
「사랑했지만 [愛したけれど]」
作詞、作曲はハン・ドンジュン 本人は、この曲を上手く歌えないとこぼしていたとか。
歌詞が気恥ずかしいと感じる事に加え、高音向きではない、自分の独特な声の出し方が合わないと感じていたようです。
とはいえ、「♪さらんへっちまん くでる さらんへっちまん (愛したけれど あなたを 愛したけれど)」からのリフレインが相当に耳に残ります。
確かにかなり強烈な、失恋した心の叫び。ジュンスが熱唱したくなる筈(^^ゞ
ついでに、失恋した心の叫び、定番のもう一曲。
ペク・チヨン(백지영)の「총맞은것처럼 [銃で撃たれたように]」
このリスト、まだ続ける事も可能なのですが、段々小ネタになってしまいそうなので、このあたりまで、かなあ。
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ヒットメーカー、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹(以下 ホン姉妹)が脚本を担当したホラーコメディ、「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐね てやん] 2013 SBS (水木)」を、お題にしています。
相変わらずあまりにマニアックで細かな事柄ばかりですが、どうかご容赦ください。
また、ここからネタバレ気味での進行となる事を、予めご了承ください。 これまで延々と、日本での放送版の残念な曲の差し替えを挙げてきましたが、今まで数多く観てきた韓国ドラマの中で、個人的に「主君の太陽」の第16話が、最も残念な差し替えでした。そう感じた理由をこれから少々。(延々と?) 今回のお話の中心人物、
右、テ・ゴンシル = テヤン(コン・ヒョジン 俳優名 以下同)−幽霊 *1 が見える
左、チュ・ジュンウォン = チュグン(ソ・ジソプ)−幽霊を消せる *1 「幽霊」
「귀신 鬼神(くぃしん)≒幽霊」(これ以降 幽霊)
「主君の太陽」は当初全16話の予定が、韓国ドラマではよくある途中延長が決まり、全17話に。この増えた1話分の使い方が、ちょっと変わっています。
物語進行は全16話構成を変えず、
14話、テヤンがチュグンから離れる訳、
15話、序盤からの伏線を回収、テヤンが離れる訳をチュグンが納得、
(追加された16話)
最終17話、エピローグ。
15から17話に飛んでも差し支え無く、物語進行を少し離れた挿入句のような16話では、登場人物それぞれが抱え込む「理由」、(自分は)何故そう行動するしかないのかという「理由」を考えたり、少しでも明らかにしようと試みるのです。
いわば、それまでの行動の視点を変えた見直しです。(それって反省会?)
そんな16話、チュグンとテヤン、思惑抜きでの初めての食事が何故か「うどん」。
それを打ち切ろうとチュグンが、「(これを)美味しく食べて、これからはうどんを見る度に(この瞬間を思い出し)苦しむんだ。」と述懐します。
第1話からここに至るまで、様々な出来事があった筈なのに、それらは全て幽霊を巡る騒動に過ぎず、実は何も知らないままだという、苦い思いを噛み締めるのでした。
今まで一緒に食事をしたのはおそらく、第8話のホテルでの一回のみ。
けれどもこれは、プールの幽霊を見つける作戦の一環に過ぎませんでした。
そして、(個人的に)韓国ドラマで最も残念な差し替えシーンに移ります。
公園に流れる歌が、ふたりの足を止めます。
1′50″から2分間、流れるのはその歌だけ。セリフは「テ・ゴンシル、行くな」のみ。
尚、動画は上記うどんシーンの最後から始まります。
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
(16-08)
うわあ、これを差し替えるって、もう、い け ず… 公園で歌われているのは、
キム・グァンソク(김광석)の「사랑이라는 이유로 [愛という理由で]」。
しかも、男性が歌うオリジナルではなく、テヤンの視点に向くよう、女性ボーカリスト、チャ・ヨウル(차여울)を起用し、公園で実際に歌うという凝り方なのに。
オリジナル・サウンド・トラック(以下 OST )収録外だからって、普通は切らないでしょうというこの流れ。
こちらがチャ・ヨウルが歌う、「愛という理由で」フルバージョン。
しかも、「愛という理由で」という理由で… が、曲の中にもあるのです。
以下、超絶意訳のいい加減さで(あまり信用しないでくださいね)。
思わず文字が小さくなってしまいます(笑) うわぁ、名曲を無理やり意味取るって強烈に恥ずかしい(^^ゞ
そんな大掛りな反省会を締めくくる最後のひと言が、チュグンのつぶやく、
「『愛している』とは、最後まで言わなかった。」
「愛という理由で」は引き留められない、そしてそうすべきではないと知るのです。
公園で聴いた「愛という理由で」は、言えない、そして言うべきではない言葉の象徴でもありました。
実はこの大掛かりな反省会にはもうひとつの要素、「キャンディ・キャンディ」 *2 問題があるのですが、どうしても長くなりそうなので、今回は省きます。
*2 「キャンディ・キャンディ」
水木杏子原作、いがらしゆみこ作画の1975〜79年のコミック、並びに1976〜79年の TV アニメ。
韓国ドラマのストーリー構造に大きな影響を与えた。
「主君の太陽」ではその構造について、「キャンディは… 」等のセリフを通じ頻繁に言及する。
とりわけ16話では、「キャンディ構造」の可能性と限界について詳細に論じている。
また、正式な題名は「キャンディ♥キャンディ」だが、ここでは便宜上「キャンディ・キャンディ」と表記する。
キム・グァンソク(김광석)が歌う、「사랑이라는 이유로 [愛という理由で]」。
キム・グァンソクは1964年生まれのシンガーソングライターで、32歳の誕生日を目前に控えた1996年01月に夭逝してしまいました。本当に残念な事です。
あまりにも生き急いで去りましたが、彼の残した功績はとても大きく、その曲は今も数多くのドラマや映画に使われ、更にセリフなどでも頻繁に引用されます。
例えば、「空港に行く道 2016 KBS2」の第10話、チェ・スア(キム・ハヌル)に電話の向こうから突然、「好きな歌手は?」と訊ねられたソ・ドウ(イ・サンユン)が、
ドウが、「じゃあ今度聞いて、歌詞を分析してみよう」と応じます。
このやり取りで、ソ・ドウが相当な堅物らしいと分かります。
ちなみにキム・ドンリュル(김동률)は、1974年生まれのシンガーソングライターで、抒情的なバラードの先駆者とされています。
日本で例えたら… さだまさし? (例えが適切かどうかは全く分かりません(笑)
ともあれ、この選択で、スアが乙女な一面を持っていると伝わります。
ドラマ設定では、ふたりは1980年前後の生まれ。
キム・グァンソクの最期、キム・ドンリュルのデビュー時にティーンエイジャーです。
映画で思いつくのは、「클래식(クラシック) 邦題;ラブストーリー 2003」、
「너무 아픈 사랑은 사랑이 아니었음을 苦しすぎる愛は愛ではなかったものを]」
ベトナム戦争が引き裂く、ふたりの心情が… おっと、こんな調子で続けたら延々とリストが続きそうです(笑)
なのでこの続き、キム・グァンソクについては稿を改め、また何時か。
残念な曲の差し替え大ネタ編が一応の決着を見たので、小ネタ編をひとつ。
第7話、
0′00″幽霊ランナーにお願いされてしまったテヤンが、レースを準備します。
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
疾走中は、映画「Chariots of Fire [炎のランナー] 1981年」のテーマ。
「Chariots of Fire [炎のランナー]」は、2012年ロンドン・オリンピックで使われ、
「Hand in Hand」は、2018年平昌・冬季オリンピックでも使われた有名曲。
もちろん日本版では、このどちらも使われる事はありませんでした。
「キャンディ・キャンディ」問題と、キム・グァンソクの続きを積み残したままですが、
強引に最終17話、ドラマ序盤から密かな活躍?をして来たごみ箱の幽霊に、実は妻が居た事が判明します。 ([17-07] 0′00″)
この方も、よく見かけるんだよなあと思っていたら、「いとしの『ソヨン』」母でした。
妻と母を演じたのは、キム・ミンギョン(김민경)
1960年生まれで、’80年代から映画を中心に活動しています。
時代劇もこなし、「オクニョ (獄中花) 2016 MBC」ではキム尚宮、文定王后の側近でした。
おまけの話。
韓国語で「김민경(キム・ミンギョン)」と検索すると同姓同名が多く、1981年生まれの女性コメディアンを筆頭に複数の人物が出てきます。
それを避けるため、「김민경 1960」「김민경 1981」など、生年を加えて検索する方法が一般的なようです。
リストや記事に生年の記載が多いのは、年功序列重視が理由と思っていましたが、検索に役立つ意外な効用があるのでした。
とりあえず、この項はこの辺で。 |

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ヒットメーカー、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹(以下 ホン姉妹)が脚本を担当したホラーコメディ、「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐね てやん] 2013 SBS (水木)」を、お題にしています。
相変わらずあまりにマニアックで細かな事柄ばかりですが、どうかご容赦ください。
また、ここからネタバレ気味での進行となる事を、予めご了承ください。 ホン姉妹脚本のドラマの特徴として、ドラマ外(現実、画面のこちら側 [以下 外部])からの引用や言及が多い点があります。
もちろん脚本のみではなく、演出等を含めた完成形での特徴です。
例えば、国際的に有名なサッカー選手を出迎えるというシーン。
待ち受けるファンが掲げるメッセージに『大好きです』、『結婚おめでとうございます』(警備員で見切れてる… )など、日本語を混ぜています。
移動カメラでの一瞬ですが、中国語も確認する事が出来ます。 日本や中国にもファンが居る人物である事を指し示します。
「귀신 鬼神(くぃしん)≒幽霊」(以下 幽霊)に悩まされるヒロイン、
テ・ゴンシル = テヤン(コン・ヒョジン 俳優名 以下同)のTシャツロゴが「HOLLY」。
「聖なる」の HOLY ではなく HOLLY、おそらく「魔除けの柊」と思われます。
更に、テヤンのルームウェアには 「JESUS SAVE ME」 とプリントされています。
幽霊に悩まされるあまりに、着るものまでお守りと化しているのでした。
ついでにもう一枚。職場から放り出されそうなので、その前に身を引こうと…
テヤンに忍び寄る、カーテン(ここではシーツ)越しの怪しい影。
言わずと知れた、古典的サスペンス映画「サイコ (Psycho) 1960 」です。
(お馴染みのあの 耳障りなメロディ♪キィキィキィ キコ〜 こそ流れませんが)
こうしたつくり方をするため、ストーリーと BGM が密接に関係する場面があります。
ところが、このシリーズ「 その1 」で示した、楽曲使用料低減のため曲を差し替える日本版では、差し替えが理解を難しくしてしまう場面がありました。
とりわけ残念だったのが第6話、孤独な青年と軍用犬を巡る物語。
既に各方面で多くの方が指摘されていて今更なのですが、自分なりの残念感を少しでもお伝え出来ればと思います。
兵役中の孤独な青年キム・ヒョンチョルは、軍用犬ピルスン(必勝)だけが唯一の友だちでした。
ところがある日、ピルスンは用途廃棄とされ安楽死処分。
唯一の支えを失ったヒョンチョルは自暴自棄になり、軍を脱走してしまいます。
ピルスンは、幽霊犬となってもヒョンチョルの事が気がかりで、彼の更なる暴走を防ごうと、(幽霊が見える)テヤンのところにやって来ます。
テヤンには幽霊犬ピルスンが見えていますが、左端のチュ・ジュンウォン = チュグン(ソ・ジソプ)には見えません。チュグンが持つのはピルスンの首輪。これが後程… 犬が居るみたいだと皆が捜索に駆り出される中、保安室長のカン・ウ(ソ・イングク)がテヤンに訊ねます。「イヌを見たと、さっき社長(チュグン)に言ってましたが。」
幽霊犬なので自分にしか見えない事を言えないテヤンが、「イヌじゃなくて、イスを見たんです。」みたいな返しを字幕の上でします。
この会話、「개(ケ=犬)じゃなくて、걔(キェ=その子)がいたんです。」なのだとか。
韻を踏むような言葉遊びは、難しいですねえ。
ピルスンは(首輪を通じ?)チュグンの夢に現れ、ある強烈なイメージを残します。 3′42″から、金色の衣装の女性たちが次々と現れ、「Nobody」 と歌い踊ります。
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
(06-06)
この時、夢の中で流れているのが、Wonder Girls の 「Nobody」。
ミニドラマ仕立ての MV のため、曲が始まるのは 2′00″頃からです。
ところがこの場面の曲が、おそらくドラマとは関係の無い SHINee の 「Haru [ハル]」 に差し替えられてしまいました。
この差し替えが BGM だけに留まらず、後の展開に大きく影響してしまいます。
チュグンが見た夢をテヤンに説明するため、スマートフォンに曲名を音声入力。
セリフは元のまま「ノーバディ」なのに、字幕だけが「ハル」。 長文ならばともかく、「ノーバディ≠ハル」のひと言は違和感だけが強く残ります。
ヒョンチョルが楽しかった瞬間を回想し、ピルスンと 「Nobody」 を歌いながら踊る場面もぐだぐだになってしまいました。
1′45″から、ヒョンチョルの回想シーン、(06-08)
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。) 1′45″
ピルスンに、「軍人らしく、ひとつは好きなガールグループがなくっちゃな。」
あのー、「Haru」 を歌う SHINee は、ボーイズバンドなのですが…
そして、先輩からの理不尽ないじめに耐えたヒョンチョルが、
2′57″
ピルスンに慰められ、「ピルスン、お前しかいない… 『 Nobody Nobody But You 』」とつぶやくセリフが、ことごとく意味不明になってしまいました。
行きがかりから、銃を持つヒョンチョルと単身対峙してしまったチュグンが、説得を試みますが、ここでも「ノーバディ≠ハル」の違和感が出てしまいます。
0′40″ 「(ピルスンが) 『 Nobody 』を好きなのは、お前の好みか?」
「ああ、俺たちは『 Wonder Girls 』の大ファンだから… 」 (06-10)
(埋め込み再生不可のため、「 YouTube でご覧ください」をクリックし、別タブで再生してください。)
2′10″チュグンはヒョンチョルを説得し、投降させます。
3′40″護送車に収容されるヒョンチョルに向け、「Nobody」 が大音量で流れます。
4′50″実はヒョンチョルの投降直後、チュグンはヒョンチョルに、
「友達が死んでしまった犬だけではな。戻って来たらウチで働け。これはピルスンとの約束だ。」
という言葉をかけていたのでした。
「Nobody」 を使った意味が、このセリフに集約されている気がするのですが…
「Nobody」 の歌詞、「I wont nobody nobody but you」 は、ラブソングの定番フレーズ「他の誰でもない、あなたでなくちゃ駄目」ですが、孤独なヒョンチョルに向けられた、「君でなくては駄目、君にいて欲しいんだ」というメッセージでもあるのでした。
個人的には意図的に誤認して、「誰もいない、けれど君がいる」とか聞き取りたくなるのです。
孤独な青年キム・ヒョンチョルを好演したのが、ホン・ウォンピョ(홍원표)
この方は舞台俳優のようですが情報がとても少なく、ネット上には割と最近のモデル写真が数点あるのみでした。あまり積極的に活動していないのでしょうか。
ヒョンチョルが立てこもる家具店。
やはりスポンサー企業でした。
日本のテレビドラマでは、スポンサー企業を想起させる場所や物での事件・事故を避ける印象がありますが、韓国ドラマではあまり気にしないのでしょうか。 まあ確かにそんな事を言っていたら、事件・事故、犯罪が頻発するマクチャンドラマ(あり得ない設定の愛憎復讐劇)のスポンサーがいなくなってしまいます。
ワンパターンだけれど、
つづきは、あるのかなあ。
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「取りあえず、ここまでにしようかなあ」とか書いたくせに、メモが手許に結構残っているので、もう少し続けてみます。
相変わらずあまりにマニアックで細かな事柄ばかりですが、どうかご容赦ください。
また、ここからネタバレ気味での進行となる事を、予めご了承ください。
今回お題にするつもりなのは、
2013年の SBS 水木ドラマ「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐね てやん]」。
ヒットメーカー、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹(以下ホン姉妹)が脚本を担当したホラーコメディで、最高視聴率 21.8% *1 を記録しました。
*1 「最高視聴率 21.8%」
水木ドラマとしてはかなり高い数字。
2013年の水木ドラマ最高視聴率は、おそらく「君の声が聞こえる 너의 목소리가 들려 SBS」の 24.1%
それに次ぐ、年間2位だったと思われる。
と、書き出したものの、ホン姉妹のドラマは癖っぽいネタが多く、どう組み立てたら良いか、いきなり迷ってしまいました。
なので物語の進行とは関係無く、自分の書きやすいところから勝手に始めます。
という訳で、今までも幾度か記事にした自動車関連から。
ホン姉妹脚本のドラマは何故か、日産+インフィニティ (INFINITI) と縁があるようです。今までに登場した日産+インフィニティ車を並べてみると、
「ファンタスティック・カップル 환상의 커플 2006 MBC 」
チョ・アンナ(ハン・イェスル 俳優名 以下同)が乗る、インフィニティ G35
ドラマ序盤に登場し、この脱輪が後の大事件の引き金に。
「僕の彼女は九尾狐(クミホ) 내 여자친구는 구미호 2010 SBS 」
ウン・ヘイン(パク・スジン)の愛車が、インフィニティ G37 コンバーチブル。
新人女優役だったパク・スジン、今ではぺ・ヨンジュン夫人です。
「最高の愛 최고의 사랑 2011 MBC 」
トッコ・ジン(チャ・スンウォン)が主に乗り回すのは、インフィニティ M 37
トッコ・ジンは M 37 だけではなく、大型 SUV の QX 56 にも時々乗っていました。
今回のお題、「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐね てやん] 2013 SBS 」
チュ・ジュンウォン = チュグン(ソ・ジソプ)の車が、インフィニティ M 30d
M 37 と M 30d の違いは主にエンジン形式で、装備面に殆ど差は無いようです。 以上4作には協賛企業として 『 자동차협조 [自動車協力] INFINITI 』 等のクレジットタイトルが出ます。(画像は「主君の太陽」のもの)
4回全てがインフィニティで、日産車が出ないのがちょっと面白いところ。 そんな日産+インフィニティ以外では、
時代劇の「快刀 ホン・ギルドン 쾌도 홍길동 2008 KBS2 」と、
木製自動車型ベッドの「ビッグ 빅 2012 KBS2 」の2作を除く、
残り5作が、このような組み合わせででした。
「怪傑春香 쾌걸 춘향 2005 KBS2 」 プジョー (Peugeot) 「マイガール 마이걸 2005 SBS」 ジャガー・ランドローバー (Jaguar Land Rover) 「美男ですね(イケメンですね) 미남이시네요 2009 SBS 」 アウディ (Audi) 「メンドロントット 맨도롱 또똣 2015 MBC」 BMW
ホン姉妹最新作、「花遊記 화유기 [ふぁゆぎ] 2017〜18 tvN」では、登場人物全員が、メルセデス・ベンツ (Mercedes-Benz) を乗り回します。
ソン・オゴン(イ・スンギ)の愛車として登場した、おそらく AMG 系の GTS (モデル数が多過ぎて、よく分かっていない。)
ここで以前も使用した、2017年の韓国における輸入車シェア一覧。
輸入車は全体の台数が少ないので、時期による順位の変動が、かなりあります。
ホン姉妹ドラマに登場した自動車を改めて整理すると、対象9作は、
2005 仏 プジョー+シトロエン (怪傑春香)
2005 英 ジャガー+ランドローバー (マイガール)
2006 日 日産+インフィニティ (ファンタスティック・カップル)
2009 独 アウディ+フォルクスワーゲン (美男ですね)
2010 日 日産+インフィニティ (僕の彼女は九尾狐)
2011 日 日産+インフィニティ (最高の愛)
2013 日 日産+インフィニティ (主君の太陽)
2015 独 BMW+ミニ (メンドロントット)
2017 独 メルセデス・ベンツ (花遊記)
このようになっていました。
国産5社も米国勢も登場せず。更に、レクサス+トヨタの出番もありません。
やはり、かなり癖のあるラインナップです。
このあたりを深読みするのも面白そうですが、ここまでにしておきます。
レーンを戻し、「主君の太陽 주군의 태양 [ちゅぐねてやん]」のお話に。
まずはドラマ内で頻繁に登場する、テ・ゴンシル = テヤン(コン・ヒョジン)の話相手で時々枕にもなる、三白眼のだれた猫。
他のドラマでも見かけるのに名前が分かりませんでしたが、偶然判明しました。*2 「딩가 てぃんが」、あるいは「게으른 고양이 딩가 怠けた猫 てぃんが」です。
*2 「偶然判明」
「たった一人の私の味方 하나뿐인 내편 2018〜19 KBS2」に登場する「하프 ハープ」を探した際に発見。
「하프 ハープ」は、 以前の記事 のために検索をした。
第1話の冒頭、衝撃的な登場をする、
預金通帳の「귀신 鬼神(くぃしん) ≒ 幽霊」(以下 幽霊)*3 ([01-01] 2′24″)
生前の姿を、何処かで見かけた気がすると思っていたら、
「いとしのソヨン 내 딸 서영이 [私の娘ソヨンが] 2012〜13 KBS2」の14話で、
イ・ソヨン(イ・ボヨン)に、夫の遺産が息子に騙し取られた事を相談していました。
ソヨンが判事を辞め、弁護士に転身しようと決心するきっかけとなります。
そうか、あのドラ息子はそんな悪事を働いていたのか。あの通帳にはきっと、取り戻したお金が入っていたに違いない… (おいおい、違う話を混ぜるなって。)
「最高の愛 2011 MBC 」の頃には、トップスター、トッコ・ジンをを見つけ、ちゃかり一緒に写真に納まるお茶目な一面がありました。
この役を演じたのが、ナム・ジョンヒ(남정희)。
1942年生まれで、1962年に舞台俳優としてデビュー。
結婚後一時引退するも、1990年に映画俳優として復帰、現在に至る。
いやあ、大ベテランだったのですねえ。
ただ検索をすると、1950年生まれの同名の歌手(1979年没)が一緒に出てきます。
第2話、ショッピングモールの幽霊騒ぎが、
「SBC」 の時事情報番組、「미스테리 Z [ミステリー Z ]」で放送されてしまいます。
このドラマ内番組のつくりが、いやに凝っていると思ったら、
実在する「SBS」の調査報道番組、「그것이 알고 싶다 [それが知りたい]」そのままなのでした。進行役はどちらも、キム・サンジュン(本人)。
それは手慣れている筈です。
「それが知りたい」は1990年代から続く老舗番組で、難解な社会問題に対する確かな取材姿勢で人気が高いようです。真面目な番組だったのですねえ。
第5話、テ・イリョン(キム・ユリ)渾身のフライパンダンス。
別タブが開いたら 3′47″に飛んでください。
CM 撮影という設定で唐突に始まると思ったら、やっぱりね。
フィスラーは、1845年にドイツで創業した老舗調理器具メーカーです。
その昔、フィスラーの圧力鍋が欲しかったのですが、あまりのお値段にひっくり返りました。なのでお手頃な SEB(T-fal)に… ってそれは全く関係の無い話。
5行目に「 오디오협조 [オーディオ協力] TANNOY 」。これまた高級そうな…
同じく第5話、
牛乳配達の子が登場する話なので、パッケージを観察してみましたが、架空ブランドの「좋은우유 良い牛乳」。スポンサーとは直接の関係が無いようです。
第6話の冒頭、 テヤンが、自分の内面を素直に表現する事が出来たなら、カン・ウ(ソ・イングク)が応えてくれるかもしれない、と妄想します。
すると世界が開け、幽霊たちが輪になり、祝福の拍手、拍手を… このシーン、どう考えてもセリフは、「おめでとう〜」「おめでとう」だよなあ
やっぱりきっと、これだよなあ
「新世紀エヴァンゲリオン 1995〜96 JOTX 」 TV 版の最終シーン。
いやあ、今思えば如何にも世紀末っぽい感じです。
そうか、あれからもう24年も経ったのか。あの頃のシンジ君たちも、もう38歳。
何のこっちゃと思われた方が多いかと思いますが、そっとしておいてください(笑)
いずれにせよ、2013年の「主君の太陽」の製作に携わった人の中に、’90年代アニメの相当なファンが居た事だけは確実な気がします。
いかん、こんな調子では何時まで経ってもおわらない…
つづきは、どうしようかなあ。
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