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ヤエドクダミの花 <photo> by : Kalinjin .K
雨、雨、雨・・・・・・・・・、梅雨の季節です・・・・・・。
雨も適量であれば恵みの雨すなわち慈雨なのですが、
地域によっては台風とも重なり豪雨と化し、生活への影響も・・・・・・。
ほどほどの雨を祈りつつ、本日は梅雨時にふさわしい漢詩など、少々。
日本、中国、東アジア広域で見られる初夏の気象現象・・・・・・、梅雨。
雨が多く、湿度が高く、黴(カビ)が生えやすい季節であることから、
もともと中国では黴雨という言葉を使っていたのだそうです。
しかし、あまりにも印象が良くないので、いつの頃からなのか、
梅雨という表現に改められました。ちょうど梅の実が熟す季節でもあるので、
この言葉が定着し、日本文化もまたこの漢字をそのまま受け入れました。
中国語
梅雨(つゆ)という言葉が日本社会に芽生え定着したのは、
江戸時代に入ってからとのことです。雨降りの露(つゆ)のイメージから、
そのまま梅雨(つゆ)と呼ぶようになったと考えられます。 (*・ω・)ウンウン♪
さて、梅雨時の風情を楽しむ漢詩をご紹介したいと思います。
約 客
趙 師 秀
黄梅時節家家雨 黄梅の時節 家々の雨
青草池塘処処蛙 青草の池塘 処々の蛙
有約不来過夜半 約有るも来たらず 夜半を過ぎ
たた
閑敲棋子落灯花 閑に棋子を敲けば 灯火落つ
【 現代語 】 夏 林 人
梅の実が熟すこの季節は 雨に打たれた家々が戸を閉ざし
青々と草茂る池の畔に 蛙たちの鳴き声が響きわたる
約束を交わした友の姿はなかなか現れず 夜も更けてしまった
退屈ゆえに碁石を打ち遊んでいると 灯花がぽとりと落ちた・・・・
※ 灯花 ・・・・ ロウソクの芯に生じる花形の蝋塊。仏教において縁起が良いもの。
※ 趙師秀 ・・・・ Zhao shi xiu 1170〜1219 中国宋代の詩人
南宋永嘉四霊のひとりに数えられる漢詩の達人。
雨の日は雨の風情を楽しみましょう〜♪
(´・ω・`)
皆様のお言葉をお待ちしています。
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夢幻詩の庭
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<photo> by : Kalinjin .K
東北南部、6月に入り気温も高めの日が多くなりつつあります。
草木生い茂るこの時期に相応しい季語などを調べていたのですが・・・・、
万緑、夏木立、草刈・・・・などが目に留まり・・・・・、
本日はそれらの季語に沿った俳句のお話など、少々。
たとえば先月5月頃の自然界は「新緑」という言葉がよく符合する印象でしたが、
6月に入ると緑もいよいよ濃くなり、新緑から「万緑(ばんりょく)」へと移行します。
よく茂った葉がしっかりと樹冠を蔽い・・・・・・、
木陰に入ると爽やかな涼風が感じられたり・・・・・。 (*・ω・)ウンウン♪
さて、それでは万緑&夏木立&草刈をキーワードに、
いくつか代表的な俳句をご紹介します〜!
万緑へ山小屋の鍵ひびかせり
渡辺桂子 1901〜1984
東京出身 「曲水」主宰
新宮の丹の美しき夏木立
遠藤梧逸 1893〜1989
岩手県出身 高浜虚子に師事
※ 丹 ・・・・・ 丹塗りのこと。
草刈るや古道一気に匂ひ立つ
鍵和田秞子 1932〜
神奈川県出身
いかがでしょうか・・・・・? (´-ω-`)
樹々の香りや草の香りは日本古来のアロマテラピーですね。
すう〜っと、心身が自然に回帰し、気持ちが楽になるような気がします・・・・・。
すっきり爽やか 木陰効果〜♪
なんちゃって ☆(o*~∇~*)
皆様のお言葉をお待ちしています。 |
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<photo> by : Kalinjin .K
GW・・・・、皆様いかがお過ごしでしょうか?
お天気の模様がかなり怪しい感じですね・・・・。
昨日まで何とか曇り空の中を徘徊し、写真撮影などをしていましたが、
今日は本格的な雨天となりました・・・・・。
ここ数日間、撮った写真などを u p しながら、山のお話を少々。
桜の花が散って、山吹の花が咲くころ、さまざまな種類の樹木が
陽気に誘われて新芽を出します。
これらの姿は近くで見れば一枚一枚の葉が鮮やかに映りますが、
遠くから眺めると山全体がもや〜っと霞んで見えます。
何色とも言い表しようのない淡い色調・・・・・、
輪郭が空に溶け込むようなもやもや&ふわふわ感・・・・・、
この様子を昔の文人墨客たちは「山笑う」と表現しました。
冬の寒さに耐え灰色に沈んでいた山々が、芽吹いて、おだやかに微笑む・・・・・。
山笑う・・・・は今も俳句の季語として用いられています。
みちのくの山笑ひをり昼の酒
青柳 志解樹
一山の笑ひはじめの水の音
児玉 南草
この「山笑う」という言葉はそのルーツとして、
中国北宋の山水画家・郭煕(かくき)の美意識と深くかかわっています。
煕(かくき) 『臥遊録』
郭煕の芸術論の中に、次のような名言があります。
春山淡冶にして笑うが如く・・・・・、
夏山蒼翠にして滴るが如く・・・・・、
秋山明浄にして粧うが如く・・・・・、
冬山惨淡として眠るが如く・・・・・。 さすがに鋭い感性で自然界の姿をうまく捉えていますネ・・・・。(*・ω・)ウンウン♪
散策の途中、山道でアケビの花を見ました。
まだ蕾の段階でしたが、あと一息で開きそうな感じでした・・・・・。
背景に見える黄色は山吹の花です。
山吹の喝采浴びる花あけび
いつ盛りとも無く山笑う
夏 林 人
皆様のお言葉をお待ちしています。
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<photo> by : Kalinjin .K
東北南部・・・・・、どこを歩いても花!花!花!・・・・・・の花盛り。
百花繚乱の季節に合わせて、西行や慈円&似雲などを採り上げて来ましたが、
せっかくの機会なので今回も「花と日本人の美学」について書きます。
本日は能因&宗祇&坂口安吾・・・・などを少々。
春の花は種類が多く、それらの名を列挙すれば図鑑になってしまいますが、
とりわけ古くから日本人の心に深く関わってきたのが他ならぬ桜・・・・・です。
文学表現が成立する以前からすでに稲作農耕の開始と深く関わり、
日本各地に栽培の暦とリンクした種蒔き桜が存在します。
そして美しく咲き儚く散る・・・・・、その無常観や美意識は現代人の心にも
脈々と受け継がれています。花見客の影には今もなお西行的風情が漂います。
日本人が桜とどのように関わってきたか・・・・・・、
和歌や小説を読み解きながら、その深層を探ってみましょう〜♪
面影はかすめる花も遠からで
梢に迷ふ春の山越え
宗 祇
【 現代語 】 夏林人
遠くの山々に見える花もそれほど遠くには感じない・・・・・・。
花咲く梢に誘われるまま春の森に迷い込み、山を越えて行こう。
山里の春の夕暮れ来てみれば
入相の鐘に花ぞ散りける
能 因
【 現代語 】 夏林人
山里の春の風情に誘われて来たのだが、ちょうど日暮れ時に
寺の鐘が鳴り響き、その余韻とともに花が散っていくのを見た。
散る花を惜しむ心やとどまりて
また来ん春の種になるべき
西 行
【 現代語 】 夏林人
散っていく花を見ていると何か淋しいような喪失感を覚えるけれど、
散るからこそ来年の春を待ち遠しいと思う心の種が生じるのだ。
上の写真は福島県安達町にある名も無き墓桜です。
旧奥州街道沿いにあり、この地域の先祖の霊が祀ってある墓地に
遥か昔に植えられたもので、数百年前から毎年花を咲かせています。
観光パンフレットには掲載されていない為、いつも見物人は4〜5名程度。
田舎特有の静寂の中、神々しいまでに美しい花を咲かせています。
この桜樹を見るたびに、私は坂口安吾の名作『桜の森の満開の下』を
思い起こし、その恐ろしいまでの夢幻性を反芻します・・・・・。
美も醜も生も死もすべてを呑み尽くす桜樹の下の虚空・・・・・。
人間の死が桜花に化身する幻覚にも似た陶酔を禁じ得ません。
ああ・・・・・、自分も日本人なのだナァ〜・・・と、つくづく思う今日この頃です。
(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
皆様の御言葉をお待ちしています。
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<photo> by : Kalinjin .K
東北南部、梅は八部咲きを迎え、桜の開花まであと一歩です。
そろそろ咲く頃かな・・・・・、まだ咲かないのかな・・・・・、
このじれったい春特有の心象もなかなか良いものです。
本日ご紹介する和歌は・・・・・・・・、紀貫之です。
宿りして 春の山辺に 寝たる夜は
夢の内にも 花ぞ散りける
紀 貫之
【 現代語訳 】 夏林人
山宿を借りて春の景色を楽しむ機会を得たのだが、夜には
夢にまで花が咲き乱れ花弁が散る光景を見たよ・・・・・・・。
ぜひ今夜あたり、香り高い夢を・・・・・。
皆様の御言葉をお待ちしています。
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