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<photo> by : Kalinjin .K
ん? 何だ、この写真? ・・・・と、訝しげにご覧いただいております。
これは約1ヶ月前に種をまいた小松菜(コマツナ)です。
左と右の栽培環境は、使っている土壌、肥料、水分、蒔いた種子の数など・・・・・、
まったく同じ条件で栽培しています。
それにしては、育ち方がまるで違いますよね・・・・・。
じつは、左側のプランターには「イチョウエキス」が散布してあるのです。
この現象を植物学や農学の分野では、アレロパシー(Allelopathy)と
呼んでいます。
日本語では【 他感作用 】と言います。
ある植物群が自分たちの生存地を優位に確保するために、他の植物たちの勢力を
阻止しようと生育阻害物質を出す現象や、広義においては微生物や昆虫への影響
も含めて、何らかの化学反応を及ぼす作用をそのように呼んでいます。
アレロパシーはギリシア語を元につくった合成語で、その歴史はまだ浅く、
1937年に提唱されてから今日に至るまで、お茶の間の皆様へ浸透する
にはもう少しアナウンスが必要になるかと思います。
まず、人物紹介です。
オーストリアの学者にハンス・モーリッシュという人がいました。(1856〜1937)
専門は植物生理学と植物解剖学です。
プラハ大学教授、ウィーン大学総長を務めた実力者です。
1921年、東北大学に招聘され、日本の地を踏んでいます。
日本の印象を書き記した『大正ニッポン観察記』という名著もあります。
1937年、モーリッシュ先生は故郷で天寿を全うしますが、他界する直前、
植物たちが目に見えない化学物質を出して、無言の影響を及ぼし合っている、
Allelopathy(アレロパシー)という概念を提唱しました。
その後、この謎めいたテーマを後世の研究者たちが脈々と調査を続けました。
今の時点でわかっていることを列挙します。
植物たちの発芽や生長を阻害します。
その他・・・・・、さまざまな植物たちが根や葉から化学物質を放出し、
自然界に影響を与え続けています。
これらは植物たちが生存していく闘争の中で獲得した知恵のようなものであり、
他の植物を抑制したり、害虫を追い払ったり、雑菌の感染を防いだりします。
無農薬農法で有名なニーム(成分:アザディラクチン)の実から採れた油は、
昆虫の食欲を減退させる効果があります。
今回、なぜ私がイチョウエキスを試してみたかと言えば、
イチョウの樹もアレロパシーが強いからです。
銀杏並木の下には、あまり下草が生えません。
どのくらいの抑制効果があるのか、コマツナ君には失礼なのですが、
実験台になっていただきました。。。
結果は写真の通りです。(発芽直後にエキス散布、週一回程度)
この作用を応用すれば、将来、除草剤を使わない雑草抑制も
不可能ではないはずです(作物に散布しなければ)。
ここで、私は政府に申し上げたいことがあります。(とくにレンホウさんへ)
政府はいつも農家に対して「生産しろ」と言ったり、「生産するな」と言ったり、
高飛車に命令を下します。政策もころころ変わります。
収穫も収入も不安定なお仕事なので、後継者は減り続け、今では
耕作放棄地もかなり増えています。
その耕作放棄地に「 何という名前の植物 」が繁茂し、
「 どのようなアレロパシー 」が作用しているか、ご存知ですか?
そして、それを普通の農地に戻すことが、いかに難しいことか・・・・・!
この問題を解決するには、研究予算も必要なのです。
それなのに、なぜ削るのか・・・・・・。
レンホウさん・・・・・・・・、もう少し、勉強してくださいネ。
基礎研究がなぜ大切か・・・・・、その意義を。
頭の悪い私でさえ、この程度のことは理解しています。
わかっていないのは、いつも政治家と官僚たちなのですヨ、とほほほ・・・・。
さて・・・・・・・、
そろそろ、お時間のようです・・・・・・・・・・・。
妄想和歌、はりきってGO〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
土くれに他感の呪縛及ぶ頃
茂る草樹に無言劇あり
夏 林 人
皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
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実験の庭
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