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世の中狭いね

 ちょっと昔ばなしを。

 大学生だったある夏休みに四国に出かけた。一人旅。

 いつも一人で出かけた。

 四国の金比羅さんのふもとにあるユースホステルに泊まることにした。

 ちなみにユースホステルとは、他人と相部屋にはなるが、非常に安い宿である。

 食事も自分達で給仕・後片付けもする。子供に経験させると良いかも。

 夕刻ユースホステルに着くと、おばちゃんが

 「今日は女の子と二人だけだけら。今お風呂にはいっているんで、

 でたら入ってください。」と。

 いろんな妄想を抱き一人ベッドで横たわっていた。

 どんな子かな?若いのかな?かわいいのかな?

 すると廊下を歩くスリッパの音が。

 「お風呂どうぞ」

 間違いなく若い女の子だ。

 いっそう妄想が・・・・・・。

 いろんな思いをはせながら、風呂をでて、いざご対面の食堂へ。

 どうやら、まだ来ていないようだ。

 自分と女の子の食事の支度を始めたところ、

 またスリッパの音が。よーし来たな。

 「こんにちは」後ろから声をかけられた。

 すこしニヤケそうな自分を押し殺し、振り返った。

 「こんにちは。って、なんでお前なの?」おもわず叫んだ。

 何がどうなればこうなるの?ちょっと錯乱。

 一時間ほど楽しんだ妄想が、急速に萎んでいく。

 そう。そこに立っていたのは、部活の後輩。

 なんで二人っきりなのに、この二人なの?

 人間とはおかしなもので、日ごろ毎日聞いている声も

 絶対にありえないと思っているんでまったく気づかない。

 後輩を相手に妄想していた自分が恥ずかしいのと、

 広い日本の四国の金比羅さん。実にピンポイントな場所に

 居合わせるこのタイミング。

 あー世の中狭いねー。って思った夏休みでした。


 
 



 


 

 

 


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