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【小さな町の小さな映画館】
座席に星をひとつずつ埋めてゆく、
そうすると、映画館の中に
大黒座が生まれる。。。
ドキュメンタリー、
「大黒座ベイ・ブルース」を観ました。 地方映画館の現状の厳しさはあるけれど
映画館の灯火は消さない、
館主と人々とそこに集う人々との交流を
時におかしく、時にせつなく、
それぞれの人生を映していました。
北海道、日高地方にある浦河町。
(人口、1万3千人)
その小さな港町に
大正7年に創業された北海道最古の
映画館「大黒座」があります。
大黒座は館主の三上さん、
奥様、そして93歳の三上さんの
お母さん、3人で切盛りしています。
人口は減るいっぽう、JRは運休。
町外からの客足は遠のくばかり。
集客がともなわない現実、
苦境は続いています。
「なぜ、やるの、もうかりもしないのに」
「僕は、それに、こたえられない。
ただ、大黒座は、僕がいるからじゃなくて、
みなさんがいるから成り立つんだと思う。
だから、関わるひとがいなくなったらやめるとき。。」
(館主 三上さん)
『映画を見ない人生よりも見る人生の方が豊かです』
父・政義さんに言葉がポラリスのようにロビーに飾られていました。
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大黒座は、以前、
函館出身の作家
佐藤泰志さんの原作
「きみの鳥はうたえる」を上映しました。
佐藤泰志さんはその大黒座を1度だけ訪れ、
地元の新聞に寄稿しています。
(以下、長文ですが、ご一読いただけたら幸いです。)
「この1月、僕は火急の用で、北海道の浦河まで行った。
三十五になる妹が、夫の転勤先で急死したからだ。
(中略)
その映画館は、本当に映画を上映しているのかどうかも
わからないほどのさびれ方であった。
妹の夫の話では、館主が映画好きで、頑張って
残しているのだ、という話であった。
妻は、「懐かしい映画館ね」といった。
うん、うん、と僕はうなずきながら、
妹がここで映画を見たとしたら、
それは彼女にとって、
かけがえのない喜びであったに違いない、と考えた。
たぶん東京などで見るよりもずっとである。」
大黒座で佐藤さんは妹さんがおそらく、
見ていたであろうスクリーンに
キラ星を見つけたのでしょうか。
思わず、涙がこぼれそうになりました。
佐藤泰志さんの著書、
「きみの鳥はうたえる」
「そこのみにて光輝く」
「海炭市叙情」
「黄金の服(オーバーフェンス)」
の四作が映画化されています。
見られた方もいらっしゃることでしょう。
芥川賞候補に5回もノミネートされながら
賞に恵まれず、41歳で自死。
彼は村上春樹と同年代でした。
*私ごとですが、
この2日間、腸炎で点滴を受けていました。
季節の変わり目ですのでどうぞ、皆様もご自愛ください。
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