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私のように、税理士という仕事をやっていると、申し訳ないことだが、ビジネスパーソンの収入がだいたいわかってしまう。業種、売上高、従業員数といった数字を把握できれば、その会社の社長や役員がどのくらいの報酬を得ているか、ほぼ正確に推測できてしまう。

 お財布自体の値段を的中させることができ、お財布の持ち主の年収を推定できるようになったとき、私はこのふたつの間に、恐るべき関連性があることに気づいたのである。

 お財布の値段×200=持ち主の年収。

 すなわち、その人の年収は、持っているお財布の値段のほぼ200倍なのである。私が幾多のお財布を見てきた経験から言って、ほぼ間違いなく200倍前後の範囲に収まる。年収1000万円の人なら5万円前後のお財布を使っており、年収の2000万円の人は、10万円前後のお財布を使っているものなのだ。

 この公式は、単に人様の年収をお財布の値段から推し量るためのツールではない。重要なのは、むしろ、この公式に当てはまらないお財布の所有者をどう判断するかにある。私の経験からはっきり言えるのは、以下の2点である。

 ・お財布の200倍が現在の年収よりも大きい人は、これからもっと稼ぐ。
・お財布の200倍が現在の年収よりも小さい人は、これから落ちていく。

 つまりお財布とは、自分の「稼ぐ力」に対するセルフイメージを反映しているものなのだ。たとえ現在の年収が300万円しかないにもかかわらず10万円のお財布を使っている人は、間違いなく年収2000万円の方向に進んでいく。なぜなら、「このお財布にふさわしい金額が入ってくるはずだ」と彼ははっきり予感しているのであり、お金はそうした確信を持った人のことが大好きなのだ。

 では、お金に好かれない人、お金が逃げていく人のお財布とはどのようなものなのか。代表的なダメ財布に即して、説明してみることにしよう。

 【A】ダダ漏れ財布

 稼ぎはあるが貯金がないビジネスパーソンに多いお財布である。

 まず目につくのが、カード類の多さ。また、外国製のお財布にありがちなことだが、札入れが深すぎてお札が何枚入っているか把握しにくい。このお財布から浮かび上がってくるのは、お金にコントロールされている人間の姿である。

 お金は人生のパートナーだが、主従関係は明確にしておかなくてはならない。お金に支配されている人のお財布からは、お金が無際限に漏れていくだけだ。

 【B】不安財布

 駆け出しの自営業者やフリーランスに多く見られるお財布。お財布はお金のホテルであると私は考えているが、このお財布には絆創膏、胃薬、名刺、忘備のための付箋など、お金以外のものがたくさん入っており、バッグ化している。

 こうして、お財布にさまざまな「備品」を入れたがることは、持ち主が生存の不安を抱えていることの表れだ。生きることが不安な人、自信のない人のところに、お金が集まってくることはない。

 【C】遊び人財布

 ステッチがお洒落な、趣味的なお財布である。汚れがむしろ味わいになっていて、それはそれで悪くない。

 しかし、大きな破れが放置されていたり、中に宝くじが入れてあるのはいただけない。破れの放置は、お金の扱いがぞんざいであることの表れだ。また、宝くじは還元率が最も低い賭け事であり(宝くじ45%、競馬75%)、稼ぐ人は100%買わない。このお財布の持ち主は、センスはいいが人生観が遊び人的であり、決してお金に好かれる人ではないはずだ。

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